「と、いうわけでカイト兄さんが入院、メイコ姉さんは付き添いで家にいません。ご飯もない」  
「え〜」  
「マジかよ〜」  
「で、あんたら居ても邪魔。マスター帰ってくるまでに証拠湮滅しとく。樋口さんを1人渡すから、二人でご飯食べといで」  
「おお、一葉姐さん」  
「ねぇミク姉、稲造って何した人だったっけ」  
「あたし知ってる、東亞重工の」  
「ちょっ、それ庚造一。造しかあってねぇ」  
「…はよ行け」  
リンレンを追い出し、まずはリンの部屋の掃除にとりかかった。  
「うっわぁ…」  
何プレイ?この有様。  
酒が飛び散り、瓶の破片が部屋中に拡散し、大量の血痕が残っていた。火サスでも有り得ない凄惨さ。  
これだけ破片が飛ぶのは相当力いっぱいぶつけた証拠だ。  
R.I.P.KAITO。ご冥福をお祈りします。  
(まず破片集めるか…)  
メイコ姉さんがこんだけキレるのも珍しいな。  
あのアホ(カイト)何したんだ。  
ひととおり片付けたところでふと気がつく。あしたゴミの日じゃん。  
(ゴミ集めとくかね)  
ゴミ袋を用意し、1人ひとりの部屋のゴミを回収することにした。  
まずリンの部屋。  
バサッ。(ゴミをゴミ袋に移す音)  
(うわぁ…)  
ファンレター全部開けずに捨てとるがな。なんという鬼畜。ま、リンらしいやね。  
次、レンの部屋。  
バサッ。  
(…クサッ!)  
イカ臭いティシューがてんこもり。  
いやーん、オカズは何・か・し・ら?  
オカズを置かずに何を置くといったふうな怪しげなところをまさぐってみる…ゴソゴソ…おっ、写真の束が出てきました、よ…げ。  
…。  
り、リンの写真ばっか…?  
つーか、写真のほかに女の子っぽい下着が…これリンが探してた奴じゃ…。  
……うん、見なかったことにしよう。  
我が家のアンタッチャボー第一号に認定!よっ!アベール王子!  
…ふぅ、とりみだしてしまった。  
 
次、メイコ姉の部屋。  
バサッ。  
(ちょっw使用済みコンド【放送禁止】がwww)  
一個や2個じゃねぇ、山盛だよ森山直太朗(?)だよ。何プレイ?(回数的な意味で)  
だ、誰と?てか誰の?  
…あのアホしかいないか。  
姉さん絶対趣味おかしいよ…私ならヒバゴンとカイトしか♂がいなくなってもヒバゴン選ぶわ。  
というかヒバゴンとカイトをカニバることで最後まで生き残る。自立した女性って憬れるもの。違うか。  
さて、最後はアホの部屋。  
…ん?  
ああ、そうだった。  
リンとレンの部屋作ったからアホの部屋なくなったんだった。  
どおりでメイコ姉とケンカした時いっつもソファーで寝てたわけだ。  
「これで片付いた、かな?」  
いや、自分の部屋とマスターの部屋がまだだった。  
自分の部屋。  
バサッ。  
…ネギの根っこのみって。我ながらアバンギャルド過ぎる。  
さあトリを飾るのはマスターの部屋。  
バサッ。  
………。  
「ただいま〜。誰もいないのか?」  
「こっちですマスター」  
「あれ、なんで俺の部屋にいるの…はわわ」  
私はゴミ箱に突っ込まれていた初音ミクのパッケージを黄門様の印籠よろしく掲げて仁王立ちしていた。  
「なぁんでこれ捨ててんですか?」  
「えっと…コーヒーこぼしてしまって」  
たしかに表紙が染みになっている。  
「それでも、パッケージドとかさぁ、みっくみく聞くときにはこれ必要だと思いません?」  
「…ディ、ディスクさえ保管しとけばいいかなぁなんて、ははは」  
「おしおきが必要ですね」  
「え」  
「第一回!チキチキ《時間無制限誰か帰って来るまで耐久亀頭責めの刑》〜!、です」  
「ちょ、や、待って待って!」  
逃げようとするマスターをキャッチ、&リリースしねぇ。ボーカロイドなめんな。  
「知ってます?こう、手のひらでクルクルくるくる…続け過ぎると気絶するらしいですよぉ」  
「ひいいい!やめて、何プレイ?!あっ…イ"エアアアアアアアぁあrrr」  
次の日リンレンが朝に帰って来るまで、男の野太い悲鳴が木霊したそうな。  
そう朝帰り。次回SSフラグである。  
 

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