VOCALOID2、NO03、「巡音ルカ」が我が家に来て、もう半年になる。  
最初は興味半分に買ったも同然だったし、音楽に関する知識も皆無に等しかった。  
別に作曲できないなら出来ないでいいや、と当初は思っていたものだが、  
やはり美女は人を鼓舞させる力を先天的に持っているらしく、何故か俺は受験勉強も真っ青な勤勉っぷりを発揮し、  
何時の間にやら熱心な聞き手から中堅Pへとクラスチェンジしていた。  
いつもクールなルカも歌っているときは本当に楽しそうで、  
歌を歌うためだけに作られたロボットといっても、人と変わらない感情があるんだなぁ、と科学の進歩に感動したものだ。  
そして、俺はそのルカに素直に好感がある。  
だからこそルカが第一になってしまい、家で過ごす時間の大半は作曲という、半廃人生活を送っているわけだが・・・  
ところで話は変わるが、俺は今、オナニーをしている。  
男としての生理現象は一人だろうがなかろうが、関係ないのだ。悲しいことにな。  
ちなみにブサメン・ニコ厨・ねらー、と三拍子揃った俺には普通の女が付け入る隙など存在せず、  
キモヲタ街道まっしぐらの絶賛童貞中である。完璧だな。しねばいいのに。  
・・・ああ、済まない。どうやら賢者タイムに入ってしまったらしい。  
傍らの、生々しいかほりを発するティッシュを放置し、しばし無気力に、ただ余韻に浸る。  
ディスプレイに映し出された動画には喘ぐ女性。なんというか、だるすぎて消す気力すら無い。  
あーあ、俺は何でこんなことしてるんd  
 
「マスター、今回の新曲なのですが・・・」  
突然だった。ガチャリと音が響き、ドアが開いたのだ。  
放心状態の俺が咄嗟に反応できるはずもなく、色々とモロに見られてしまった。  
「!!」  
声にならない叫びと共にドアが閉まる。正に一瞬、刹那としか喩えようのない速度で。  
不味い、かなり不味い。頭の中がぐるぐる回るような錯覚と共に思考が全力で回転する。  
嗚呼どうしよう、明日から唯一の心の拠り所、心の清涼剤であるルカにさえ、一歩、いや、数十歩引いた目で見られるのだろうか。  
特有のネガティヴ思考と標準装備である速射型多連装後悔が炸裂するが、  
それは悔やむだけであり、この不幸な事故を無かったことにする力にはならなかった。  
そんな時、またドアが開く。畜生なんなんだ。もう放っておいてくれ。  
「あ、あああ、あの!」  
ルカが顔を真っ赤にして、噛みながら小さな声で呟いている。  
やっぱり可愛いのう、じゃねえよ。まだパンツ履いてねーっつのに。丸出しの萎えたブツがまた痛々しい。  
全身からキョドリを見せつける俺から目線を逸らさずに、ルカはおもむろに服を脱ぎ始めた。  
なんだこの超展開は。いつから俺はキングクリムゾンが使えるようになったんだ。  
そして、ちょwwなにしてんのwwwwと口に出そうとした瞬間にルカが言った言葉は、完璧極まりないほどに俺の耳がキャッチしていた。  
「で、できれば、そんな見ず知らずの女性ではなく、あの、わ、私で満足してくださいませんか?」  
抜いたばかりの俺のマグナムが、再度膨張したのが感覚的に分かった。  
 
「ふえっ?」  
俺が素っ頓狂な声をあげてしまうのも仕方ないと言えるだろう。  
だってそうだろ?あのルカが自分から服を脱いで全裸になって…あろうことか、「私で満足して」だぞ?  
「すいません、やはりご迷惑でしたか」  
フリーズ状態の俺を拒絶の態度と受け取ったのか、ルカは寂しそうに眼を伏せ、俯いてしまった。  
馬鹿な。迷惑なんて言うやつがいたら見てみたい。むしろ一発、いや、一発じゃ足りないな。とにかく殴る。  
そして、どうやら俺の中でなにかが吹っ切れたらしい。  
「そんな事は無いッ!むしろ大歓迎だ!」  
先ほどのキョドリの片鱗すら見せない真顔で堂々と宣告する。  
だが、一糸纏わぬ下半身を晒しながら全力で叫ぶ俺はどうみても変態です。本当にありがとうございました。  
まあ、この時は恥じらいなど意識の外に吹き飛ばされていたのだが。  
「しかし先程…」  
「余りにもルカが可愛過ぎて脳がショートしてしまったんだ、だがもう大丈夫!さあcome on!」  
うはwwww俺きめぇwwwwちなみにこのcome onの発音は英会話教師が満点を付ける出来だったと自負している。  
「本当ですか…?あの、嬉しいです。で、では、失礼します」  
クーデレだ。間違いない。流石はバイリンガルでグローバルなルカらしく。俺のcome onの意味を当然のように理解し、  
数十秒前とはうって変わって顔を明るくして近づいて来てくれた。  
「そこにお座りください。奉仕させていただきます」  
でもやっぱ口調は事務的なままのようだ。でも相変わらず顔が赤いところが萌えポイント。これテスト出るぞ。  
言われるがままに椅子に座ると、ルカのダイナミックでビューティフル、かつエレガントさも持ち合わせるダブルマウンテン。  
つまりは「おっぱい」が俺のブツを優しく包み込んだ。  
 
(ぅぉぉぉ、ゃべぇぇ!)  
なんてこった!クリプトンめ!ルカの巨乳設定はこういうことに使わせる為だったのか!けしからん、もっとやれ。  
その双丘はゴムボールのような良い弾力を持ちながらも、驚きの柔軟さを併せ持った絶妙な神おっぱいだった。  
万年童貞で並おっぱいの感触も知らない俺でも分かるほどの神っぷりは、「製作者は病気」と表現せざるを得ない。  
そして上目遣いで俺のイチモツを包み込むルカの美技と言ったらもう…まずい、もう出そうだ。  
俺の名誉を守るために言っておくが、俺は決して早漏じゃないぞ。この神おっぱいに挟まれれば、通常の三倍速でイクのが普通だと分かるはず。  
だが、俺は耐える。頑張って耐える。どうやら俺は変なところでプライドがあるらしい。  
「気持ち…いいですか?」  
「ああ、かなり…つーか、こんなテクニックどこで…」  
「マスターの…ベッドの下の書物で…」  
おいおいおい、それはベッドの下のエロ雑誌の事を言っているのか?  
やはり隠し場所がありきたり過ぎたか?それとも、楽譜は部屋にあるから、留守中に勝手に見ておいてくれ的指示が悪いのか?  
…どちらにせよ、改善の必要がありそうだ。そんなことを考えていたせいで、我慢が解除されてしまった。  
体の底から湧きあがる津波が堤防を破壊し…つまり、発射した。自分でも信じられない量だ。まるでエロゲ。  
「これが『イク』という現象ですね?マスターのお役に立ちたくて書物を読み漁り、インターネットを活用して調査した甲斐があります」  
ルカが顔に付いた俺の大量の精液を丁寧に舐め取る。エロい。つーか俺が大学やらバイトやら行ってる間にそんなこと調べてたのか。  
…だが、悪くないぞ。動機が俺の役に立ちたいから?最高じゃないか。  
一人の女(VOCALOIDに性別をry)にここまで想われるとは、男名利に尽きるというヤツだ。今だけは自分がキモヲタだという事を忘れていいよな?  
「しかし、男性は射精が終了した時点で性器が委縮するものと聞きましたが」  
ルカが疑問に思うのも当然だ。むしろ俺も疑問視してる。何故ならば、俺のナニは二回の射撃を終えて尚、強度を保ち続けていたからだ。  
むしろさっきよりも堅く強い感じになっている。今の股間は阿修羅すら凌駕する存在だ!  
と自信を持って叫べる状態、と言えば皆さんも分かってくれるだろう。  
「マスター…マスターは、自分の時間を浪費してでも私に歌わせようと曲を作ってくださいます」  
突然のシリアスムード。少しだけ返答に間が開く。  
「…え?いや、まぁ確かにそうだけど…」  
と、俺が返事した直後、白く美しい、俺がマゾだったら踏まれたいと思うだろう美脚がゆっくりと開いて…これは…まさか!  
「だ、だから、私もマスターのお役に立ちたいんです…どうぞ、ここをお使い下さい」  
ルカが…!ルカが…!足をM字に開いて…!この展開は間違いない…筆おろし…ッ!!  
 
いや、待て落ち着け冷静になれ。深呼吸をしろ。よし、落ち着け、落ち着け…よく考えろ。  
確かにこれは童貞を卒業するまたとないチャンスであり、ルカが良い女(VOCALOIDにry)だって事も分かってる。  
だが、しかしだ。記念すべき初体験がVOCALOID?皆さんも分かっているとは思うが、VOCALOIDはダッチワイフじゃなくてだな、  
あくまでも歌を歌わせる為に作られた自律型歌唱システムであってだな…  
だが、理性で俺は止まることはできなかった。いや、多少語弊があるな。これは頑固な理性も黙るような状況だったんだ。  
今、俺の前にはルカがいて、俺はルカが好きで、そのルカは俺に処女(あるのか?)を捧げようとしている。  
何を迷うことがある?というより今まで俺は何に迷っていたんだ?  
また何かが吹っ切れた。今日は随分吹っ切れ易い日だと頭の片隅で考えつつも、俺はルカの割れ目に手を伸ばす。  
割れ目の入り口を這う俺の指に刺激され、ルカが小さく声を上げる。  
ルカのそこはじっとりと湿っていて、童貞知識なりに入れて大丈夫なんだろうな、と確信していた。  
「マスター、私の『はじめて』、あなたに捧げます」  
「…ありがとう、ルカ。俺の『はじめて』も受け取ってくれ」  
俺のモノはオーバーヒートしたかのように熱く、堅く、太く、長く…つまりは大変なことになっていた。  
俺はゆっくりと、髪と同じ桃色の茂みに彩られたルカの膣に陰茎を滑り込ませる。  
濡れたそこはあっさりと俺の侵入を許し、そして意外なことに機械的な感触は一切しなかった。  
それどころか、なにか神の意向を感じさせるフィット感すらある。どこまで作り込まれてるんだ?これじゃまるっきり三次元オワタ状態じゃないか。  
「んぅっ…は、入りましたね」  
「ああ、今から動かすよ。痛かったら言ってくれ」  
血(あるのか?)が出てないということは、処女膜はないのだろう。いや、俺も数秒前まで童貞だったから正直よく分からんけどさ。  
俺の童貞歴はここで幕を閉じ、今俺は一人の「女」を抱いている。  
人間とか、VOCALOIDとか、そういう垣根も分類も無しに、ただ繋がっている事だけがこの場における真理だった。  
そして俺は腰を動かした。初めはゆっくり、だんだん早く、液で滑りやすくなった膣壁を擦る。  
 
「ま、すたぁ、あっ!」  
俺には分からない。痛がってるのか、気持ち良いのか。自分の経験の無さがもどかしかった。  
ルカを傷付けてしまうのが怖くて、腰の動きを緩めようとする。その途端にルカが途切れ途切れに小さく呟いた。  
「止まらないで、ください。マスターの…ぜんぶ、わたし、壊れてでも、受け止めますから」  
ああ、もう畜生。さっきからお前はどこまでタイミング良いんだよ。そんな事言われたら、俺は…  
速度が段々と上昇していき、肉と肉がぶつかり合う音と卑猥な水音が俺の小さな自室に響く。  
「ルカ…ルカっ…!」  
「ますたぁ…大好きです…マスター…!」  
やっべえ、さり気無く愛の告白されちゃったよ。  
本能のままに腰を動かす俺も、声をあげてそれを受け入れるルカも、ただただ互いを求めあっていた。  
やがて、俺のモノが脈打った。本日三度目の射精の感覚だ。  
「ルカ…出す、ぞ!」  
「は、はいぃ…来て、下さい…あっ、んああああっ!」  
俺は自らのキンタマに残る全ての精を、ファイナルアタックが如くルカの中に出して果てた。  
多分、ルカも俺とほぼ同時にイッたんだと思う。凶悪なまでに勃起していたはずの俺のイチモツも完全に萎え、真っ白に燃え尽きていた。  
もしかしたら、俺も燃え尽きていたのかもしれない。そこで記憶は途切れ、気付けば次の日の朝になっていた。  
…この一件以降、俺は作曲作業に更に勤しむようになった。そう、大学やバイトを休んででも。  
まことVOCALOIDとは罪な存在である。  
 
 

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