『miki好きの憂鬱 その後』  
 
血まみれで、帰ってきた俺を見て、mikiは、驚いた様子だった。  
 
「ど!、どうなさったんですの?」  
 
男が殴り合いになった理由など、女に理解できるはずもない。  
俺は、mikiを無視して、ベッドに横たわった。  
それでも心配そうに近づいてくるmikiを、俺はにらみつけた。  
 
「何か用か!あっちへ行ってろ!」  
 
頭の上のピョンと跳ねたいつもの髪の毛が、まるで犬の尻尾のようにうなだれて感情を表している。  
くたっと垂れているが、俺を満足させられないことで、負い目を感じているのだろうか?  
それとも、けんかで負けた俺を憐れんでいるのか…。  
 
「おいっ!あっちへ行けってんだろ!」  
「いやですっ!」  
「なんだと!貴様、主人の命令に逆らうのかよ…」  
 
歌うために生まれてきたはずのVOCALOID。  
そいつにセクサロイドの夢を抱いた愚かな俺は、明らかに、やつあたりをしていた。  
しかし、俺がmikiに抱く感情は、すでに人間と楽器の境界線を軽く飛び越えて恋愛感情になっているのだ。  
やつあたりだって、愛情の一つだ。  
 
「マスター…御命令に逆らってはおりません。  
いいえ、これは、マスターが望まれていることだと確信します…。」  
 
mikiは、舌なめずりをし、ピンクの唇を湿らせながら、俺に顔を寄せてきた。  
 
「はぁ?お前何言ってんだ…」  
「マスター…愛してます…穴なんかなくたって、マスターを愛して見せます…」  
 
mikiが何を言ってるのか、俺は理解できずにいたが、本能的に、俺の躰はmikiの躰に収まるべき凹を求めていた。  
俺の凸は、mikiの荒々しい息づかいによる音響効果で、反応していった。  
mikiは、硬く長く成長していく俺の分身が隠れているジーンズのチャックを下ろし、パンツを剥いて、手に取った。  
 
「やめろ!miki!お前に何ができるんだよ!」  
「…できます…マスター。」  
 
ひんやり冷たいmikiの手が、熱くなった俺の凸をぎゅっと強く握りしめる。  
同時に、唱うために造られたmikiの音響デバイス、もう一つの凹が、俺の凸に接続された。  
 
「おわっ!miki!」  
 
mikiは、ベッドの上の俺の躰に跨り、69演奏を始めた。それは、歌詞のない歌だった。  
 
「miki!お前!どこで、そんなこと覚えたんだよ!  
お前の音響デバイスは、そんなことに使うためのものじゃないだろ!やめろっ!」  
 
mikiの音響デバイスは、俺の凸を完全に飲み込み、タンギングで尿道口を16分音符の連打で歌唱する。  
ノーブレスで歌い続けるmikiの熱唱に、俺の凸は、mikiの凹との接続をさらに完全なものにしようとリズムを打ち始める。  
 
「miki、ごめん、俺が悪かった…」  
 
俺は、あっという間に降参した。  
mikiの穴のない股間が俺の顔面上空で、しっとりと濡れて、芳香を漂わせている。  
穴はなくとも、mikiの雌としての魅力が俺を襲う。  
股間の凸リズムは、さらに高まり、mikiとのコラボレーションが完成に近づいていた。  
mikiの音響デバイスは、クリプトン製の初音ミクのモノとは比べものにならない。  
後発に開発された、その新技術は、明らかにミクの技術をフィードバックされたモノだ。  
この快感を感じている俺は、ミクの快感で満足しているあいつよりも上のはず!  
 
「miki、そのまま歌い続けるんだ!演奏の終了まで、止めるんじゃないぞ!」  
 
声を出せないmikiが、音響デバイスの速度を速めることで、俺に答える。  
 
「いいぞ、miki。その調子だ。  
とてもいい!いくぞ!お前の中に、俺のを注ぐからな!」  
 
俺は、両手で、mikiの頭部を抱え込み、まるでドッジボールでも持つかのように股間で弾ませた。  
 
”mikiは、ちゃんと飲めるだろうか?”  
 
そんな疑問が頭をよぎる。  
すると、mikiの両手が俺の両太股を抱え込み、まるで竹馬でも持つかのように俺の股間を抱き寄せる。  
射精が近いことをちゃんと判断しているのだ!  
 
「miki、飲んでくれるのかい?」  
 
声を出せないmikiが、音響デバイスのリップから空気を吐き出し、俺のリードを震わせた。  
唾液とカウパー液でびしょ濡れになった糸状の粘液も一緒に吹き出て、  
mikiの音響デバイスの響きをさらに妖艶なモノにしていた。  
 
「miki、最高だよ…お前と出会えたことを…神に感謝しよう。  
俺が、一瞬でもお前の愛を疑ってしまったことを許してくれ…」  
 
そして、俺は、全身を震わせ、mikiの音響デバイスに魂を注ぎ込んだ。  
mikiの音響デバイスは、1滴も零さずに歌い続ける。  
濃く、粘りがある、大量の粘液は、mikiの躰の中に飲み込まれていく。  
 
ごくっ、ごくっ。ごくっ、ごくっ。ごくっ、ごくっ…  
 
歌い終わった後の残響音が、俺の部屋中に響き渡ったような気がした。  
 
「プファッ。」  
 
mikiは、ノーブレスで、ただの一度も俺との接続を断つことなく唱い終えた。  
 
「マスター…。mikiは、いらない子でしょうか?もし、そうなら…」  
「miki!!!!」  
 
俺は、mikiの音響デバイスを自らの音声デバイスで封じた。  
かすかに、俺の分身の匂いと味がしないでもなかったが、それ以上に、  
mikiの女の匂いと味のせいで、俺は、男になれた。  
 
「miki、これからは、俺のために唱ってくれ!昼も夜も、俺のためだけに!」  
「はいっ、マスター!!」  
 
mikiの頭の上のピョンと跳ねた髪の毛が、  
まるで犬の尻尾のように左右にピコピコとばたついて、幸せな感情を俺に伝えていた。  
 
一足遅れのサンタさんがくれたのは、素敵な素敵な夢であった。  
俺はベッドの上で目を覚ます。  
隣りにはmiki。  
彼女の小作りな手指が俺の腕に絡んでいる。  
視線を彼女の身体に這わせる。  
シーツが絡んで、彼女の機械めいた関節を覆って居る。  
視線は肩から鎖骨を辿り、俺に寄り添って寝息を立てる、幼い歌姫の顔に辿り着いた。  
こうして見ると、何とも言えずロリだ。幼女だ。  
半開きの唇が無防備な色気を感じさせる。  
この唇が、俺を、俺の凸撃隣りの晩御飯を含んでいたのか。  
俺は昨晩の情事に思いを馳せる。  
馳せ過ぎてそれだけでイキそうになったが、そこであることに気がつく。  
おっきした凸部がヒヤリとした布に行き当たったのだ。  
パンツ穿いてない、ならぬ、パンツ穿いて“る”?  
果たして俺は情時の後にパンツを改めて穿くほどの余裕があったろうか。  
てかなんでパンツひんやりしてるん?  
ムセイですか?織田ノブナリ?そいつぁチャップリンつまりトーキー(無声映画)です。  
夢精でした。  
 
「うおぉぉい!夢落ちっ!この期に及んでの夢オチっ!○ねっ!この部分作成した奴○ねっ!  
かんぷ無きまでに○ねっ!」  
「んう、おはやう、ますたぁ。ん……なんか生臭いね。なんの臭い?」  
「うわぁ!見ないでくれ!と言うか嗅がないでくれ!これこそが男の子の人生に於いてこ  
の上なき恥辱の香り!『仕方ないよ。男の子なんだから』とかいう慰めは屈辱の上塗りだっ!」  
「あ……ご、ごめんなさいマスター!えっと、その、仕方ないですよ!ね……?」  
「うわあああん!」  
「ま、マスター!そっちは窓……!」  
 
がしゃーん  
 
サンタさんがくれたのは素敵な素敵な夢オチであった。  
終わり  
 

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