そろそろ下降線のボカロ人気の中、レンとリンがバレンタインを迎えた。
「つーかさぁ、バレンタインとホワイトデイってめんどくさくねぇ?」
「んあ?そうかなぁ、わたし、プレゼント交換とか好きだなー。なんかワクワクしない?」
「だって野郎が貰うのはチョコって決まってんだぜ。ワクワクのし甲斐がねぇよ。
どっかのプランテーションで黒人が虐げられて採取されたクサレ苦ぇ豆の削りカス煮詰めた砂糖菓子だぜ?
んなもんもらってもテンションサゲサゲじゃね」
「ぷらんていしょん、てなに?」
「……ほんとお前、脳たリンだな」
「むー、ひどいよレンー」
頬を膨らませるリン。
「じゃあさー、レン、なにがほしい?チョコいがいで」
「かね」
リンは天井を見つめしばし考えた後、自分のお財布を覗いた。
マスターに貰った今日の昼食代千円しかなかった。
リンは少食なので、千円を食事代に貰うと500円くらい毎回余らせるが、
そのあまり500円はレンにくすねられるので、リンの財布は常にすっからかんなのだった。
「うーん、レン、ごめんね。わたし、おかね無いや」
「じゃあバレンタインは無しだな。ホワイトデーも」
「えー、それじゃつまんない」
「しゃあねぇだろ、金ねーんだから」
唇を尖らせて不服を隠さず表情にし、リンはまだ食い下がった。
「じゃあ、二人でお互いに、お金のかからないことしようよ」
「なんだよ、金のかからないことって」
「ええと、それは、うんとぉ……」
→1SEX
2秘密の交換
3思い付かないしカイトのお財布ガメちゃおう