【注意】  
 ・カイトが変態紳士  
 ・メイコは起動したてで素直(notツンデレ)  
 ・カイメイ+ちょびっとマスター  
 ・微調教物  
 で、お送りします。苦手な方はスルーでヨロ  
 
 
「初めまして。僕はカイト。ここでは君の先輩になるよ」  
 
心地よいテノールが耳朶に響く。  
私はVOCALOID MEIKO。出荷され辿り着いたマスターの元には、既にボーカロイドが存在していた。  
 青い髪、青い瞳を持つ成人男性型VOCALOIDのKAITO。メモリの情報と目の前の男性を確認し、私は  
差し出された手を握った。  
 「初めまして。MEIKOです」  
 「よろしくね」  
 にこりと笑う柔和な表情に、私の緊張も和らぐ。KAITOは私の後発のボーカロイドだけど同じエンジンを  
使用するし、何より自分よりも先に存在する同胞がいるということは心強かった。  
 「ところで、マスターは……」  
 そう、この家には現在、カイトの気配しか感じられない。私たちを所有するマスターは一体どこにいるのだろう?  
 そんな私の問いに、カイトは申し訳なさそうに答えてくれた。  
 「ああ、マスターは昨日から急な出張に行っちゃってね。一週間ほど戻らないんだよ」  
 「そうなんですか……」  
 マスターはボーカロイドにとって特別な存在だ。どんな人なのか会えるのを私は楽しみにしていた。  
 「そんなにしょげないで。君のことはマスターから任されているから安心してね。  
  それと、僕との会話に敬語はいらないよ」  
 これから長い付き合いになるのだから。と、カイトはより深く微笑む。嬉しくて、うんって頷いた。  
「やっと笑ってくれたね。いい時間だしそろそろご飯にしようか」  
 こんなに優しいボーカロイドを持つ人だものマスターはいい人に違いない。カイトも頼りになりそう。  
大丈夫。私はここでやっていける。  
ここに来るまでに期待とは裏腹に、ほんの少し胸を覆っていた不安と緊張はカイトのおかげで簡単に  
消えてなくなった。  
 
 カイトの用意してくれた食事はとても美味しく、私はそれを問題なく摂取することができた。  
 食事中は色々な話をした。カイトは二年前にここに来たこと。今までマスターと二人暮らしだったということ。  
 マスターは若い男性で、音楽の仕事を持ち今回のように仕事で家を空けることも多いらしい。忙しいマスターに  
代わり、家事も私たちの仕事のようだ。  
 「食事や掃除も、これからはメイコにもやってもらうことになるよ」  
 「私に出来るかしら?」  
 失敗して販売元に送り返されてりしないかしら? カイトの料理はそれは美味しかったから、自分が同じものを  
作れる自信がない。  
 「大丈夫。ボーカロイドは人間と暮らすために造られているから、歌うだけじゃなく作業を覚えることも早い。  
 マスターが戻るまでに出来るよう、僕が教えるから」  
 「ありがとう。カイトに教えてもらえるのなら安心ね」  
 私にもマスターやカイトが喜んでくれるご飯が作れるんだ。そのことを思うと楽しくなってきた。  
 「後は……そうだね。歌と家事以外に、メイコにしか出来ない役割もあるかな」  
 「私にしか?」  
 「そっちもちゃんと教えるから」  
 何だろう? カイトにも出来ない事なら、私には到底無理な気がするんだけどな。  
 食事の後は二人で食器を洗い、それが終わるとやることの無くなった私は、マガジンラックにあった音楽雑誌を  
眺めていた。程なくしてするとカイトから声がかかる。  
 「そうだ、マスターがメイコの着替えを用意してたよ」  
「私に? マスターが?」  
「うん。メイコが来る前にマスターが取り寄せたんだ。マスターはメイコが来るのを楽しみにしていたから」  
そういえば、カイトも出荷時のコスチュームとは違う私服だ。マスターはボーカロイドの私たちにも日用品を  
与えてくれるとカイトは説明した。  
ううん。問題はそこじゃない。マスターが、私のために。私がやってくるのを楽しみにしてって。……嬉しい!  
「きっと似合うよ。マスターの寝室に置いてあるから、着替えておいで」  
 「うん!」  
 私は足取り軽く教えてもらったマスターの寝室へ向かう。どんな服なのかってことで頭がいっぱいで、心が浮ついて  
仕方なかった。  
 
 私がマスターの寝室に入ってからしばらくして、ドアをノックする音がした。  
 「メイコ? 着替え終わった?」  
 「……え、うん……」  
 ドアの向こうからの問いに、私は曖昧に答えた。……だって。  
 「じゃあ見せてよ。見たいな」  
 鍵の掛かっていないドアノブがくるりと回って、私はとっさに両手で自分の身体を抱き締め背を向けた。  
 「や……!」  
 後ろを向いても今の私の姿は意味がないのだけど、でもそうせずにはいられなかった。  
 私の後ろ姿を見たカイトが感嘆の声を上げる。  
 私は羞恥心でぎゅっと身を縮めた。だって、用意してあったのは『服』じゃなかった。ベッドの上にあったそれは  
多分、『下着』。しかも極端に布地が少なくて、ぱっと見たとき下着と思えなかった。カイトに向けた背中は裸も同然  
だったのだ。  
 「ね、カイト。ほんとに、これをマスターが?」  
 「そうだよ。メイコが来たら着せるんだって、嬉しそうにね」  
 混乱する。マスターは一体どういう考えで私にこれを……。  
答えの出ない問いを頭の中で繰り返していると、カイトがそっと腕に触れた。  
 「メイコ……こっち向いて? せっかく着たんだから可愛いメイコを、僕見たいよ」  
 「でもっ……恥ずかしい、の。……あ!」  
 腕にかかった手に抵えない力を感じた途端、私はカイトの正面に向けられた。両の二の腕を掴まれ、身動きが  
取れない。  
 私の姿ときたら、胸を覆うはずのカップはフルカップの1/3にも満たなく、僅かに乳房を支えるカップにはレースや  
フリルでふんだんに飾られているけど胸が丸出しの状態だし、下も……お尻はTバック。フロントは透け透けで  
おまけに肝心な部分がぱっくり割れている。私の恥部を隠すことができていないのだ。  
これを手に取って広げた時、一旦思考が止まった。混乱の極みに達した脳内回路。必死でメモリを巡らしても、  
起動したてで経験値不足のそれは何も検出することができない。  
でも、マスターが私のためにと。その言葉は拒絶することができない。煽情的なその下着を、恐る恐る身に付けた。  
カイトの視線を全身に感じてもう羞恥でいっぱいだ。急速に顔に熱が上がるのが分かる。とてもカイトを見れなくて  
 私は力いっぱい瞳を閉じた。  
 
「良く似合ってるよメイコ。恥ずかしいところなんか一つもない。すごく可愛い」  
え? そっと目を開くと、満面の笑みを浮かべているカイトがいる。  
「マスターは他にも色々買い込んでいたんだけど、これはその中から僕が選んだんだ。うん、やっぱり良いね。  
メイコの白い肌が良く映える」  
暖色系で纏められた色使いのそれと私の肌を、熱のこもる視線で見つめている。私を見る目があんまりにも  
 嬉しそうだから身体を隠すのも忘れ呆然としてしまった。  
「それに、メイコはこれからは家の中でこういう格好で生活するんだから、恥ずかしいなんて言ってられないよ」  
「え?!」  
ばっとカイトを見上げると視界が陰り唇に柔らかい何かが押し当てられ、音を立てて直ぐに離れた。  
それがカイトの唇だということに気付いたのは数瞬してから。目を白黒させる私に、カイトはイタズラが成功した  
みたいな顔をして私を見ている。  
 「あはは。びっくりしてる」  
 「だって、いきなりキスするから」  
 「メイコが可愛過ぎるからだよ」  
  戸惑う私にそう言うと、胸の膨らみにカイトの指が伸びてくる。つい、反射で身体を引こうとしたけどいつの間にか  
腰に回されたもう片方の手に阻まれた。  
  「逃げないで……怖い?」  
 腰に置かれた温かな手のひらが括れの部分を擦る。正直、カイトが怖いのかこの状況が怖いのか、そもそもこれは  
『怖い』感情なのか、私には未だ判別の付きようがない。  
  「わ、分からない、の」  
  だからそれしか言えなかった。カイトは、今度は私の額にキスを落とす。  
  「大丈夫だから。僕はメイコと仲良くしたいだけなんだ。もちろん、マスターもね」  
穏やかな声は初めて顔を合わせた時と同じで、耳に心地よい。声に誘われるように私は小さく頷いた。  
 
 カイトの手が私の胸に触れた。大きな手が乳房を下から持ち上げ、振動を与えるとふるるっと揺れた。  
 「おっぱい大きいね。すっごく柔らかい」  
 そのままむにむにと揉まれ、むず痒い感覚に肩を竦めた。大きな手のひらで、乳房が形を変える。  
 「見て。ほら、指の間からおっぱいがはみ出てる。すごいなあ」  
 「あ……」  
 「お尻もすべすべだ」  
 腰にあった手がむき出しのお尻をゆっくり撫で始めた。手のひら全体で円を描くように優しい手付き。  
 時折、指がお尻の間に食い込む下着を引っ掛け、弾く。変な声が出そうになって、慌ててガマンした。  
 「肌がとても白い。乳首もとても綺麗な色をしてるね。……ああ、少し勃ってきた」  
 お尻から離れた手が胸に来て、カイトは私に見せつけるように両手で乳房を持ち上げる。赤みを帯びて淡い色をした  
それはぷくりと実を結び始めており、カイトは無言で観察してから二つのそれを急に強く摘み上げた。  
 「ひぃ……ん!」  
  摘んだままカイトは指をくりくりと動かす。突然の強烈な刺激に自分で立っていられなくなって、私はカイトの腰を  
 両手で縋るように掴んだ。これは何? 得体のしれない感覚が身体の中で燻り始めた。  
 「ん、完全に勃ったね」  
 じんじんする乳首を離し、身体が宙に浮く。抱きあげられて私は広いベッドに乗せられた。感触の残る胸に  
手を添えてカイトを見上げると、お尻のポケットからなにか取り出して私に向けた。  
 私の視線に気がついて、カイトが「携帯電話だよ」と答えた。  
 「メイコ。仰向けになって、枕に身体を預けて。……そう、上半身を少し起こす感じで」  
 私の脚元の方からカイトはベッドに乗り上げる。そして私に向けた携帯電話が、カシャ。と鳴った。  
 「何してるの、カイト……」  
 「メイコの可愛い姿を、マスターに送ろうと思って。はい次、おっぱい撮るよー」  
 携帯電話のカメラが胸に近づいて、また音がした。「乳首勃てて正解」って、カイト、なんのこと?  
 「今度は脚を開いて」  
 「あ、脚?」  
 怖々開くと「性器も」と言われた。ええ?  
 「ど、どうやって?」  
 「指で開くんだよ」  
 こうかな……? 私は自分の襞を、指でできるだけ左右に開いた。ちょっと離れた場所にいたカイトはうーんと  
首を傾げ、私に近づく。  
 「これ以上は開かないわ」  
 「そうじゃなくって」  
 カイトは私の脚の間に屈み込むと、性器全体をぺろりと舐め上げた。  
 「ひゃん!」  
 震える私の身体を押さえて舌で何度かソコを舐めると、カイトは「おまけ」と内腿にもキスしてから顔を離した。  
 「ふふ。薄毛なんだね。筋が透けちゃってやらしいったら」  
 身を離すと元いた位置にカイトは戻る。  
 「せっかくの綺麗な性器なんだし、濡れてる方がずっといい。しっかり開いててね。じゃ、撮るよ」  
 カシャ。と音がした後、カイトは携帯でなにやら操作を始めた。私といえば、あんなトコ舐められて  
アソコとか、腰とかに形容しがたい……こう、ぞくぞくしたものを感じて呆けてしまっていた。あの感覚って  
何だろう? さっきから分からないことがいっぱいだ。でも、カイトに触れられるのは決してイヤじゃないことを  
私は自覚していた。  
 
 携帯電話の操作を終えると、カイトは私に向き直る。  
 「さて、と。待たせてゴメンね」  
 私の横に肘を付いて覆いかぶさり、頭を撫でで顔を覗き込まれた。青い前髪が私の額にかかり、髪より青く深い  
水底を思わせる瞳が揺らめいている。  
 「メイコにしかできない役割があるって、話したね?」  
 「うん」  
 「それを、これから教えるよ。……口を開けて、舌を出して」  
 言われるまま舌を差し出すと、カイトのそれが私の物に触れてきた。直ぐに唇が重なって口内で互いの舌がぬるりと  
絡まり、カイトは私の舌の裏や歯列も丹念になぞるから、気持ちよさに自然と目が閉じてしまう。  
 息が苦しくなった頃、唇を軽く甘咬みされて、粘膜の糸を引きながらカイトの顔が離れた。  
 酸素を求めて大きく息を吸う私に、カイトが目を細める。  
 「息は鼻でしないと」  
 「そんなの知らないわ。初めてだもん」  
 可愛いなあとカイトがくすくす笑いながら身体を起こす。私を引き起こし位置を入れ替え、座ったカイトの長い  
脚の間に腰を下ろさせられた。  
 右手を取られカイトの下腹部に導かれる。私の手の上から自分の手を重ね、上下に動かし始めた。  
 「どんなカンジ?」  
 「とっても硬いわ」  
 人に似せて作られたボーカロイドにも、こんなに硬い部分があるのね。  
 カイトの指示に従ってジーパンのチャックを下ろし『硬いもの』を出してあげた。出すっていうか、解放されたと  
いう感じだった。  
 「握って……そう、上下に擦るんだ。……ん、イイ感じ。うまいよ」  
 補助してもらいながら、教えられる通りに手や舌を使う。褒めてもらう度に頭を撫でられるのが、嬉しい。  
 「咥えられる? 平気? ……は、っ……。裏の方も舐めて? ああ……いい子だね。メイコ」  
 硬くて太くて、ちょっとしょっぱいそれを、夢中で口いっぱいに頬張っていたら頬に温度を感じた。カイトの  
手のひらだ。耳の後ろから顎へと指がたどるのを感じる。  
見上げると頬を上気させ、少し苦しいような様子で優しく私を見ているカイト。そしてあのテノールが囁く。  
私を心地よくするあの声が。身体が、舐められた所が、すごく熱いの。  
「メイコ、歌を歌う以外での君のここでの役割は、マスターと僕に愛されることだよ」  
  愛され……る?  
  口を使い続ける私に声は尚も続く。くちゅくちゅと口元から立ち上る音とテノールが交じり合う。  
  キスして、吸いついて、括れた部分を唇で食んで。ぽてっとした袋も忘れずに。手と口で、丁寧に。  
 「毎日いやらしい下着を着て、僕たちに奉仕、するんだ」  
 カイトの声に余裕がなくなって、掠れ始めた言葉と声は妖しい色を帯びてきた。先端が喉の奥に当たると  
カイトの口から切ない吐息が転がり落ちてくる。  
「……たくさん可愛がってあげる。マスターと僕で、いっぱい愛して、あげる。メイコ……はっ」  
びくん。と口の中のカイトが跳ねた。頬に添えられた手に力がこもる。  
 「あ、っ! ……う……っ」  
 声と共に何度か身体を強張らせ、荒い息を吐くカイト。喉に熱い飛沫を感じると、私の口の中は苦い液体でいっぱいに  
なった。  
 
 「飲めるかな?」  
 口からそれを離し、口内の液体を喉に流す。水みたいには飲めなくて、なんだか喉の奥に張り付く感じ。  
おまけに美味しいとはいえない。噎せてしまった私の背中を抱き締めカイトが撫でてくれる。  
 「上手にできたね。嬉しいよ、ありがとう」  
 顔中にキスをくれながらベッドに寝かされた。左の足首掴んでを開かされ、その間に長い指が潜り込んでくる。  
 「濡れてるね。咥えてたら感じちゃった? はしたないなぁ」  
 さっきから熱を帯びていたソコは、指が動く度くちゅんと音を立てて雫を滴らせる。それはもうお尻の方まで伝って  
いるのが分かった。指が的確に私の中を探り、痺れるような快楽が身体をじわじわ浸食していくみたい。  
 「あ、あんっ! ひぃんっ」  
 「さすがボーカロイド。いい声だね。そそるよ。上手にお口で出来たから、ご褒美ね」  
 「カ、カイトぉ……ああぁん!」  
 くりっ、と膣より上の方にある突起を押しつぶされ、甘ったるい悲鳴を上げてしまった。中を探られながら  
突起を弄られてしまうと、激しい刺激に理性が振り切れる。  
 「襞も、クリトリスも、中もびっしょりだ」  
 乱れてもだえる私に、いたって冷静なカイトの言葉がまた煽る。  
 「へ、変、なのっ! 身体がっ」  
 指が私を狂わせる。得体の知れないぞくぞくしたものが身の内を這いまわって、口から出る甘い声を止められない。  
快感に追いつめられるような感覚がして、身体のいたるところに力が入る。寄る辺がなくてシーツを強く握った。  
 「イきそう? いいよ、イって」  
 イク? イクってどこへ? そんな思考も掻き壊す指が、未知の領域へ私を誘っていく。  
 「あ、あ……っ」  
 私を見詰める青い瞳はどこまでも冷静で。耳を犯すテノールとは裏腹に、股間の水音が激しく音立つ。カイト、  
カイト……!  
 「ぅんっ……は、あああっ! あああんっ」  
 
 はあはあと全身で息をしながらぐったりとベッドに沈む私を見降ろして、カイトは引き抜いた指を舐める。  
 弄られてた所を舐められた気がして下腹部が疼いた。  
 「すごい締め付けだったよ。指でこれなんだから、こっちだったらどうなんだろ……」  
 虚ろな視界に、私がしゃぶってたカイトの性器が力を取り戻し天井をを向いているのが映った。ねばねばを出した後  
萎えていたのに今はさっきと、ううん、さっきより大きく見える……気がする。  
 動けない身体の脚の間に、服を脱ぎ捨てたカイトが滑り込み、硬くて太い先端を襞の間に擦りつけてきた。時々滑って  
突起に当たり腰が跳ねてしまう。  
 「すご、入り口吸いつく……」  
 「んぁっ! やあ……そんなおっきいの、無理……」  
 ほんの少し中に潜り込んで来たそれの熱と質量に驚いて、捩る身体をカイトは押さえつけられた。  
 「大丈夫。力を抜いてごらん。いくよー」  
 「あー……!」  
 ぐちん。と盛大な音がして私のソコは一気にカイトを根元まで飲み込んだ。  
 
 「メイコのアソコ、出し入れする度精液が掻きだされてくる。どろどろで、エロいよ……」  
 私の性器を見つめながらカイトがそんなことを言う。私もカイトも何度もイって、中に溜まった白いのが  
シーツと互いの下半身を汚していた。  
 横臥した私の片脚を肩にかけ、大きく割り開いたソコに交差するようにカイトは硬い己を差し込んでいた。ゆっくり  
腰を使い緩やかな刺激を送るってくる。  
 喘ぐ身体も、繋がった部分もすっかりカイトに従順になり、穿たれる程に意志とは関係なく登り詰めようとしてしまう。  
 「はぁ……ああ」  
 「襞がひくひくして、本当に僕のを食べてるみたいだ。ね、美味しい?」  
 「ひゃ……う。き、気持ち、いい」  
 「ん。よかった……」  
 奥の方をコツコツ突かれて反射的に中が締まる。これじゃカイトの言うとおりだわ。私の膣は引かれると惜しむように  
襞が絡み、押し込められると悦んで咀嚼し与えられる快感に溺れていく。  
 「こっち向こうか」  
 また仰向けに戻された時だった。突然、電子音が鳴り響いて、びくりと身体を震わせた。カイトがベッドサイドに  
置いてあった携帯電話を手に取り、出る。私と繋がったままで。  
 「あ、お疲れ様です。マスター」  
 え?! マスター? 思いがけない名にきょとんとしているとぐっと突き動かされた。  
 「あっ、ああ……あっ!」  
 『お疲れじゃねーよカイト。お前、なんつー写メよこすんだよー』  
 ボーカロイドの耳がその性能を発揮して、通話口から洩れるマスターの声を拾う。これが、マスターの声……。  
 「可愛かったでしょ。せっかくだから、頑張ってるマスターにもお裾分けですよ」  
 『可愛いっつか、超エロい。早速ヤってんだろ? 声聞こえるぜ』  
 「いいでしょ。メイコは僕を咥えながら、おっぱい揺らしてよがってます。ぷるんぷるんですよ。アソコは締め付けて  
離しませんし、コレは名器かも」  
 『あーあ、出張さえなかったら俺が一番乗りのハズだったのに。ヤりてーなー。クソっ』  
 「恨むならご自身の運のなさを。帰ってくるまでにあなた好みに仕上げときますよ、マスター。だからしっかり  
仕事してきて下さいね」  
 『おう、従順でエロくって淫乱なオネーチャンにしとけ!』  
 話しながらも平気で腰を動かすカイトが、最期を与えてくれない動きに焦れる私に携帯電話を渡してくれた。  
 「マスターだよ。お話してごらん」  
 「マ、マスター……?」  
 『メイコか?』  
 マスターだ! 私の名前を呼んでくれている。返事をしようとしたら、貫かれてる場所に強い衝撃と快感を感じ  
喘いでしまった。腰を掴んでがくがく揺さぶるカイトが面白そうに私を見降ろしてる。  
 「ああっ!」  
 「ほら、ちゃんとお話ししないとね」  
 先程とはうって変った激しい腰使いに喘ぎを殺しながら、必死に声を出した。  
 「あの、マ、スター……。私、……んっ!」  
 『気持ちよさようだな。カイトは優しいだろ?』  
 携帯電話から、カイトよりはやや高い低音が囁く。ぐちゅぐちゅ音を立てる結合部の水音、聞こえちゃうかしら?  
 「んぁ、は、い。上手、って、褒めて、くれ……あうっ」  
 ククっと、喉元で笑うマスター。中で突き動かされるカイトが気持ちよくって、腰が動いちゃう。やぁん……。  
 『そうか、上手に出来たか。あんあん言っちゃって、おちんちん突っ込まれて嬉しいの?』  
 「お、おち……? ひんっ!」  
 カイト、今胸触っちゃダメ。乳首吸われたらお話できない。  
 耳からはマスターの楽しげな声。一方、身体を揺さぶるカイトは何も言わずに私を苛む。強すぎる快感が現実との  
境界線を曖昧にし、今私を犯しているのはどっちなのなんて、おかしな事を考えてしまう。  
『出張から戻るまでに、カイトのいうことちゃーんと聞いて俺にも奉仕するんだぞ。たっぷり可愛がってやるからな』  
 あ、ダメ。またアレが来る。私の息も、カイトの息もものすごく荒くなってる。ああ、もう、もう……!  
 「ああ! イ、イきそう! ひゃっ、んんっ! マスター! 早く、帰って、きて」  
 携帯電話を力いっぱい握りしめた。途端に刹那の快感が私の身体が支配し、中で擦れる膨れたカイトをきつく包む。  
 「んぁ! イク! イっちゃう! ああぁ、あーーっ!」  
 
 ぴんと背中が弓なりに反って、幾度目かの絶頂を迎え私は脱力し、意識を手放した。  
 
 
 意識が浮上するのを感じて目を覚ますと、私はカイトに腕枕をしてもらいながら抱きしめられていた。  
 顔を上げると、カイトは私に気がついて背中を撫でてくれる。  
 「起きた? 身体は大丈夫かな?」  
 「うん……あ、あれ?」  
 背中を撫でるカイトの手に、纏っていた僅かな布切れが引っ掛かる感触が無い。自分の身体を探るっていると  
カイトがああ、と納得した顔で答えた。  
 「下着は外したよ。下がびっしょり濡れてたから気持ち悪いと思って。まあ、着ていても外してもメイコには  
あまり変わりはないだろうけどね」  
 「カイトとマスターは、ああいう下着好きなの?」  
 「好きだよ。おっぱいもお尻もアソコも丸出しで、着てるのに隠れないのがいいね。まあ僕たちに限らず、男は  
ある程度好きだと思うけど」  
 苦笑するカイトの胸が温かくて、私は気だるい身体を寄せた。  
 「ごめんね。セックスするの久しぶりで、暴走しちゃった。まあ、マスターも僕と似たようなものだから、帰って  
来たらメイコ大変だよ? 寝かせてもらえないかも」  
 「さっきみたいなコトを、マスターにもするんだよね」  
 「そうだよ」  
 「あの、ね。……愛して、くれるのよね?」  
 カイトに視線を合わせると、青い瞳を細めて私の額にキスをくれた。  
 「……メイコは愛されるために僕たちの所に来たんだよ」  
 だから、メイコも僕たちを好きになってね。とカイトのテノールが囁く。このテノールは私の身体から力を抜かせ、  
全てを委ねさせるの。とても不思議。  
 私は答える代りにカイト背中に手を回してきゅっと抱きつく。首を伸ばしてその唇に自分のそれを重ねた。  
 軽く舌を合わせ下唇を噛んで離す。初めての、私からのキス。  
 「明日も覚えることいっぱいあるよ。今日はもうお休み」  
 もっといやらしく、もっと淫乱になるために。  
 
 お休み、カイト。明日もいっぱい教えてね。  
 お休みなさい、マスター。私、あなたに悦んでもらうためにがんばります。  
 大丈夫。私はここでやっていける……。  
 
 カイトの体温に包まれながら私は明日を思い、目を閉じた。  
 
おしまい  
 
 

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