熱い息づかいが、シャワーの水音にまじって響く。
唇と唇――最初はついばむキスでちゅ、ちゅと可愛らしい音を立てていた二人のそれが、そのうちに、重なっている時間が長くなっていく。
口づけの合間に、ハクがシャワーの湯を吸ったバスタオルを、ためらいがちな手つきで体から解き、足元に落とした。
ぼんやりとレンは体を少し離し、ハクの体を見下ろして「う」と固唾をのんでいた。
それは彼女の美貌と同じく、妖麗な裸身だった。性格とはアンバランスな魔性の艶めかしさ。
だいだい色の灯の下にさらされた白艶な肌が、光を吸ったようにおぼろめいている。
なめらかで豊満な乳房、おなじくむっちりした悩ましい双臀。ともに丸く形良く張り詰めている。
太ももからふくらはぎへのラインは、しなやかでありながら、ぴちぴちと適度に女の肉を満たし、羚羊のような類まれな美脚といっていい。
それら男の目を惹く部位は肉々しいのに、縦長のへそを持った胴は細くくびれ、首や腕や肩も骨細で華奢だ。
ピンク色の乳首が固くなっているのは、気温が低かったからだろう。清雪のような白い恥毛が、下腹部の恥丘をつつましく覆っていた。
レンに視線をそそがれていることに、むろんハクも気づいている。自分から誘ったとはいえ、裸体をまじまじ観察される羞恥に耐えかね、彼女はふたたびぎゅっと抱きついた。
「そんなに見られたら恥ずかしいよ……
あまり離れないで」
ハクにとって凝視されるよりは、肌を密着させるほうがましだった。
「おねーさ……んむ……」
彼女はレンの言葉を封じるように、その頬に繊手をそえて口づけの雨を再開した。
少年も、腕をいつのまにか年上の美女の背に回し、細くくびれた胴を無意識に抱きしめていた。
水煙のなか、桜色の唇を触れ合わせるたびに、双方の背筋がぞくりとわななく。
シャワーの湯と情感の高まりで、血行がよくなった胸元が薄く色づいている。
女の温まった乳球が、恥じらいの呼吸のたび上下し、少年の胸にすりつけられ、むにゅりと歪んで形を変えた。とくとく速まる鼓動が伝わる。
と、ハクがびくんと背をそらし、小さく叫んだ。
「あんっ!」
彼女の腰を抱いていたレンの両手が、急に、艶美な左右の尻房をぎゅっとわしづかみにしたのである。
濡れてすべりよい二つの肉丘を、柔らかく歪ませながら、レンはというと目をかたくつぶっている。少年は首筋まで紅潮させ、呼気を荒くしていた。
ハクの下腹に押しつけられたレンの股間のものは、まだ皮をかぶってはいたが、すっかりいきり勃っている。
口づけされ、乳房を押し付けられているうちに我慢できなくなり、少年は無我夢中で手を動かしてしまったのだった。
桃尻をつかまれ、肉棒の硬さを下腹に押しつけられたハクもまた動きを止めていたが、少年にそれ以上何かする気配がないのを見てとると、彼女は動いた。
壁のノズルに手を伸べて、シャワーの湯を止める――
それから、彼女の尻に乱暴に爪をたてている手をそうっと外させる――
少年の両手首をそれぞれつかんで押さえる――
動きを封じてから、あらためて、女のぷるりとした唇が少年のそれに、今度はしっとりと深く重なった。
「ん……ん……」
どちらの唇からもれたあえぎかわからない。
おずおずと舌を触れ合わせ、ぎこちなくからめ、付け根を探るように愛撫し、しだいに大胆になっていく。
相手に舌を柔らかく吸われると、頭がぼうっとかすんでゆく。バスルームに桃色のもやがたちこめたようだった。
切なく甘い、融け合うようなキス。
ややあって、濡れた唇から艶めかしい唾液の糸を引いて、ハクは唇を離した。
互いの唇も、胸も腰もひざも、小さな震えが治まらない。最初は緊張の証だったそれは、いまは性的昂揚からくる別種のおののきに変わっていた。
股間の秘められた部位が、熱くうるおいはじめている。
欲しい、とハクは、成熟した女としての欲求をはっきり自覚した。
この男の子の肌の温かさが欲しい。落ち込んでいたときに優しくしてくれたこの子といたい。
今夜だけでも、辛いことはすべて忘れてしまいたい。
少年を求める気持ちが、口づけを重ねるほどにじんわり子宮をうずかせていく。
娼婦のように淫蕩に崩れてしまいそうな予感があったが、もう止められなかった。
理性を手放して、乱れたかった。
(口で、してみようかな……)
少年の両手首をつかんで体を密着させた状態から、ゆっくりとハクは少年の足元にひざまずいた。
その過程で、豊かな乳球がぷりぷりと少年の胸から腹にこすれる。
両乳首が、濡れた肌と肌とのすべらかな摩擦で甘美に痺れた。乳房全体に電流が走り、先端の勃起を寒さではなく肉悦で尖らせてしまう。
瞳を細めて少年の腹に顔を寄せた。柔媚な頬を下腹部に押しあて、猫が甘えるようにすりすりと頬ずりした。
「お……おねーさんっ……」
「うん、なあに……」
「い、息っ、僕のにかかってる……っ」
閉じた目元を朱色にして少年は呻いている。
それなりに大人サイズに育った肉棒は、腹につきそうなほど反り返っていた。それだけでなく、ぴこんぴこんと何度もはねる。
ハクに下腹に頬ずりされ、つやめく息を間近から肉棒にかけられる感触だけで、若い肉体は反応してしまうらしかった。
(あ……ぴこぴこ動いてて、ちょっと可愛いかも……)
少年の両手首をつかんで自由を奪ったまま、ハクは潤んだ瞳を揺らめかせて囁いた。
「苦しくさせちゃってるね……お口で楽にさせて。
こういうのやったことがないから、下手だったらごめん」
「お、お口でって――」
ハクの桜桃のような唇が、仮性包茎の肉棒の先端に近づく。
包皮からかろうじて露出した鈴口にキス――それだけで、ぴっこんと少年の肉棒はひときわ盛大にはねあがった。
「ひっ」
「えっと……こう、かな」
少年の反応を確かめつつ、もう一度キス。今度はやや唇を開いて含み、舌先をちょんと鈴口に触れさせた。
「うっ、う……」
敏感な先端をついばまれるのがよほど感じるのか、レンはつま先立って腰をはねあげさせた。
「く、う……そ、そんなとこに、キスなんて……」と赤い顔で戸惑っている。
ハクが亀頭先端を吸いつつ、鈴口の割れ目にちろちろ舌を使い始めると、少年のその戸惑いは強まった。
「えっ、これ、し、舌? ひゃ、動いて……」
惑乱する心を置きざりに、年上の女性に奉仕されるまま、少年の肉体の興奮が加速してゆく。
先走りの液がじゅくと分泌され、レンの肉棒の幹をのぼり、露玉となって鈴口からもれた。
その、先走りがもれてわずかに割れ目が開いた瞬間に、ハクの舌がつぷりとそこに差し込まれた。
「ひ――――!?」
とっさに声をかみ殺したレンが歯を食いしばる。
その努力も、ハクが尖らせた舌先で鈴口をくりくりとほじりはじめるまでしか、もたなかった。
割れ目を押し広げ、少年の尿道に潜り込もうとするかのような舌づかい。
「うああぁ!?」
びりっとした肉悦の電流を先端から流され、あっけなく少年の悲鳴がほとばしった。
その叫びに、痛かっただろうかとハクは慌てた。
それは実際には的外れな危惧だったが、ハクは鈴口をあきらめ、舌をその周辺に這わせだした。
亀頭頂部の赤い肉が露出した部分と、まだ被っている包皮との境目に沿って、くるくると周回するように極小の円を描いていく。
「ひぃぃ……それっ……」
レンの呻きが、いよいよ追いつめられた響きをもつ。少年は最初の限界を迎えようとしていた。
妖艶な舌のうごめきのもとで、「射精の用意が終わりました」とばかりに若い雄の肉が応える。根元から先端にいたるまで肉棒が、ミキミキとさらなる膨張を見せた。
ことに亀頭はパンと張りつめ、かぶっていた包皮をゆっくりと傘の裏のほうまでずりおろしてゆく。
一連の変化は、ハクにもわかった。
(あ……おちんちん、ムケちゃいそ……)
男の肉にからめた舌先でそれを感じたとき、脳裏が倒錯した熱を帯びて――
思わず、後退してゆく包皮を追いかけるように、ハクはより深く吸いついていた。唇の輪で亀頭すべてをこすりながらちゅるんと呑む。
膨れ上がったサクランボのような濃いピンクの亀頭が、女の口の中でぬるりと剥けた。
「ちょ――ああぁっ! 出るっ!」
美唇に包皮をくるんと剥かれたことで臨界点を越えたらしく、レンの声が高く上がった。
肉棒が蠢動するや、ドプンと白濁をしぶかせた。驚いて寸前に顔を離していたハクの眼前で、少年の肉がはねおどる。
ハクの美貌や豊艶な胸元に、大量の精液がぶちまけてられていく。
(わ、わ、うわあ……たくさん……それに、熱い……)
肉ポンプでの放水じみた射精を間近で浴びせられて、ハクは呆然としていた。が、熱い精汁が乳首にかかったとき、ピクンと反応して「ぁっ」と小さく鳴いた。
はずみに、つかんで押さえていた少年の手首を放した。その手をそっとあげて、胸の先端をコーティングしたぬらつきに触れる。
指が行き過ぎてプルッと乳首を転がす。
「んっ」
また背筋がおののき、ハクの息が扇情的にはずんだ。その赤い尖りは、はっきりとした悦感を流してきた。
(口でしてただけで、敏感になってる……)
気がつかないうちに、肌は上気して赤らみ、感度がひどく上がっていた。
「あ……」
レンの声に、ハクは見上げた。
射精の余韻と状況の非現実感に、自身でも呆然と立ち尽くすばかりだった少年は、ハクが乳首に指を這わせて感じた姿を見て、どきりと胸を鳴らしたらしかった。
新しい情欲をもよおした表情で、ハクの胸元を見つめている。
その肉棒が、まったく衰えずそそり立ち続けていた。
胸を熱く注視されているのを意識し、ハクはごくりと喉を鳴らした。
どきどきと鼓動がうるさく響く。今しがたの奉仕につづき、大胆なことを少年にしてあげたくなる。
身を抱くようにして、豊かな双乳を下からたぷりと持ち上げ、言ってみた。
「あの……胸でしてみようか?」
ふくよかそうな美巨乳に見とれていた少年は、その言葉で我に返ったらしく、あ、とか、う、とか真っ赤になって声を詰まらせている。
それでも視線は、白濁をかけられた二つの乳球にとどまったままだった。
己の乳房を示しながら言ったハクのほうも、顔から火が出そうだった。
音楽に打ちこんできた結果、恋愛とは無縁だったハクは、男性への口唇愛撫もそうだが、乳房で奉仕した経験もこれまでない。
全部、官能小説や、ネットで見た画像・動画での知識である。それらは、寂しくてたまらないとき自分を慰めるために利用していたものだ。
知識しかないのに弾みで、実践してみようかなどと思ってしまった。
いまさらひっこみもつかない。やるからにはせめて満足させてあげたいと覚悟を決める。
(えっと……こうやって、持ち上げて……)
重い双乳の下部を、自分でつかんで支えた。
その乳房は、精を浴びて視線をそそがれただけで敏感になっている。
たっぷりしたその下乳に指を食いこませると、女の肉が甘くうずき、ヒクンヒクンと乳首がますます勃起を強めてしまった。
悩ましげに眉を下げながら、みずから強調した乳房を少年の下腹にすりよせ――肉棒を挟む。豊満な乳肉が、谷間の中にムニュと少年をくるんだ。
あ、あ……とレンが声をうわずらせ、背後の壁にかりっと爪をたてた。温かくなめらかな豊乳に包まれて、肉の懊悩がいやが上にも高まったようだった。
「ぅぅン……ぁふ」
ハクも桃色めいた吐息をついていた。
少年の下腹に押しつけることになった尖った乳首が、くにゅと潰されただけで甘痛い悦感を流したのである。感触で気づいたレンがそれに言及した。
「あ……おねーさん、おっぱいの先、すごくピンピンになってる……」
「は、恥ずかしいこと言わないのぉ……」
恥じらって抗議する――ただし声は、牝として媚びるようなとろけた響きだった。
扇情的に溶けた美女の声に反応してか、レンの肉棒が乳房のあいだでぐっと反る。
ぬめる亀頭が、ふかふかの胸の谷間からちょっとのぞいて存在を主張していた。
「あン、一回出してもきみのコレ、ぜんぜん弱らないんだね……ぁむ」
愛しげにそれを見つめ、ハクはもう一度顔を寄せて、濡れてつやつや光る可愛らしい亀頭をちゅっと吸った。「うぁっ」とレンが鳴いてかかとを浮かせる。
「く、ううう、またそんな……うわ、す、吸われたらっ」
連続してちゅううっと鈴口のあたりを吸うと、ダマになった濃い残り汁がぷちゅりと飛び出した。
裏筋から鈴口真上までをちろちろと舌先で掃きつつ、たちのぼる淫臭にうっとりと瞳を細めた。
(んん……けっこう、におい、強いんだ……
やらしい感じ……)
まだ十四の少年ゆえに、ひんぱんに皮の中まで清める習慣はないようである。
したがって包皮を剥かれたレンの肉棒は、意外に濃いにおいがした。男のフェロモンを煮詰めたような独特のにおいが。
露出した亀頭の強い雄臭と、若々しい精液の青い香気が混じり、バスルームにむっとたちこめて、くらくらさせられる。
ふいに腰がぶるるとわななき、ジュクンと子宮がしこるのを感じた。その女の芯から、濃い子宮頚管粘液がどくっと吐き出される感覚まで、鮮明にわかった。
「あん……っ」
(あ……いやだ……私、今これ嗅いで、すごく濡れた……)
乳肉のはざまから顔を見せる亀頭の、淫靡なにおいを吸いこむほどに、脳髄がしびれる。
困惑したように眉を下げて豊乳をタプタプ揺すり、そちらでも少年に奉仕してみる――が、それでハク自身、なおも追いこまれた。
(あっ……あぁ、これじゃ、私のおっぱいのほうが気持ちよくなっちゃうかも……)
男根をはさんだ肉房を、手でさざ波だたせれば、自分の官能が煮立ってしまう。
やるせない熱さが、その豊艶な双球から全身に広がっていくのだ。
それだけでなく、膨れた乳首が少年の腹にコリコリこすりつけられるたび、女体の背中側まで快美の矢が貫いていく。
理性が情欲に席をゆずっていく。
気がつくとハクは、亀頭表面にべっとりと舌をはわせて雄の味とにおいを堪能してしまっていた。
(ン……味もしょっぱくて、なんだか濃い……)
「ひゃ、そんな舐めちゃ……」とレンがあえいでいる。
舌の平でアイスクリームを味わうように、ツヤツヤした肉玉面をいやらしく舐めまわす。
乳奉仕とともにはしたなく舌を踊らせながら、意図せず双臀をもじもじとくねらせていた。
理性が薄れてゆくのが幸いした。体の火照りが、慣れない奉仕を導いてくれているのだ。
少年の呻きを聞きながら肉棒の先を存分に舐め尽くしたあと、ハクは再度、赤く膨れた亀頭に唇をかぶせた。
「ひぁう」
レンの悲鳴が頭上に流れる。
ハクは夢中で愛撫してゆく。艶光りする男の肉の先端だけをねちっこく、飴をねぶるように。
ピンクの薄皮が張り裂けそうなほど、パンパンに膨張した亀頭表面。それをくりゅくりゅと舌と唇で転がしていく。
自分でも知ることのなかった淫らな素質が、すっかり表に出てきていた。
一方、レンは泣きたいくらいに感じてしまっているようだった。
肉棒を真ん中に包みこんだハクの双球は、生餅のように白くきめ細かい肌をもっていた。
その、もちもち吸い付く乳肌に幹をしっとり圧迫されたうえ、過敏な肉の実を甘やかにしゃぶられ続けているのである。
「さ、先っぽのほうだけずっとするなんてっ、やめて、そんなことされたらまたすぐ出るっ」
「んン……」
それを聞いて、鼻を甘く鳴らし、ハクはくわえた亀頭をちゅうと吸った。両側からの乳房での圧迫も、むにっと強める。
“飲みたい。飲ませて”
いままで感じたことのない衝動だった。
先ほど見たあの白いほとばしり。温かな精液が飛び散るのを、無性に口の中で感じたかった。
自分の奉仕で感じてくれていると思うと、少年のこの肉もあえぐ声も、においさえも愛しくてたまらない。
乳房を細かく揺すりながらみずからも得ている官能とあいまって、陶酔感が脳裏を浸す。
「そんなしゃぶらないで、おねーさんっ、先っちょ溶けるっ、ひぁ、出ちゃう、白いのが出ちゃうってばっ」
「だひてぇ……(出して……)」
先をくわえたままもごもごと言ってから、ハクはぬめらかな舌を裏筋にからめる。
神経が密集した感覚鋭敏な箇所を、二十秒ほどにゅるにゅると執拗にねぶりあげていると、肉棒がビクビクと予兆を伝え始めた。
ぎっと歯を食いしばったレンの腰がぶるぶると痙攣する。
「うーっ、うぅぅっ、出――出るっ!」
はねあがろうとする亀頭が唇の輪に締めつけられた瞬間、一回目に勝るとも劣らない勢いで、精汁が鈴口を押し開いてとびだした。
びゅくりびゅくりと白濁を放出する鈴口を、ハクは脈動に合わせてちゅうちゅうと吸い上げた。
(すごい勢い……えっちな味…………)
んく、んく、と喉を鳴らして白濁を嚥下していく。
意識が肉情にぼやける。赤い瞳をとろかし、美酒を味わうときのように陶然としきっていた。
双乳の間に男のリズムを感じながら、雄汁を飲ませてもらうと、乳房がほかほかと火照っていく。
(飲みながら乳首押しつけるの、きもちい……)
子犬が乳を飲むように最後までしつこく吸引し、尿道内の残り汁までぢゅるっとすすって抜きだす。
そうやって少年に鋭い快楽で悲鳴をあげさせてからようやく、ちゅぽっと濡れた音を立てて唇を離した。
とたんに体から力が抜けて、ハクはバスルームにぺったりと尻をつけてしまった。
腰を落としたはずみにふるんと巨乳が揺れ、それだけで切ない波紋が胸から体奥へと響いた。思わず背をまるめて胸をかばうように抱く。
自らも法悦に達したように肌身を紅潮させて、声無くのどをあえがせる。
(私、ぜったい、おかしくなってる……
だっていま、この子の濃いせーえき飲んでどきどきしてる……さっきよりずっと感じるようになっちゃってる……)
初めて口にした精液は、味そのものはけっして美味しいものではなかった――なのに、もっと飲みたかったとすら感じていた。桃色の舌が、薄くちろりと唇を舐める。
うつつなく彷徨するようにゆらめく赤い瞳が、レンをとらえた。
連続して二回発出させられた少年は、壁によりかかって気だるく余韻にあえいでいる。
その股間のものがぐったりと垂れ、徐々に萎んでいく。
小さくなってゆくのを見ているうち、奇妙な悲しさがつのってきた。
(小さくしちゃ、ダメ……)
「え……あ、待って、いま終わったところで……あ、ぁっ!」
恋い慕うように、少年のものに三度目に顔を寄せる。――半勃ちで白い露を垂らしているそれをくわえた。
今度はさらに深く、肉棒の付け根のほうまでのみこむ。
脳裏がふやけていて、どれだけ淫らなことをしているか、もう自分でもよくわかっていなかった。
赤らんだ両頬を肉棒の形にあわせてすぼめ、口内粘膜をごつごつした幹に密着させた。
レンが反射的に腰を引こうとする。
「そ、そんな根元から吸われたらっ、また……!」
はしたないふるまいをする女の淫姿と、肉棒を包む粘膜の感触にたまらなくなったのか、少年は三たび猛りを取り戻しはじめていた。
かれの太ももに手を回して抱きとめながら、ハクは熱い口淫をほどこしてゆく。
(あ……また、むくむく大きくなってきた……)
美女の口の中で、男根が、ぎりぎりと幹に血管まで浮かせてまたも怒張し、ほどなく完全勃起に戻っていく。
その肉の猿ぐつわを、喉奥まで受け入れて、苦しさと痴酔にハクの瞳がじわんとうるめいた。
「ひっ、お口ぃ、ぬるぬるして……うう、良すぎる……!」
余裕のない少年が、動きをとどめようとしてかハクの頭に両手を置いてきた。
それにかまわずハクは目を閉じ、押さえられた頭を前後にゆっくりと振りたてた。口をにゅくにゅくと柔らかく使って肉棒をひきしごく。
口を男のための快楽器官として提供するうち、レンのひざ小僧にむにむにと押しつける乳房が、心なしか張り詰めていた。
情欲とさきほどの奉仕で乳房の血行がよくなり、ひとまわり大きくなった感がある。
しこりきった乳首をこすりつけるように、上体をくねらせて、少年の脚で自分もこっそり乳悦をむさぼる。
手をかけて乳房を愛撫してほしいという願望がふくれあがる。なにしろ、乳腺が媚薬を分泌しているのかと思うほどに、双乳が内部から淫熱を生みだしているのだ。
だが、それよりさらに大きいのは、精液への希求の情だった。
(せーえきぃ……もういっかいだけ、飲ませてもらお……)
その体の求めは、男の肉をしゃぶりあげるほどに、ふくれあがるばかりだった。
三度目にむしゃぶりついたのは、最初は、勃起を萎えさせたくないというだけの衝動的なふるまいだった。
だが今はもう、優しい少年を悦ばせて、とろみのある精汁を吸い出させてもらうことしか考えられない。口唇愛撫が激しくなっていく。
ぢゅぽぢゅぽ、ぢゅるるるーッと淫猥にすぎる音すら響かせていた。かぐわしい乳房をレンのひざにこすりつけ、腰を支点に上体と双臀をねっとりくねらせる。
抱いた少年の腰からすべてを吸い出そうとするかのようなフェラチオに没頭する。愛慕の表現にも似た熱烈な淫戯だった。
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「くぅぅ、そんな強くしたらだめ、だめったら……!」
脚に抱きつかれて、どんどん敏感になる勃起を根元までしゃぶられているレンは、うわ言めいた制止を洩らしている。
もともと、かれにとっても口唇愛撫ははじめての体験だったのである。そして二連続射精のせいで、過度の快楽を与えられた亀頭は痺れたようになっていた。
ぬめった鈴口のあたりにひとさし指を置かれ、くにくにと撫ぜ回されているだけでも、こらえきれず腰を引いてうずくまってしまいそうなくらい敏感になっていたのだ。
それなのに、こんな熱い奉仕を受けてはたまったものではなかった。奥歯がかちかち鳴る。
そして、女の口を使った擬似性交の性楽に、少年の肉体と脳はあっけなく錯覚させられた。
さきほどの射精からまだ一分そこらしか経過していないのに、陰嚢がぐぐっと持ち上がる。ハクの舌に触れている裏筋がピクピク引きつる。
分泌された先走りが尿道をぷぴゅっと駆け抜け、鈴口からジュンと溢れる。吸引される陰茎海綿体全体が予兆をつたえて蠢動しはじめた。
レン自身も、いきなり射精拍動が始まったことに気づき、驚愕の声をあげた。
「え、う、うそっ、いま二度も出たのに、なんでこんな早く――」
異常な興奮状態のなか、若い肉体が暴走した。
それはあっという間だった。三度目の射精に突入したのである。
「ひぐッ!? あうっ、これっ、変、あ――あああああぁっ!」
本能を狂わされ、強制的に搾り出されたそれは、砲撃じみた勢いでほとばしった。
まさしく砲弾のように、塊状の濃い白精。それが連なり、ひとつひとつ尿道と鈴口を押し広げながら飛び出すのだ。
爆発的な放出絶頂に、まともな思考など一瞬で持っていかれた。もう男の矜持も、恥もなにもなく絶叫する。
「やめっ、吸わないで、ひ、引きずり出さないでっ……!」
前立腺が溶かされて吸い出されているかと思うほどの、暴力的な肉悦だった。
その奥の体内の精管を包む三種の筋膜までがひっきりなしに収縮し、精汁を撃ちだしている。そんな強制された飛翔感なのだ。
後頭部を殴りつけられたように頭ががんがんして視界が赤く閉じ、会陰部がキリキリ痛む。
女の舌が、裏筋をねちっこくねぶって放精をうながしてくる。ほとばしりを加速させようとしてか、拍動にあわせてぢゅるーっ、ぢゅーっときつめに吸われた。
生命に危険を感じるほどの濃縮された絶頂感を味わわされる。
「ひ――――゛っ!」
脳の神経のどこかがブチブチと焼き切れた気がした。何かがくるりと裏返った。
レンはハクの頭を押さえる手に力をこめる。初々しい色の剥け亀頭をその喉奥へ打ちつけた。ドピュドピュと青い匂いの精液をぶちまけていく。
成り行きのイラマチオで喉を犯される女は、紅潮して汗をにじませた顔に驚きの色を浮かべた。むせかけたのか苦しそうにその美貌がゆがむ。
それから前にも増してとろけきった表情になり、嬉しそうに喉を鳴らして飲精しはじめた。
レンは肛門を固く締め、ガクガクと腰をわななかせ、最後の一滴まで放っていく。
柔らかく締めてくる口に吐精するたび、まぶたの裏が明滅した。
ずっと叫んでいたはずだが、レンには自分の声は聞こえなかった。ドクンドクンと自分が撃ち出す音のほかは何もなかった。全身の細胞が射精のリズムに同調している気さえした。
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「ぁ゛っ……は……あ、はぁぁ……」
ハクはかろうじてむせこまず、全てを嚥下した。
三度の絶頂を終えたレンに劣らないほど、息を乱しながら、口を放す。桜桃のような美唇と肉棒のあいだに、淫らな糸がぬちゃぁと何本も引かれた。
レンが、精根尽きはてたかのように壁に完全に背をあずけ、ずるずると座りこんでいた。
濡れた目で、ハクはぼんやりとそれを認識する。ハク自身も腰が抜けたようになっていた。
脳裏も視界もうるみっぱなしだった。
(……むね、ちょっと、イっちゃった……)
ほとんど乳首自慰同然に、少年のひざでむにゅむにゅ押しつぶしていた乳房が、じんじんしている。ハクの股間からあふれでた愛液は、股の下の床に蜜溜まりを作ってしまっていた。
三度目の射精のとき、乱暴に頭をつかまれて喉奥を犯されるように突きこまれた。
苦痛と驚きに彼女は目を白黒させたが、同時にその瞬間、血が煮えるような興奮に陥っていたのである。
思い返して、火のついたような呼気を漏らす。
(ヘンタイだったのかな、私……)
そうかもしれない。なにしろ、こんなことまでしたというのに、肉の飢餓感はかえってつのるばかりだ。
(もっとエッチなこと、したい……してほしい……)
口唇奉仕に没頭しているうちに、子宮は少年を求めて下がりきっている。一回ずつ、口で精を抜きだすごとに、子宮が呼応して淫熱を高めていた。それが三回。
もう発情しすぎて、ずきずきと疼痛がやまないくらいだ。
「あ……あのね」
呼びかける。
夢遊病者のように体がゆるやかに動いた。絹糸の髪がさらりとバスルームの床に広がる。
ひざを立てて座り直し、美脚をゆっくりと左右に開いた。向かいにいる少年の視線が、ふらふらと、内ももの間に入りこんでくるのを感じた。
「おねがい、私にも、して……」
ハクはぽってりした二ひらの大陰唇にそっと指を添える。くちゃりとかすかな水音をたてて扉を開いた。
包皮をかぶってはいるが勃起したクリトリス、愛液をからめて光る小陰唇、鮮やかなピンクの膣前庭、こぷこぷ淫らなよだれを吹きこぼす膣口があらわになる。
始まったときは、「見られたら恥ずかしい」と口にした彼女だったが、そんな言葉はとっくに吹き飛んでいた。今となっては、羞恥よりも子宮の疼きのほうが耐え難い。
熟れとろけきった秘肉のすべてが、レンの視線を感じたとき、充血を強めてヒクついた。こっちにも君をくわえさせてと妖しくうごめく。
自分の肉体がいかに発情しているか、年下の雄にさらけだして見せる。
しとしと湿気た空間に、蒸せるほどに濃く甘く、女の肌が香る。
とろんとした顔になり、艶情のこもったかすれ声で誘っていた。
「もう、欲しいよ……」