【注意】  
・カイメイカイ……?  
・カイト=どうていくん メイコ=経験豊富  
・メイコの性格がツンデレではない  
苦手な人はスルーヨロ  
 
 
えっちなメイコお姉さんと新人カイト君のはなし 
 
 
『カット』  
 
スタジオ内に、監督の声が響いた。  
背中に伝うイヤな汗。もう何度目になるのか、数えるのも恐ろしい……。  
煽情的なライトの下、僕は柔らかなベッドの上で女の人を組み敷いていて。その周りを大勢のスタッフやカメラ、監督にぐるりと囲まれガン見されている。  
身体の下にはスタイル抜群で、しかも下着姿の女性がその紅茶色の瞳できょとんと僕を見上げていた。悪意の無い視線だけど、今の僕には、ただ痛い。  
 
「スミマセン……」  
 
僕はカイト。『成人男性型ボーカロイド』だ。  
ボーカロイドが定着してる世の中、動画サイトを覗けば様々なボーカロイドや沢山の『僕』がいる。  
もちろんそこでは、『KAITO』だけでなく様々なボーカロイドが活躍していた。  
そんな中でも、僕は最近起動したばかりの新米ボーカロイドだ。  
 
唄う為に開発された僕らだけど、歌の他にもやるべき仕事がある。それは歌に付き物? のPV撮影だった。  
 
ひょんな事から舞い込んで来た仕事は、歌の仕事ではなくPVの出演だった。歌い手本人出演のPVの相手役という話だ。  
僕はまだ駆け出しで、仕事を選ぶ余裕なんて無いから事務所から打診された時二つ返事で承諾した。そして渡された企画書を寮の自室で読んで、飲んでた茶を盛大に吹いた。  
 
……それは、性的な内容の歌だったからだ。  
しかも、かなり過激な。  
 
正直腰が引けた。そういった内容の仕事は初めてだったし、その、僕もこの世に出て間もないので経験も無かったから。  
しかし一度引き受けた以上は最後まで責任を持たなければ! と、同じ監督のPVとか18禁動画やAVで予習し現場に向かったのだけど……もう、これがいっそ面白いぐらい上手くいかない。  
『ベッドの上で濃厚に絡み合う』というシーンで、初っぱなから監督からの『カット』の嵐。度重なる撮影中断に現場の空気もどんどん悪くなる一方。そしてますます焦る僕。……上手く行くわけがない。  
この日の撮影は殆ど進まず、僕は監督にしこたま怒られ、周囲に頭を下げて文字通りにげる様にスタジオを後にした。  
 
 
駅までの道を歩く足取りは重い。  
撮影期間だってあんまり無いのに……このままではスタッフに迷惑だし、仕事自体降ろされてしまう。それは懐具合に直結するので、非常に困るのだ。  
肩を落としながら頭に浮かぶのは、監督の苦い表情とスタッフの冷たい視線。  
ちゃんと仕事内容を確認すれば良かった……! てゆうか、事務所は何だってボカロ生始まったばかりの僕にこんな仕事を?! と考えてた所に、背中をぽんと叩かれた。  
「お疲れ」  
「あ……」  
振り向けば、笑顔の女性が僕の顔を見上げていた。……というか、本日一番迷惑をかけてしまった主演であり共演者がそこにいた。  
PVの曲を歌ってる、メイコさんが。  
「猫背になってる」  
つつっと背筋を悪寒みたいな感覚が走る。  
「うわっ?!」  
メイコさんの人差し指が背中をなぞったのだ。困惑する僕にメイコさんはクスクス笑っている。  
撮影中とは違い(当たり前だが)彼女は私服姿で、お尻が半分隠れる程のたっぷりとしたトレーナーにショートパンツとロングブーツといった格好だ。先程の『セクシーなお姉さん』とは全く変わり、女の子といったカンジだった。  
突然現れた彼女と、そのギャップに呆ける僕が何も言えないでいると、メイコさんが口を開いた。  
「ねぇ、これから時間ある? 呑みに行かない?」  
 
この時初めて、メイコさんは僕を追いかけて来てくれたんだということに気が付いた。  
 
駅前にある、居酒屋に僕らは入った。  
狭い個室っぽい造りの座席に通され、掘り炬燵の様に足を伸ばせる小さな座卓に腰を下ろした。対面でなく、座卓の角を挟んで。  
何せ狭いから、メイコさんの脚が僕の脚に密着してどきどきしてしまう。近すぎるせいか、香水ともシャンプーとも違う、仄かないい匂いが漂ってきてちょっと緊張する。良く考えたら、女の人と二人きりで呑みにくるのは初めてだった。  
取り敢えず頼んだ酒とおつまみが来た後、僕はメイコさんに恐る恐る声をかけてみた。  
「あの……どうして誘ってくれたんですか?」  
メイコさんは早速ビールに口を付け、ふふふと笑う。  
「カイト君とは一緒に仕事するの初めてだから、親交を深めようと思って……あ、カンパイ忘れてた」  
僕のカシスオレンジにカンパーイと、おどけてジョッキを軽く当てた。  
「その、今日はホント、スミマセンでした! 撮影、僕のせいで……」  
頭を下げる僕にメイコさんがヒラヒラと手を振った。  
「あのプロデューサーの楽曲って特殊だから、慣れてないと戸惑うよ」  
「特殊……」  
「特殊っーか、エロ系ね」  
確かに予習の為に見た同じプロデューサーの他動画も、性的要素満載だった気がする。……この時点で、どうして今回のオファーの内容に気づかなかったんだ、あの日の僕。  
「結構過激なのが多いから未成年のボーカロイドはアウトだし、歌い手も出演者もやる人少ないのよ」  
どのコもイメージ大事にしてるからね〜と、メイコさんはつくねを齧る。  
そっか、だから普通の仕事に比べてギャラが少し良かったのか。  
「メイコさんは……いいんですか? その、イメージとか」  
『MEIKO型』は確かに成人女性型だけどエロじゃない方の需要も高い。女性型はこういうイメージが付いてしまうと後に響くのではないだろうか。  
「私? 気にしてないわ。嫌いじゃないしね。こういうの」  
メイコさんは実にあっけらかんとしている。仕事だと割り切ってるのかな? 歌だって歌詞は卑猥な単語や歌詞に合わせた色気のある声が目立つけど、とても上手いのに。  
「それに、私あのプロデューサーの仕事ばっか受けてるしね。今更だよ」  
じゃあ、あの予習動画のMEIKOはアナタですか! ……見てる内にムラムラして、つい何度か抜いちゃいましたよ! スミマセン……。  
 
他愛もない会話をしながらメイコさんに向けていた視線が、自然と身体に移る。  
しなやかな肢体。胸元はしっかり布地を押し上げ、ゆったりしたトレーナーを着ているのに華奢な身体なのが分かる。  
お尻も脚だってそりゃあもう……いや、さっき撮影でほぼ半裸のメイコさんを見たけどさ。この人、ナイスなボディで役得というか僕得というかホントごちそ(ry)  
メイコさんは意外にも(数少ない仕事で一緒だった他のMEIKOは気が強かったり大雑把だった)優しくて、酒の勢いで口から零れる僕の仕事の愚痴や不安をアドバイスをくれながら聞いてくれた。  
酔いが回ったせいか、僕の話が段々ネガティブマインド全開になりかけた頃、メイコさんが苦笑混じりのため息をついた。  
「もう、カイト君はしょうがないなぁ。おねーさんがイイモノ見せてあげるから、元気出して?」  
「?」  
いーものってなんだろ? ぼんやり思ってたら、メイコさんがペロンとトレーナーを捲り上げた。  
「―――っ!」  
叫び出しそうになる口を慌て押さえる。その行動にも驚いたけど、僕の度肝を抜いたのは目の前に剥き出しの、綺麗なナマ乳だった。  
「メ、メイコさんっ! なんでノーブラ?」  
いや、突っ込むトコ違うだろ僕! 混乱した頭はどうでもいいことを口走る。  
「私いつもブラしないの」  
「そ、そーですか」  
そんなもんなのか? 僕は美乳から無理矢理眼を剥がして辺りを伺った。  
個室タイプの座席とはいえ、入り口は格子状になっていて覗こうと思えば中が見えてしまう。  
「大丈夫だよ。人気もないし、店員も呼ばなきゃ来ないよ」  
僕の不安を見透かした様にメイコさんが言う。  
視線を戻すと、ソコにはやっぱりおっきな白い膨らみ。その中心に、淡く色付く乳首がちょこんと乗っている。夢じゃない。  
口の中がカラカラでゴクリと喉が鳴った。  
 
「触らないの?」  
「ふぇ?」  
上ずった変な声を出してしまった。僕の視線の先で、紅く塗られた爪が薄桃色の乳輪をなぞる。指の動きが悩ましい。  
「いいんです、か?」  
「いいよー」  
はい。と、差し出された乳房に、汗ばんだ手のひらをシャツでゴシゴシ擦ってから、恐る恐る手を伸ばす。手が震えてしまうのがみっともないが、どうにも緊張して仕方なかった。だって、女の人のナマのおっぱいなんて、触るのはおろか、見るのも初めてなんだから。  
下乳を持ち上げると、ふにっとした感触と重みがした。  
わ……。  
初めて触ったおっぱいは、想像よりもずっと柔らかくて温かかった。ふにふにと軽く揉めば揉むだけ、手の中にしっとりと吸いつく。乳房を揺らせば、小振りの乳首も一緒にふるっと揺れる。  
おっぱいサイコー!  
「ふふっ。くすぐったい」  
僕の手におっぱいを委ねてメイコさんは肩をすくめて微笑んだ。  
かわいいー……。  
膨らみに触れていた指がずれて乳首に触れると、ぴくんとメイコさんの身体が揺れた。  
「す、すみません!」  
い、痛かったのかな? 調子に乗ってゴメンなさい! 思わず手を離してしまった。  
メイコさんは小さく首を振る。  
「ソコ、弱いの……」  
ほんのり甘い声で言われ、僕はもう一度おっぱいに触れた。今度はもう少し大胆に乳房を揉んで、その柔らかさを堪能する。  
乳首を指で摘まんだり押し潰すれば、途端に芯を持って硬くなった。膨らみを揉みながらそこを弄ってると、メイコさんは内股をもじもじさせ始める。  
「……ん」  
きゅ、と噛み締めていたメイコさんの唇が開いて、小さな声が漏れてきた。  
緊張が解けてきて、声に煽られて興奮する。ボトムの前が張ってきて苦しいくらいだ。不意にメイコさんは視線を僕に向けた。  
「声が出ちゃうの」  
紅潮したメイコさんの顔が僕に近づく。その意図を察して僕は塞ぐ様に濡れた唇を重ねた。初めてのキスだ。  
僕のかさついた唇と違って、メイコさんのそれはしっとりしていて柔らかい。女の人ってどこもかしこも柔らかいんだなぁ……。  
甘い唇に夢中になってたら、メイコさんが僕の唇を舐めた。びっくりして目を開けると、メイコさんが面白そうに僕を見ている。  
そのまま、口の中に舌が侵入してきた。僕の舌にメイコさんの舌が絡んだり優しく吸われたり、ぎこちない僕の動きに合わせてくれたり……次第に水音が個室に響いていく。  
キスとおっぱいと嫌らしい音が僕をおかしくする。気持ちよくて、くらくらしてきた。  
聴覚が鋭敏になっていて遠くに聞こえる店員の動く音が、ここはどこだということを脳に認識させるけど、手は一向におっぱいから離れようとしなくて、それは唇も同じだった。  
「カイト君」  
唇が離れメイコさんが僕の首に腕を回し、ぎゅっと抱き付く。手もおっぱいから離れちゃったけど、何となくトレーナーの内側に滑り込ませ素肌の背中に回した。  
「元気でた?」  
耳に唇の感触がして鳥肌が立つ。  
「でました……と言うか、別の所が元気になっちゃいました……」  
クスクス笑う声が色っぽくも、くすぐったい。ペロリと耳を舐められて出そうになる声を押さえる。  
「私も気持ちよくて、濡れちゃった」  
「えっ……?!」  
大胆発言に思わず下を見る。耳元を可愛い忍び笑いがくすぐった。  
「……ね、これから一緒に気持ちよくなりに行かない?」  
目を白黒させた僕の顔を覗き込んで、メイコさんは艶然と笑う。  
「お返事は?」  
「は、はい!」  
思いの外元気良く出てしまった返事に、メイコさんは「よろしい」と言って眼を細めた。  
 
と言うわけで、あれから居酒屋を後にした僕たちは裏路地にあるホテルに来た。  
いわゆる、そういうコトをするホテルです。はい。  
僕はこういう所にくるのは勿論初めてで、メイコさんがシャワーを浴びてる間、緊張を誤魔化す為に部屋をあちこち観察していた。如何にもな照明とかベッドの側に用意されているアレとか見つけてしまい、余計意識して墓穴を掘るだけだった。  
ボーカロイドには必要ないものなのに……。  
大人しくベッドに座って考える。僕、こんなんで大丈夫なんだろうか。誘われるまま、三分の一くらいは成り行きで来ちゃったけどさ。  
それにしても、メイコさんはどうして僕を誘ったんだろ……。  
「カイトくん?」  
「うわぁ!」  
振り向くと、裸体にバスタオルを巻いたメイコさんが、髪を拭きながら首を傾げている。  
「シャワー空いたよ? 入る?」  
「はい、行ってきます!」  
タオルに包まれた豊満な肢体が目に毒すぎて僕はバスルームに逃げ込んだ。  
考えてもしょうがない。もうなるようにしかならないよ! 半ばやけっぱちで頭からお湯をかぶった。  
バスローブを着て部屋に戻ると、メイコさんはベッドに腰かけて缶ビールを飲んでいた。僕の気配に気がついて、笑いながら缶を掲げる。居酒屋でだって大分呑んだのに。思わず呆れて失笑してしまう。  
「よく飲みますねぇ」  
「だって『MEIKO』だもん」  
「はは……」  
確かに『MEIKO』は酒好きって言われてる。らしくって、ちょっとだけ緊張が解けた。  
「来て」  
メイコさんが手招きして、僕はベッドへ近づいた。  
「えい!」  
「うわ?!」  
隣に腰かけたとき、突然メイコさんは僕を突き飛ばした。咄嗟のことに対応できず、僕はそのまま後ろに倒れ、ベッドの上で肘を付きながら上半身を少し起こした。  
「よいしょ」  
そのままメイコさんが僕の上にのし掛かる。下腹部にお尻の感触が伝わってソコに熱が集中するのを自覚した。  
「あ、あの」  
「ん?」  
メイコさんの顔が近い近いー! ちゅ、と軽く口付けされた。ちょっとビールの味がした。  
「カイトくん、真っ赤」  
くっくっとメイコが喉で笑う音に、こっちは余計に赤面してしまう。  
「初めて?」  
言葉が出なくて、恥ずかしいけど頷いた。メイコさんが目を細める。優しくて、淫靡な表情だ。  
「……カイト君の初めて、ちょうだい。ね?」  
今度は深く唇が重なって、舌が絡まった。小さな舌が丁寧に口内をなぞり上げ、僕の舌を吸い上げる口の動きがまるでアレを吸ってるみたいだ。もう、下半身に熱が一気に集中した。  
唾液の糸を引いて離れた唇を、メイコさんはペロリと舐める。  
「これ、外して?」  
身体に巻いたタオルの巻き込んである部分を示され、手を掛けると簡単にそれは外れてメイコさんの身体を滑り落ちた。  
「あ……」  
一糸纏わぬメイコさんの色白な肢体が、照明の下に惜しみ無く晒される。見事な腰のくびれや立派なおっぱい。僕の下腹部にぴったりくっついた、アソコ……。僕が人間なら鼻血出してる確実に!  
伸ばされた手が僕のバスローブの前を開き、その動作にさっき触らせてもらった白い美乳がぷるっと揺れた。  
「キレーな鎖骨」  
淫靡な照明に光る赤い爪がそこを這う。  
「結構筋肉あるんだね。ちょっと意外」  
指が引いて首筋に唇が触れた。小さなキスを繰り返しながら唇が下へ降りて行く。乳首にもキスされて円を描きながら舐め上げられ、男もそこが感じることを初めて知った。  
「う……」  
「気持ち良い?」  
押し付けられた豊かな膨らみが僕の肌を滑り、柔らかさの中の小さなしこりが自己主張してて、それもまた刺激となりキスと一緒に身体を下る。  
臍に唇を感じた時つい腰が浮いて、指が脇腹を撫でトランクスを下ろされた。  
「! メ、イコさん」  
晒された下腹部は、もう大変なことになっている。僕の脚の間に座り込んだメイコさんは、硬く熱を孕んだ僕自身に手を伸ばし躊躇うことなく唇を寄せた。  
「……っ!」  
 
女性に見られたことも、ましてや触られたこともないソレにメイコさんは小さなキスを繰り返し、手を上下に動かす。その度、自分で触るより何倍も強い快感が身体を巡った。  
声を抑えるのに必死な僕は、シーツをぐっと握り締めることしか出来ない。  
いつの間にか、這う舌が裏も袋も括れた部分も悪戯するみたいに舐め、その先端にキスされ腰が揺れてしまう。  
「ふふっ。先っぽがぬるぬるしてきたよ。いただきまーす」  
言うや否や、ヌルリとした感覚がソコを包んで声を抑えることが出来なかった。  
「あ、っ!」  
じゅぷっと音を立ててメイコさんは僕を弛く吸い立てる。小さな口から出し入れされる度漏れる音が神経を狂わせ、甘い刺激に息が荒くなった。  
顎の裏や喉の奥に当たる感覚が、もう……本当に気持ちいい。情けないけど、あっという間に限界まで追い詰められた。  
「メ……メイコさんっ! 僕、もう」  
僕をしごく手と頭の動きが一層激しくなった。  
「あ、あっ……!」  
強く吸われ身体が強張り、僕はメイコさんの口の中に欲望を吐き出した。身体の力が一気に抜け、ベッドに仰向けに倒れ込む。息がすっかり上がって、自分でするのとは違う快感に浸った。  
次第に萎えるソレにメイコさんは先端に吸い付いて最後の一滴まで飲み込んでくれる。  
「いっぱい出たね。溜まってた?」  
「や、その……」  
昨日、予習動画のメイコさんで抜いたばっかりです。とは流石に言えず、誤魔化した。  
メイコさんは身体を伸ばし、横たわる僕の上で四つん這いになってサイドテーブルの飲みかけのビールで欲望の残滓を喉に流した。顔の上で下がったおっぱいがゆらゆら揺れてすごい眼福だ。  
やられっぱなしも悔しかったから、ビールに気を取られているメイコさんの下肢に、そっと手を伸ばす。  
「……きゃっ」  
指先に触れたメイコさんの大事な部分は、たっぷり潤んでいた。メイコさんも、興奮してるのかな……?  
頼りないぷにぷにした感触と、熱い粘膜を指先で味わいながら前後にスライドさせると、メイコさんが身体を震わせる。  
「ん……」  
「気持ちいいですか?」  
言いながら身体を入れ替え今度は僕が上になった。拙い指先の動きに焦れったそうに身を捩る。  
「気持ちいい、けど……」  
もどかし気に僕を見上げる目は潤み、緩く微笑んだ。  
「足りないかな……」  
ですよねー。技量不足露呈。  
とほほと肩を落とす僕に、メイコさんは堪らずといった様に吹き出した。  
「やあだ。そんな顔しないでよ。教えて上げるから。……ね?」  
温かい手のひらがちよっとだけ気落ちした僕の頬を包み込んだ。引き寄せられてキスした後、「もう、かわいいんだから」って言われ、僕は赤くなるしか無かった。  
 
「ぁん……もう少し強く……ん……っ」  
言われた通り、加減すればぴくんっ、と組敷いた身体が跳ねる。  
白くてエロい肢体のそこかしこに指や舌を這わせ、知ったのはメイコさんの身体は感じやすく、顕著な反応を見せるのが首筋と乳首。  
首筋を撫で、乳首を甘噛みして軽く引きながら離せば乳房が揺れて甘い声が上がった。その声が聴きたくて何度も繰り返す。  
「好きなんですか?これ」  
ツンと尖る先端に唇を触れさせたまま問うえば、言葉でなく身体が応えた。  
「意地悪……カイト君だって、おっぱい好きでしょ」  
「大好きです!」  
ちゅうっと強く吸うと、やぁんだなんて嬉しそうに否定する。  
「……ね、こっちも」  
おっぱいを握ってた手を取り、下肢へ導かれた。密やかに閉じられていたソコを溝に沿って指でなぞると、くちゅりと簡単に口を開いた。  
熱い粘膜に指を絡めて頼りない形を探れば、指先に確かな小さなしこり。  
「さっきより硬くなってる」  
「あっ、んっ」  
細かく動かすと勢い良く腰が跳ねる。少し開いた脚の間、割れ目で僕の指が動いてる様を見てたら、メイコさんの大事な部分をまだちゃんと見ていないことに気がついた。  
「あの、ココ、見ていいですか?」  
「うん……」  
膝頭を手のひらで包み脚を開いた。蜜に濡れそぼった、すっかり顔を出している突起と、桃色の花芯がひくひくと息づき、その挟間から透明な粘膜が溢れてシーツに染みを作る。  
……綺麗だと思った。綺麗で、でも凄くイヤらしい。女の人のココってこんなに男を誘って、興奮するんだ……。  
しばらくソコに見入っていたら掴んでた脚が身動いだ。  
「ね……触って……」  
我に返って、窪みに合わせて指を這わせた。  
「乱暴にしちゃダメよ」  
「は、はい」  
這う指にほんの少しだけ力を入れると、くぷんと指先が花芯に埋まる。ここが入り口。なんて小さい。  
「あ……っ。ぅ……」  
解すように前後に動かした後、指を曲げ肉の壁を刺激すると、甘い喘ぎと粘ついた水音がした。  
「は……っ。ソコ、イイ……」  
ザラつく膣壁に細かく指を振動させ、爪を立てないよう細心の注意を払う。指が動く度、あっあっと鼻にかかった可愛い声が聞こえた。触れた肌がしっとりしてきて、段々強張ってくるのが分かる。  
「……吸ってぇ……っ」  
切羽詰まった懇願に促され、快楽に尖る肉芽を口に含む。舌で転がし、強く吸ってやれば華奢な腰が跳ね上がった。  
「ああっ! あっ、んーー……っ」  
一際高い声が上がり強張った肢体が弛緩した。……イったんだ。僕が、メイコさんを……!  
秘所がひくつくのを僕は指を抜くのも忘れ眺めていた。  
下半身が、自身が、痛いほど熱い。我慢出来なくなって身体を上に伸ばし、息を乱したメイコさんの首筋にきつく抱きついた。  
「メイコさん! 僕……」  
硬く自己主張する下半身をメイコさんのソコに押し当てながら乞う。カッコ悪いけど、許しなしで先に進むのは怖かった。  
この人に嫌われたくない。  
「カイト君……」  
僕の腕に手が触れ、そっと押された。強い力じゃないのに密着していた身体が離れる。  
メイコさんは背中を枕に預け、ゆっくり半身を起こした。そして、膝を折って脚を開く。  
「ココ……」  
脚の間に手が差し入れられて、僕がさっきまで弄っていた襞の狭間を指先がなぞった。赤い爪が濡れて光り、ほんの少しソコに沈む。  
「ココよ、挿れて……欲しいの、カイト君の、アレ……」  
見せつけるようにソコを示す指と、僕を見上げる、発情して潤んだメイコさんの瞳。きっと僕も同じ目をしているんだろう。  
ああ、もう……なんて可愛くて、イヤらしいひとなんだ。  
臍に着くほど勃っている自身をメイコさんの窪みに擦り付け、濡らしてから膣口に押し込んだ。  
 
「あぁ……っ!」  
「……きつ……」  
しっかりと根元まで納め、はぁと息を吐いた。メイコさんの中は、熱くて思っていたよりずっと狭い。気を抜けば出してしまいそうで、下腹に力を込めた。  
「カイト君……」  
貫かれ、瞳を潤ませたメイコさんが僕を見ている。  
「はい……?」  
「カイト君の、おっきいね」  
そんなこと言われたことなどあるわけないし、誰かと比べたこともない。焦ってマヌケな台詞が口をついてでた。  
「へ?! い、痛いですか?」  
ムードもへったくれもありはしない。ううう……。  
「ううん。気持ちいいの。すごい、奥まで……っ」  
メイコさんの小さな口から熱い溜息が洩れて、僕は……。  
 
完全に頭に血が上った。  
 
衝動のまま腰を勢い良く動かし、出し入れの度にぐじゅぐちゅっと卑猥な音が響く。  
「きゃっ! あ、あっ、ああっ、んっ……待って、ねぇっ!」  
繋がった部分から、今まで感じたことの無い快感が襲ってくる。イヤイヤと首を振るメイコさんの茶色い髪が、シーツに当たって乾いた音を立てた。  
なんだこれ? 熱く誘うように蠢く膣。絡みついて離れようとしない、花弁のような襞。こんな感覚初めてだ。  
自慰とは全然違う強烈な快感に我を忘れて腰を振っていると、不意に中が強く締まり、出しそうになって僕は慌てて動きを止める。  
「〜〜っ!」  
「バカ」  
メイコさんが真っ赤な顔で僕を睨んでいる。中が締まったのは、暴走する僕を止めるためわざとしたみたいだ。  
さっきまで僕を優しく受け入れてくれていたメイコさんが、すっかりむくれてしまっている。あ……。  
「バカバカっ。いきなり強くしないで!」  
「す、スミマセン……」  
毒気を抜かれたというか、相手の存在に気づいたというか。  
もう。とメイコさんはしょうがないといったカンジで、僕の頬を撫でた。  
「そんな風にしたら直ぐ終わっちゃうじゃん。乱暴なのはイヤ……もっと楽しもうよ」  
首に細い腕が絡んで引き寄せられ、耳元に口を当てられる。  
「もっと私を、じっくり味わって」  
 
……そんなの、初心者には難易度高いですよ。  
内部に埋めた自分が、また膨張した気がした。  
 
メイコさんを抱き締め、緩やかに出し入れしながら指を入れた時に見つけた場所を探す。始めにメイコさんが口でしてくれたから、まだ僕には余裕がある。  
耳に当たる吐息と掠れる喘ぎにぞくぞくする。こめかみや頬、唇に深くキスしたり、身体中を愛撫して学んだ性感帯を刺激すると膣が反応した。  
「っ、……スゴイです」  
「ん……? なあに」  
はあ、と息をついて僕は眉を潜めた。  
「気持ちいい、ナカも、キスも、肌をくっつけるのも……全部が」  
メイコさんの身体全部、触れているところ全てが気持ちいい。  
セックスという、この上なくイヤらしいことをしているというのに、愛らしくメイコさんは笑う。  
「私も、だよ。んっ……」  
相手を気持ち良くしてあげれば、全部自分に返ってくるんだ。そういえば、撮影の時僕は自分のことしか考えていなかった。撮影に気を取られ、自分のことで一杯いっぱいだった。  
メイコさんを『共演者』として見ることが出来なかったかもしれない。  
「ほら」  
メイコさんが笑顔できゅんと膣を締めてくる。  
僕もお返しにツンと勃ってる乳首を吸って、乳房を揺すってやった。腰を使うのも忘れずに。  
ちゅぱっと音を立て唇から乳首が離れると、その刺激もイイみたいで僕の肌に爪を立てた。ぷるぷる揺れるおっぱいの視覚効果はバツグンで、僕を煽りまくる。  
僕の出来うる限りで、気持ち良くしてあげたい。気持ち良くなって欲しい。もっとえっちな声を聞きたい。  
さっきまで僕を支配していた凶暴な衝動はなりを潜め、今は僕を受け入れてくれているこの人と感じ合いたいと思った。  
「あ、あんっ」  
ぴくんとメイコさんが跳ねた。  
ココなんだ。  
再び見つけた反応の良い奥を小刻みに突く。その途端、余裕の無くなったメイコさんは派手に喘いだ。  
「ああっ、ソコ! ひっ、イイ、んんっ」  
緩急つけて攻めてみるとしがみつかれ、おっぱいが僕の胸に押し潰された。  
急に膣が強く吸い付く感じになってこっちもだんだん余裕が無くなり、自然に抜き差しする動きが激しくなってしまう。  
乱れるメイコさんの細い腰を掴んで、引き寄せ打ち込みながら顔を覗き込んだ。快楽に溺れる苦悶にも似た表情。  
「……メイコさんっ! 僕、出る……!」  
「う、んっ! ああっ、奥に出してっ……奥っ……」  
ぎゅうっと搾り取るように、膣が強く僕を吸いたてる。  
メイコさんの細首が反って、顎が上を向き、爪先がぴんと伸びた。  
「あ、ああっ! イク……っ、はぁ……んっ!」  
「う……あ!」  
自制なんかできる筈もなく、僕は腰を振りながら最奥にガマンの全てをぶちまけた。  
 
ぴちょーん。  
 
湯気の立ち込めるバスルームで浴槽に浸かる僕の脳天を、水滴が直撃した。  
「ちょっと〜。なにもそんなにヘコまなくたって……」  
腕の中のメイコさんは、上気した顔で僕を見上げて頬を突っついてくる。僕らは情事の後汗を流し、メイコさんを横抱きにしながら一緒に浴槽に浸かっていた。ラブホのお風呂って広いなあ……。  
お湯の中でメイコさんの濡れた頭に顎を乗せて、密かにため息をつく。  
お互いを洗いっこしてたら、その、途中で僕がまた元気になってしまい……メイコさんに拝み込んだんだけど、断られてしまったorz  
だって、さっきまで繋がってたメイコさんのアソコから、僕の出した白いアレが垂れてくるのを見せられて、挙げ句に「ねぇ指で掻き出して?」ってお願いされたら誰だって……!(「お願い」は叶えましたよええ当然です!!)  
当のメイコさんといえば、上機嫌で鼻歌なんて歌ってる。メイコさんの肩越しに見えるおっぱいはお湯に浮いて、その滑らかな白い肌に、僕の付けた紅い印が鮮やかに映えてる。  
密着した肌の感触や散々しゃぶった乳首を見ていると、股間が質量を増してくるのが分かった。多分、メイコさんだって気付いていると思うんだけどなー……コレ。  
「……僕、ダメでしたか?」  
気持ち良かったのはひょっとして僕だけ? アレ演技? 一緒にイケたのは殆どメイコさんのリードのお陰だったし。  
ヘタクソだったから二回戦はイヤだとか?   
そうだったら、ちょっとマジ笑えない。確かに初めてだったから、いっぱいいっぱいだったけどー! 内心涙目な僕に、メイコさんは両手を使いお湯を顔目掛けてばしゃり。  
「もーっ! 拗ねないでよ」  
「ちょ、ヒドイですよ」  
鼻にお湯が入って、ツンと痛みが走る。  
「すっごく気持ち良かったよ! 本当よ。こんなことでウソなんかつかないって」  
僕に向かい、浴槽の中で膝立ちになって両手を腰に当てて、胸を張りメイコさんは言い放つ。僕の眼前で立派な美乳がぷるんと揺れた。……触りたい。  
「ホントはさ、私が上に乗って色々気持ち良くしてあげたかったんだけど、PVの台本は『カイト君が私を攻めまくる』内容だったから止めたの。カイト君が上の方が撮影にはいいかな〜って」  
驚いて目を瞬いた。え、じゃあ……。  
「今日誘ってくれたのは……撮影のためなんですか?」  
「まさか。緊張してるみたいだったから、普通に親睦深めるために飲みに誘ったんだけど……でも、落ち込んでるカイト君見てたら、慰めたくなったのと、自信をつけてあげたくなったのよ」  
言いながら、メイコさんが僕の濡れた髪を梳くように撫でる。湯で血色の良くなった紅い唇が弧を描いた。  
「それに私、好きなのよね。えっちなこと。イヤらしいこともキモチイイことも、だーいすき」  
「……だーいすき……って……」  
「あのプロデューサーの仕事受けてるのも、半分は好きでやってるコトだしね〜」  
なんか、すごいことを聞いた気がする。あまりのことに、呆気にとられる僕の首にしなやかな腕が巻きつき、ちょん、とメイコさんが鼻の頭にキスした。  
「ねえ、カイト君。明日の撮影の後、ご褒美が欲しくない?」  
へ? ニンマリと笑うメイコさんはさながらサキュバスだ。唇が触れそうなほどの至近距離でメイコさんの口が囁く。  
「撮影が上手にできたら、いーーっぱい気持ちよくしてあげる。だから今日は、もうお終い。おあずけね」  
え? 自分でも露骨だと思うくらい期待に満ちた顔をしてしまい、メイコさんが僕の首にかじり付いて吹き出す。  
ぴっとりと身体を寄せ、おっぱいが僕の胸板にむぎゅっと押し付けられた。  
「自信、結構ついたでしょ。さっきみたいに撮影に臨めば、大丈夫よ」  
「メイコさん……」  
水を弾く肌。雫がなだらかな背中の曲線を伝い転がっていく。  
撮影が上手くいかなくて落ち込んでいた僕を奮い立たせくれたエッチなお姉さんは、僕の膨張しているソレの先端を指の腹でくりくり撫でた。  
 
「明日はガンバって」  
「〜〜っ! はい!」  
 
 
その後、僕たちの絡みの撮影は滞りなく終了した。  
余りの迫真? の演技に、監督には「ホントに昨日のカイトか? 何があった」と疑われ、慌てる僕を見て監督の後ろでメイコさんが肩を震わせ笑いを噛み殺していた。  
 
(まずいなあ。なんか、可愛くて厄介な人を好きになっちゃったかも?)  
 
 
おしまい  
 

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