えっちなメイコお姉さんと新人カイト君のはなし 3.5/ハロウィン
「trick or treat」
なんて台詞は、この日子供が言う定番のモノなのに、このヒトの艶やかな唇で色っぽく囁くとなんでこんなに卑猥に訊こえるんだろ?
僕の首に両腕を絡め豊かなおっぱいを押し付けて、とっても綺麗でとってもエロいメイコさんが、発情した顔でそう言った。
風の冷たさに秋の深まりを感じる10月末。
一月ほど前からTVも街も仕事内容も、オレンジのカボチャとか真っ黒なコウモリとかモンスターで飾られた季節。ハロウィンだ。
仕事仲間の年季の入ったバンドマンが「昔はハロウィンなんて、こんなに騒がれなかったのになぁ」と苦笑していたのを思い出す。
もちろん仕事もハロウィン関係が多くて、歌もPVもコスプレ仕様のものが多い。仕事場でも年少のボカロ達にお菓子をたかられ、用意していなかった僕は散々イタズラを仕掛けられてほうほうの態で帰宅した。
ぐったり一息ついていたら、玄関の扉をノックする音が聞こえた。昭和の香り漂う古惚けた木造アパート。チャイムとかインターフォンとか文明的っぽいモノなどない。
アカイトかなー? へいへーいとドアを開けるとそこには……。
「来ちゃった」
お土産らしきケーキの箱を掲げたメイコさんが、にっこり笑って立っていた。
メイコさんが持参したケーキもハロウィン仕様で、ホールでSサイズのカボチャのパイだった。彼女にお茶を出し、早速それを切り分けた。
それにしても、約束も連絡も無しにメイコさんがやってくるのは珍しい。
それを尋ねれば、メイコさんはパクついていたパイの飲み込み、フォークを唇に当てながら答えた。
「仕事先で貰ったんだけど、近所の友達と分けようと思ったら、仕事で皆捕まらなくって。カイト君、甘いもの好きだからお裾分けに来たの」
メイコさんは事務所の所有する女性ボカロ専用のマンションに住んでいる。同じ階に住んでいる仲の良いボカロと、良くつるんでいるらしい。
「じゃあ、仕事から直帰してよかったです。僕」
パイにありつけたし、メイコさんが来てくれたし! なんてウキウキしてたら、メイコさんが申し訳なさそうに眉を下げた。
「……私、考えなしに来ちゃった。ゴメンね〜。
ホラ、一人暮らしの男の人の自宅ってさ、突然行っちゃうとトラブルの原因になるじゃない?」
「へ?」
「他の女の子と鉢合わせとか。カイト君に付き合ってるコいなくても、ソレとコレとは話しが別だし」
「ぼ、僕はそんなのナイですよっ! そんなことで謝らないでください!」
びっくりして思わず大声を出してしまった。必ず連絡入れるのって、そういう理由だったんだ。
「僕にはメイコさん以外に親しい女性はいないし、ウチに来る時はそんなの気にしないでいいですから」
きょとんとしたまま首を傾げる姿は可愛いが、何を言い出すのやら……。内心、溜息をつく。気の使い所がヘンだよ。
仕事で知り合ったこのメイコさんは、性に奔放でえっちなことが大好きな年上のボカロ。異性関係は派手だったが、一度も恋愛を経験したことがなく『人を好きになること』を知らないという厄介な人だ。
でも、そんな彼女を好きになった自分が一番厄介なのかもしれない。
僕は多分、現在メイコさんの周りの中で一番彼女に近い男だけど、それでもセフレ止まりだ。『恋愛』を理解できないメイコさんに告白して、僕の気持ちを分かれというのも無理な話。告白は、今はしたくてもできない。
さっきの話しは、実際に起こったことなんだろうな。アポなしでメイコさんが相手の男の家に行ってしまったのか、男の家にいる時に他の女がやって来たのか。
メイコさんの過去は考えたって仕方ないので、普段は気にも留めてないけど、メイコさんの行動や会話の中に垣間見える過去は、ちょっとだけ僕を寂しくさせる。
多くの男と寝たメイコさんに対して悲しいとか、そういうのではない。
メイコさんは何時だって『二番目あるいはそれ以下』の扱いだったから。しかもメイコさんは、それになんの疑問を感じていないのだ。
むしろ、彼女はそれでいいと思っている節がある。深い関係や精神的な繋がりを、メイコさんは求めていないし理解できていないから。
それが、切なかった。
「……へえ、じゃあカイト君、鏡音ちゃん達にいじめられちゃったの?」
「苛められたっていうかイジられたっていうか、お菓子用意してなかったから避けようがなかったでした」
お菓子を持っていなかった僕に、鏡音ズは「お菓子をくれないなら、それ相応の覚悟をしてもらおうか」と邪悪に笑い、収録の合間にもの凄い狼藉を働かれた。
缶入りのポテトチップスを中身が飛び出るオモチャに擦りかえられたり(オモチャのヘビが飛び出てきた)
ぶーぶークッションしかけられたり(今時……)
座ってちょっと話しこんでいたら、いつの間にか左右のスニーカーのヒモを結ばれ転んだり(テーブルの下に潜んでたと思われる)……。
ほんと、すごかった……! 来年は絶対お菓子を常備しようと思った一日だ。ハロウィンてスゲエ。
メイコさんはお腹を抱えて笑っている。涙を拭きながら僕を見上げた。
「笑い事じゃないって、ほんと。大変だったんですから」
「ふーん? そっかハロウィンか。だったら私もカイト君にお菓子貰いたいかも」
「え? ウチ今菓子切らしてて……」
メイコさんの両腕がするっと僕の首に絡まって、一気に密着度が増した。メイコさんの匂いが近くなって、ぽよんとしたおっぱいの感触が胸に感じ、「お菓子」の意味を瞬時に理解した。
「trick or treat」
色気たっぷりにぷるぷるの唇から零れた言葉は、子供の台詞と思えない程イヤらしい。重なった唇が直ぐに粘着質な音がした。互いに舌を差し出しながら絡め合う。
たっぷり口腔を味わって、顔を離すと唾液の糸がぷつんと切れた。
茶色い瞳を潤ませて、メイコさんが微笑む。
「カイト君のアイスキャンディが食べたいな」
僕の股間へそっとメイコさんの手が伸び、手のひらで刺激を送ってくる。緩やかな愛撫が下半身をじわじわ覆っていった。
「舐めているとどんどん硬くなって、白いのが出てくるヤツ」
「……全然甘くないでしょ。このアイスキャンディ……」
「うん。でもカイト君の味、好きよ」
赤い舌が伸びて僕の唇をぺろぺろ舐める。生温く濡れた感触がこそばゆい。メイコさんは瞳に妖しい光を宿して僕を窺っていた。そんなことをするから、身体は正直にメイコさんの手のひらの中で形を成していく。
「僕ばっかりあげるのはズルくないですか? 僕も欲しいな。メイコさんのお菓子」
「私は持って来たじゃない」
「あれも美味しかったけど、メイコさんのミルクプリンとか、シロップとか食べたい」
言いながら少し身体を離して、服越しに柔らかなおっぱいを下から持ち上げた。
「真ん中にピンクの飾りのついたヤツ」
さすがに照れくさい。むにむに指を動かし揉み始めると、メイコさんが感じて肩を竦めたのをいいことに、僕は服に手をかけた。
脱がせ、次第に露出していく素肌。抱きつくメイコさんのボトムを引き下ろしていると、僕の耳元に寄せた唇が動いた。
「食べさせ合いっこ、しようよ」
ベッドの上で重なりあい、お互い頭を相手の脚の間に埋める。
シックスナインの体位で、メイコさんは僕のアイスキャンディを、僕はメイコさんのシロップを食べさせ合いっこしていた。
舌に乗るシロップは大人風味で、ちょっとしょっぱいけどメイコさんの味は咽越しに甘い。襞やクリトリスを舐めれば舐める程、透明なそれは溢れて僕の口の中に滲む。
僕の上で感じてふるっと震える内股を軽く噛むと、柔らかい肉の感触がした。
肉棒を咥え込んだメイコさんは貪るように唇と舌を使う。吸い立てられると強く性感を刺激され、尻の筋肉に力が入ってしまった。
「う……はっ……メイコさん……!」
首を巡らせ、僕をちらっと見たメイコさんは笑って手で肉棒を抜き上げた。その手付きに僕はメイコさんの太腿を思わず掴む。僕からの愛撫が下腹部の刺激で続けられなくなり、止まった。
こうなると、もうメイコさんの独壇場だ。僕の肉棒を舐める淫靡な音。その感触。
僕の弱い部分を知り尽くしているメイコさんは括れた所を舌先でなぞり、体液の染み出る鈴口をれろれろ舐め、竿に小さなキスを幾つもくれる。
袋を食まれるとくすぐったいやら気持ちいいやらで、肉棒がぴくぴく反応して恥ずかしいったらない。
「ちょ……メイコ、さ……う……ぁ」
下半身はメイコさんがしゃぶり付き、目の前には彼女の蜜まみれで美味しそうな性器。かぶりつきたいのに、下半身を嬲られままならない。
「メイコさんは、ズルイ……」
食べさせ合いっこ、なんて最初っからする気なかったんだと今分かった。
メイコさんは僕が白旗を上げることなんてとっくにお見通し。卑猥で旨味たっぷりの性器を見せつけては、僕のアイスキャンディを根元まで貪欲に食らいついた。
「カイト君も食べていいのよ?」
ほら。とメイコさんは大きく脚を開いて、僕の口元に自分の性器を押し付けた。
ちょうど鼻を逸れ、口だけを塞いだソレはやわやわと熱く、彼女の興奮を伝えてくれる。
「むっ……ぐ……」
匂いと味がどうしようもなく僕を昂ぶらせ、手中に収められた肉棒がビクビクし解放を訴え始めた。
咥えられ口内の奥まで引き込まれる。舌と唇でじゅぷじゅぷ激しく愛撫した後、ぐっと強く吸引され、我慢なんてできなかった。
「んぐっ、んーー」
掴んだ太腿に指が食い込む程力が入って、腰が浮く。口腔に吐き出しながら尚吸われ、全部出し終わっても最後の一滴まで残さず唇が先端を捉えていた。
口が性器から解放され酸素を肺に送るべく息を弾ませていたら、メイコさんが僕の上から起き上がって顔の方へ近づく。蜜にまみれた口元を白い指が拭ってくれた。
「ごちそーさま」
赤い唇に乗った精液をぺろっと舐めて瞳を細めるメイコさんを、僕は恨めしく見上げることしかできなかった。
息が整うと、僕はくすくす笑うメイコさんをベッドに押し付けた。
きゃんって可愛い声を上げるけど、顔はまだイタズラっこのように笑ったまま。
「食べさせ合いっこって言ったのに、僕ばっか食べるなんてヒドいです」
「だってカイト君美味しいんだもん。ぺろぺろ舐めると、カワイイ声がしてアイスキャンディがぴくぴくするの」
「ぺろぺろなんて、生易しいモンじゃないでしょ、メイコさんのは」
あんな風にしゃぶられたら、声なんか我慢できない。
「今度は僕の番ですよ。腹が減ってしょうがないです」
真っ白なおっぱいを手で覆い指が肉に埋まる。揉み始めながら細い首筋に唇を這わせると、メイコさんが咽を反らせた。鎖骨の形を唇で辿りながら胸元へキスを落としていく。
「あん……いいよ、いっぱい食べて」
ミルクプリンと称したおっぱいを根元から押し上げるよう握ると、ぷるぷるっと揺れた。色白なメイコさんのおっぱいが揺れる様は、ホントにミルクで作ったプリンみたいだ。
そういえば、おっぱいプリンなんてものも世の中にあると訊いた。考案したヤツはかなりのおっぱいマニアに違いない。
ゆっくり手の中で円を描くように揉み込み、その動きと感触を堪能した。揺れるおっぱいのイヤらしさが目に毒すぎる。我慢できなくてつい噛みつくと、柔らかな中にも弾力があるのがいい。
乳首を口に含む頃には、もうそれはピンと芯を持って舌を絡め易くなっていた。
乳首の付け根を舌先で掘り起こすように舐め、口の中で弾いてからちゅっと吸う。
「あぁ……んっ!」
大きな声が出そうになったメイコさんは慌てて口を噤んだ。僕んち、音が外に漏れやすいから……スンマセン。でも止めません!
「ん……カイト君……吸いすぎ」
しつこいくらいちゅうちゅう吸ってたら、苦笑してメイコさんが僕の頭を撫でた。
「なんだか、吸ってたら出そうな気がして……ミルクとか」
「ふふ。出たら母乳プレイとかしてあげれるのにね」
小振りの乳首を抓んでみると、くにっとした感触。ピンクのそれは乳頭の真ん中に僅かな窪みがあった。こんなところまで人間そっくりに作られているのになー。
指先で撫でてから乳輪と肌の境目を舌先でなぞっていたら、メイコさんの腰がもじもじ揺らぐ。脚を擦り合わせ、割れ目の部分がうっすら濡れている。
「ん……、カイト、くん……」
「ん?」
蕩けた瞳を覗き込む。潤んで揺れる瞳が、僕を映していた。
「あのね、下のおクチがお腹空いたって言うの」
上目使いで可愛らしく、尚且つイヤらしいコトを言う唇へ軽くキスして身体を起こす。
「上だけじゃなくって、下のクチにもちゅーしよっか」
「あっ」
メイコさんの膝裏に手を当て、開きながら腰が浮く程持ち上げる。
嫌がることなくメイコさんはお股を開いて、ソコを見せてくれた。
メイコさんの性器はシックスナインの後は殆ど触れていなかったのに、ぐちょぐちょになっていた。
ピンクのアソコは充血して鮮やかに色を増し、ひらひらした襞もその上のクリトリスもびっしょり。クリトリスは半分顔を出していて、それを唇で挟んで包皮を剥く。
「んっ!」
びくっと震えた身体。唇で挟んだそれを剥き出しにして、食むとコリコリした感触が堪らない。メイコさんは声を押し殺して身体を捩じった。
イヤがってるんじゃなくて、悶えているってコトを僕はちゃんと知っている。
頼りない肉の中のクリトリスは、半端な硬さで存在が際立っていた。
口に含んで舌で嬲ってあげると腰が揺れたり、お尻が動いたりして感じてくれているのが分かる。
襞の間から流れる体液はお尻の溝を伝う程滴って、それを追うように僕はお尻の方から溝に沿い、尖らせた舌をゆっくり上方へ辿らせた。
脚が細かく震え、耐えられない喘ぎが途切れ途切れに聞こえる。
最後に潤いの源に唇を重ねて、下のお口とキスをした。
「あう……っ」
さっきはお菓子になぞらえてシロップとか表現したけど、ココがお口ならこのぬるぬるはメイコさんの唾液になっちゃうかな?
唇同士のキスのときにするみたいに、口を開けさせ奥へ舌が滑り込む。当たり前だけど口の中より断然狭く、入り口の辺りを舐める感じになったけど、メイコさんは僕の舌を逃がさないよう締めてきた。
ぬるぬると唾液で捕まえられない舌を求めて動く下のお口は、存分に僕を高めてくれた。
「あ……あ……早くぅ……」
「こっちのお口、すごく涎垂らしちゃってるよ」
じゅるりとぬるぬるを啜り上げると、身体が強張った。
「だって……お腹、空いてるんだもん」
「……お菓子欲しがって、ぱくぱくしてる。カワイイ」
襞を口で引っ張ろうとしたけど、ぬるぬるで滑って途中で離れた。
「ねぇ……」
そろそろとメイコさんが右手を自分の股間に手を伸ばし、僕の目の前で下のお口に指を添えた。
「下のおクチに、カイト君のアイスキャンディを食べさせてあげて……」
上気し、発情に浮かされた表情に思わず咽が鳴った。
最近気がついたことだけど、メイコさんは綺麗で可愛い人だが、セックスしている時が一番綺麗だ。淫靡に誘い、心も身体も素直に僕を求めてくる。
だから、その姿に錯覚してしまいそうになる。僕を好きになってくれたんじゃないかって。
「カイト君?」
一瞬自分の世界に入っていた僕を、メイコさんが呼ぶ。不思議そうに僕を見るメイコさんに、取り繕うよう笑いかけた。
「う、ん……なんでもないよ」
「早くちょうだい……あーん」
幼い言葉と共に下腹部に添えられた指がV字を作り、桃色の肉と襞が左右に引っ張られくぱっと大きくお口が開いた。とろりと新たな粘膜が奥から滴る様に、肉棒が痛いぐらい反応する。
うっわ……。
初めての時も思ったけど、女の人が自ら自分の性器を開く仕草ってものすごくエロい……!
僕を求め、ぱっくり開いて「あーん」している、桃色のおクチ。こんなの見せつけられて、我慢できたら男じゃない。
メイコさんの脚を肩にかけ、僕はとっくに硬化し滾った肉棒の先端を入り口に押し当てて、ちょっとだけ圧力を加えた。くぷんと頭がお口の中に沈む。
「んぁっ」
「……!」
ぬるりと粘膜が僕を運び、先端を襞と膣口が包み込んだ。そのえも言われぬ感触に、情けない声が出そうになって口を噤む。先っぽしか挿ってないのに……。
「メイコさ……」
「カイト君……美味しく、食べさせてね」
とろんとした瞳に僕を映し、メイコさんはねだる。
なんつーこと言うかなー。そんなおねだりされたら、否が応にも掻き立てられるよ。
「声、抑えてね」
上から落とす感じで、昂ぶった肉棒をゆっくりメイコさんの中へ沈ませる。ざわざわと締めてくる感覚が堪らないったらない。
根元までしっかり押し込んで、慣らすため奥を小刻みに突くとメイコさんが息を詰めた。
「動くよ」
ぎりぎりまで引き抜き、ぐっと打ち付ける。担いだ脚がびくんと跳ねた。
肌と袋が当たり、ぱんぱんと音を上げるリズムが、次第に感覚を狭め粘膜の音と共に部屋に響く。
喘ぎを逃がすため浅く早く走るメイコさんの吐息。それでも堪え切れない甘い声が、時折咽から転げ落ちていく。
「ど……? 美味しい?」
「んあっ、おい……し……もっ、と、んんっ」
メイコさんの下のお口は、ぎりぎりまで大きく開き肉棒を旨そうに咥え込んでいる。押し込めば悦んで迎え入れ、引くと嫌がるように食いついた。濡れた襞の動く様も本当に咀嚼しているみたいだった。
締め付けも半端なく、穿つ肉棒を嬉しがって離そうとしない。僕もがっついているが、メイコさんだって相当だ。
膣は心地よく刺激を与えてくれるけど、気を抜けば全部持って行かれそうになって油断がならなかった。
「下のおクチ、口いっぱい頬張っているね」
「おっきい、からぁ……は……ぁ」
「いっぱい食べて」
貫かれ、メイコさんが苦しそうに喘ぐ。肩から脚を降ろし細い腰を掴んで揺すぶると、肉棒が膣壁を抉る刺激に肢体が戦慄いた。
お尻が浮く程下半身を持ち上げ、自分の腰をメイコさんに押し付けてぐりぐり回せば、奥がきゅっと狭くなりくっついた性器同士が卑猥な音を立てた。
はぁ、と肺の奥底から息を吐いて、僕は暴走しそうな身体を制御する。あんまり派目を外すと先にイっちゃいそうだった。
「中、食い付きが激しいですよ。下のおクチは食いしん坊だね」
メイコさんの上に重なって苦笑すると、伸びてきたしなやかな腕が僕の首に絡んでくる。そのまま唇を重ねられ、僕の口を割り開く舌先が強引に口腔へ侵入してきた。
舌の付け根からメイコさんのそれがつうっと撫でて、肌が泡立つ。柔らかい唇が僕の舌を捕え扱くように吸い立てた。性感を増幅するようなキス。
……下だけじゃなくって、上のお口も充分食いしん坊だった。
メイコさんの小さな赤い舌にキスで濡れた唇をぺろっと舐められ、顔が離れた。
触れあう肌から伝わる体温がすごく熱い。メイコさんが甘えるように抱きついて結合部を揺らした。
腰から脇腹、背中を手のひらで愛撫しぴったり身体をくっつける。しっとりした感覚が僕の肌に気持ちいい。茶色の髪に覆われた耳に鼻先を埋め、中を軽く突いた。
「ココがすごく熱くなってる」
くちくち鳴る小さな水音。あっあっと吐息寸前の喘ぎ声が、耳朶を刺激する。
「本当に食べられてるみたいだ。熱くて、とろとろしてて、僕の方が融けちゃいそう」
「そうよ、食べてるの。カイト君ってすごく美味しいんだもん」
メイコさんの唇が僕の首筋を甘噛みする。はむはむとした動きが、擽ったくもちょっぴり快感を伴う。
「ねえ、もう、欲しい……我慢できない……」
「ん」
ベッドの端に押しやっていた僕のシャツを手繰り寄せ、メイコさんの口元に差し出した。
「これ噛んでて」
頷いてシャツを口に含む直前、メイコさんが僕を見上げて甘く呟いた。
「……もっとカイト君を食べたいの」
艶めいた声音に目眩がした。メイコさんの中から一旦自分を引き抜き、横臥させてから、もう一度脚を開かせて片足を担ぐ。
下半身を交差させる体位になって腹と腰を掴み、僕を失って寂しそうにヒクヒクしている膣口へ、力強く突っ込んだ。
「っ、は……ぁっ!」
勢い余ってずり上がる身体を逃がさないようしっかり抱え、がんがん腰を打ちつけ責める。ベッドが悲鳴のように軋んだ音を立てた。
「っん、んっ、んんんーーっ」
中を擦り上げながら挿入を繰り返すと良い部分に当たって、メイコさんは僕をきゅうきゅう締め付ける。濡れそぼり、溢れる体液が奥から押し出され内股とシーツを汚した。
二の腕の陰から見えるおっぱいが抽送に合わせ、たゆたゆ波打つ。それを掴んで揉みしだけば、こもった声が跳ねあがった。
「く……ううんっ、ふぁ……っ」
快感を求めて蠕動する膣に僕の射精感も益々こみ上げた。衝動の赴くまま激しく突き上げるうち、メイコさんは身体を捩じってうつ伏せへと姿勢を変えていく。
膣は穿つ肉棒を悦んで奥へと引き入れるのに、僕から逃げる背中に圧し掛かって阻んだ。
強く掴めば砕けそうな手首を後ろから掴み布団に押し付ける。脚を曲げて大きく開き、身体の前面をぺったりベッドにくっつけたメイコさんの、ほんの少し持ち上がった腰。
その双丘の間で紅色に色付いて顔を覗かせる性器に、勢いを増しながら肉棒で突き上げた。
「ん、んっ、くぅ……あふ」
「メイコ、さんっ……う……っ」
もう、食べているんだか食べられているんだかよく分からない。飢えた膣が咀嚼し吸いこむ動きに、背筋を何度目かの快感が突き抜けた。
「ふぅ……んっ、んんんーーっ」
「く……っ……あ……はっ!」
メイコさんの肢体が大きく震えて、僕の肉棒がぎゅうっと搾られる。締め付けに負け、僕は堪えていた欲望を腰を振って一気に吐き出した。
射精をしながらの膣との摩擦が例え様もない快感を生み、僕を支配する。次第に腰の動きを緩やかに変化させ、メイコさんの汗ばむ背中に脱力した身体を重ねていった。
「メイコさんにすっかり食べつくされました」
ウチは今時の文化的な設備は皆無だけど、時間が不規則な職業をしている者たちが集まっているため、古びてはいるが各部屋にシャワーとトイレは完備されている。
汗を流し、ベッドに転がっているメイコさんに話しかけると、うとうとして閉じかけた瞳が開いて、ぼんやり僕を映した。
「お腹いっぱい……まだ、溢れてきそう」
「ちゃんと洗ったから大丈夫ですよ」
僕の指でね! 隅々までね!
睡魔と闘いながら、それでもたどたどしく答えるメイコさんが可愛くって苦笑してしまう。こういう時は、『お姉さん』の顔じゃなくて年下の女の子みたいだ。
幼い表情が、さっきまであんなにイヤらしく悶えて、僕にお菓子をねだったヒトと同一人物に見えない。
……そういえば、最近だよな。こういった表情を見せてくれるようになったのも。
知り合った頃は『えっちなお姉さん』っていうイメージしかなかったのに。
「満腹で眠くなっちゃった? 寝ちゃっていいですよ」
「……んー」
掛け布団を引き上げて身体にかけていると、メイコさんは眠そうな声で続けた。
「カイト君って、変わってるよね……」
「? そ、そうですか?」
いきなり何だ? メイコさんだって大概だと思うんだけど。メイコさんを覗きこめば、これは寝惚けてるというのが分かった。思い出したことを、ただ口にしているという感じだ。
「だって、二回目の時とか『また会いたい』って言うし……あの時でお終いだと思ってた。あんなこと言うの、カイト君が初めて」
「…………」
「一人の男の人と、何回も会ってえっちするのも初めてよ……それに……」
「……それに?」
続きが訊きたくて促すと、眠気に負けてすっかり瞼を閉じてしまったメイコさんが口を動かす。
「どうして……そんなに優しいの……?」
「……え……?」
なんとも言えずメイコさんを見つめていると、段々と呼吸が規則正しくなっていく。
「メイコさん?」
呼びかけにも、もう応じない。眠ってしまったようだ。深く呼吸を繰り返すメイコさんの額にかかる髪を、そっと払う。
「それは、僕がメイコさんを好きだからですよー……」
届かないのを承知で僕は呟いた。
多分これ、メイコさんの本音だ。意外だった。そんな風に考えていたんだ。
僕がメイコさんに会うのも、優しくしたいのも、セックスするのも理由はたった一つなのに。
……メイコさんは「好き」を知らない。でも、分からないなりに僕についてこんなこと考えているということは、ちょっとは伝わっているのかな? 僕の気持ち。
そうだったら、嬉しい。
電気を消し、あどけない顔ですやすや眠るメイコさんの横に潜り込む。布団の中はいい具合に温かい。更にメイコさんがぴったりくっついてきた。
どうやら無意識の行動らしく、甘えるような仕草につい頬が緩んでしまう。
知り合って間もない頃はこんな行動、メイコさんはしなかった。それどころか次はいつ会ってもらえるかと、やきもきしていたというのに。
気だるい身体へあっという間に睡魔が降りてきた。柔らかい肢体を抱き寄せ、僕も眠りの淵へと落ちていった。
おしまい