「ツマンネ。もう飽きた寝る!」
パソコンを目の前に文字を打った後怒ったようにパソコンを閉じた。
−−私 亞北ネル 17歳。
「はぁ…わだす、何やってんだべさ…」
机に頭を乗せ将来の事や今の自分の事など考えながらため息をつき携帯を触っていた。
「皆してミクミクとか…そんなにミクがいいのかねぇ。…わだすだってアイドル目指して、ステージに立って、歌って、キャーキャー言われて…あ、それはないべw」
本来なりたかった自分を想像し苦笑を漏らす
「だけども、こんなことしてっでも、……いいや。寝よう…」
考える事をやめ携帯を閉じ頭を起き上がらせ洗面台に向かい寝るために歯ブラシを水につけ歯磨き粉を乗せ歯をぼんやりと鏡を見ながら磨いていく。
「…都会に憧れて上京してきただけども、中々思い通りにはいかないべさ…
明日は給料日。気分転換に街、回ってみるべ…」
きゅっと蛇口を捻り歯ブラシを洗いコップに水を貯めうがいもかねて口をゆすぐ。終わったあとまた蛇口を捻り水を止め電気を消し床につく。
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「ふぁあ…んうぅ…はぁ……」
朝。時計を見ると世間は仕事や学校等に行ってる時間だった。
「寝過ぎた…まぁいいべ…給料取りに行こう…」
寝癖でボサボサの頭を手櫛で整えながら洗面台に行き顔を洗ったり支度する。
「やっぱり、まだ寒いべ…東京さ熱いって言ってたけども寒いべ…」
それもそのはずお風呂に入った後ネルは下着姿で過ごしてた。−−自堕落なのか、単にパジャマが買えないのかは分からないが
「……お金ってやっぱり大切だべさ」
上京してからは生活するのがやっとでろくにご飯を食べれず体重は実家にいるより遥かに軽くなっていた。
そして、支度を済ませ戸締まりをして家を出て銀行に向かう。
「そうだ…今日はハクを(無理矢理)誘って街に行こう…」
そう呟いたネルはすぐさま携帯を取り出し電話をかける。
「………………出ない」
コール音が耳元で鳴り繋がったと思えば留守番電話だった。
通話料さえも節約してるネルは留守番電話と分かるとすぐさま切った。
「とりあえず銀行行くべ…」
ありがとうございましたー
店員の声を聞きながら店を出るその顔は少し嬉しそうだった。
「給料増えてた…♪良かった良かった…♪」
浮かれ顔で帰るネル ふと横を見ると大きなCDショップがあった
「ちょっと見るだけでもいいかな」
と寄り道をし、店内に入る
「あれ?もしかしてネルちゃん?」
店内を物色してたネルの後ろ姿を見つけたミクが声をかけた
「ひゃっ、ひゃふわぁい!?」
後ろから声をかけられ振り向くとそこにはボカロファミリーがいた(正確にはめーちゃん、ミク、リンレン、ルカ、がくぽ、GUMI、兄さんは家族の買い出し=命令でスーパーに外出中)
「な、ななな、なじょすてそな皆しているべさ!」
こんなに慌てた理由はきっとレンがいたからであろう。レンと目が合うと頬を染め目を逸らした。
赤「あれよ。あのー…なんだっけ」
緑「あれじゃないですかー?えーと…」
黄組「私わかんなーい☆彡&さっさと帰りたい…」
茄子「拙者何分こういう所は初めてで…な、なんだ貴様は!え、銃刀法違反?わ、ちょなにをするやめ」
G「あ、私先日デビューしたGUMIです!よろしくお願いします!」
蛸「……ちゃんと目的言いなさいよ…」
各々発言するが明確な答えを得れずにネルは困っていた。
それにしても茄子は警察に連れていかれたが大丈夫なのだろうか…とさえ思っていた。
「……ま、まぁ私帰るから別にいいわよ」
そそくさと帰ろうと見ていたCDを棚に戻し出口に向かった。
後ろからまたねー♪とか聞こえたが無視することにした。
店を出て少し歩いてるとまた後ろから呼び止められた。
「はぁ…はぁ…こ、これ…連絡先…。嫌じゃなかったら連絡しに来て…それじゃ」
走ってきたレンは肩で息をしながら用件だけを伝えると照れたように顔を背け返事を聞かずに帰って行った。
「………」
鼻血が出た。すぐさま家に飛んで帰った。
「レ、レン君が…レン君が私とメールしたいって…ふじこ(ry」
ばたん!と大きな音を立てドアを閉めると限界で靴も脱がずに立っていた。
「どどどどうしよう…!なんてメールを送ればいいんだろ」
すぐさま靴を脱ぎパソコンを立ち上げ某掲示板でスレを立てた。
「私女だけど片思いしてる子から連絡先くれた」
まぁ案の定?安価メールに誘導させられたが
ネルはそれを無視した。
他人事のように書き連ねるレスを片目に緊張した面持ちでメールを書く
なんて書いたらいいか分からないのでつい長文になってしまったがよしと思ったのか送信した。
思いの他順調にやり取りを続けている最中ネルは悶えていた。
「レン君がずっと私の事を見てただなんてふじこふじこふじこ」
「レン君がふじこ」
「レンふじこ」
「ふじみねこ」
一週間後。レンがネルの家に来る事になった。
当然ネルは喜んだ。喜んだ後部屋を片付けた。
普段の生活ではごく普通だが女の子であろうかやはり気になるらしい。
満足いくまで部屋を片付けると仕事に没頭した。
一週間は早くもう当日になった。
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「ま、まだかな…」
ネルは玄関を前に正座していた。
そわそわしながら待っているとコンコンとドアを叩く音がした(チャイムは壊れてるらしい)
「ひゃっ、ひゃふわぁい!」
ドアを開けようとすぐ立ち上がると足が痺れすてーんと転んでしまった。
キィ…とドアが開いた。
「……ネ、ネル姉?何してるの…?」
転んでいるネルを見て申し訳なさそうに問うた。
「……な、なんでもない…」
顔をあげずにそのままの体制で答えた。
気を取り直してとベットに二人横に座りあれやこれやと話していた。
レンが話している顔を見てネルは嬉しかった。
ただ聞いてるだけで満足だった。
押し倒されたが。
「ちょ、ちょっと…レン君…」
「ネル姉…俺もう…」
レンはネルの上に馬乗りになった形で顔を覗き込む
「キス…だけならいいよ…」
心臓がバクバク鳴ってようやく搾り出した答え。
いらない所でツンデレになってしまう自分がある意味憎く感じてる。
「……ネル姉…」
目を閉じたネルを見つめゆっくり唇を重ねる
「んっ…レン君…レン君……」
唇を重ねたまま止まってるどじれったくなったのか思いを伝えたいのかネルの方から舌を入れ絡め始めた。
どちらかともなく甘い熱い吐息が溢れ出来上がった所にネルの携帯が鳴った。
「……したかったのに…」
そう呟きながら離れたレンを見てごめんねと一言謝り電話に出た。
「もしもし?」
少しいらついた声でネルは電話に出る
「も…もしもし…」
電話の相手はハクだった。一週間前に電話したキリかけてこなかったのにタイミングが悪い。
電話を切った後レンとネルは顔を見合わせていたがその後どうなったかは次回のお楽しみに
次回「卑怯戦隊うろたんだー」
この作品は全てフィクションです。物語中にでる人物・団体ry