「ダメだよレンくん。私たちまだコドモなんだし。お兄ちゃんに怒られちゃう……」  
「バレなきゃへーきだって。それに今日はがくぽだってルカ姉んとこ泊まりだろ?」  
「そうだけど……」  
「妹の誕生日なのに彼女のとこ泊まりに行くってどんだけだよ」  
「お兄ちゃんは昼間ルカさんと一緒にお祝いしてくれたよ。ルカさんケーキ作ってくれたの」  
「……へぇー」  
「とにかくっダメだったらダメなんだってば!」  
「誕生日プレゼントだと思って受け取れよ。俺を」  
「どこがプレゼントなの!?」  
「そこかしこから溢れる愛が」  
 
ぶはッ  
 
「吹くなよ!!」  
「ごめ……ぅははっ、ちょ、……ホントごめ……ひ、ははっ……おなか痛い……っ」  
「グミ……」  
「ゴメン、ほんとごめ……無理、ホント無理もう……………はぁ苦し……レンくんそんな台詞どこで覚えてくんの〜っ!?」  
「…………」  
「漫画? テレビ? カイトさん?」  
「……お前の兄ちゃんがそう言っているのを聞いた」  
「お兄ちゃん!? まさかルカさんに!? ……ルカさんはなんて答えてたの!?」  
「……嬉しいとかナントカ言いながらじゃれ合ってた」  
「あー……なんか想像できるなぁ。仲いいよねぇ、早くお義姉さんって呼びたいなぁ」  
 
………。  
 
「あれ、レンくんなんかいじけてない?」  
「……別に」  
 
 
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼  
 
 
「……がくぽ、やっぱり気になるからって盗聴はよくないと思うのよ」  
「しかしだな、ルカ。もし何かあったら教育的指導というものが必要なんだぞ。そもそも年若い男女が二人きりなどとんでもないことだ!」  
「……あんたが兄馬鹿なうちはグミちゃんの願いは叶わないわね……」  
「へぁ? 何か言ったか?」  
「別に。マグロ食べたいなーって言ったのよ」  
「そうか。なら今度付き合わせた詫びに回らない寿司屋に連れて行ってやる」  
「時価でも奢ってオオマさん」  
「た……タコワサくらいで……」  
「何か言った?」  
「何でもないです」  
 
 

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