…暑さが、この夏の暑さが、抑えこんでいたあたしの欲望を解き放つ。
真夜中の今ならきっと大丈夫。誰も気付かない、はず。
そう自分に言い聞かせながら、あたしはアレを取り出す。
いつ見てもうっとりしてしまうその形、大きさ。
あたしは夢中でそれに舌を這わせる。下から上に執拗に執拗に。
時には横向きにしてハーモニカを吹くように唇を押し当てる。
あぁ、頭がとろけてしまいそう。その先に待つ更なる甘美な世界にあたしの胸は高鳴る。
今のあたしの表情はちょっと誰にも見せられない。
「…何してるの?」
突然の声にハッと振り向くとそこにはレン君。やめて!そんな哀れむような目で見ないで!
「まーた、夜中にアイスなんか食べて。そんなだからいつまで経っても痩せないんだよ、ニクさん」
「だって暑いんだもん仕方ないじゃない!それにこれでも我慢してたのよ!」
「朝も昼もアイス食べて、夕方は食べなかったってだけじゃないか。そんなの我慢なんて言わないよ。」
「・・・うう、レン君のいじわる。いーもんもうやけ食いしてやるー!」
「別にいいけど、後悔するのはニクさんだからね。」
アイスよりも冷たいレン君にしょんぼりの太目ニクさんなのでした。