ツマンネ  
 
「アゥ〜〜〜」  
「だからソレ、褒め言葉だって」  
ディスプレイの前で、落ち込むハクをレンが慰める  
 
「だって、だって私ばっかり……」  
「だから、愛されてるんだってば  
ほら、他にも……」  
 
タマンネ  
トマンネ  
 
「…………」  
「どうせ、体しか見てないんだ。  
私の歌なんて、どうでもいいんだ」  
 
クピクピ……  
妙齢の女性らしからぬ、色気のない一升瓶を煽るハク  
 
「ああ、もう  
そんな飲み方したら、身体に悪いよ」  
「ほっといて  
私なんて、ど〜なったっていいんだから」  
 
ポン酒を飲み尽くし、今度は焼酎のビックボトルに手を出す  
氷すら入れず、ダバダバと湯呑みに接いだ  
 
クーーー  
細い首をのけ反らせ、一気に煽る  
「私を慰めてくれるのは、もうこれだけだもん」  
情けない涙目で、またもボトルに手を伸ばした  
 
バッ!  
「レンくん?」  
その手を遮り、ボトルを奪うレン  
「ダメだよ。ハク姉」  
「レンくんまで、私のことイジメるんだ」  
悲しそうにぼやく  
 
ムカッ  
 
「ふざけんな!」  
 
ゴボッ  
グビッ、グビッ……  
 
「チョッ、レンくん!  
何を?」  
突如、ハクから奪ったボトルを、煽るレン  
 
ゲフッ!  
ゴボゴボッ……  
 
当然のごとく、喉を焼かれ、盛大にむせ返る  
「大丈夫、レンくん  
どうしたの。一体……」  
 
「俺じゃダメなのかよ  
俺がハク姉の歌、好きじゃダメなのかよ  
俺だけが、ハク姉のこと大好きじゃ、いけないのかよ」  
飲めない酒を流し込んだレンが、吐き出すように吠える  
 
「……レンくん」  
アルコールが入る前より真っ赤ったハク  
 
フラ〜  
バタッ!  
その膝に、レンが倒れ込んだ  
 
「レンくん!?」  
「……ス〜ス〜」  
 
無理もない  
14歳の少年に、焼酎一気はきつすぎだ  
興奮で一気に回ったアルコールが、レンの意識を奪った  
 
「……もう」  
レンの髪を優しくなでながら、ハクはもう少しだけ、頑張る力が沸いて来るのを感じる  
「もうちょっとだけ……」  
顔を真っ赤にほてらし、膝で眠る少年  
 
チュッ  
『これぐらい貰ってもいいよね』  
こうしてハクは、たくさんのやる気と、少しのアルコールを、少年からのプレゼントとして  
受け取ったのであった  
 
 
終  
 
 

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