AM6:00、今日も我が家のVocaloid達を起こす時間がやって来た。  
 家のはセキュリティ強化の観点から指紋、掌紋、虹彩の他、DNAまで含んだ生態認証を使っている。  
 立ち上がりからユーザ認証まで時間は掛かるが、安全性は折り紙つき……だと思う。  
 メイコ、ミク、リンの内……まずは、メイコを起こさねば……。  
 俺はベッドから降りて廊下に出ると、メイコを寝かせている部屋の戸を開けた。  
 
「――ったく、だらしねぇなぁ」  
 
 ベッドの上に手足が無造作に投げ出され、危うく落ちそうになっていた。  
 布団はすっかり捲くれ上がり、寝巻き代わりのベビードールも捲くれて、胸まで半ば露になっていた。  
 俺は両手を豊満な両胸に被せ、ぐいと鷲掴みにして、捏ねる。  
 掌紋認証完了。その合図として乳首が勃つ。  
 乳首を摘んで指紋認証完了。……いつもならここで跳ね起きるか、ぐったりしながら起きる筈だが……どうも昨日は深酒したらしく、中々スリープから復帰する気配がない。  
 ――だったら、こっちもそれなりの起こし方をするというものだ。  
 俺は尖ったままの乳首を口に含むと、舌先で転がし始める。  
 
「うぅーん、う…うぅ……んッ!」  
 
 おっと反応がある。  
 俺はもう片方の乳首を指で捏ねながら、緩急を付けながら吸う動作を追加する。  
 
「ッ! あッ…あぁッ……!? ま、マス…た……ぁ」  
 
 そろそろ目覚めそうなので、強めに吸い上げた。  
 
「あぁぁぁぁぁぁぁ――――ッッ!!?」  
 
 ぷしゅぅぅぅぅぅ……。  
 メイコの乳首から、少量だが母乳が噴き出し、俺の口内に仄かな甘さが広がる。  
 
「おはよう」  
「ま、マスター。朝から、はげし、すぎ」  
 
 息もやや荒く、涙目の目覚めであったが、俺の首に手を回すと、唇を寄せてくる。  
 
「んっ……」  
 
 見詰め合った瞬間に虹彩での認証完了。  
 メイコの唇に舌を差し込むと、舌先をチュッと吸われる。  
 唾液でのDNA認証も完了、これで起動は完了だ。  
 
「よし、終わり」  
「あぁん、ひどぉい! 最後までしてくれなきゃ嫌ぁ!」  
 
 俺を抱きしめたまま、メイコが駄々を捏ねる。  
 そうしたいのは山々だけど、まだ3人も起こさなきゃならないので、却下。  
 
「まだ他の皆を起こしてないから駄目」  
「…………うぅ、だったら今夜、今夜は私の相手してよね」  
「ああいいよ。その代わりあんまり呑むんじゃないよ」  
 
 ちょっと膨れっ面なメイコにそう言い残し、隣のリンの部屋へ行く。  
 縫いぐるみを抱いて寝ている姿は可愛らしく、性的なアピールは全く感じない。  
 ――さて、手早く起動させますか。  
 パジャマのボタンを外して手を滑り込ませ、僅かな膨らみを掌で包む――掌紋認証完了。  
 小ぶりで可愛らしい乳首に人差し指で触れる――指紋認証完了。  
 優しく目覚めのキスをしながら、唇を舐める――DNA認証完了。  
 リンの瞼が開き、目が合う――虹彩認証完了。  
 
「……おはよ、マスター」  
「お早う、リン」  
 
 抱き付いてきたリンをお姫様抱っこの要領で起こしてやる。  
 
「じゃあ、着替えたらすぐ朝ごはんの用意するね」  
 
 いそいそと着替えるリン。  
 寝起きも良いし、メイコには見習ってもらいたい。  
 
「でもさ、マスター」  
「うん?」  
「マスターは、リンにはエッチなことしてくれないね」  
 
 いつものセーラー服に袖を通しながらそう言うリンに、俺は一瞬たじろぐ。  
 
「まあ、あんまりリンは慣れてないからねえ」  
「そうだね。でも、その内リンにもそういうコト、してくれるの?」  
「そうだなあ……」  
「しようよ、でないと…クモの巣張っちゃうよ」  
 
 子供っぽく笑いながらそんなことを言うリン。  
 ――子供っぽいけど、設定年齢は14歳だし、完全な子供じゃあないなあ、やっぱり。  
 考えている内に、着替えが終わったリンが瞑目して唇を尖らせる。  
 触れるだけの軽いキスをして、一緒に部屋を出た。  
 階段を下りて行くリンの背中を見送りつつ、ウム、と気合を入れる。  
 
 さて、ここからが勝負だ。  
 ミクを起こさねばならない。  
 俺はミクの部屋に入る。  
 ミクは俺から貰ったワイシャツを着て、でかいネギ形の抱き枕を抱いて眠っていた。  
 ワイシャツの下は、良くある縞パンではなく、白いシルクのショーツだった。  
 ――何だこの、いかにも『今日のための下ろしたて』と言わんばかりの下着は!  
 俺は少々呆れつつ、ミクのショーツを脱がせると、ズボンのポケットに仕舞う。  
 それから、ミクの足を持ち上げて、M字に開脚させると、股間に顔を突っ込んだ。  
 
「んぁ…ッ」  
 
 ぴったり閉じた秘裂に舌を這わせると、むずかるように太腿を動かす。  
 
「あぁ…いゃぁ……あぁ……」  
 
 唾液を塗布しながら舌を割れ目に差し込んでいくと、いやいやをするように腰がくねり始める。  
 だが、容赦なく舌を奥の方まで捻じ込んだ。  
 
「あうッ!!?」  
 
 悲鳴を上げて、ミクが目を覚ます。  
 
「お早う、ミク」  
「お、おはようございま…ひゃうッ!?」  
 
 再度、舌を捻じ込んだ後、ミクと目を合わせる。  
 これで、ようやく虹彩認証完了だ。  
 
「あの、マスター、認証ですよね……」  
 
 ミクがおずおずと寝巻きの上を脱ぎ始める。  
 白い、掌サイズの乳房に手を重ねる。  
 そして乳首ごと乳房を捏ねる、が、ここでは掌紋認証まで。乳首は指紋認証デバイスではないのだ。  
 片手を乳房から放し、濡らしておいた秘裂に指を挿入する。  
 
「きゃぁッ!」  
 
 ビクン、と腰が跳ね、ミクの体が強張る。  
 指が締め付けられる。  
 中を解すために指を前後に、時折掻き混ぜるように動かす。  
 ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てて、愛液が膣から零れ落ちる。  
 ――そろそろ良いかな?  
 
「あ! やです! そんなに、広げちゃ……」  
 
 くぱぁ、して一番敏感な部分を見えるようにして、その包皮を剥く。  
 これが指紋認証……俺は、クリトリスを指で数回、ぐりぐりと押しつぶす。  
 
「――――――――ッッっ!!!?」  
 
 ミクは仰け反って絶頂した。  
 少量の潮が噴き出し、既に愛液で濡れていた俺の手を、更に濡らす。  
 残るはDNA……登録デバイスはミクの体内奥深くにある。  
 俺はズボンの中で苦しそうに耐えていた息子を解放、奴は待ってましたとばかりに屹立する。  
 
「ミク、入れるよ」  
 
 イッた直後の、心ここに在らずなミクの体内に、俺は分身を押し込んだ。  
 
「はぐッ…ぅ…ッ……く、くぅ!!」  
「うぉっ、キツ……」  
 
 濡らした上に解したけれど、ミクの中はキツく締め付けてくる。  
 ミクはまだ、こういう行為にあまり慣れていないので、毎朝若干の苦しみを感じてしまう。  
 
「う、動いてくらはい…ミクはぁ、大丈夫ですからぁ……あッ!!」  
 
 苦痛と快楽が同居した表情でミクが抽送を要求する。  
 取り敢えず、慎重に腰を動かし始めた。  
 
「あぁ…動いてる、マスターのが、動いて…る…」  
 
 言葉を途切れ途切れに紡ぎながら、ミクは俺の動きに反応する。  
 
「い、いいでs…も、もっと、はげひく、しても、大丈夫、れふ、からぁ、あ…あひぃッ!!?」  
 
 ミクのおねだりに、俺の動きもより大胆になる。  
 中を掻き混ぜ、膣壁を抉るように激しく腰を振った。  
 
「ああっ! それいぃ! 中でぐちゅぐちゅされるの好きぃ!」  
 
 ミクの喘ぎが激しくなり、そろそろ終わりが近付いているのが分かる。  
 息子の方も、ミクの締め付けと絡み付きに限界だ。  
 より奥深く突き入れて、亀頭で子宮口をノックした。  
 
「ふかいッ! ふかく入ってるよぉ! イクぅ! ミク、イっちゃうぅぅ!!!」  
 
 子宮口を叩くこと数回、認証デバイスが起動する。  
 
 後は止めを刺すだけ。  
 
「ミク! 出すぞ!」  
「はいぃぃ! ミクもいっしょに、イキま…あぁぁぁぁぁぁ――ッッッ!!!!!」  
 
 ミクの奥深くを突いた瞬間、俺の息子が爆発する。  
 子宮に精が到達し、DNA認証……完了!  
 
「はぁぁぁ……ログイン完了しました」  
「よしよし、ちょっと休んだら下りておいで」   
 
 ミクの股間から太腿までをウェットティッシュで拭ってやり、俺はベッドから降りる。  
 出して疲れたから、20分の仮眠だ。  
 
 
 
 仮眠の後、1階の居間に下りると朝食が出来上がっていた。  
 因みに献立は目玉焼きにウィンナー、納豆、冷奴、御浸し、味噌汁である。  
 リンは一足遅れで下りて来たミクの朝食を作り、メイコはテレビを見ていた。  
 
『昨日未明、歌手のエルトン・ジ○ンさん(63)が死亡しました、死因は肛門裂傷…』  
 
 ああ、あの人…BIG-ALのユーザだったのか……。  
 
『…Punkの…氏が、今月2日、死亡していることが……現場には泣き崩れるVocaloi…』  
 
 おお、あの人SONIKAのユーザ…最後が腹上死とはなんともはや。  
 何……ログイン認証時に腎虚だと?  
 
 自分がもしこうなったら、と思うとちょっと身震いする。  
 毎日可愛い子とセックスできてハッピー、と言えばそうだが、毎日となると、血圧とか、腎臓とか平気だろうか……?  
 
「そう言えばマスター、今日はルカさんの歓迎会ですね」  
 
 納豆に刻みネギを大量に掛けながら、ミクが言う。  
 
「何!? そうだっけ!?」  
 
 素っ頓狂な声を上げる俺。  
 ――と言うことはまさか……。  
 
「そうそう、私たちよりセキュリティが向上して、より強力な認証機能付きなんだって」  
 
 追い討ちを掛けるかのようにリンが言う。  
 おい、まてよ……今夜はメイコとして、明日の朝はミクの他に、ヘタしたらルカとまで……。  
 そんな、俺にも体力の限界ってやつが……。  
 
 ベンダーよ……。  
 
 
「何で、こんな認証にした……」  
 
 俺の空しい呟きは、テレビの音に掻き消された。  
 

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