※メイ i ヘルプ…?(住人設定に偏りの有る内容に尽き、厳重注意!)  
 
 
 
 
胸の奥から、喉を圧し、頬を伝わり…頭の上へと、抜け出してゆく鈍い感触が。  
まるで渦を巻く様に、熱を帯びたナニカが…身の裡(うち)を執拗に撫で擦(す)り、廻りながら、這い昇ってゆく。  
 
メイコは己の芯を解かそうとする、痺れる感覚に揺すぶられ続けて居た。  
 
 
声を挙げようにも、クチから漏れるのは熱い吐息…くらいで。  
…ともすると、意識を手放しそうになるのだが。  
 
恐らくはそれを赦さぬ、或る種の“責め苦”の如く…に。  
後孔から背中の髄(ずい)を震わす、重い衝撃が…不用意に襲って来る度に。  
逃れようと足掻き、幾度も『救われる統べ』を願おうとも…それも適わなかった。  
 
 
――数日前。  
「如何やら、メイコが…場の『棄(キ)』にヤラレて仕舞った様だな。  
…病むを得ない、帯人(*KAITO亜種)に『結界』を張る準備を、頼んで措(お)いて呉(く)れないか?」  
 
…そう指示をするマスターの言(げん)を最後に、メイコからは『ヒトの声』を捉えるだけの能力が失われて居た。  
だからメイコは気が付いては居ない…のだが。  
実は、この『閉ざされた空間』に於いて、殆ど狂わんばかりの叫びを挙げて、メイコは自分を冒すモノへと、抗って居た。  
 
 
…傍らで、メイコの手を強く握り締め、取り憑いた『棄(キ)』を祓うべく。  
煌めいた、ブルー・モルフォ(蝶)を想わせる、鮮やかな青のエナジーを放ち。  
祈る様にキツく抱き締め、側に居たカイトが、ハッと顔を挙げる。  
 
メイコの荒い息と、嗄れた声が止み…。  
 
不図、安心した様に…唇に笑みを零し、崩れ落ちた瞬間。  
カイトも、また深い眠りの淵へと、ズルリと音を立てて…沈んで行った。  
 
 
 
多いに賑わい、盛り上がっている『祝宴』の席を抜け出し…。  
 
カイトとメイコ。  
ふたりは庭に出て、月の見えぬ夜天に瞬く『星達』を眺めて居た。  
 
あの頃は、まだ住人達の頭数も少なく。  
マスターも直接『場』へと出向いて居たが、イマや…これだけの大所帯へと。  
振り返って数年の間に、人知れず『変革の波』は押し寄せ、世界は進んで居た。  
 
 
「これから、また…どれだけの『住人』が、この家へと、来るコトに実るのかしら?」  
囁くメイコを、カイトは微笑むと引き寄せキスをした。  
 
 
「カイトが無事に戻って来てくれて、本当に…良かった」  
あの日、目覚めた朝の喜びが愛しくて…。  
 
―以上で。  
 
 
 

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