Vocaloidを買って暫く経つものの、今だコミュニケーション不全であり、
歌のほうにも感情が篭っていない、という経験はないだろうか。
家のルカもまさしくその状態であり、購入後半年が計画するものの、
「お帰りなさいませ」
「お食事の用意が整いました」
「お休みなさいませ」
と、湯沸かし器の音声アナウンスみたいなことしか言ってくれない。
歌にしたって、バラードがボサノバに、ロックが般若心経になる有様だ。
感情エンジンがさっぱり育成されていない、といか、ロクに機能すらしていないのだ。
これではいかん
これではいかんので、画期的な、感情エンジン育成法を、調べてきた。
一念発起、今日はそれを実行に移すのだ。
「ルカ、洗い物が終わったら、ちょっとこっちへおいで」
夕餉の後、洗い物をしているルカを呼ぶ。
ちょっと声が上擦っていた。
「お待たせいたしました、マスター」
程なく、ルカは洗い物を終え、俺の前に正座した。
「よよよよし、じゃあ、目を閉じてくれい」
言われるがままに目を閉じた隙に、俺はそっとルカにキスをした。
「――――――――!!!!!!???」
ルカは物凄い速さで顔を離し、目を白黒させた。
まだ薄いが、初めて見せる表情らしい表情だった。
「ど、どうした!?」
「い…いえ、突然alartが上がってしまって」
少々言葉に詰まりながら「診断を行います」と言うところを「いや、要らん!」と制す。
「しかし…」を「後で全部俺が調べる!」と更に制し、「もっかい目を瞑れ」と言った。
今度は、キスした上に、舌を入れてやった。
「……ンッッ!!?」
吃驚しているが、大丈夫なようだ。
ならばと、上着の裾から手を潜らせ、お腹を撫ぜつつ、胸に到達させる。
おっぱいは、それはそれは素晴らしく、柔さと弾力の絶妙なハーモニーだった。
硬くなった乳首をコリコリするのも、指に心地よい……。
ぷしゅー。ばたーん。
「うおっ!? どうしたルカ!!?」
暫く胸を弄っていたら、ルカは蒸気を噴いて倒れてしまった。
顔を真っ赤にして、目はぐるぐる回っている。
「き、危険域です……どうか、ユーザーサポートへの連絡許可を…」
身に起こった異変が何なのか解らず、酷く混乱しているようだった。
だが、そこには今までにない、「感情」の萌芽がはっきりと見える。
「ルカ」
「はい……マスター」
「これは、errorでもWarningでもない、自然なことだよ」
「ですが……感情エンジンの異常と、内部温度の異常上昇が検地されていま…いひぃィッ!!?」
「これは感情エンジンの働きだ……まあ、いきなりこういう感情に働きかけたせいで、ちょっと処理しきれてないかな?」
「マすタぁっ、胸の、先端をッ、刺激するのはお控え下さいぃ! ぃいいぃぃいぃい!!??」
ルカは、乳首が感じ易いらしい。
このままもう少し責めるのもいい……いいが、そろそろ息子も楽しみたい、と言っている。
乳首を開放し、今度はフトモモの隙間に侵入すると、思った通り、そこはもうグチョグチョだった。
「ルカは悪い子だな、上の口では『サポートが――』とか言って、下の口はもう太股まで涎だらけじゃないか」
「こここれはその、保護液が放出されているだけで!」
「ふーん、それって何か入ってくるのを想定してるってことだな」
「え!? あ!? 駄目です、下ろさないで下さい!」
ずぶ濡れのショーツを強引に摺り下ろす。
生暖かく、もわりとした香気を放つそれを銜えて啜ると、絡み付くルカの味が染み出した。
ルカは「羞恥」といった感じで顔を背け、目には涙の珠を浮かべていた。
「やっぱりスゲェなぁ。人間、て言うか、女の子って感じだなあ」
俺は涙をキスで拭い、濡れた秘唇に、そっと指先を挿れた。
くぱあ。
「ままマスター!? や…と、閉じて下さい!」
「……嫌か?」
「はい!?」
「もし、嫌だと、不快だと思うなら、この先はしない。だがもし嫌でないなら、このまま続けさせてくれ――」
ちょっと格好つけて(内心は土下座する勢いで)俺はルカに訴えかける。
要は「やらせろ」なんだから、カッコいい筈はねーよ。
それに対し、ルカは暫しの沈黙。
困ったような、恥ずかしいような、微妙な表情をしていた。
「……感情エンジンには「不快」またはそれに類似するメッセージはありません」
「そうか!」
「ですが、とても苦痛です……不快ではない「苦痛」と「混乱」と「驚愕」があります」
「むむ、痛かったのか?」
「それと……」
「それと、「喜び」「興味」「期待」の割合が、とても大きいのです……」
その言葉には、拗ねたような響きがあって、俺は驚愕した。
ジッと見つめる瞳にも、ありありと感情が篭っている。
「もし、感情エンジン育成だけでなく、私を憎からず想ってこうして下さるのでしたら……」
「どうか続けて下さい……履歴を貴方への「愛情」で満たしたいです……」
その言葉に、今度は俺の内部温度が急上昇する。
反り上がった息子を、ルカに突っ込んだ。
「あぐッ! うぐぅ!!」
ルカが悲鳴を上げる。
「ぐッ! はうッ!! くぅ……」
キツキツの肉壁を抉じ開けているのだ。濡れてたって、ルカは相当痛いだろう。
口元からは苦痛交じりの呼吸が漏れ、目尻からは涙を転がっていた。
両手で握り締めているシーツはくしゃくしゃだ。
「っ、はぁッ、はぁ、はぁッ…はぁ…はぁ……ぐぅ!! う…動いてッ」
「ルカ、でもお前……」
「いいですッ! ますたぁ! 私の奥まで来て下さいぃ!」
俺はその言葉に大興奮して、欲望のままに腰を打ち付けた。
亀頭から幹へ、そして脳天に電流走る。
俺はあっけなく、ルカの子宮部分に射精してしまった。
「あぁ……マスターの、あったかいです……」
迸る俺の欲望を全て受け容れ、ルカは力尽きたのか、小休止モードになる。
「お疲れさん、ルカ」
こんな、或る意味馬鹿馬鹿しい実験みたいなものに付き合ってくれてありがとう。
痛みに耐えて善く頑張ってくれた、感動した!
俺はルカに感動しつつ、豊満なバストの頂に乗った可愛らしい突起を口に含みつつ、
イッた後の敏感になった息子で、ルカの膣壁の感触を楽しみ、腰砕けになった。
二発目が出た。
それからというもの、俺とルカは本腰を入れて感情エンジンの育成に掛かった。
俺は毎日走りこみと立禅を欠かさず体を鍛え、韮やトロロ芋を食って精も付けている。
ルカにだって色々……そう、色々と覚えてもらった……体位とか。
時に布団で、時に居間で、風呂で、玄関で、ベランダで、二人頑張っている。
お陰で、感情エンジンの方も中々調子が良いようである。
「マスター、お布団を敷いて参りました」
「早いなあ…まだ九時じゃないの」
「ええ、でも今日は金曜ですし……その、エンジンの育成を……」
何せ、遠慮がちだが、自分から「えっちなおねだり」をするにまで成長したのだ。
「でもまだ風呂にも入ってないんだぜ」
「でしたら、お風呂で愛して頂いた後に、その…お布団で、朝まで……」
「おいおい…風呂が前哨戦で、その後朝まで本戦ってか? ルカはエッチだなあ」
「だ、だって! マスターがそんな風に育てたからです!」
「育てたからって、マスターの口の中に小便するまでに成長するのは才能だろ」
「そ、それは……はうぅ」
恥ずかしそうに頬を染めるルカ。
でも、ちょっと嬉しそうだ。
俺も嬉しかった――。
おわり