同じ父上から生まれた兄上。  
かっこよく、やさしい兄上。  
憧れ以上の感情を抱いていたのは事実だ。  
この思いは、叶うことがないと分かっていた。  
それでも  
 
兄上が、恋をしているとわかったときは…胸が痛かった。  
 
同性の眼から見ても、綺麗な人だとは思う。  
 
桜を思わせる、ピンクの髪…  
 
なにより…仕事で歌う2人の声は、驚くぐらいぴったりだった。  
視線を交わしながら歌うその様子は…言葉にせずとも仲がいいとわかる。  
 
祝福したいと思う自分と…素直にそれができない自分がいる……。  
 
 
 
 仕事のために与えられたのは一軒家だった。  
庭があり主の趣味らしく離れもある和風の家。  
「兄上?」  
同じ仕事をする、ボーカロイド達との共同生活の場所…。  
仕事で多くの住人が出払っている中…カムイズは休みだった。  
「兄上。」  
仕事着ではなく、袴と小袖、巫女装束に近い服を着る。着物も好きだが作業するには袴のほうが動きやすかった。  
「兄上!」  
そろそろ、庭の掃除をしなければいけないと他でもない兄が言っていたのに…どこに行ってしまったのだろう。  
「……なんだよ。先から、兄上、兄上うるせぇな。」  
出てきたのは…明らかに兄と違う声。  
「……………。」  
声のしたほうを見ると…眠たそうにしている男性がいた。  
ピンク色の髪から…巡音だとわかる。  
それに…何か分からないけれど香水だろう匂いがする。  
「今、起床か。いい身分だな。」  
「休みの日をどう過ごそうか、俺の勝手だろ?」  
「そちらも休みなのか…」  
がくこにとって、この男…巡音ルキは苦手な分類の男性だった。  
美形なのは認めるし、かっこいいとも思うが…それを鼻にかけて自己愛に浸っているのが好きにはなれなかった。  
日本人の美徳は、謙虚さだと思っているのでなおさだった。  
「そ、がくぽはルカとデートって言ってたぞ、昨日。」  
「え……?」  
耳に入ってきた単語に…固まってしまった。  
考えればわかることだ。きょうだいは行動を一緒にする。  
私が休みなら兄上も休み  
ルキが休みならルカも休み…。  
そして、兄上とルカは…周りが呆れるほど…仲がいい恋人同士で…。  
(…まただ。)  
ちくりと胸が痛む。  
「昨日休みになったって、連絡が会ったとき、そこにがくぽもいて、そんなこと言ってたぜ。」  
「そうか…」  
「………。兄上兄上うるせぇよ。黙ってろ。」  
「怠惰な生活は身を滅ぼすぞ。」  
そう捨て台詞を吐いて、草履を履き…庭に出る。  
彼は苦手なので…相手をする気はなく、掃除道具がしまってある納屋へ向かって歩き出した。  
一人になったとたんに、孤独感に襲われる。  
ここに住む多くは同じスクール出身だった。  
同じスクールだった兄とグミ、グミヤはもうすっかり溶け込んでしまっている。  
 
溶け込めないのは…私だけ…。  
 
こんなのではだめだ。  
 
私も早く周りに溶け込まなければと思う気持ちだけが、から回る。  
 
納屋から竹ぼうきを出して掃除をしようと思ったところで…ばたんっと音がした。  
「?」  
何か物音が聞こえたのは…離れのほう。  
茶室や華道、はたまた兄が美振の手入れなどに使う部屋  
逆に兄ぐらいしか使わない部屋だった。  
「…盗人か?…」  
和室ということもあって、掛け軸や壷が置いてある離れ。それに、着物の保管場所でもあった。  
聞き間違いならいいと思いそちらへ足を向ける。もし、盗人だったら後悔する。  
人がいるときに開け放たれる戸は閉まったままで…。  
中を見れる小窓へ向かう。  
人が出入りできる大きさではないけれど…窓は開いていた。  
嫌な予感がして、そっと覗きこむ…  
見てしまった…  
聞こえてしまった…  
「ふぅ……ん…。」  
薄暗い中で、重なり合う人影。  
畳に広がる絡み合う紫と桃色の髪  
 
デートだといっていた二人がそこにいた。  
 
重なりっている身体、動いているのは…口元だけだった。  
 
見てはいけないものだと……分かっているのに体が動かない。  
 
吐息とともに、口が離れる。  
それぞれの舌の先に銀の糸が見えて…プツリと切れた。  
「ルカ…。」  
聞いたこともないような…切なげな兄の声に心臓が高鳴る。  
全身に血が巡るのがわかった。  
身体が…熱い。  
 
「がく…ぽ……こんな、時間からっ…!」  
少し怒ったような声を発し、がくぽの肩に手を…拒むようにあてる。  
がくぽの濃紺の着物に白い指が映える。  
「時間など…関係なかろう。」  
あてられた手を握り指先にキスをする。  
そしてそのまま手首を畳に押し付ける。  
「それとも、ルカは嫌なのか?」  
「……意地が悪いことを…聞くのね。」  
目をそらしながら少し拗ねたようにそういった。  
「ルカ…」  
苦笑いをしながら、耳に名前を囁く。  
「ひゃっぅ…」  
吐息に音がついて漏れた。  
「ルカがほしい……。」  
そういうと、ワンピースの…細い肩紐に手をかけ、下していく。  
「が…くっ…っ!」  
反論が出る前にその豊満な胸元へキスをする。  
胸の谷間に顔を埋めて軽く歯を立てる。  
「っ……。」  
息を飲むのがわかったけれど構わず、逆側にもキスマークを刻む。  
「がくぽ…そんなところに…」  
「ルカ、最近衣装の露出が高いとおもわんか。」  
胸に顔を埋めながら…真剣そのものの声が聞こえてきた。  
「それはっ…だって、プロデューサーの考えなんですから。」  
「相手役が俺なら構わないが…いや構うな。意識しすぎて仕事にならん。」  
「がくぽっ!ちょっ…!」  
抵抗する間もなくブラジャーをたくし上げられる。  
プルンという効果音が付きそうなほど豊満な胸が揺れて出てきた  
髪の毛と同じ色の乳首がつんっと上を向いている。  
「ルカの体は正直だな。」  
薄く笑いながら乳房を鷲掴みにする。  
「…そんな、こと…んっ…ぅんっ…。」  
甘い声が漏れるのをいいことに…ムニムニと胸を愛撫する。  
手に納まりきらない、やわらかい胸の中…存在を主張するように固くなっている。  
それに答えるようにに指できゅっとつまむ。  
「やっん……」  
「嫌ではないだろう。ルカ。」  
カリカリと指先でひっかくように刺激したり、こねくり回していくとだんだん目がとろんとしてきた。  
片方はそのまま指で愛撫しながらもう片方に口をつける。  
「っ…。」  
乳首を口に含み、舌で転がす。  
「…やっ…そんな……。」  
「ルカの「嫌」は「もっとして」だな。」  
「そんな…ちが…いたっ…」  
カリッと…軽く乳首に歯を立ててる。  
「がくぽ…」  
名前を呼ばれて顔を上げると潤んだ目で見つめられていた。  
たまらず…もう一度キスをした。舌を絡めその感覚に酔いしれる。  
 
見てはいけないと思うが、目が離せない。  
 
心臓の音がうるさい。  
全身の血液がお湯になってしまったかと思うほどに…熱い。  
「兄上…」  
熱に浮かされるように、名前を呼んだ。届かないのはわかっていたけれど。  
熱がある時みたいにぼおっとする。  
恋人同士というのはあんなことを…するのかとぼんやり考える  
 
不覚にも…口を塞がれるまで、人がいることに気が付かなかった。  
「ピーピング・トムって…日本語でなんて言うんだっけかな。」  
聞こえてきたのはそんな声と…ついさっき嗅いだ香。  
「っ!?」  
驚いて…手の先をたどるとピンクの髪が見えた。  
「静かにしろよ。見つかるぜ?」  
そしてその声…ルキだった。  
「あぁ、出歯亀か…」  
違う!…っと言ったつもりだったが、もごもごと音が出ただけ。  
どういうつもりだという意味を込めて睨む。  
「覗きの趣味があったなんて知らなかったな。」  
だから違う!  
…っと…言いたがったが結果は先ほどと同じ。  
離せという意味を込めて抵抗するが、口から手が離れることはなかった。  
「がくぽが好きだとは思ってたけど、まさか人がSEXするところ見て興奮するとは思わなかったぜ。」  
かぁっと、顔が熱くなるのがわかった。  
「違うっ。」  
「違うんだ?へぇ…」  
そんな声が聞こえてきたかと思うと…袴の中に手を突っ込まれた。  
「っ!?」  
下に膝丈の小袖を着ているのに、指が太もも…直接肌に触れた。  
嘘だ、何かの間違いだと思っていると太ももを伝って足の付け根へ触れた。  
「!?」  
ぬるりとした感覚と…一瞬、何かか背筋を駆け巡った。  
「じゃぁ、何もないのに、こんなに濡れてんだ。へぇ。ヘンタイなんだなぁ。」  
下着の上から…その場所を何度も指が往復する。  
自分でもわかるぐらいに…濡れていた。  
 
「ちっ…ちがうっ」  
すっと、口が解放されたのでそう反論するが下半身に感じる感覚に意識がもうろうとする。  
 
なんなんだ、これは…。  
 
息が上がる。  
 
そう思っていると開いた手で、襟元を引っ張られた。  
「っ!?」  
肌とサラシが目下に表れて…羞恥で顔が赤くなる。  
「ホント、サラシなんだな。」  
初めて見るというような声が後ろから聞こえてくる。  
「や…めっ…。」  
「止めてあげない。」  
畳みかけるようにそういうと…彼は窓の横の壁に体を彼女の体を押し付けた。  
その勢いで…黙らせるために唇を塞ぐ。  
舌を忍ばせると驚いたように逃げようとしたのでそれも押さえつける。  
最初は歯で拒んでいた侵入。  
息が苦しくなったらしく、ほんの少し開いた口に、彼女の愛液で濡れた手…親指を入れた。  
「っ!?」  
解放された口の中を思う存分蹂躙する。  
舌を絡め口の中隅々まで舌を這わす。  
 
十分味わって口を離すと…  
 
荒い呼吸をして、壁に寄りかかっているのがやっとというような彼女がいた。  
 
「これで終わったと思うなよ?お楽しみはこれからだから。」  
 
満足そうに、にやりと笑いながら…彼はそういった……。  
 
 
 

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