CV03「巡音ルカ」…僕のもとに彼女が来てからだいぶ日が経つ。
最初は無機質な感じだったのだが
共に過ごしているうちに感情も芽生えたようで、
僕ともだんだん親身になってきて今では「良き友人」といったところか。
近年世に出た、歌うアンドロイド「ボーカロイド」。
もともとパソコンのソフトウェアだったものが技術の向上で
本当に生身の人間に極めて近いヒューマノイドロボットとして開発され、瞬く間に一般化した。
僕も会社員をやっている傍ら、自身で作詞・作曲をしてルカに歌ってもらった曲を幾度か某所に投稿している。
再生数はお察しといったところだが、それでもこうして世に出せるだけで満足していた。
――それに何より、お世辞にも褒められるレベルじゃない曲をルカが歌ってくれるのが楽しかった。
…けれど、ここのところ枯渇してきている。ネタ切れなのだ。
「ダメだ、これも違う」
それまで頭の中に浮かべた歌詞を記していた紙を丸く潰して捨てる。
所謂「スランプ状態」といったところだろうか…僕は何様だ。
「マスター」
ふと、ルカが僕を呼ぶ声がした。
「大丈夫、ですか…?なんだか調子が悪そうで」
「ああ、ルカ…この間言った新しい曲なんだけど…いい歌詞がなかなか思いつかなくて」
「そうですか…でも急ぎじゃないですし、追々ゆっくりでかまいませんよ、楽しみにしてますね」
優しく微笑むとルカは部屋を後にした。なんだか申し訳なかった。
「今日はもうここでやめよう…明日になればなにか出てくるさ」
ソフトを切り、気分転換も兼ねネットサーフィンをしてその日は終わった
だが、甘かった。そう簡単に抜け出せなかった。
それは想像以上に深いところまで僕を引きずり込んでいた。
考えに考えても何も浮かばない、むしろますます悪化していく。
「…所詮はこの程度だったのかな」
ソファにもたれ、ぼーっと天井を見つめながらそうこぼした。
もともと音楽を聴くだけだった僕にやはり曲を作るなど無謀だったのだろう。
ルカの発表を知った時から独学でDTMの知識を得て、そこそこを頭に入れることはできたが。
「才能あるヤツは、こうして中途半端で終わることなんてないんだろうな…」
というか…ただでさえ仕事で精一杯なのになぜボカロPという分野に手を出したんだろうか、僕は。
そしてやがてDAWを起動することもなくなり、うちのパソコンはもはやネット用と化していた。
無意識の内に意味もなくお気に入りのサイトや掲示板をただただサーフィンしつづけていた。
ルカとは会話を交わすものの、音楽の話題になることはなかった。
…その日も仕事を終え家に着いた僕はルカと一緒に夕食を終えた後、ネットをしていた。
テレビ番組も特に見たいものはやっていなかったし。
そこへルカが来た。
「マスター、大丈夫ですか…?最近、元気がないですよ」
「あぁ、ルカ」
「それに、パソコンに向かっていてもネットばっかりしてますよね…ほんとにどうしたのかなって。
いつになったら、私はあの曲を歌えるのかなぁ…」
「知らないよ、そんなことは」
「そんな、知らないって…私、ずっと待ってるんです」
「――っ、そういう気分じゃないんだ!ほっといてくれよ!」
僕の中で何かが切れたのか、声を荒げそう叫んだ。
その一声で部屋に気まずい空気が漂う。
急に冷静さを取り戻し、「しまった」と思った。
恐る恐るルカを横目で見ると、驚いた様子だった…当然だ。
「…ごめん、怒鳴ってしまって悪かったね…」
「いえ、私の方こそ…煩わしいことしてごめんなさい、マスター」
「ルカ…僕は…向いてないのかもしれない」
「何がですか?」
「今まで自己満足でルカに歌わせてきたけど、
あそこに投稿したはいいが再生数とかさっぱり伸びないし、
それに、ここ最近は何も浮かんできやしない。
だから、ちょっとイライラしてたのかもしれない。
…でもそれをルカにあたるなんてどうかしてたよ…ホントごめん」
「マスター…」
「今日も疲れたし…そろそろ寝るよ。ルカもおやすみ」
寝室で仰向けになっていた。
目を閉じ何も考えずにいようとした…が、長くは続かなかった。
ルカのために曲の1つも作ってやれない自分が腹立たしい。
それどころか苛立ちまでぶつけてしまうなんてマスター失格だ。
いっそのこと、ボカロPをやめてしまおうか。
ルカをリセットして記憶から僕のことを消し、もっと才能のある誰かに譲ろうか。
そうすればルカだって…。
そう思った時だった。ドアをノックする音がして…
「マスター、失礼します…」
「ん、ルカ?どうしたの、こんな時間に…って、うわ!?」
ルカが入ってきたのを確認して、ライトをつけて、焦った。
そこにいるルカは…いつものスリットスカートを纏わず、身に着けているのは下着だけ。
上着は脱いでいないがはだけており、ブラが露出していた。
「ル、ルカ!ちょっとまって、その格好、どういう…!」
「マスター…私を、抱いてください…」
思わず視線をそらして尋ね、返ってきた答えに耳を疑った。
「ル、ルカ、それって…」
「私と…セックス、してくれませんか…」
「え、ちょ、何を言って…って、あわわわ」
ルカが上着を脱ぎ、完全に下着姿になって迫ってきた。
豊かな胸がはっきりとした谷間を形成し、それが目に入り心臓がヤバい。
「ホントに、どうしちゃったんだ…な、何かエラーでも」
「心配ないです、どこも異常はありませんから」
「どうして…こんなことをしようとするのさ?」
「マスターは、私のために歌を作ってくれて、私が歌うのを聞いて笑っていました。
そんなマスターが、急に音楽のことを口にしなくなった。
そして、一緒に作曲をしなくなった。それが…辛くてたまらなかった…」
「えっ」
「確かにマスターの曲は有名Pとかに比べて聴いてくれる人は多くないかもしれません。
でも…それでも私にとってはマスターの作る曲が一番なんです」
僕はその時、はっとした。実にバカなことを考えていたと後悔した。
そうだ…ルカはいつだって僕の曲にあわせて楽しそうに歌ってくれていた…。
なのに、そんなルカを僕は自らの手で終わらせようとしてしまっていた…。
「笑顔のマスターを見ていると私も嬉しくなりました。
それと同じで…マスターが辛いと、私も苦しいんです…
だから、私を抱けばマスターが満たされて私も楽になれる…そう思いました」
ルカは真剣な表情で訴えてきた。…目に涙を浮かべながら。
…ああ、そうか。僕だけじゃなかったんだ。
ルカだって寂しかったんだ。そしてそういう思いをさせたのは僕のせいだ。
彼女のおかげで、それに気づいた。
「ごめんね、ルカ…僕は一人で抱え込んでしまっていたよ。
ありがとう、さっきあんな風に怒鳴っちゃったのに、嫌うどころか心配してくれるなんて」
「マスター…」
彼女の顔に笑顔が戻る、その様子に少し安心した。
「うん…なんだか楽になったよ。さ、今日はもう遅いから…」
「あの、マスター…その、私と…」
「いやいやいや!そんなことしなくたって、気持ちだけでも…」
たしかに僕は彼女いない歴=年齢でそこまで顔がいいわけでもないし、モテる要素もない。
だから女性とのそういう行為には憧れていた、だけど。
「…ボーカロイドはそういうことをするための存在じゃないだろう?
それに僕だって…こんなことしたくてルカをうちに迎えたんじゃないんだ」
ルカはプロポーションが抜群で、大きな胸に綺麗なロングヘアと僕のツボを抑えていた。
顔立ちも大人らしく整っていてモデルや女優顔負けだ。
それらに惹かれたのも、彼女を選んだ理由の1つではあったんだけど…でも…。
「…デモソングを初めて聴いた時、僕の心は一瞬でそれに奪われたんだ。
ずっとこの声を聴き続けていたいって…自分の手で、この声が奏でる歌を作ってみたいって思った。
そしてルカを選んだんだ、だから…軽々しくそんなことはできないよ」
そう言うとルカは僕に迫るような体勢から座りこみ、胸に手を当てた。
「…この気持ちは…何なんでしょう。
マスターが私のことをそう想ってくれているとわかると
苦しいような…でも温かい、そんな心地がします」
「マスター…改めてお願いします…抱いてください」
「でも、僕は…」
「私はマスターだからこそ望んでいるんです、先ほどの言葉がよりそういう気持ちにさせました。
触れてください。そして私を感じてください、マスター…」
こんなにも自分のことを信じ、そして委ねようとしているルカ…。
そんな彼女を踏みにじることだけは絶対したくなかった、だから。
「…本当に、いいんだね。でも、僕は初めてだからぎこちないと思う。
それに僕が満足しても、ルカには痛い思いをさせるかもしれないから、嫌になったら遠慮しないで」
「はい、マスター…」
ルカを抱き寄せると、ピンクの髪からはとてもいい香りがした。
「えっと、じゃあ…胸、触るよ…」
深呼吸したあと、胸に手を伸ばす。
それが触れ合うと
「ぁ…っ、ん…」
ルカの口から漏れた吐息混じりの切ない声。
それがもっと聞きたくなり僕の手はルカの胸に何度も触れる。
「や…っ、はぁ…、あぁん…」
とても色っぽくて、発されるたびに自分の中の何かを刺激する。
「あ、マスタ…っ」
時には多少強引に、でも痛がらないように気を使いつつ…
「あぁ…はぁん…あぁっ、はぁっ…」
揉んだり、こねくりまわしたり。
「あっ、ぁ…ふぁ…んっ…はぁん…」
押し込んでみたりすると柔らかく形を変えていく。
(あ…立ってきてる)
そうしているうちに、乳首が自分の存在を誇示するかのように張っていた。
ブラの上からでもはっきりわかる。それを指で押してみると
「んあぁ…っ」
身体をビクッと震わせる。下着の上からでこうなのだから
もし直に触ろうものならどうなるか…
上着を脱がしてやり、ゆっくりとブラを外すと、ついにルカの胸が露わにになる。
それは大きいだけじゃなくて程よく張りがあり、形も崩れていない。
魅了されない奴は男じゃない、そう断言できるくらい素晴らしい胸。
それを目の前にした僕は、しばし見とれていたがやがて無意識にその頂きを摘む。
「ひゃあぁっ!?」
身体がビクンと震えた、今までと明らかに違う反応だった。
「ルカ、どんな感じ?」
「あぁ…先のほう…じんじんする…
でも、なんだか安心します…私、変ですか…?」
「ううん、そんなことない。ルカが感じてくれて嬉しいよ」
不意に胸全体をガッと鷲掴みにして、さらに乳首を指で転がす。
「あっ!ひゃうぅっ…ひっ、あっ、はぁぁ…っ…!」
身体をよじらせながら喘ぐルカは、いやらしい…というよりも艶やかだった。
「あぁ…はあぁっ…ふあぁ…マスタぁ…っ」
ルカの白くて大きくて柔らかい胸を今自分が独占している。
それに触れるたび彼女の口から洩れる嬌声もまた、誰にも渡したくない。
「それじゃあ、次は…こうするね」
「えっ?…んぁ、ああッ!」
豊かな乳房を口に咥え、舌を這わせる。
「はあぁあっ…!あっ、ふぁ、あぁんッ!」
更に乳首を舌で転がし、軽く噛んだりした。
「あっ、はっ、んあぁ…っ!お、おっぱいの先…噛んじゃ…っ」
官能的な声がたまらなくて手で口で、胸を愛撫し続けた。
「…っ!?やぁ…っ、む、胸…なんかくる…っ。
んあぁぁっ…ひゃあんっ、ああっ、ま、マスター、私…っ」
「いいよ、ルカ、そのまま…」
「あ、あぁ…っ!きちゃう…っ、マスター、マスタぁ…っ!あ…っ、はあああぁぁっ!」
乳首を思い切りつまむと身体を大きく震わせて激しい嬌声をあげながらルカは果てた…。
そして僕に寄りかかってきた時、はっと我に返った。すっかり夢中で触ってしまっていた…。
「あ…はぁっ…はぁ…っ」
絶頂を迎えたルカは僕にもたれたまま息をあげていた。
これは…少しやりすぎただろうか。
「ご、ごめん、つい…」
「ん…っ、おっぱい、好きなんですか?あんなにがっついちゃって」
「はい、好きです…スミマセン、実はルカさんのおっぱい触りたいって前から思ってました…」
「ふふ、マスターったら…でもそう言ってもらえて嬉しい。
温かくて優しくて…なんだか安心しました、マスターの手」
ルカは嫌な顔もせず、優しくそう言ってくれた。
僕はルカを仰向けに寝かせてあげた。
「腰のほう、触るね」
「はい、マスター…」
腰回りもきれいな曲線を描いている、何度も手でなぞるように撫でていく。
そしてシャープだが細すぎず実に健康的な脚を執拗なくらいにさする、
特に普段スリットで露出している左脚を。
まったく、開発者もあんなすば…けしからん衣装を考えたもんだ。
さて…思う存分堪能したところで、
「よし、そろそろここもいいかな」
「えっ、あっ…」
パンツの上から秘部に触れてみる。
「あぁっ…んっ…!」
股の部分を指でなぞるとルカが身体を波打たせる。
その反応を見たくてひたすら愛撫した。
「んぁ!っ…や…はぁっ…はぁ…っ!」
「おや?これは…」
ふと、パンツに目をやると染みが…。
「もしかして、濡れてる?」
「や…そこはぁ…」
その声も耳に届かず、彼女の身体を覆っていた最後のものに手を掛ける。
とうとうルカは一糸纏わぬ姿になった。
裸の女性、本物(…というかアンドロイドだが)を見るのは初めてだが…神秘的な肢体。
程よい肉付き、崩れない胸、シーツに広がる桃髪。
ライトに照らされとても美しくもはや女神といっても差し支えない。
「すごく…綺麗だよ…ルカ…」
「っ、からかわないでください…」
「本音だって。ここももっとよく見せて」
「あ、そんな…」
…初めて見る本物の女性の秘部。しかもとても真近にある。
「うぅ…は、恥ずかしい…です」
その言葉にちょっと申し訳ないような気分にもなった…が、
濡れているのが気になるという好奇心もあり、手を伸ばす。
ヌチョ…っとした感触。かなり湿っているようだ…。
女性は感じるとここが濡れるというのは18禁でよく見られるけど、
胸を愛撫しだした時からこうなっていたのだろうか、相当感じていたし。
「ここ、中触るよ…」
割れ目を確認するとゆっくり指を入れていく
「ん…んん…っ」
シーツを掴み、顔をしかめながらルカは堪えている。
それを見て、なるだけ彼女の苦痛にならぬよう慎重に奥へと進める。
そして、ようやく1本の指が入りきった。
「ルカ、痛くなかった…?」
「はぁ、はぁ…大丈夫…です…」
ルカは微笑んでいた。その笑顔で肩の荷が下りた。
その中は、ザラザラあるいはゴワゴワした感じの手触り。
内壁に触れるたび、ルカが艶めいた声で悶える…。
「やぁっ、んあっ、はぁぁぁっ…ゆび…ぃ、私のナカで…っ」
「ルカ、どう、気持ちいい?」
「は、はひ…すごく…気持ち…いいです…っ」
感じているルカはとても淫靡で、だけどある種の美しささえ感じさせる…不思議なものだ。
「はぁ…あん…ひゃぅ…んんっ」
指を出し入れしたり中をなでたりするとそこから液が漏れ、ますます秘部を濡らす。
…よく見ると、さっきはなかったモノが自己主張をしているのに気づいた。
これってまさか… く、栗と栗鼠…もといクリトリス?
割れ目を撫でている手のほうの空いた指でそーっと触れてみる、と。
「…っ!?…んああぁぁっ!」
身体を大きくしならせ、一際大きな声で喘ぐ。
「…っあ、マスター、い、今のは…。…マスター…?」
「ルカっ…!!」
「あ…っ」
今のを見て何かに火がついた、ルカに覆いかぶさるようにしたあと、
空いた手で右の乳房に触れる。
「んぅ…っ!」
そして、もう1つは…
「やっ!?」
左の乳房は口に含んだ。
そして膣内とクリトリスを左手、胸を右手と舌でいじり始めた。
「ひゃあっ、あぁんっ!んぁ、ゃ…はあぁぁっ!
(あぁ…私の胸も、アソコも、マスターに…っ)」
「ひぅ…っ!いっ!あぁっ…!ふぁあっ!んはぁ!」
さすがに3点を同時に責めているだけあって今までにないよがり様。
「おっぱいも、おまんこ…もすごくいいよ、たまらないよ、ルカ…」
「や…っ、そんな…言わないで…くださいっ」
…今、「おまんこ」と口にだすのが割りと恥ずかしかったのは秘密だ。
乳首をいじればいじるほど膣内がキュッとなり指を締め付ける。
「んぁ、あぁっ! ふぁ、やぁ…はぁっ!」
ルカの膣内、陰核、乳房、乳首をとにかく一心不乱に愛でた。
「…っ、あぁっ…!マスター、私、さっきみたいにまた…はぁんっ!」
「いいよ、ルカ、我慢しないで…イっていいよ」
「…っ!んっ…あはぁっ…!あっ、あっ、んあぁっ…!」
「ひ…っ!あぁ…っ!だ、ダメ、もう…胸も、アソコもぉ…っ
マスターにいじられて…、もうダメ…っ!」
「ふあぁぁああ――っ!!」
ルカの身体が弓なりに大きく跳ね、ビクンビクンと激しく痙攣した。
秘部からは大量の液が吹き出した…。
「あ…っ、はぁ…っ、はぁ…っ」
ルカはとろんとした恍惚の表情をしていた…。
そうして快感の余韻に浸るルカを僕は見つめていた。
その時、とある考えが脳によぎる。
僕は人間、ルカはボーカロイド…僕はあくまで彼女をプロデュースしてるだけ。
もしこれ以上にいこうとしたら何かが崩れるかもしれない。
いや、それでも僕は―――。
「ルカ、落ち着いた?」
「はい、なんとか…」
「じゃあ…改めて聞いていいかな…僕のこと、どう思ってる?」
「マスターには…いつも私のこと気遣ったり、いい曲を提供してくれたりして…日々感謝してます」
ヒトの想いを歌というカタチに変えてくれる、それがボーカロイド。
あくまで人間とアンドロイドだ。心を通わせることができたとしても…
そう思った時。
「…もし、私が人間だったら…マスターと恋人になれたんでしょうか」
「えっ?」
「マスターのもとに来て…一緒に過ごしていくうちに…私の中で何かが変わっていくのがわかりました。
そしてやがて、マスターのことを考えると胸が苦しくなるようになりました」
そうだ…最初はよくも悪くも機械的だったルカだけど、やがていろんな表情を見せるようになって。
「私…おかしいんでしょうか…人間でない私が人間のマスターに…こんな感情を抱くなんて。
でも…でも…素直にならせてください。マスター、私はあなたのことが――」
その時、ぎゅっとルカを抱きしめていた。
彼女が涙ぐんでいたから、思わずそうしたくなった、それに…
「ルカ、ありがとう…君の気持ちが知れてよかった。
今、僕も素直に言える、人間じゃなくても…ボーカロイドでもルカはルカに変わりないから。
怒ったり泣いたり、そして笑ったり歌ったりする、僕はそんなルカが大好きだよ」
「ずるいです。そんな風に言われたら…私、目からこんなに溢れでてしまいます…」
彼女の中で色々こみ上げてきたのだろうか、ぽろぽろと涙をこぼす。
「でも、嬉しい…私も、大好きです、マスター…」
「あの、マスター」
「ん、何?」
「そ、その…キス、してくれませんか…」
「あ…うん」
女性の顔が直ぐ目の前にある、ひどく緊張する。
でもルカが望んでいる、目を閉じながら待っている、だから意を決した。
そして、彼女の唇に自分の唇を重ねた…とても柔らかい。
「んむ…っ、ふ…ん…」
ルカと僕の唇が互いに触れ合っている、それだけでなんだか充たされるような気分。
「…っ、ふはぁっ」
「ふふっ…ちゅー、しちゃいましたね、マスター」
「そ、そうだね…」
「すごく、よかったです」
「…うん、僕も」
…彼女に触れて、想いを聞いて、キスをして。あと残っているのは…。
淫靡なルカの姿を見てすっかりズボンがテントを張っている…正直、キツい。
(…ルカに見せると思うと戸惑うけど…でも僕だって男なんだ、こういう時こそ…)
勇気を出してズボンを脱ぐと、それが晒されてしまう。
「あ…マスターの、大きくなってる…(アレが、私の中に…)」
顔を手で覆いつつも指の隙間から覗いている…。
互いに見て見られて…恥ずかしい思いをしたことだろう。
「ルカ。僕は…ルカが欲しい。だから…」
「喜んで、捧げます…来てください、マスター…」
僕は自分自身を彼女の秘部にあてがう。
「あっ…」
触れるとルカが小さくピクン、と体を震わせる。
そっと、割れ目に入れ、押し広げるように慎重に進む。
「あ…あぁ…っ」
ある程度奥まで行った時、何かがあたる…それがなんなのかすぐにわかった。
同時に、ボーカロイドとはここまで精巧に作ってあるものなのか、とも驚いた。
「ルカ、今からすごく痛い思いをさせるかもしれない…怖い?」
「怖い…です、でも…目の前にマスターがいますから…」
ルカが僕の背中に手を回しながら言った。
「…わかった、じゃあいくよ、力抜いて…」
覚悟を決めたように僕は思いきり、彼女の奥へと進んだ。
「い…っ…!あ、ああぁぁ――っ!」
奥まで達したと同時に、何かが裂けるような音とともにルカが顔を歪ませた。
「う…あ…あぁ…っ」
「ご、ごめんルカ…痛かったよね…」
「はい…今までにない痛みでした…だけど、これもマスターがくれたものですから…」
「でも、泣いてる…それくらい痛くさせてしまって」
「いいえ、これは…マスターとひとつになれた、そう思うと嬉しくて…
マスターが私の中にいるんだ、って…」
「ルカ…」
ルカは涙を流しながらも笑顔だった…それにひどく胸を打たれた。
「あの、その…動くから…」
「(コクリ)」
ゆっくりと、腰を前後させる。
「あっ…んんっ…」
動くのにあわせてルカの秘部から漏れる愛液がいやらしい音を立てる。
「はっ…んあっ…くうぅっ…」
僕自身がルカの奥を突いては彼女が嬌声を発する。
愛撫でよほど秘部が濡れていたのか…漏れた液が潤滑油の役割を果たし、スムーズに動くことができた。
「ルカ、大丈夫?」
「あうっ…ま、まだ痛い…でも…大丈夫…です…あぁっ」
「その…もっと激しく動きたくなってきた…けど、いいかな?」
「そうしてください…マスターをもっと感じられるから…」
優しく微笑みながら、ルカはそう答えた。
「ありがとう、ルカ。いくよ…!」
勢いをつけるように腰を引き、ルカに打ち付けた。
「――ひっ!!あああぁッ!!」
その要領で何度も彼女を突いた、ただひたすら。
「あうぅっ、か…はぁっ、あぁッ!マスタぁ…っ!あぁんッ!
(やっぱり痛い…でも苦しくない…この痛みは、マスターと繋がった証…)」
さっきよりも強く突かれているルカは激しく悶え、それに合わせて豊かな胸が大きく弾む。
(うわ、む、胸…やばいっ)
それを思わず凝視していた僕は自身をさらに膨らませてしまう。
「あぁっ!?中で…っ、また、大きくなって、るっ…はぁぁん!」
ルカの膣内では、膨張した僕のソレが締め付けられていく…。
「くっ…ルカ、ルカ…今だけは…っ、「マスター」じゃなくて、名前で呼んでほしい…」
「ひゃうっ、あはぁっ!んぁ、あぁっ、(な、名無し)っ…!」
「好きだ、大好きだよ…っ!」
「わ、私も…ですっ、ずっとずっと…(名無し)が大好き…です…っ」
もう僕の頭の中にはルカしかいない。おそらく、彼女の方もきっと…。
「はぁん!あっ、やっ、ひぁっ、あっ、はぁッ!
あ…(名無し)…っ、わ、私…っ、もう…っ!」
「ルカ、僕も…そろそろ…」
「はっ、あぁっ、イッて…ください、(な、名無し)…!」
2人とも限界を迎えつつある。僕もルカもただお互いを最後まで感じたくて。
「…――ッ!ルカ!出すよッ!」
「あぁ…っ!(な、名無し)…の…注いで…ください、私の…中に…っ!」
そして…
「う…っ、く、あっ…ルカぁ…っ!」
「あぁ、はぁ…っ! ああああぁぁぁ――――ッ!!」
僕は…ルカへの欲望や想いが混ざった熱いモノをルカの中に吐き出した。
「はぁ…っ、はぁ…っ…、マスターの…熱い…」
互いに果て、部屋には2人の荒い吐息だけが聞こえていた…。
達した余韻にしばらく浸っていた後、僕とルカは互いに抱き合いながら横になっていた。
「ルカ、その…大丈夫?なんだか辛そうだった…」
「マスターが、私に入れてきたときは…痛かったです…
でも、それ以上に…マスターとひとつになれたことが嬉しかった」
そう言うと頭を僕の胸に寄せてくる…それがとても可愛らしくて。
「あの、マスター。いつかまた…私が抱かれたいと思ったときは、抱いてくれますか…?
そしてマスターも、もし今日みたいに何か辛くなったりしたら…その時、私を求めてくれますか?」
「…ルカが望むならそうするよ、できるだけ優しくする。でも無理はしちゃダメだよ」
「はい、マスター…私は、これからもずっとマスターの隣で…マスターの曲で歌い続けます」
「うん、これからも2人で色々と頑張ろう…改めて、よろしくね、ルカ」
「よろしくお願いします、マスター…」
やがて、ルカの寝息が小さく聞こえてきた。
初めて男性を受け入れた痛みは想像を絶するものだったかもしれない。
それに耐えてよく頑張ったと思う。さぞ疲れたことだろう。
「ん…マスター…私、幸せです…」
寝言だろうか…起こしてしまわないように心の中で応えた。
(お疲れ様。ありがとう、ルカ…)
感謝しながらそっと目を閉じ、やがて眠りについた…。
そして…
「出来たぁぁぁぁ!!」
脇目もはばからず叫んでしまう僕。高かった壁を乗り越え、ついに新作の歌詞ができたのだ。
と、ルカが近くにいるのに気づいて振り向くときょとんとした表情をしている。
「あ、ごめん…達成感がはんぱなくてつい。…ほら、これ。ルカが楽しみにしてたものだよ」
少々ばつが悪そうに歌詞をプリントアウトした紙をルカに手渡した。
「…とても素敵な詞です、マスター」
そう言って僕に微笑みかけてきた。
「んーと、あの時ルカが迫ってきてくれたおかげかな」
「わわ、私はっ!あれで結構恥ずかしかったんですからっ///」
やはり、それなり無理をしていたのか…でもあれ、僕はすごくドキドキしたんだよな…。
「あはは、ごめん…でも、ありがとう。ルカのおかげなことにはかわりないから」
「私も、こうして打ち込んでいるマスターの姿がまた見られて嬉しいです」
「それなら何よりだよ。さて、今日は…メンテナンスの日だっけ」
月に一度、ルカの開発会社で行われ、マスターも付きそうメンテナンスがあるのだ。
「じゃあ行こうか、ルカ」
「はい、マスター」
♪〜 ♪〜
某社のルーム内にルカの済んだ歌声が響き渡る。歌のテスト中だ。
「…はい、大丈夫、問題ありませんね。しかし名無しさんにはルカをとても大事に扱っていただいてるんですねぇ」
「ええ、大切な存在ですから。これからも元気に歌い続けてほしいと願っています」
「我々開発サイドとしてもそう思います…今後共彼女をよろしくおねがいします。」
「終わりました、マスター、スタッフさん」
「お疲れ様、ルカ。とてもいい声だったよ」
「じゃあ名無しさん、ルカ、次はこちらのほうへ…」
その時、向こう側からルカより幼い2人の少女、1人の少年が駆け寄ってきた。
「ルカさん、相変わらず調子いいですね」
「前からそうだと思ってたけど、今日は今までよりずっと綺麗な声だよ!」
「ありがとう、2人とも」
妹を見るような優しい目でミクとリンに接する。僕は彼女のそういうところも好きだ。
「(じーっ…)」
「レン、どうしたの?」
「…なんだか、ルカ姉、前より綺麗になったな…ってさ」
「あ〜、レンったら変な目でルカ姉ちゃんの事見てる〜」
「ばっバカ、何言ってるんだよ///」
「ありがと、レン」
「あのー、何かやってたりするんですか?」
「しいていうなら…スキンシップかしら?そうですよね、マスター」
ルカはそう言いながら僕の方を見て微笑んできた。
僕は思わず顔が熱くなった。けどそれは心地よい熱さだった。