客「み、み、ミックたんは僕だけのものなんだ!」  
 「私はあなただけのものよ」  
客「だ、だから、僕以外のものになるくらいなら、この毒入りの酒を飲んで天使になる方が、ミックたんも幸せで・・・!」  
 「飲むわ」  
客「ひ、ひひ、やった、これで、ミックたんはずっと僕だけの・・・!」  
 客、店を駆け出る。  
 
 マスター、ミックちゃんの足元から酒を回収し、他の客に振舞いつつ、  
 「さあ皆様お待ちかね、これからミックちゃんのステージタイムです!どうか盛大に飲み、盛り上がってください!」  
 「わーい」  
 「いいぞ、いいぞ」  
 ミックちゃんは笑顔を振りまきつつステージに上がり、他の客やマスターは歓声を送りつつ、グラスをほす。  
 
 「♪メルト、溶けてしまいそう・・・」  
 
 拍手も、歓声も、BGMすら止んだステージの上で、つんとした顔でミックちゃんは歌い続ける。  
 もう誰も、聴く事のできない、その歌を。  
 

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