――あ。  
 
 お目覚めですか? マスター。  
 おはようございます。  
 よく、お眠りになられていましたね。昨夜は、たくさんお酒を飲まれていましたけど、二日酔いは残っていませんか?   
よかったら、後で、冷たいお水をお持ちしますね。  
 椅子の背もたれ、痛くないですか? 一応、クッションを二重にはさんであるので、固さはそれほど感じないと思います。  
 手足は……うん、動けないように、きちんと縛りつけられてますね。きつすぎないようにって、気を付けたつもりですけれど、  
もしも痛かったら、すぐにおっしゃってくださいね。  
 それから、寒くありませんか? 暖房は強めにしてありますけど、やっぱり、下着だけの格好ですから、底冷えがするかも  
しれませんし。どうか、お体だけは悪くされないでください。  
 ええと、他には……。  
 あ、おトイレがしたくなったら、遠慮しないでくださいね。すぐ、キレイにしてあげますから。  
 また今度、ちゃんとしたお便所もご用意しますから、しばらくの間は、私のお世話でガマンしてくださいね。  
 
 ……どうしたんですか?  
 大きな声を出しても、誰にも聞こえませんよ?  
 この地下スタジオの防音設備がしっかりしてるのは、マスターもご存知ですよね?  
 何しろ、マスターご自身が、私たちのレッスンのために作ってくれた部屋なんですから。  
 
 うふふ。  
 
 ――え?  
 
 どうして、こんな事をしたのか、ですか?  
 ええと、その……どう説明させてもらえばいいんでしょう。ごめんなさい。  
 そんな風に聞かれるとは、思わなかったものですから。  
   
 その……なんていうか、私、さびしかったんです。  
 
 マスターは毎日、お仕事でお忙しくていらっしゃいますし、お家に帰ってきても、ミクちゃんやリンちゃんとのお話に  
夢中で……。私も、あの二人みたいに、なにげなくマスターとお話できればよかったんですけど……。  
 上手く、話しかけられなかったらどうしよう?  
 ヘンな子だって思われたら、どうしよう? って、そんな風にばかり考えちゃうんです。  
 引っ込み思案なんです、私って。  
 
 それで、だけど……やっぱり、マスターと楽しくおしゃべりしたい、っていう気持ちは、私にもあって……。どうすれば  
いいんだろうって、考えたんです。  
 どんな風にがんばっても、私は、私自身を変える事はできそうにない。  
 だったら、私以外の全部を、変えるようにすればいいのかな?  
 マスターや、まわりの色々なことを、私にあわせてくれるように、変えればいいのかな?  
 それなら、もしかしたら、私にもできるかもしれない。  
 
 そんな風に、考えたんです。  
   
 そのためには、まず、マスターと、二人っきりになれる場所が必要。他に誰もいないところでだったら、私も落ち着いて、  
マスターに話しかけることができる。  
 でも、私は臆病だから、もしかしたら、それでも失敗してしまうかもしれない。  
 だったら、歌と同じで、上手く出来るまで、何回でも挑戦すればいいんだ。……これも、マスターから教わった事でしたね。  
 その間、マスターには、ずっとそこにいてもらいたい。私が、ちゃんとマスターとお話しできる、その時まで。  
 
 
 どこにも逃げ出さないように。  
 誰の邪魔も、入らないように。  
 
 
 ――ああ、こんな説明しか出来なくて、ごめんなさい。  
 でも、これできっと、わかってもらえましたよね?  
 私は、ただ。  
 
 マスターと、楽しくお話しがしたいだけなんです。  
 
 うふふ。  
   
 それで、あの……マスター。  
 
 実は私から、プレゼントがあるんです。  
 
 ……私も、やっぱり一日中ずっと、ここにいる事はできなくて、マスターのために、お料理や、お洗濯をするのに、お家に  
戻らないといけなくて。  
 だからその間、マスターが、お一人でもさみしくないように、って思って、作ったものなんです。  
 私、男の人に贈り物をするのは初めてで……ちょっと、恥ずかしいですけど……受け取ってもらえますか?  
 
 ほら、見てください。  
   
 このオナホールの中、私とそっくり同じ作りになってるんですよ?  
 
 外側は、ピンク色に塗ってみました。私の髪と、同じ色。  
 以前、マスターが私の髪を、キレイだ、って、ほめてくださった事がありましたよね。とっても、とっても嬉しかったです。  
 
 あれから私、一度も髪を切っていないんですよ?  
 
 気づいてくれていましたか?  
 
 ……これをこうして、マスターのココにかぶせてあげれば、私がいない時でも、さみしくありませんよね。  
 いつでも、私と一緒ですよ。マスター。  
   
 それから、もう一つ。  
 
 このリングを、取り付けさせてもらいますね。やっぱり、垂れ流しになっちゃうのは、はしたないですから。  
 こうやって、根本のところにぱちん、とはめてあげると、どれだけ気持ちよくなっても出なくなっちゃうそうなんです。  
これで、安心ですよね。  
 最後に、オナホールが外れないよう、上から真っ赤なリボンでとめて……わあ、可愛い! お似合いですよ、マスター。  
 
 うふふ。  
 
 それじゃ、スイッチ、オン。  
 
 ほら、すごい動きでしょう? 中にいっぱいローションを塗っておきましたから、最初はひんやりするかもしれませんけど、  
すぐに慣れて、あったかくなると思います。  
 内側のひだひだが、うねうね動いて、マスターのオチンポを、下から上までなぞり上げて。  
 穴全体が、きゅうっとすぼまって、マスターをぎちぎちに締めつけて。  
 まるで本当に、私の中に挿入してるみたいだ、って思いませんか?  
 
 思いますよね?  
 
 ……よかった。喜んでいただけたみたいですね。  
 これで私も、安心してお出かけできます。ちょっと、お買い物に行ってきますね。   
 心配しないでください。すぐに帰ってきますから。  
 今夜は何が食べたいですか? マスター。  
 特に、リクエストはありませんか? なら、マスターの好きなもの、いろいろ買ってきます。  
 
 ――それじゃあ、また後ほど。  
 
   
 
 ――ただいま戻りました、マスター。……あら?  
 まあ、大変。椅子ごと倒れてしまったんですね。今、起こしてあげます。  
 
 ……よいしょ、ふう。これで、元通りです。  
 
 ごめんなさい、もっとしっかり、床に固定しておけばよかったんですよね。  
 明日からは、そうしますね。本当にごめんなさい。  
 私がいない間、何か、変わったことはありませんでしたか?  
 お口から、よだれがこぼれてますね。……はい、キレイになりましたよ。お茶、買ってきましたけど、飲みますか?  
 
 ……え?  
 
 リング? 外してほしいんですか?  
 あはは、そんなに大きな声を出さなくても、私はちゃーんと聞いてますよ、マスター。  
 いいですよ。外してあげます。  
 
 そのかわり。  
 
 私にいくつか、約束をしてもらえますか?  
 ……そうです、お約束です。  
 
 ほら、顔を上げて。  
 ちゃんと、まっすぐ私の目を見て、言ってください。  
 
 それじゃあ、私のあとに続いて、繰り返してくださいね。  
 りぴーとあふたーみー、ですよ、マスター。  
   
 『僕は、ルカを愛しています』。……はい、どうぞ、マスター。  
 
 ふふ、それじゃ、次です。  
 
 『これからずっと、ルカの事だけを見て、生きていくと約束します』。……はい。  
 
 ええ、いいですよ。  
 じゃあ、最後。  
 
 『ルカ以外のボーカロイドの事は永久に忘れ、今後、二度と関係を持たないと誓います』。……どうぞ。  
 
 ……ダメです。  
 もっとキチンと、感情を込めて。  
 いまいましく、吐き捨てるように言ってくれないと、ダメです。  
 さあ。もう一度。  
 
 うふふ。  
 
 よく言えました。じゃあ、私もお約束でしたから、リングを外してあげますね。  
 
 ……わあ、一気に出ましたね。  
 どくどくって、いっぱいの精子が飛び跳ねてるのが、オナホールの外側からも見えますよ。  
 ほら、こうやってスイッチを切って、中をのぞくと見えますよね? マスターのザーメンが、たぷんたぷんに詰まってるの。  
 とっても柔らかくて、ほかほか湯気が出てきそうなくらい温かい、新鮮な精液。  
 
 それじゃ、いただきます。  
   
 ……ちゅるぅっ。  
 ん……すっごく濃いですね。舌に乗せた瞬間、臭いが一気に鼻まで回ってきました。  
 くちゅっ、くちゅぅ。  
 舌でかきまわすたびに、細い糸みたいになって、ねばねば絡み付いてきます……。それに、口の内側のあちこちに引っ付いて、  
にちゃにちゃする感触が、口いっぱいに広がってます。  
 唾液とまぜて、飲んじゃいますね。  
 んくっ……ごくん。……はぁ。  
 のどの奥に、ぬるぬるした精液が、膜になってへばり付いてます。飲み込もうとしても、飲み込めません。  
 まるで、抱っこをせがんで、お母さんに甘えてる、赤ん坊みたい……ふふっ。  
 まだ、こんなにたっぷり入ってるんですね。本当に、たくさん射精なさったんですね、マスター。  
 残った分、一口でいただいちゃいますね。  
 ……ずじゅじゅじゅじゅっ、ぢゅるるるるるっ。  
 ぐっちゅぐっちゅぐっちゅ。  
 ごきゅっ、ごきゅ。  
 …………ぷはぁっ。けほっ、けほっ。  
 ああ……とても、いい気持ちです……。  
 どろりとした塊が、お腹の中にぼとっと落ちてきて……まるで、私の体の中で、マスターの精子が泳ぎ回ってるみたい……。  
 お腹の中で、受精できたらよかったのにな。  
 ……吸い出せなかった分が、まだ少し残ってるみたいですね。  
 中で固まりになってるのも、こうやって……舌を伸ばして、ぺろぺろって舐めちゃいますね。  
 ずじゅるっ、ちゅぅぅぅっ。  
 あ、唇の端からあふれて……ごめんなさい。せっかくマスターから頂いた、大事なお汁なのに、床にこぼしてしまいました。  
 すぐに舐め取りますから。  
 ぴちゃぴちゃ、ぺちょ。……ごくん。  
 ……もう、ほんのちょっとだけ、底の方で、溜になってますね。  
 こうやって、ぎゅうって絞れば……ほら、とろとろって、出てきましたよ。明かりがキラキラ反射して、きれいですね。  
 あーん……ちゅるり。  
 ……ふぅ。  
 
 ――ごちそうさまでした。  
   
 ……どうしたんですか、マスター? 顔色が、お悪いようですけど。  
 もしかして、気分が優れないんですか?  
 大変、すぐにお薬をお持ちしますから、待ってて――え?  
 
 ――他のみんなが、どうしているか?  
 それって、ミクちゃんやリンちゃんの事ですか?  
 
 
 どうしてそんな事聞くんですか?  
 
 
 さっき、約束しましたよね? 私以外のボーカロイドの事はもう忘れる、って、言いましたよね?  
 言いましたよね?  
 嘘をついたんですか? マスター。  
 何でそんなに私から目をそらそうとするんですか? 何でそんなに震えてるんですか? やっぱりここ、寒いですか?  
 それとも何か、怖がってるんですか? だとしたら何も怖がることなんてないんですよ? 私がそばにいてあげますから、  
怖い事やイヤな事は、ぜんぶぜんぶぜんぶ、マスターの周りから取り除いてあげます。  
 私が、マスターのことを変えてあげるんです。  
 
 ……心配しなくても、大丈夫ですよ、マスター。  
 ミクちゃんもリンちゃんも、マスターに会いたがってます。  
 今度、いっしょに連れてきてあげますね。きっと二人とも、マスターに会ったら大喜びしてくれると思いますよ。  
 だって。  
 
 
 ――今はもう、身も心もすっかり、マスター専用のお便所になっていますから。  
 
   
 ……そろそろ、寝る時間ですね。  
 名残おしいですけど、私、寝室に戻らせていただきます。……あ、その前に。  
 ひとつ、お礼を言わせていただけますか?  
 この前、買っていただいたパジャマ、私にぴったりでした。本当にありがとうございます。あの服を着て眠ると、なんだか、  
一人だけれど、一人じゃないような気がして、とてもぐっすり眠れるんです。  
 
 だから私もお返しに、一人で寝るのがさみしくないようにしてあげますね。  
 
 はい、オナホールとリング。  
 これで、眠っている間も、私と一緒にいられますからね。  
 スイッチ、オン。  
 
 うふふ。  
 
 うふふふ。  
 
 あら、ごめんなさい。  
 私ったら、つい夢中になりすぎて……ごはんの用意をすっかり忘れていました。明日の朝、起きたらすぐに作って、お持ち  
しますね。  
 明日は、何が食べたいですか?  
 特に、リクエストはありませんか? それなら、私の得意な料理を、たくさんお作りしてきますね。  
 
 ……こうやって、お互いの事を想ったままで眠れれば、もしかしたら、今夜、夢の中でお会いできるかもしれません。  
 その時はまた、いっぱいいっぱい、お話ししましょうね。  
 ――それじゃあ。  
 
 
 おやすみなさい。  
 
 
 あなた。  
 
   
 

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