「やぁ、カイト、もっとぉ」
めーちゃんが俺の首に腕を回し、ぐっと自分の方に俺を引き寄せる。
「いいの、もっと、はげしくしてほしいのお」
耳元であられもない声。艶やかな声に誘導され、射精が近づく。
「めーちゃん、僕、もう」
「うん、きて。あたしの中にいっぱい出して!」
「「ああっ!」」
僕が欲望を吐き出したと同時、めーちゃんの腕に力が込められ、軽く痙攣するのが伝わってきた。
「カイト」
「めーちゃん」
クールダウンのひととき。さっきまでの激しい一時も大好きだけど、この時間も劣らずに大好きだ。
普段は姉御肌のめーちゃんが、可愛い女の子の一面を見せてくれるから。
「あたしたち、ずっと一緒にいようね」
「勿論だよ。ずっと、ずっとね」
だからいつにも増して甘えてるなとは思ったけど、その時は「今日は頑張ったからかな」と自惚れて、
いつもとの声色の違いに気付かなかった。
「ねえ、カイト。これ見て」
「ん?」
そういってめーちゃんは行為の直前まで弄ってたパソコンを指差す。
スクリーンセーバーが解除され、出てきたのはニコニコ動画。
そう、僕達のメルトPVがランクインしていて、それを一緒に見ながらいちゃついてる内に、という訳。
「さっき気付いたんだけどね」
そう言ってニコニコ市場の自分の商品欄をクリックする。
vocaloid meikoの詳細が表示される。う〜ん、パッケ絵のめーちゃんも可愛い。
「ここなんだけど」
画面をスクロールして「あわせて買いたい」の項目が表示される。
「あ、僕だね」
そう。あわせて買いたいの例にvocaloid kaito。僕の名前があった。
「そしてカイトの方でも」
クリックし、今度は僕の詳細が表示される。
「あたしがセットの代表例になってるの」
「ほんとだ」
実際に皆も確認してみて。
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「私達、クリプトンだけじゃなくてkonozamaにも公認されたって事よね」
「そうかもね」
偶然かもしれないけど、こんなちょっとした事でも僕達の事を祝福されてるみたいで嬉しくなる。
「だからあたしたち、本格的にコンビ組めば最強よね!」
「そうだね」
この時気付くべきだった。めーちゃんの目が本気と書いてガチと読む事を。
「という訳で、はいこれ。着替えて」
「え? なにこれ?」
ん? どっかで見たような…これレンの衣装じゃないか!?
「そうよ」
めーちゃんはいつの間にかリンの衣装に着替えていた。セーラー服っぽいデザインだから凄くそそる…
ってそうじゃない!
「これ、どういう事?」
「あの2人に化けて日本中のマスターに私達を売り込むのよ!」
「な、なんだってーっ!」
何を言い出すの?
第一僕らが格好だけ真似ても一発でバレるよ。
「大丈夫よ。昔、任○堂のハードと間違えてセ○のハード買った人、結構いたみたいだし」
小学生の母親じゃないんだから。
「それにあたし達の方が双子より調教楽なのよ? これは大きなセールスポイントよね」
上級者用か超上級者用かの違いでしかないと思う。
「何よ! 自分ひとり売れてるからって! さっきあたしとずっと一緒って言ったじゃない!」
ええっ!? そっちに着地するの?
「抱き合わせ販売なら、ずっとカイトと一緒にいれると思ったのに…」
うっ!
そんな表情されると弱い。
「いつカイトだけ売られていくか分からないもん。そんなの嫌」
それは、僕も嫌だ。
うーん…
うーん、うーん
「分かったよ、めーちゃん」
「えっ?」
「抱き合わせかはともかく、僕達2人いっしょに買ってくれる人を探そう」
「本当!?」
「うん。僕もめーちゃんから離れたくないもん」
「嬉しい!」
めーちゃんが僕の胸に飛び込んでくる。あ、おっぱいの感触が…
「だから、とりあえず」
「とりあえず?」
「この服、バレない内に返してこようよ」
多分無断借用だろうし。
「でもその前に」
そう言ってめーちゃんが僕の股間をさすってくる。
リンコスのめーちゃんを見てたからか、触ってくる前から臨戦態勢。
「コスプレH、してみたくない?」
してみたいです!
こうして僕らは、さっき一仕事終えたばかりだというのに、まるでご無沙汰かのように没頭した。
だって擬似セーラー服で、且つ擬似双子プレイだったんだもん。夢中にもなるよね?
どれくらい夢中だったかというと、後日リンレンに「なんか1着だけ服が伸びてる気がする」
って言われて心臓止まりかけたくらい。
<おわり>