後ろから抱きしめる(Waqwaq シオ×神様)  
 
 
 
 
 
強くなると言うこと。  
誰かを愛すると言うこと。  
その二つは、一本の糸で繋がってることす。  
 
 
 
 
神様は、時々ふと消えていなくなるす。  
「……神様、どこす?」  
でももれは防人すから、神様のいる場所は直ぐに分かるす。  
防人的感覚す。  
 
 
 
……ほら、いたす。  
 
 
 
村のはずれの、砂丘の上。  
一人歩きは危ないから駄目すと、あれほど言ったのに。  
 
「……神様、めっけす」  
言って、神様を後ろから抱きしめたす。神様はいつも柔らかくて、とてもいい匂いがするす。  
「なぁに、シオ君」  
抱きしめたといっても、もれはまだちゃっこいガキんちょすから。  
端から見たら「抱きついた」にしか見えないかもしれねす。  
神様のにおいを、胸いっぱいに吸い込んだす。  
身体に回したもれの手を、優しく撫でる神様の手。それはとても柔らかいす。  
「神様、一人歩きは危ないすよ」  
「ええ……そうね」  
ああ、神様。  
神様は、どうしてこんなに柔らかくて、そしていいにおいがするんすか?  
もれの胸は、毎日ドキドキしっぱなしす。  
 
 
「……もれ、神様のこと全力で守るす」  
「ありがとう、シオ君……」  
赤い血を持つ神様は、黒い血の人間たちを幸せにするだなんて伝説を幾ら言っても、  
神様はとても心細そうす。  
だから、もれが……守るす。  
 
 
 
 
何処までも続く、不毛の砂の大地。  
いつからこの世界はこうなのか、誰も知らないことす。  
 
「私のいた世界はね、もっと違うのよ……」  
神様はいつだったか、そう言ったす。  
 
 
 
 
岩陰で、神様と唇を重ねたす……。  
ちゅっ、て音を立てて。それから……それから。  
「シオ君、……見て」  
せーらーふくっていう……神様は立ち上がって、着ている服を、一枚一枚脱いでいったす。  
そして、真っ白な肌を、もれの前に晒したす。  
 
寂しいの、と、神様は時々言うす。  
神様がどこかへ行ってしまうのはそんな時で、こんなことをするのは、決まってその後す……。  
「はい、……神様」  
目の前に立つ神様は、素っ裸す。  
脚の間に、髪の色と同じ毛が、ほんの少しだけほわほわっと生えてるす。  
「触って」  
神様の白い肌に触れたら、もれのちょぴっとの理性は、一気に吹っ飛んじまうす……。  
大きな二つの胸は膨らんでて、その先っちょのピンク色の尖ったのに吸い付くす。  
「あぅっ……」  
神様は声を裏返らせて顔をしかめるす。すっごく、気持ちよさそうす。  
音を立てて吸い上げて、柔らかい肌に手を滑らせるす。  
もれの心臓の音は、ドキドキ、ドキドキ、どんどんどんどん早くなっていくんす……。  
「んはぁッ……シオ君ッ」  
片方を吸い上げながら、もう片方を手で苛めたら、神様の声は切なく、もう泣きそうになっていくす。  
ああ……こんなときの神様の顔は、とても可愛いす……。  
 
……もれ、強くなりたいす。  
神様の為に。  
神様を、守るために。  
 
 
 
 
「シオ君……もぉ、……ッ」  
白い肌には珠のような汗が浮かんで、頬は真っ赤に火照ってるす。  
ほわほわっとした毛のとこに顔を埋めて。  
溢れ出てくる塩ッぽいジュースを舐め舐めしながら。  
もれは、決意したす。  
 
 
 
 
もれの命を掛けて、神様をお守りするってことを。  
そして、神様を、神様が来た世界に戻してあげるって……。  
愛しいって気持ちはこういうことなんだって、分かるんす。  
だから強くなれるんだって、分かるんす。  
気持ちよさに腰を動かして乱れ始めた神様に、もれは誓ったす―――。  
 
 
 
 
「神様、……指、入れてもいいすか……?」  
 
強くなると言うこと。  
誰かを愛すると言うこと。  
その二つは、一本の糸で繋がってることす。  
昔々、とーちゃんがもれに教えてくれたことす。  
 

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