" 眠れないのは誰のせい?"
……何が何だか分からない。
今の私の状況は、この言葉だけで事足りた。
ここは、どこ?
どうして、私は此処にいるの?
そして私が……神様……?
本当に、何が何だか分からない。
だから眠れない。
何がどうなってこうなったのかを、ついつい考えてしまう夜。
考えたってしょうがないのに……どうにも、ならないのに。
それでも、私のそばにいてくれる人たちがいる。
彼らは私を慰めてくれる。私も彼らを慰める。
彼らは私を本当に神様だと思ってくれている。
「……神様、眠れねすか?」
たどり着いた村の宿。
硬いベッドの上、何度も寝返りを打つ私に、隣で眠るシオ君が声を掛けた。
「ご、ごめんなさい、シオ君。起こした?」
「いえ、もれも眠れねす」
えへへ、とシオ君は笑った。
「神、俺もだ」
シオ君と反対側の私の隣に眠るレオが振り返った。
懐は寂しく、私たち3人は宿の一番安い部屋で、一つのベッドに眠っていた。
「あら、じゃあ皆眠れないの?」
「そういうことす」
「そうだな、そういうことだ」
ソファの上では、プラちゃんだけが寝息を立てている。
狭いベッドの上、私たち三人は笑いあった。
「眠れるようにしてやろうか? 神。こないだみたいに」
仕方ない、と言う風にレオは言い、でも目だけは笑っていた。
「そうね、……お願いしようかな」
「あっ、もれも! もれも神様を眠れるようにしてあげるす!」
「あら、嬉しい。じゃぁシオ君にもお願いするわね」
"眠れないのは誰のせい?"
答えてくれる人はいない。
けれど、眠れない夜に側にいてくれる人たちなら、いる。
目を閉じると、二人の手が同時に私に伸びてくる。
男の手。上着を丁寧に脱がされ、夜の冷気に肌が晒される。
「神……ン、ッ」
開放された胸の先端は期待に早くも固くなって、そこへレオが唇を寄せる。
音を立てて吸い上げる。
「あっ・、」
漏れてしまう声……でも、止める必要なんかない……だって、宿には私たち以外
泊まっている人はいないんだもの……。
「か、神様…お邪魔するす」
もぞもぞ、シオ君は私のスカートの中に潜り込んできた。
片膝を立てて、脚を開いた。シオ君の為に。
下着が下ろされ、生暖かい舌の感触が、最も敏感な箇所へと触れる。
「ああ……ッ、!!」
裏返る声……止まらない、止めない。
「シオ君、レオ……ッ!」
濡れた二つの舌が、自在に私の身体を嘗め回す。
蕩けていく……頭の中……嫌なことと、慣れないことと分からないことで一杯の、
今にも爆発しそうな私の頭の中が。
「神様、もう、ぐしょぐしょす……」
粘った音を立て、シオ君の指が私の中へと入ってきた。
ぐ、っと突き上げられ、のけぞって喘いだ。
「あ、ああーーッ……!!」
「神、イクのはまだ早いぜ?」
レオも、私の乳房を強く捏ね始めて……。
「いやぁ……ッ、レオ、シオ君ッ……も、……っとッ……!!」
私ははしたないくらい甲高い声を上げて、二人が与えてくれる快楽を貪った。
二つの濡れた音は、それぞれに独自のリズムをとりはじめる。
"眠れないのは誰のせい?"
問いかけに、答えてくれる人はいない。
それは私が探さなければいけない。
けれど、眠れない夜に側にいてくれる人たちがいる。
眠れない夜。
それは3人でどこまでもどこまでも、堕ちていく淫らな夜だった。
(END)