「では、立ち聞きしたときの様子を教えておくれ。」  
「実は…もれ、見てしまったす。神さまの声が、泣いているようで、いじめられているかと思て、  
 隙間から中を見たんす。暗かたけど、月明かりで二人がベッドの上で裸で抱き合っている様子が  
 見えたす。なんだか、妙に腰が動いていたす。  
 月の光に照らし出された神さまは、見たこともないほど綺麗だったす。」  
 
無垢な少年が目の当たりにするには、少し刺激的な内容を、少し遠い目をしながら話す。  
神に対して信仰以外の淡い感情を抱いていたのだろうか。  
それとも最も親しいもの同士なのに、自分が入り込めない何かを感じ取って疎外感を感じているのだろうか。  
それにしても、とんでもない神と防人だな、とヨキは思う。  
だが、わからないでもない、そうつぶやくとくすっと笑った。  
 
「もれ、胸がドキドキして、喉がカラカラしたよ。それから、もれ、病気かもしれないす。」  
「病気?」ヨキは心配そうに、だが、医者であるので少し興味を持ちつつ尋ねた。  
「もれ、そのことを思い出すと、ここがなんだかおかしくなるす。今もなんだかおかしいす。」  
 そう言って、股間を指さす。  
 
 ヨキには、すぐに見当がついたが、見てみたいという好奇心が働いたため、直接見なければ分からない、  
と服を脱ぐよう促した。  
 シオの服はツナギの構造をしているため、その部分を晒すためには、必然的に全部脱ぐ必要があった。  
自分の異変に対する不安、診てくれるのが、信頼するヨキ先生ということで、ためらうことなく、すべて脱いだ。  
 シオのソレは、まだ顔を覗かせるようなことはないものの、少し固くなっており、自身が男であることを  
主張する。  
「もれのは、とうちゃんのともレオのとも違うす。」でもフランとは同じで安心したす、と付け加えた。  
「そうなるまで、もう少し、時間がかかりそうだな。」と少年らしい興味の持ち方にヨキはほほえむ。  
シオのソレに触れ、なでる。それだけで、シオのはピクッと脈打つ。さらに、手で包みながら、  
しごくと、堅さを更に増す。  
「…ぁ、ヨキせんせ…。」思いもしなかったヨキの行動、そして自分のモノの状態に、シオは少し苦しそうに呻く。  
 
「まだまだ足りないようだな。」そうつぶやくと、ヨキはおもむろに上着を脱ぎだした。  
 
体型の目立たないローブの下からは、中性っぽい面持ちからは想像できないような  
放漫な胸、丸みを帯びた体があらわになる。  
それだけで、シオのは、更にむくむくと膨らんで体積を増す。  
「私ので反応してくれるとは、まだまだ捨てたモノじゃないねい。」  
再び、手でしごくと、ついにはかぶり物の下からその顔をのぞくことができるまでになった。  
自分の意思に反して、びくびく動くソレに戸惑う。  
「で、出るっ!」何かが出て行く感じを止められないまま、放出してしまった。  
ヨキの指にもどろりとした液体が飛び散っており、ぺろりと舐めると苦くて青臭い味が口の中に広がる。  
それは、少年が初めて目覚めた男の味。彼のもこんな味だったかも、と少年によく似た父親を思い出す。  
ほうっと満たされたように、放心するシオ。気持ちがよかったのだろう。だが、あっと我に返る。  
「白!? もれ、やっぱり病気すよ。白いオシッコが出てしまったす。」  
「ちがう。オシッコではない。」  
ではなんだ、と不思議そうな表情をしながらシオはヨキを見上げた。  
シオの頭をなでながら、やさしく説明する。  
「それはね、精液といって子供をつくるために必要なものだ。  
シオの体が大人の男として一人前に機能し始めた証拠なのさ。」  
まだ、被っているがな、と内心付け加える。  
 
「シオ、目をつぶってごらん。」  
促されるまま、目を閉じると、唇に軽くやわらかい感触。驚いて、ばっと目を開けると、  
ぶつかりそうなほど近くにヨキの顔が見える。  
「初めてを奪ってしまったかな?」唇をぺろりとなめると、悪戯っぽく笑った。  
 
「あの〜ヨキ先生、なんでこんなことするんすか。」サッパリ判らないというふうにシオが問う。  
「おや、お前は神たちのやっていることを知りたいのではなかったのかい?」  
「それは、そうすけど…。」  
「彼らがやっているであろうコトを、お前に体でもって教えてあげているのさ。」  
なんだかよくわからないけど、ヨキ先生が言うんだからそうだろう、と変に納得してしまう。  
 
「今度は、大人のキスを教えてあげよう。」  
そう言うと、また唇を重ねる。ヨキの唇の柔らかさを楽しんでいるところに、じっとりと湿った  
舌が割り込んでくる。何かを探るように、シオの口の中をはい回る。  
シオは、その舌の動きに合わせるように、絡ませる。  
頭の中が、じんじんして、霞がかかったようになって、麻痺した感覚に襲われる。  
いま、シオは「大人のキス」に酔いしれていた。  
 
「んぅ…ヨキせんせ…」  
自身を支えられないような気がして、シオは行き場のない手を彷徨わせた。  
なんだか柔らかい感触がする。そこは、手の動きに合わせてぐにぐにと形を変えていく。  
「…ぁ、シオ…」  
シオの手の行き場に少し戸惑うと同時に、心地よさも感じてしまう。  
「好きなように…ぁ…触っても…ん…いいんだよ…ぁん。」  
神よりも明らかに豊かなその胸を、シオがふにふにと揉みしだく。  
「ヨキ先生のおっぱい、すごく柔らかいす。」  
そう言うと、右手で、さわり続けながら、その柔らかさを味わうように反対の胸に舌を這わす。  
胸の頂点の突起を唇ではさむと、ちゅっと吸い付く。それを、もう一方の、胸でも交互に繰り返す。  
 赤ちゃんみたいだな、とヨキはシオの頭をなでながら思うが、その気持ちに反して、  
胸の突起はだんだんと固くなっていく。  
それと同時に、体の奥からから何かが滲み出してくる感じさえ覚える。  
「私としたことが、シオを相手に…。」  
 
不覚だ、そう思いつつ、己のパンツの中に手を入れ、滲み出してくるその部分に触れてみる。  
そこは、少し湿っており、彼女の指を濡らした。  
「シオ、触ってごらん」  
シオの右手をつかんで、パンツの上から割れ目に沿って触らせる。  
自分で触らせているにもかかわらず、「他人の手」ということもあり、ゾクッとする。  
シオもまた、女の男とは違うその部分の作りを実感して、驚く。  
 
ヨキは、おもむろにパンツを脱ぐと、その部分を晒す。  
ソコは、その液体で濡れて、部屋の明かりに反射して、妖しげに煌めいていた。  
「シオ、ここ」  
直に割れ目に触れさせる。濡れているため、ぬるっとすべるソコを割れ目にそって、指を滑らせた。  
「そう…っ…シオは…ぁん…上手ぅん…だ、ねぃ…。」  
ヨキの変化に戸惑うものの、ソコから目線を、指を外すことが出来ない。  
ふと、その液体が一際多く溢れ出ている部分に、気づいた。  
「指を入れてもいいすか?」そう尋ねると、ヨキは頷く。  
 
では、と、人差し指を入れると、そのぬるぬるの液体に誘われるように、根本まで入っていった。  
入れた瞬間、びくっとヨキの体がはねる。久しぶりの感触に体が過剰に反応したようだった。  
中は、温かくて、ぬるぬるして、入れた指に吸い付くようだった。  
中指も入れてみると、それも、一緒に吸い込まれていった。  
指を動かすと、くちゅくちゅと、なんだかイヤラシイ水音がし、その液体が、少年の指を、腕を濡らす。  
その様子に、彼の鎮まった部分が再び成長を始める。  
 
指を彼女の中で泳がせる度に、身をよじり「ぁ…ぁん…」と、普段の低めの声からは想像できない、  
高くて、甘い声が漏れる。  
泣き声のようなその声は、神がレオとの行為の時に発していた声と同類のものだ、とシオは思う。  
その様子に、普段「保護者」として接しているにもかかわらず、子供ながら、かわいいとすら感じてしまう。  
 
指を出し入れする速度を速めると、それに合わせて、女の声も早くなる。  
「…ぁ…シオ…ぁ…ぁん」  
足の付け根あたりがガクガクとなり、達してしまう。  
 
その様子を見ること、音を聞くこと、ソコを触ることといった視覚、聴覚、触覚によって、  
シオのソコは再び体積を最大限に増し、また顔を覗かせた。  
再び熱を持ったソコにヨキは舌を這わせる。覗かせた顔や、先端の穴を中心に舌を這わせると、  
今まで体験したことのない感覚が体中を走る。「…ぁ、ヨキせんせぇ…ん…」  
何とも言えない気持ちよさに、思わず唇を噛みしめる。  
ふわふわとした感覚とともに、制御できない何かがまた、内側から発生して、  
気が付いたら、ヨキの口の中に放ってしまっていた。口からたらりと白い液体がこぼれる。  
 
「ヨキ先生、すまねえす!」はっと気づいて青ざめる。  
仕方がない、そんな表情で、苦笑する。  
 
「…こんな感じだが、本当は、指でなく、男のソレを入れるのさ。」  
だから、神とレオの腰が密着して、妙に動いていたのか、と納得する。  
「でも、シオのは、まだ未発達だからな…。」まだ早い、言外にそう意味を込める。  
「アルくらいに成長するまで、ね。」  
 
「でも…どうして、神さまとレオはこんなことをしてたんすか?」  
「そうだな、それは、お前が本当に愛する人が出来たら分かるはずさ。  
それまでの宿題にしておく、というのはどうだい?」  
 
シオはよく分からない、と不思議そうな表情をしていた。  
実際、疑問は解決出来ていないような気がした。  
ただ、自分にはまだ少し早いのだろう、ということだけは分かった。  
「もれにも、全部分かる日がくるんすかねえ…。」  
そうつぶやくと、遠くを見て、目を細めた。  
 
 

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