平和の訪れた創界山の虹が消えかかった日
虎王はいなくなった。
創界山の虹はあんなにくすんでいただろうか…?
久しぶりの故郷の土を踏みしめながら娘は疑問に思った。
自分の家は変わりない。みんな元気にしていただろうか?
後ろで物音がし、人の気配を感じる。
「ヒミコ…?ヒミコなのね?!」
中年の綺麗な女性が半泣きになりながら
少女に抱きつき、震えた声で叫ぶ。
ヒミコと呼ばれる娘の母親、不知火だ。
「あなたー!ヒミコが、ヒミコが帰ってきたわよ!!」
虎王がいなくなってから、ヒミコは虎王を待ち続けた。
しかし、虎王は戻っては来ない。誰も彼の行方を知らない。
虎王がいなくなった日、翔龍子はヒミコにこう告げた。
「彼はもう戻らない。だから虎王を忘れよ…」と。
そんなハズはないとヒミコは思った。
いつだって自分との約束は必ず守ってくれた。
自分を妻にしてくれると約束してくれた。
何か戻れない、自分を迎えに来れない
理由があるのだと考えたヒミコは
誰にも告げず、置手紙1つを残し旅立ったのだ。
自分が彼を探せば良いのだ…!と
しかし、世界中をくまなく探しても
とうとう彼を見つけ出す事はできなかった。
噂さえも、名前さえも聞く事はなかった。
自分を置いてどこに消えてしまったというのかー…
「で、満足したウラか?」
3時間にものぼる沈黙を破ったのは幻龍斎だった。
目の前の囲炉裏の炭の紅い炎を見つめながら無言でヒミコが頷く。
「私達はあなたが家を出たこの2年間、ずっと心休まる日はなかったの
でも、こうやって無事に戻ってきて本当に良かった…」
不知火が大粒の涙を流す。
その横でオジジとオババも涙を流していた。
「父上、母上、オジジ、オババ、心配かけてごめんなさい。
虎王は見つからなかったよ。…でも、もういいの。
いろんな世界を見てきたよ。過去の自分にも会ったの。
たくさんの人にも出会えたし、旅に出て良かったとアタシは思う。
これからはずっとここにいるから!」
「そうかー、これで忍部一族も安泰じゃな…!」
幻龍斎がヒミコの頭を優しくなでる。
「ところで父上、創界山の虹はどうしたの?
以前はもっと鮮やかだったのに、何故くすんだ色をしているの?」
まるで、虎王がいなくなる前の虹のようだ…とヒミコは思った。
「創界山の虹は翔龍子様の心そのものウラ。
数年前から数ヶ月に一度、色がくすむ事があるが、すぐにまた元に戻る。
翔龍子様も心が乱れる事があるのじゃろう。」
翔龍子様…、もう6年近く会ってない。
虎王が消えた日、あの日から1度も。
玄関のドアを叩く音が聞こえる。
「あら?こんな夜にどちら様かしら?」
不知火が玄関の戸を開けると見覚えのある人物が立っていた。
翔龍子の重臣、武宝だった。
「皆様、お久しぶりでございます。
ヒ、ヒミコ殿が戻られたと聞きまして、
この武宝、飛んでまいりました!
おおっ、そちらがヒミコ殿ですな?見違えるようにお美しくなってー」
「武宝様、立ち話もなんですから、中に入られては?」
「いや、実は幻龍斎殿とお話したい事がありまして
外に馬車を待たせてありますので、そちらで話をー」
武宝の顔が急に険しくなり、一礼をすると外に出てしまった。
「一体、なんじゃろうな?
ヒミコ、お前は疲れているだろう、今日はもう寝なさい。」
そう言うと幻龍斎も外へと出た。
ヒミコはあの日の出来事を夢見ていた。
今から6年も前、11歳くらいの頃だったろうか?
あの日、翔龍子の具合が悪く、
ヒミコは長い時間彼を見舞っていた。
そんな日の虎王の機嫌はすこぶる悪い。
「もっと足を開いてよく見せろよー」
虎王がヒミコの両足をつかむと
閉じられそうになった足を無理矢理外に開く。
ヒミコはいつもの桃色の着物を着てはいるが、
下半身は一糸まとわぬあられもない姿だ。
虎王はヒミコの未発達な部分を凝視し、
時折優しくなぞったり、口付けたりを繰り返す。
「やだ、最近の虎、ちょっとおかしいよ…」
ヒミコが顔を赤らめながらうつむく。
「いいじゃねえか、お前はオレ様のヨメなんだから。
オレ様も年頃ってやつだ。女の身体に興味があるんだ、別にイイだろ?
今日は翔龍子のところに入り浸りだっただし、オレ様は機嫌が悪いんだ。
オレ様の好きなようにさせろよな。」
「…うん。でも、アタシ恥ずかしいよぉ…」
ヒミコの目に涙がにじむ。
いつも笑顔しか見せないヒミコの、こんな羞恥心で泣きそう顔を見たいがために
虎王はついつい意地悪をしたくなってしまう。
「泣くなよ。夫婦ってやつはこういう事をするもんなんだぞ?
お前はまだ子供で身体も小さいからな、これでもオレ様は我慢しているんだぞ!」
虎王が自分の荒々しくなったモノズボンから取り出し、それををヒミコの顔に押し付ける。
「もう少しお前の身体が大きくなったら、コレがお前の下の口に入るんだ。
今すぐに入れたいが、お前の身体が壊れたら困るからな、まだ勘弁しといてやる。
だから…分かってるだろ?」
虎王が意地悪く笑うとヒミコは小さく頷き、頬に押し当てられた熱い棒を口に含む。
小さい口で棒を包み、顔をゆっくりと上下させる。
「前より…、上手くなったじゃ…、ねえか…」
アイスキャンディーを口に含んだように、ていねいに時々強く、優しく吸いあげる。
程なく虎王は自分の欲望をヒミコの口へと吐き出すとヒミコはそれを口で受け止めた。
「虎ちゃんのミルク、苦い…」
ヒミコが顔をしかめる。
「そうか?オレ様のミルクがヒミコの下の口に入ると子供ができるんだぜ?
オレ様はそのうち聖龍殿を出ようと思う。ここは翔龍子の国だからな。
オレ様はオレ様の国を探しに旅に出ようと思うんだ。」
虎王が親指でヒミコの口をぬぐう。
「その国でオレ様は王に、お前は王妃になるんだ。
それでたくさんオレ様の子供を産むんだ。もちろんオレ様と一緒に行くだろ?」
「うん。アタシ虎ちゃんと一緒に行くよ。」
ヒミコが頷いた瞬間、空が曇り落雷が落ちる。
外からたくさんの悲鳴が聞こえる。
虎王が窓を開けると空が荒れ、虹がどんどん薄くなっていく。
「翔龍子…?ヒミコ、とりあえず服を着ろ。
オレ様は翔龍子の所に行ってくる!」
「虹が消えたらまた悪い人達がやってくるの…?」
「そんな不安そうな顔するな。オレ様がいるから大丈夫だ!」
虎王が服を整えると部屋を出る。
ヒミコが虎王を見たのはそれが最後だった。
ヒミコがもんじゃ村に戻ってから既に3日経とうとしていた。
その間懐かしい友人達と再会して
昔話や旅の話に花を咲かせたりたりと
ヒミコにとって久ぶりに心休まる日々を過ごしていた。
そして、虹はますます色がくすみ、歪んでいるように思えた。
「友達はみんな帰ったウラか?」
幻龍斎が大きな包みを持ちヒミコの前に座る。
「うん。タボちゃんは魔神を科学と融合させて、より強くするとかで
聖龍殿おかかえの魔神整備班に入ったんだって。
珍子は創界山一の女優になって聖龍殿で芸と演技を披露するのが夢なんだって。
今度映画に出るらしいよ。しかも女性役らしいよ!
松之助は来年聖龍殿の警備・忍部隊に入る事が決まったらしいよ。
みんな色々と進路を考えてるんだね。アタシもそろそろ考えないと。
アタシも父上や松之助みたく忍部隊に入ろうかなぁー
この2年間、ずっと修行してたし腕は上がってる。
忍法と脚力なら創界山中の誰にも負けないと思うし、どうかな?」
「ヒミコ…、お前の進路なら既に決まっておる。」
幻龍斎が包みを開けると綺麗な桃色の着物が入っていた。
「父上?どういう事?」
「お前はこれを着て今日の夜聖龍殿に行き、翔龍子様の所に輿入れするウラ。」
「父上?!アタシは誰のところにもヨメになんか行かない…!」
「すまぬ、これはずっと前から決まっていた事なんじゃ。
5年前に聖龍殿に赴いた時、翔龍子様から直々に話を受けたウラ。
せめて18歳になるまではと待って頂いてたのじゃが…」
「そんな、酷いよ父上!それにアタシまだ18歳まで半年近くあるよ?」
「先日、武宝様がいらっしゃったじゃろう?
お前をすぐにでも輿入れさせよという話だったウラ。
じゃから、せめて3日だけ待ってもらったウラ…。」
「そんなー…、アタシの気持ちはどうなるの?!」
「ヒミコ、よく聞きなさい。これは一個人の気持ちではどうにもならないんじゃ。
創界山の平和は虹の結界で守られる。
その虹は翔龍子様がみなの平和を願う気持ちが大きければ大きいほど
結界がより強く、輝きも増すのじゃ。
翔龍子様はお前が近くにいると心が満たされるとおっしゃっていた。
…つまり、そういう事なんじゃ。」
幻龍斎は武宝の言葉を思い出していた。
「幻龍斎殿、一刻を争う事態となってきました。
我々も何人もの女子を影ながら輿入れさせてきました。
が、翔龍子様の気が紛れるのは長くて3ヶ月…
しかも普通の女子達では神である翔龍子様の生気が強すぎるのか
2ヶ月も経つと身体が弱って死んでしまいます。
これ以上犠牲者は増やせませぬ!
全ては翔龍子様のため、創界山の平和のためですぞ…!」
確かに、ヒミコの身体の丈夫さと身体能力は常識を逸脱している。
だが、そのヒミコの身体でも大丈夫だという確証はどこにも無い。
これではまるで生贄ではないかー
別れを惜しむ時間もそこそこに
ヒミコは送迎専門の馬車型高速移動魔神に乗せられ、もんじゃ村を出る。
生きるにしろ、死ぬにしろ…ヒミコがこの地に戻る事は無いだろう。
幻龍斎はせめてもの、前者の方を祈るしかなかった。
裏門から出迎えたのは武宝、ただ一人だけだった。
「翔龍子様がお待ちです。」
ヒミコは武宝の案内で聖龍殿に入る。
子供の頃、何度もここに来た。案内がなくとも歩ける。
一室の前を通り過ぎた時、ヒミコの視線がくぎ付けとなる。
ここは虎王の部屋だった…。
ヒミコの視線に気づいた武宝は小さな声で説明する。
「今、その部屋は宝物庫として使用されてます…。」
翔龍子ばかりでなく、虎王をも愛しく思っていた武宝には
ヒミコの心内は容易に理解できていた。
見覚えのある翔龍子の部屋の前に着くと
武宝は深々と頭を下げる。
「ヒミコ殿、あなたならきっと大丈夫ですー…」
ヒミコが部屋を恐る恐るノックする。
「入れ。」
聞き覚えのあるようで無い声だ。
以前より低く、男らしい声だとヒミコは思った。
ドアを開け中に入ると部屋の中央に背の高い金髪の男が
背を向けて立っていた。
「お久しぶりでございます。忍部ヒミコ参上いたしました。」
ヒミコが頭を下げると後ろでドアが閉まる音がした。
「面を上げよ。」
ヒミコが顔を上げると、薄い寝巻き姿の翔龍子が
こちらを向いて目の前に立っている。
6年も経つと人は変わるのだと、改めてヒミコは思った。
背は伸び、体つきも随分と逞しくなり、
顔立ちも中性的だった昔と比べて勇ましさが出ていた。
虎王も同じように成長しているのだろうか…?
「しばらく見ぬうちに随分と美しく、しとやかになったものだな。」
翔龍子の大きな手がヒミコの頬を撫でる。
「ちこう寄れ。」
翔龍子がヒミコの腕を掴んで自分の方へと寄せる。
以前の翔龍子の身体はこんなに逞しかっただろうか?
「お前がここに来るのを予はずっと待っていた。」
「翔龍子様…、アタシは…んっ、」
翔龍子が口付けでヒミコの口を塞ぐ。
ヒミコの口の中に翔龍子の舌が入り、ヒミコの舌に絡みつく。
こんなキス、虎王ともした事ない…
翔龍子が口を離すとヒミコは息が上がっていた。
「このような口付けは初めてか?」
少しふらついているヒミコを片手で受け止め
翔龍子はヒミコの前帯を片手で手際よく解く。
着物の前身頃を開くとヒミコの形の良い豊かな胸がこぼれた。
虎王は成長したこの胸を見てはいない…
翔龍子から妖しげな笑みがこぼれる。
その時、ヒミコはようやく輿入れの意味と今から何が行われるかを理解し
表情がこわばる。
「案ずるな。予に任せておけば良い。」
翔龍子は後ろからヒミコを抱きすくめると豊かな胸を手で包み、まさぐる。
その間にもヒミコは着物を脱がされていく。
そして翔龍子は脱がした着物の中から見覚えのある白く長い布を発見した。
「これは虎王のマフラーだな?予は虎王を忘れよと言ったはずだ。」
ヒミコの胸を掴む手の力が強まる。
「あっ…、でも、虎王はアタシの…はぅっ」
指で桃色の乳首を軽くつまむとヒミコの身体がのけぞる。
「だから、お前との約束を今果たしているであろう?」
翔龍子がヒミコの耳元で囁く。
「まだ気がつかぬか?虎王と予は一つに戻ったのだー…」
母上は亡くなる前に予と虎王を分けた。
それは虎王を喜ばせ、自分を苦しめた。
ワタルや海火子との友情やヒミコの心、予が欲しいものは
完全に虎王だけの物となってしまったのだ。
日々強く、輝きを増していく虎王に比べ
自分は病弱になっていった。
そんな時、ヒミコがそばにいてくれると何故か気分が良くなり、
満たされた気分になっていくのが分かった。
ヒミコが自分のものだったらどんなに良いかー
あの日、気分が良くなりもう一度ヒミコの顔を見たいと思い
虎王の部屋へと赴いた。
その時、ほんの数センチ開けたドアの隙間から見てしまったのだ。
性行為に及ぶ二人の姿を。
見た事がない艶やかなヒミコの表情を見て
衝撃と興奮を感じた。
あの娘を自分のものにしたい!予はあれが欲しいのだと。
なのに、二人はこの国を出ていくという。
予はこの宮殿から外へは出れない。
自分と虎王は元は同じ魂のはず、何故自分の欲しいものだけ手に入らない?
自分は創界山の平和を願い続け自由が無い代わりに
何でも手に入れられる存在のはずなのに…
手に入らないというならば、こんな世界、滅んでしまえば良い…!
そう願った瞬間、虹はゆがみ、薄くなり世界が闇に包まれた。
「翔龍子、翔龍子はどこだー?」
広間で虎王の声がこだまする。城の者はパニックに陥り
全員聖龍殿の外に出て虹を見ているのか人気は無い。
「予はここにいる…」
翔龍子が物影から出る。
「翔龍子、虹がー…」
「分かっておる。予はお前と魂と身体が分かれてから体調が悪い。」
「それがこの虹と関係しているのか?」
「そうとしか考えられない。お前とまた一つになれば虹は元に戻ると予は思う。」
「お前とまた一つになったら今度こそオレ様は消えちまう、そんなのごめんだ!」
「武宝よ。一つになる方法を知っておるな?」
翔龍子の後ろから武宝が現れる。
「はい、聖龍妃から万が一のためにと聞き及んでおります…。」
「ドンゴロ、オレ様を裏切る気か?」
「分かってください。この世界の平和のためでございます!」
「武宝、方法を教えよ。」
「翔龍子様が虎王様と口付けを交わせばよいのだそうです。」
翔龍子が虎王に近づく
「オレ様はまだ消えたくないんだ!」
虎王は泣き叫びながら剣をかまえる。
「ヒミコがどうなっても良いのか?虹が消えれば結界が解け
魔界の者が大勢押し寄せ世界は荒む。世界は恐怖と混乱に落ちる。
ヒミコもまた戦いに身を投じなければならなくなるだろう。」
虎王が剣を床に落とす。
翔龍子が虎王の肩を掴みゆっくりと顔を近づける。
「案ずるな。ヒミコは予が花嫁にする。」
翔龍子は虎王の身体を抱きしめると
絶望に満ちた虎王と口を重ねる。
これでワタル達との友情も、ヒミコとの思い出も全て自分のものになるのだ。
虎王が消えて間もない頃、虹はもとの輝きを取り戻した。
「翔ちゃん、虎ちゃんはどこに行ったの…?」
「彼はもう戻らない。だから虎王を忘れよ…」
しばらくの間、教えてはやるまい。それがお前に対する罰なのだ。
予でなく虎王を愛してしまったお前に対しての。
「虎王は翔龍子様と…んっ、一つに…?」
「虎王は民衆のため、お前のために予と一つになったのだ。
お前が悲しむと思って黙っていたのだ。許せ。」
それは嘘だ。虎王が邪魔だったから予が消した。
翔龍子はヒミコの乳首を指の間で強く挟むとまたヒミコの身体がのけぞる。
「予は翔龍子であり、虎王でもある。」
翔龍子はヒミコを抱きあげると大きなベッドへと移動する。
ヒミコを優しく寝かせると寝巻きを脱ぎ全裸になる。
ヒミコの目前に大きく反り立ったモノが現れる。
昔見たモノよりはるかに大きく、荒々しかった。
「予を気持ち良くさせよ。」
翔龍子が意地悪く笑いかけた。
翔龍子様が虎王ならば、この行為は虎王が望んでいるのだろうか?
ヒミコはそれをうつろな表情でくわえ始める。
舌を器用に使い、吸いながら頭を上下させる。
何人も相手にしてきたが、ヒミコが一番気持ちが良いと翔龍子は思った。
これは天性のものだろうか?虎王が仕込んだためだろうか?
「そろそろ…限界だ。…っ出すぞ。」
翔龍子がヒミコの口に自分の精を放出する。
ヒミコは少しむせながら飲み干した。
ヒミコの口を親指でぬぐうと腰に手を回す。
「褒美をやろう。」
左手でヒミコの右胸を掴み、舌で左胸の乳首を刺激する。
右手は下着の上から大事な部分を優しくなぞる。
「んっ…、ん…」
胸を刺激する度に声が漏れる。
「我慢せずとも良い。声を出せ。予に聞かせよ。」
下着の上からも分かるほど濡れているのが分かると
翔龍子はヒミコの下着をはぎ取る。
足を開かせ、その部分をさらけ出させる。
「いやぁ、恥ずかしいから見ないで…!」
ヒミコの顔が紅く染まっていく。
この顔が見たかったのだ。
腰を持ち上げ大事な部分に舌を這わせる。
その度にヒミコが身体をのけぞらせる。
「ひゃんっ…はぁ…、」
つぼみを見つけるとそこを舌先でもて遊ぶ。
吸いつくと蜜があふれ出る。
「だめぇ!…っあぁ!」
何度も刺激をくりかえるとやがて小刻みに震えると
弓なりにのけぞりヒミコは果てた。
そうだ、虎王は女を喜ばせる術を知らなかったのだな…?
翔龍子は心が満たされていくのを感じた。
予がヒミコに快楽を教えてやるのだ。
「ヒミコ、だらしないぞ。舌の口がこんなによだれを流している。」
翔龍子がヒミコの蜜を指でからめとり、それを舐める。
「ひくつきながら予のこれを食べたいと言っている。」
いやらしく笑うと何時の間にか再び立った荒々しいそれを
舌の口にあてがうと、果てたばかりのヒミコの中に無理矢理進入させる。
「やぁ!痛い…っ、」
ヒミコの顔が苦痛で歪む。
それを根本まで埋めると翔龍子の心は興奮と喜びに満ちた。
これでヒミコは予のものだ…!
今まで他の女を抱いていた時、この娘を想い姿を重ねながら抱いていた。
もう偽者を抱かなくて済むのだ。
一瞬は気が紛れても予の心はこの娘でなくては満たす事はできまい。
ヒミコの苦痛の顔が少し和らいだ時、翔龍子は動きだした。
淫靡な音が部屋に響く。
最初は顔をしかめていたヒミコだが
序々に息が荒くなり、自分のモノを締めつけてくる間隔が短くなるのが分かった。
「あぁんっ…あっ、あんっ…」
「お前…の下…の口も…、食いしんぼ…なのだな、予を咥えて…放さぬ…、!」
「翔ちゃんっ…アタシ、変なの…下の口が…あっ、熱い…の」
翔龍子の腰がいっそう早く動き出すと
ヒミコの下の口がより強く翔龍子を締めつけた。身体がビクンっとはね上がる。
「あぁあ…ー!」
ヒミコの声が部屋に響く。
それとほぼ同時に翔龍子が欲望をヒミコの中に放出させた。
ヒミコが恍惚な表情を浮かべながら天井を仰いでいた。
普通の女子なら既に自分の生気にやられ弱って気を失っているのに
やはりヒミコは普通の女子ではなかったのだと翔龍子は嬉しく思った。
「アタシは翔ちゃんのヨメになったの…?」
「その通りだ。お前なら予の子供を産む事ができるであろう。」
翔龍子がヒミコの頭を優しく撫でる。
これで愛してもいない女を抱いて、その女の死に様を見なくて済むと安堵する。
「アタシ、たくさん子供産むよ…」
虎王との約束を翔龍子の子を産んで果たそう。とヒミコは心に誓った。
「ヒミコ、お前は予と同じ神になるのだ。予とともに創界山を守って行こう。
そうだ、近々盛大な式を挙げよう。ワタルや海火子達も呼ぼう。」
翔龍子が満面の笑みを浮かべる。
翔龍子が窓を開けると外は既に朝となっていて輝きをいっそう増した虹が見えた。
以前より色が濃く、鮮やかで綺麗なのは翔龍子の心が満たされている証だ。
しかし、ヒミコには一瞬だけ歪んでいるように見えた。
<完>