「……真弥……」
一人の少女はベッドに横たわりながら呟く。
彼女は璃瑠、支配者側の巫女であり、葬姫とも呼ばれている。
そして、彼女が呟いた「真弥」とは、元々はただの高校生だが真の姿は救世主と呼ばれている。
本来ならば支配者側の璃瑠は救世主側の真弥の敵であるが、ちょっとしたことから璃瑠は真弥を好きになってしまったのだ。
「はぁ…真弥……」
ふと、璃瑠の指が秘部に触れる
「しんやぁ……んっ…」
その指の動きに体中に電気が走り、思わず喘ぎが漏れた。
「しんやぁ…しん…んっ……や…ぁっ…」
指は次第に激しくなり、璃瑠に快楽を与えている。
徐々に体が火照り始めて快楽を増してくる。
璃瑠は真弥を好きになってから、毎日自分を慰めている。
しかし、それでも瑠璃の欲は満たされていない。
毎日、真弥を思うだけの自慰…それは瑠璃にとって、より性欲を増すことにしかならなかった…。
「あっ!………ああ!」
絶頂を迎え、ぐったりと倒れている璃瑠はふと思った。
(真弥と一緒にしたい)
…そして…少女は………壊れてゆく……
P.M 12:30
「真弥さ〜ん!起きて下さい。ご飯ですよ〜」
彼女は春儚、救世主側の巫女である。
「ん……うぅん……」
一方、布団に包まり冬眠しているかの様な人間、真弥だ。
「真弥さん!真弥さん!」
ゆさゆさと早く真弥に起きてもらう様、体を揺らす。
元々真弥は寝坊などをせず、規則正しい生活をしていたのだが、救世主になってからというもの救いを求めている「セレスティア」にモンスターを倒しにいっている。
そのため、過激な運動量で疲れが溜まり休日などの午前はほとんど布団のお世話となっているのだ。
「真弥さぁ〜ん!…困りましたね〜氷刃も夢衣もタルタルもいないし…」
夢衣は学校で補習、氷刃は甘い物を求め学校、タルタルは実験台を求め学校に行っている。
そのため、家には真弥と春儚しかいないのだ。
「そうだ!前にテレビで見たあれを試してみましょ…」
そういうと春儚は真弥の頬に唇を重ねた。
「わ〜〜〜〜!!!!!」
飛び跳ねるくらいの勢いで布団から出た真弥。
顔はトマトの様に赤くなり、呼吸は乱れている。
「は、は、は、春儚!?な…何してるの!?」
あまりの衝撃に声は裏返り、噛みながら春儚に問い掛ける。
「てへっ……テレビでは普通にやってましたけど…実際やってみると恥ずかしいですね。」
そう言いながら昼食の事を伝えて真弥の部屋を後にした。
「…………」
真弥は、まだ温もりが残っている頬に手を当てて先程の至福を思い出す。
「春儚……」
そう思いながら部屋を出ようとする。
一瞬、部屋中が白く包まれた。
「な、なに!?」
戸惑う真弥は辺りを見回しながら何が起こったのか確認をする。
そして、一人の少女を見つけた。
「る…瑠璃」
「いやっほ〜真弥!」
この出会いの瞬間…平和は消えてしまったのかもしれない…。