唇の分厚い男が、熱く雄叫びを上げていた。
「自立ってのは、自ら立つことッ! 自ら立つ! それが自立だッ!」
白髪の少年が、冷たい眼差しを向ける。
「で」
「それが全ての始まりッ! 人生の始まりだッ! 俺は今それを理解したッ!
全ての命は、自立することから始まるんだッ!」
白髪の少年の眼差しの先で、唇が分厚い男の「男」が、自立していた。
そして足下の一糸まとわぬキャスリンは、激しいアクションの痕跡を残したまま横たわっている。
「土下座して謝るか、とっとと逃げるか、さっさと決めた方がいいんじゃねーか?」
「言いたいことは、それだけですか?」
物干し竿のようなARMを構えた寝取られ男の手元でカチリと安全装置を外す音が鳴る。
「やりすぎはいけないわッ!」
電波娘が、割って入った。
「リーダーのお言葉とは思えませんね」
「目には目を、歯には歯よッ!」
何を思ったのか、唇の分厚い男の鼻の下が伸びる。
「そして穴にはチンコよッ! まずケツの穴にあんたたちのチンコを突っ込んで、さんざんかき回してから、
こいつの腐れチンコを玉ごと切り取って、二度と自立できないようにして、
今後は無償で永続的な性欲処理係として、毎晩この街の男たちに奉仕するッ! ってあたりで、許してあげましょ!」
「それはいい考えです。リーダーの案に従いましょう」
「うんざりだぜ」