生暖かく湿り粘着性を帯びているかのような指先が肌を滑っていく。指に幾つも  
付けられたごてごてとした指輪は対照的に鋭く冷たかった。  
「いや…、やめて…」  
首を振って形ばかりに抗うと、背後からカティナを抱き胸を弄っている人物は鼻先で  
笑ったかのような笑い声を上げた。耳にかかる息も粘着性を帯びているかのよう。  
むせ返るような香水の匂いに息が詰まった。  
「お黙りッ!アンタにはアタクシのために絶対に柩の牙の儀を成功させてもらわなければ  
ならないんだよ。こうして感度を上げてやれば、守護獣との交感も上手くいきやすく  
なるというもの」  
エグララグの太い指先が、カティナのまだ膨らみきっていない胸を弄っていたかと  
思うと、その胸の先を摘み上げた。  
「――ッ!」  
カティナが大きく身体を震わせエグララグの手を跳ね除けようとするが、逆に  
エグララグの豊満な身体に抱きこまれてしまった。  
「ふん。人形姫の割には随分良い反応をしてくれるじゃないのさ」  
「………」  
脂肪で膨らんだ手は滑らかにさらに下へ動き臍を通ってさらに下へ。下着の中へと  
入り込んでいく。  
「やあ…」  
カティナの抗いなどものともせず、指先ははまだ薄い毛を掻き分けてその奥へと  
無遠慮に入っていった。  
「もうすっかり濡れてしまっているんじゃないのかい」  
「そんなこと…」  
「ないとは言わせないよ」  
エグララグの言うとおり、あの部分はすっかり濡れてしまっていることをカティナ  
自身感じていた。気持ちが悪いのに、抵抗は出来ない。エグララグの指先は割れ目の  
中の硬い蕾を見つると、こんどはそこを弄りだす。  
「あ…」  
「アンタはまだ貧弱なその身体で、守護獣を喜ばさないといけないんだからねえ。  
しっかりアタクシの教えを覚えておくんだよ」  
「………」  
エグララグはヴァイスハイトから購入したという怪しげな器具を取り出した。  
おぞましいそれから顔を背け目を閉じると、低いモーター音が頭の中に響いた。  
エグララグの笑い声とともに、あの部分に振動が伝わる。  
「いやあッ!」  
身体に走った電流のようなものは、確かに快楽と呼べるものだった。  
 
大好きなエレシウスのため。亡くなったお父さまのため。今も戦っているお姉さまのため。  
私も戦うのだと、決めたのだから―――。  
 
カティナは手放しそうになる意識を保とうと、下唇を噛み締めた。  
 
 
 

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