あの日から、ディーンはアヴリルばかり見つめはじめた。  
 だからアタシは、ディーンをあきらめようとした。  
 けれどちっともあきらめられなくて、考えた末にチャックに近づいた。  
「レベッカ。ボクが好きなわけじゃないだろ? ボクでいいのかい?」  
「誰でもいいなんてわけにいかないし、グレッグに頼んだら怒られそうだし」  
 チャックはアタシの気持ちをわかった上で、抱くことを了承してくれた。  
 うながされてアタシだけ服を全部脱ぎ、子どもみたいに彼の膝の上に座る。  
 彼は初めてのアタシが痛くないようにって、指先でゆっくりとアタシの蕾をほぐしていく。  
 恐くて気持ち悪いばっかりで、自分で触るのと全然違う。  
 自分でも全身がこわばってるのがわかる。  
「やめたくなったら、いつでも言って」  
 耳元でチャックに囁かれて、アタシはチャックに触られていることを思い出す。  
 同時に、ここにいるのがディーンだと思い込もうとしてた自分に気づいた。  
「チャックこそ、今ここでやめていいわけ?」  
 お尻の下で、彼のモノはもうはっきり分かること、硬くて大きくなってる。  
「ギリギリで逃げられるのは慣れてるよ。ボクのことは、気にしなくていい」  
 お人好しのチャックを、アタシは利用してる。  
 止めても、ヤってから無かったことにしても、チャックはアタシを許してくれる。  
「フられる覚悟も、責任取る覚悟も決めて引き受けてる。だからキミは、キミの望むようにすればいい」  
 話ながらも、チャックの指先はあたしの蕾を刺激し続けてる。  
「チャック。もう、もう何も言わないで。最後まで、して」  
 チャックはアタシを抱き上げ、ベッドに横たえると、服を脱ぎ出す。  
 やっぱり、恐い。こんな形で関係を結ぶのは、間違ってるとも思う。  
 けれどこうでもしなければ、アタシはディーンから独立できない。  
 これがあたしの、独立宣言。  
 何もかもを脱ぎ捨てたチャックが肌を密着させて、そしてもう一度指先でアタシの蕾をほぐし始める。  
「ディーンはきっと……」  
 バカチャック。どうしてこんなときに、ディーンのことを言い出すのよ。  
「……ボクたちが愛し合っていると言ったら信じて、そして喜んでくれるだろうね」  
 涙が止まらなくなったアタシに、チャックが口づける。  
 初めてのキス。アタシの中に入り込んできたチャックの舌が、アタシの舌をからめとる。  
 撫で回された胸と蕾が、もっと刺激を欲しがっている。  
「チャックは、いいの? アタシなんかで、いいの?」  
「もったいないぐらいさ」  
「ちょうだい、チャック。チャックをちょうだい。いっぱい。チャックを全部ッ!」  
 チャックはアタシの膝を割り、そっとアタシに侵入した。  
 
 その時も、アタシは目を閉じてディーンのことを思い続けてた。  
 
 

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