何が間違いだったのか。  
 ヴォルカノントラップの探索行。伝説のガーディアンブレードの噂を尋ねてセシリアたちはその地を訪れた。  
 話を持ちかけてきたジェーンとその執事、マクダレンと共に遺跡を探ることとなり――2つに別れた道のうち、セシリアたちは入って左側、ジェーンらは右側を進むこととなった。  
 奥まで進んでも、不可思議な装置以外は何もなし。戻ってしばし待つも戻らぬジェーンたちを追って右の道を進んだ先に――巨躯が待ち受けていた。  
 アーデルハイドを焼き落とし、霊峰ゼノム山でも一行を蹴散らした終末の四騎士の黒、ベルセルクが。  
「よう、待ちかねたぜぇ」  
 その手に携えた鉄球は、赤く染まっていた。周囲のマグマの朱色ではなく、血の色の赤に。それが誰の血かなど、問うまでもなかった。そして鉄球は、少しの間にまた別の血で染め上げられた。  
「グハハハハハ!こんなもんかよ、守護獣の戦士さんよぉ!」  
 頭を片手で締め上げられながら、セシリアには弱弱しくベルセルクを睨み返すしかできない。ベルセルクの力は、これまでと比較しても圧倒的だった。  
 剣もARMも魔法も碌に通じず、逆に鉄球の一撃でザックもロディも打ち倒された。前衛を支える戦士がいなくなれば、セシリアは虎に追い込まれたねずみに等しい。拳で打たれた、それだけでセシリアはもう身動きも取れなくなってしまった。  
「まあ、手前らを確実に潰すために策も使ったがな。さすがはアルハザードだ。装置を通してオレ様に送られる力、すさまじいぜ!」  
「くぅっ……」  
 あの怪しげな装置の意味を今更理解しても、もはや後の祭り。『怪しいから壊しておくか』と言ったザックを嗜めたのはセシリア自身だ。  
「グハハ!なんだ、睨んでるにしても力のねえ眼だ。さっきのガキの方がまだいい眼をしてたぜぇ?!」  
 セシリアたちの後方にわずかに視線を向けてそう言うと、ベルセルクは突然セシリアの胸元をもう片方の手でギュゥと摘んだ。セシリアのバストは人の手ならば掌に余る大きさだが、ベルセルクにとっては指先で摘むサイズになってしまう。  
「フン、さっきのガキよりは大きいか?」  
「な、なにを……っ!」  
 グニグニと胸を弄ぶベルセルクに抗議するが、当然聞く耳持たない。力の入らない両手でその動きを制しようとするが、これも相手の腕をさする程度だ。  
「なにをってか?オレ様はニンゲンをぶっ壊すのがなにより大好きでな」  
 動きを止めもせず、ベルセルクは言葉を続ける。  
「男は全力で戦ってぶっ殺すのが一番だが、女には別の壊し方って物があってな」  
 突然セシリアの胸元を掴むと、その腕を一気に下に引き下ろす。当然、セシリアの着ていた服も、引き裂かれる音を立ててただの布切れへと化けた。  
「ひ、キャアァァァ!」  
 タイツを残してほぼ半裸にされ、疲労も負傷も忘れて悲鳴を上げる。咄嗟に腕で胸元を隠して、急に頭が自由になる。手足を丸めようとしたところに、ベルセルクの拳がとんだ。  
 メキィッ!ダ、ダン!ズシャァ……  
 腕の骨が軋む音、床に叩きつけられ、勢いを殺しきれず石畳を滑る音が続き、セシリアの意識が一瞬白く染まる。だが、その聴覚はベルセルクの声を聞いていた。  
「滅茶苦茶になるまで犯して、心をぶち壊して、それから止めを刺すって方法さ。女1人の状態は珍しいから機会はねえが――今日はついてるぜぇ!ソイツみたいにしてやるよ!守護獣の巫女!」  
 
 言われて、セシリアは自分が誰かの傍にまで転がされたことに気づいた。ヨロヨロと視線を向けて、凍りつく。  
 その少女もセシリア同様裸身を晒していた。手足は有り得ない方向に曲がり、勝気な笑みを浮かべていた顔にはいくつもあざが刻まれ、何の表情も無い。  
 口元を濡らしている血は、内臓から溢れたのだろう。慎ましやかな双丘の真ん中、心臓の辺りに大きなくぼみがある。それが致命傷だったのは明らかだ。  
 だが、なによりセシリアの心を凍らせたのは、下半身の方だった。  
 両足の付け根、女性の秘所たる部分が、少女、ジェーン自身の腕ほども広げられ、そこからは白く濁った液体が零れ落ちている。朽ちた壁に背を預けているジェーンが、血だまりならぬ精液だまりに座り込んでいるかのような量だ。  
「ジェーン、ああ、うそ……ああ……」  
 呆けたように言う。その肩を、巨大な手が掴んだ。途端、擦り切れていた恐怖が復活し、全身がガタガタと震えだす。  
「ソイツは5回で壊れちまったなぁ……。てめえはどれくらい耐えられるか、楽しみだぜぇ」  
 後ろから伸ばされた手に胸を揉みしだかれる。うずくまろうと身体を丸めようとして、そのままセシリアは仰向けに転がされた。途端にセシリアの目に、あまりに巨大な肉槍が飛び込んできた。それがベルセルクのペニスだと、セシリアは気づきたくは無かった。  
「イヤ、ヤメテェ……」  
「余計な手間かけさせんじゃねえよ。最後にゃてめえもああなるんだからな」  
 暴れようにも肩を抑えられて、セシリアは逃げることも出来ない。そうする間にもベルセルクはセシリアに跨り、股間の肉槍をセシリアの秘所にあてがった。その太さも長さもセシリアの腕ほどもある。  
「いや、いや、イヤァァァァ!」  
「うるせぇっ!」  
 指で顔を弾かれただけで、セシリアは首がねじ切れるかと思う痛みに襲われた。ジェーンの顔のあざの正体は、コレだったのだろう。その痛みで気が逸れる間に、ベルセルクは秘所に肉槍の先端を突き入れた。  
 
「イギィッ!?」  
 それだけで痛みがセシリアを襲うが、それは序の口だ。腰を掴んだベルセルクは、容赦なく肉槍をつきこみ続ける。  
 ベルセルクの膂力の前では、未だ男を知らぬ処女であることなど何の意味も無い。硬く閉じられていた肉壷が容赦なく割り開かれ、その度にセシリアに激痛の波がかかってくる。  
「は、ぐぅっく!あ、ぎ、ギャァアアア!」  
 頭を振り乱し、腕を振り回すが、ベルセルクには何の効果も無い。むしろその動きが自身の肉槍に絡むような動きになるからか、むしろその容貌を綻ばせる。  
「おお、いいぜぇ!さっきのガキはあまりにきつすぎたからなぁ。てめえくらいがちょうどいいぜ!ほら、もっと足掻いてみせろや!」  
 ベルセルクにきつくない肉壷などないだろうに。そんな事を思う余裕さえセシリアにはない。脳裏にあるのは、ただただ激痛。  
 その痛みが意識を白く染め上げ、同時に覚醒させる。ゼロと無限の間を、痛みで以って反復横とびしているかのように、セシリアの正気は失われていく。  
「あぐぉっ!かふぁっ!ひゃうああああああああああ!」  
 ようやく肉壷に出てきた愛液も、ベルセルクの巨根の前では無力だ。痛みを抑える役割はまるで果たせず、しかし滑らかさは増してベルセルクを更に奥へと誘っていく。  
 もっとも、愛液があろうと無かろうとベルセルクの動きは変わらない。ジワジワと進み、たやすく処女膜にたどり着くと、逡巡もなく貫いた。  
「ぎいっ?!」  
「まだまだ奥があるだろ!そこまでぶち込んでやるよ!さっきのガキも、オレのチ○コが根本まで入ったからな!」  
 容赦なく貫かれていく。処女膜を破り、子宮口にたどり着くと、少し力を込めて子宮口をこじ開けた。  
「あがはぁ……」  
 白目をむき、だらしなく開けられた口は閉じることなく、よだれと舌が零れるに任せる。そのセシリアの表情を見て、これがアーデルハイドの公女であると思える者はいまい。  
 更に子宮の中を貫き、子宮の奥にまで到達してもなおベルセルクは止まらない。まだ根本まではわずかに足りないのだ。そして足りない分は力づくで進めていく。内臓が圧迫に耐えかねて遂にその配置を変えると、ようやくベルセルクの巨根は根本までセシリアに呑みこまれた。  
「はっはあっ!どうだぁ、一番奥まで犯された気分は!」  
 聞かれても、セシリアには答えられない。絶頂とは違う痙攣で身体を震わせている姿は、断末魔そのものだ。そして、それこそがベルセルクが求めるものだ。  
「さあっ!次は入り口まで抜いてやるっ!そしてまた突きこんで、抜き出して――オレ様は存分に愉しませてもらうぜ!」  
 言うとおりに、ベルセルクはジワジワと巨根を抜き出す。体内で巨根が引っかかるたびに、セシリアの口からはうめき声が漏れ出す。  
「うぐ、うああ、おぐぅ――」  
 人間のものとは思えないうめき声。それが、今度は激しい絶叫へと変わる。  
「ぎゃふぁっ!」  
 ベルセルクが、勢いよく最奥まで突きこんだのだ。そして抜き出し、またつきこむ。  
「くあ、あああああっ!ひゃぎぃっ!ふぁ、あふぁ――ブフォゥ!」  
 ガクンガクンと頭が揺れる。ドスッドスッと胎内を抉られる。その勢いがドンドンと激しくなり、そして――  
「おるぁ、イクぞぉぉぉ!」  
 ゴポンっ!とでもいう擬音が似合うほどに、ベルセルクはセシリアの中にザーメンを放っていた。その量も半端ではない。セシリアの腹が、心持ち膨らむほどだ。その感覚に、セシリアの意識もわずかに覚醒する。  
「ヒイッ!クアッ……イヤァァァァァァ!」  
「フンッ!」  
 だがそれもつかの間、再びベルセルクが陵辱を再開したことで激痛に意識を持っていかれる。  
「さあ、時間はたっぷりとあるんだ。精々持ちこたえてくれやぁ!」  
 遠慮も容赦も無い徹底的な陵辱は、まだ始まったばかりだ。  
 
 どれだけの時間が経ったのか。ベルセルクはずっと入れっ放しだった肉槍をようやくセシリアの膣から引き抜いた。  
 途端に、妊婦の如く膨れていたセシリアの腹から、有り得ないほどのザーメンが吹き零れる。ジェーンが精液だまりだとするなら、セシリアはさながら精液の泉を作るほどだ。  
「いやぁ、出した出した。10回は出したかぁ?」  
 ジェーンの時は、後から来る本命を待つために壊れるまでで止めていたが、今回は待つ相手もいないのだ。満足しきるまでベルセルクはセシリアを犯しぬいた。もっとも――  
「てめえは4回目くらいで壊れきっちまったがなぁ。最後まで啼いてくれずに残念だ」  
 4回目で、セシリアは壊れた。ジェーンのように心が壊れるのではなく――絶命したのだ。激烈な責めに身体が耐えられなかったのだろう。  
「止めを刺してぶっ壊す時の顔も好きなんだが、まあしょうがねぇな」  
 言うと、ベルセルクは拳を振り上げ――  
「あばよ」  
 セシリアの身体は、腹からくの字に折れ曲がり、そのまま二度と動かなかった。  
 
 内海に浮かぶ孤島にある遺跡、ヴォルカノントラップ。その最奥には、ガーディアンブレードの手がかりがあるという。  
 それを追って渡り鳥がそこに向かい、二度と戻らなかったという。  
 そこには今も、ARMが2つと剣が2振り、杖が1つ転がっている。持ち主がどうなったかは、魔族がファルガイアの主となった今、問うまでもないことだろう。  
 
 

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