男三人の中に女一人。
ともなれば、いろいろ面倒なことも起きてくる。
料理洗濯買い物なんてのは、別にいい。
クライヴもギャロウズも一通りこなす。
やれないことはないレベルのジェットについては、これは仕込む必要がある。
買い物は荷物持ちがてら、つきあわせる。
が、つきあって欲しくない時もある。
ジェットの目の前で下着を買うぐらいかまわない。
さすがに汚れた下着を見られたりしたら恥ずかしいが、売ってるのなんて、
ただの布きれを裁断して縫い合わせたものにすぎない。
それどころか定期的にチェックしてはぎ取らないと、ジェットは下着を洗わ
ない。着替えだって持っていなかったから、みんなで買い物に行った時に、
ジェットの分を買い足したのだ。
そのほかギャロウズからは大人っぽい女性下着をヴァーに勧められたし、
クライヴからは、故郷の娘へのプレゼントには何がいいだろうと相談された
ので、プリントパンツを勧めもした。
そんなヴァーでも、さすがに男性陣には見せたくない買い物がある。
が、そんな時に限って、ジェットに見つかってしまった。
「なんだ。今日は荷物を持てって言わないんだな」
「こ、これは私物だし、全然重くないから。いつもはみんなの分だしッ!」
「いつもならテメーのだろうが少なかろうが軽かろうが、持たせるじゃないか」
「男は小うるさいこと言うんじゃないっ!」
「そんなに一人で食うのか?」
「そ、そうよっ!」
「菓子ならともかく、ナスをか?」
「そ、そうよッ 大好物なんだから、しかたないじゃないッ! あんたの桃と
同じよッ!」
「ま、かまわねーけどな。俺はてっきり、そいつを股の間に挟み込むのかと」
大通りの真ん中に、ジェットの死骸が転がった。