ロディ、ザック、セシリアの一行は、最近はミラーマに宿を取ることが多い。  
その理由というのは、主にザックにあるのだが。  
ロディもセシリアも、わざわざそれを冷やかすような人物ではないから、差し当たって問題になってい 
る訳でもない。  
というより。その二人にとっても――特にセシリアにとって、ザックのそういった事柄に関わっている 
余裕がなかったりする。  
 
色々あって、セシリアはロディと結ばれている。  
それはいいのだが、ジェーンやマリエルといった面々もやはりロディと結ばれたりしているのが、悩み 
どころである。  
セシリアとしては、やはり独占したいという気持ちがある。が、他の二人から強引に奪うというのは、 
やりたくもない。  
そうなると、ロディの方から自分を選んでくれるように仕向けたい訳で――  
二人に比べて、一緒に旅をしている分有利ではあるのだから。  
こうなると、他人の色恋沙汰には一々構っている時間的余裕も、そして精神的余裕もないのである。  
 
「……で、だ。俺はちょっと外で飲んでくるから」  
そんなこんなで、一行は今日も水の都ミラーマにて羽を休めている。  
夕食のしばらく後、ザックがそう言い出したのも半ば恒例となっていることではあったが、ともあれロ 
ディとセシリアは素直に頷いた。  
「今日もエルミナさんのところですか?」  
「……まあ、な。口説き落とすのも最初からやり直しだからなあ……それも悪くはないけどよ」  
「頑張って下さいね、ザックも」  
「ん、ああ。……で、お前らはどうするんだ?」  
どうする、と聞かれて、ロディはきょとんとする。  
「……?」  
どうするも何も、やるべきことは特に無いから後は休むだけなのだが。  
「それは……部屋で、その……」  
しかし、そのはずだというのにセシリアはもじもじとしている。  
「ふむ……俺と違って、お前らはな。何しろ若い盛りでもあるんだし……ま、せいぜい明日には疲れは 
残すなよ」  
「は、はいッ……」  
ますますセシリアは赤くなり、ロディは取り残されてぽかんとする。  
二人とも何を言っているのだろう――と、少年は首を傾げた。  
 
「……お前な。本気で気づいてないのか?」  
と、そんなロディにザックは呆れたような声を出す。  
「?」  
「はぁ……なんだ。お前も大概鈍いっていうか、初めてでもあるまいに。  
 わざわざ気を利かせてやってるんだから、少しはセシリアのことも考えてやれよ」  
「……? ……ッ!」  
ここで、ようやくロディも気づいたらしい。  
セシリアと二人きりになって、しかも彼女は何やら赤くなっていて――  
それは、つまり。  
「……わざわざ二人部屋と一人部屋で分けた理由も察しろよ? ロディ。  
 まったく、こんなんでよくもまあジェーンやマリエルちゃんにまで……だよなあ」  
かあ、とロディも赤くなる。  
何度繰り返そうがこういうのは慣れるものではない。少なくとも彼にとっては。  
それに、そんなことを言ったザックはどうも面白がっているようなのだ。  
「で、今日はセシリアでいいとして、ちゃんと後の二人にもフォローしとけよ。俺から助言できるのは 
それくらいだ」  
「よ、余計なことを言わないでくださいッ!」  
セシリアからも突っ込みが入ったが、相変わらずザックはにやにやとしている。  
「んじゃ、俺は行ってくるから。ああ、出来れば帰ってくるまでに終わっとけよ」  
「ッ!?」  
「い、一々そんなことを言わなくてもいいですッ!」  
楽しそうに、ザックは出かけていった。  
取り残されたロディとセシリアは――顔を見合わせる、と。  
「……と、とにかく……私達は……もう、休みましょうか」  
それ自体に異論はないので、ロディもこくんと頷いた。  
 
なんだか無理やり事を運ばれているようだが、別にロディだってセシリアを嫌っている訳ではない。  
というより、はっきり言えば好意だって持っている。  
何より大切な仲間でもあるし、色恋沙汰に関心の薄かったロディでも彼女が美しいということくらいは 
よく分かっているのだ。  
彼女を抱くことだって、正直を言えば――気持ちのいいこと、なのだし。  
だが、問題なのはそうやって状況に流されるまま、他の子とまで関係を持ってしまったこと。  
誰かを選ぶのが一番手っ取り早いのだろうし、誠実でもあると頭では分かっている。  
そうは言っても、いざ選ぶとなると――三人とも、本当に大切な『仲間』なのだ。選べる訳がない。  
――この時点で、ロディと三人の間には決定的に認識の相違があるのだが。それはともかく。  
そんなこんなで、非常に立場の弱いロディとしては、あまりセシリア一人と仲良くするのは良くないの 
ではないか。  
後ろ向きな考え方だが、彼はそんな風に考えていた。  
 
「それじゃ、私は身体を清めてきますね……今日はちょっと埃っぽかったですから。  
 ……なんなら、一緒に」  
ぶんぶんと激しくロディが首を振ると、セシリアは少し残念そうにため息をついた。  
それでも、気を取り直すと彼女は浴室へ向かう。  
「…………」  
一人取り残されたロディは、ここでじっくりと考え込んだ。  
このまま彼女が戻ってきたら、まず確実に――そんな事態にもなる。  
「ッ……」  
ならば。  
せめてもの望みをかけて、ロディはベッドに横たわった。  
眠り込んでいれば、とりあえずは凌げるはず――と。  
セシリアが言ったように、今日の旅はどうも埃っぽくて、身体を洗う前に眠るのは少々難しかったのだ 
が――  
ここが最後のチャンスでもある。意地でも眠ろうと、ロディは意識を集中―ーもとい、穏やかにしよう 
とした。  
あまり意気込んでは眠れるものも眠れないはずだが、幸い長年の旅で眠ろうという意志が生体反応を抑 
えつける。  
 
なんとか、うとうととし始めた瞬間。  
ジリリリリリリリリッ!  
――唐突に。驚くほど、大きな音で。  
けたたましいベルの音が、ロディの耳元で鳴り響いた。  
「ッッ!?」  
慌てて飛び起きると、そこには何時の間にか大きな目覚まし時計が置いてある。  
今の今までそんなものは無かったというのに――しかも、眠りかけた瞬間に鳴り響くはずもないのに。  
たたき起こされたショックで、時計を止めようとも思わずに呆然としていると。  
「あ……やっぱり、眠ってしまうところだったみたいですね」  
素肌にタオルを巻いただけの、随分大胆な格好でセシリアが出てきた。  
「ッ……!」  
ロディにとっては二重にショックである。  
いい加減に見慣れそうなものだが、それでも慣れないのがロディのロディたる所以だろうか。  
「念のためにと思って、モーニングコールを使っておいたのは正解でしたね。  
 ちゃんと身体を清めてからじゃないと、明日になってから大変だと思います」  
「…………」  
本当にそれが目的だったのかと疑いたくもなったが、とりあえずロディはぺこりと頭を下げた。  
そうして、浴室へ向かおうとする彼に。不意に、小さな声でセシリアは声をかける。  
「……あの」  
「?」  
「……ロディ。私のこういうの……本当に、迷惑……ですか?」  
「ッ……」  
迷惑か――と聞かれると、これがまた答え辛い。  
嬉しいと言えば嬉しいのだが、先ほども思ったように他への遠慮というのがある。  
それに、そう簡単に誘いに乗ってしまうというのも、男としては情けないことでもあろう。  
「……ッ……」  
結局、答えに詰まってしまい――ロディは固まってしまう。  
 
それでも、まっすぐにこちらを見つめるセシリアの視線と、そして。  
「……ッ!」  
タオルに包まれただけの、彼女の肌を見るうちに。  
ホムンクルスとはいえ、男性としての本能は実に正常に反応してしまう。  
「………ッ」  
「……ロディ」  
――ついには、少年の理性は押しやられて。  
ふるふる、と。小さく首を横に振ってセシリアの問いを否定する。  
「……そう、ですか……良かった」  
彼女は素直に微笑んだ。ロディの心中では、また後悔やら期待やら、様々な感情が交錯していたのだが。  
そんな迷いを、ロディは頭をぶんぶんと振って無理に追い出す。  
更に、せめて身体の埃を落とそうと今しがたセシリアが使っていた浴室へ向かおうとする――と。  
「あ、待ってください、ロディ。あの……身体を、清めるんですよね?」  
「……」  
こくこくとロディは頷いた。すると彼女は少しだけ考え込んでから、  
「……わ、私が、その……き、綺麗にして差し上げますッ」  
「……?」  
言っていることが咄嗟に理解できず、少年は首を傾げた。  
何も言わず、セシリアは近づいてきて――彼の衣服に手をかける。  
「ッ?」  
「失礼、します……」  
僅かに手を震わせながら、彼女はゆっくりと――服を脱がそうとしてきた。  
「……ッ!」  
驚いて、ロディはそんなセシリアの肩に手をかける。  
と、また彼女は微笑みを向けてきた。  
「任せて……くれますよね?」  
「ッ……」  
今更否定する理由もない上に、否定する気力もない。  
今度も頷くと、それに応えてセシリアはするするとロディを裸にする。  
 
そのままロディをベッドの上に導くと、すぐにセシリアは唇を寄せてきた。  
「……!」  
「んッ……」  
二人の唇が触れ合って、暖かい感触が伝わる。  
更にセシリアは両手をロディの背中に回し、きゅっと抱きしめてくる。  
小柄なロディは、すっぽりと彼女に包まれるようになって、柔らかさが全身に伝わってきた。  
「…………ッ……!」  
彼の鼓動も高まって、ますます唇と唇の間に熱がこもる。  
受身になってばかりいるのも何だから、不意にロディは舌を動かした。  
「ん……ッ?」  
セシリアも少しだけ戸惑ったようだが、すぐに応えて同じように舌を動かし、絡ませる。  
生暖かい唾液がお互いの舌を伝わって行き来し、相手の喉へと送り込まれる。  
その味にも少しずつ慣れ始めて、味わうようにセシリアは舌を動かした。  
「……はぁッ……」  
唇を離すと、彼女は潤んだ瞳で目の前のロディを見つめる。  
少しでも近づけば再び唇が重なる距離で、ロディの方も自然と見つめ返すこととなった。  
「あ……あの、じゃあ……」  
「……?」  
きょとんとした少年の右肩に、そっとセシリアは顔を寄せて――  
ぺろ、と、今まで絡めていた舌を、今度はロディの肌に這わせた。  
「ッ!」  
「浴室で身体を清める……その代わりに、私が綺麗にします……」  
そう言いながら、右肩から首へ向かって舐めていく。  
「ッ……」  
むずがゆいような、奇妙な感触がセシリアの舌によってもたらされる。  
首筋を舐められると、ぞくっと背筋が震えたが――それでも、彼女はやめる素振りは見せない。  
「……ッ!」  
慌ててロディは彼女を止めようとする。  
が、荒っぽい方法で止めることは出来ないのだし、言葉で止めようにも――彼は無口だ。  
 
「……少し、塩っぽいですね」  
汗をかいたのだから、それは当然のことでもある。  
それにしても、埃にまみれたままのロディの身体は汚れているのもいいところなのだが――  
どこかセシリアは嬉しそうに、その身体を味わいながら舐めているようなのだ。  
「…………」  
不思議な気持ちで首筋に絡み付いているセシリアを見ていると、彼女の方も視線を返してきた。  
「私、ロディを全部知っておきたくて……ジェーンやマリエルよりも、ずっと……  
 こうやって私だけでロディといられるのが嬉しくって……それで。  
 ……私、はしたない女ですね……」  
うつむいてしまった彼女にかける言葉も見つからず、またロディは戸惑ってしまう。  
なんとか必死で考えて、辛うじて出来たことは――そっと、セシリアを抱きしめてやるくらいだった。  
「あ……ロディ」  
その力強さと優しさに、彼女もまた微笑みを浮かべる。  
 
しばらくはそのままお互いのぬくもりを感じていたが、またセシリアはロディの身体を味わい始めた。  
「ッ」  
「やっぱり、全部清めておきたいですから……」  
言いながら、優しく舌を這わせていく。  
首筋から左肩へ。更に、腕から手、指の先へと。  
よく鍛えられて、しなやかなその場所を、セシリアは愛しそうに舐める。  
「……ッ…」  
そこで留まらず、また別の場所へと移っていく。  
次には、程よく鍛えられた少年の胸板へと彼女は舌を動かしてきた。  
「ッ!」  
「ここ、男の人でも敏感なんですよね……?」  
女性とは違い、膨らむことのない胸の先を、セシリアはぺろりと舐める。  
「ッ……!」  
びくりと身体が震えたロディを見て、彼女はふふ、と笑った。  
「……ロディ、ちょっと可愛い……」  
 
可愛いという言葉には、少年も少しむっとする。  
そんな様子もセシリアには愛しいらしく、軽く笑ってから舌を別の場所へと動かした。  
胸から下に降りて、下腹部――そして。  
「……あ……」  
今まで散々に身体を舐められて、ロディも随分興奮していたのだろう。  
すでに、彼のペニスは膨張し、弾けんばかりに膨れ上がっている。  
「凄い……オードリュークの加護もないのに、あの時と同じくらい……」  
「ッ……」  
照れくさそうにロディは顔を背けた。  
けれど、セシリアは魂を奪われたように、その滾ったものから目を離そうとしない。  
「………ッ」  
じっと凝視されているのは、彼女の顔を見なくても自分のペニスの先端から伝わってくる。  
それが余計に身体を熱くさせて、人のものと違う水銀の血さえも沸騰してしまうかのようだ。  
「……こ、ここも……綺麗にしないと、いけませんよね」  
「……!?」  
消え入りそうな声で、セシリアはそう呟いて――何かロディが行動する前に、彼女は舌をペニスの先端 
へと這わせた。  
「ッ!」  
亀頭の先、小さな穴の開いている部分を軽く舐めると、セシリアの舌はゆっくりと膨らんだ部分へと動 
く。  
先ほどからの言葉どおりに、味わうように舐めて――ペニスの全体を、優しく舌で包み込む。  
「……ッ……!」  
声にならない、か細い悲鳴をロディはあげた。  
なまじ咥えられるよりも、この刺激はたまらないものがある。  
それに、こうして舐めているセシリアは、本当に美味しそうな顔でペニスを味わっているのだ。  
「んッ……ふう……」  
その仕草がたまらず、ロディはますますもって滾っていく。  
「……ここが一番美味しいです、ロディの身体……」  
セシリアも、舌だけでなく言葉をもって彼を味わおうとするのだ。  
 
膨らみの部分から、少し下へと降りてくびれの部分を舐める。  
伝わってくる快感に、ロディは軽く身をよじらせ――その手を、セシリアの頭へと置いた。  
「んッ……? ロディ?」  
「………ッ」  
こうして支えてもらわないと、身体が崩れてしまいそうで――  
不安そうな視線でセシリアを見つめていると、彼女も理解したのか、ふふっ、と微笑んだ。  
それから、更に気を入れてペニスを舐める。  
ちろちろと動く舌が、ひどく艶かしくて――ロディは、下半身に甘い痺れが走るのを感じていた。  
「ふぅ……んッ」  
舐め続けているうちに、セシリアはそのペニスが小さく震えるのを悟る。  
より丁寧に舌を動かすと、その震えはびくッ、びくッと大きくなっていくようだ。  
「ひょっとして、ロディ。そろそろ……ですか?」  
一旦舌を止めて、セシリアはそっと伺ってみた。  
「……ッ」  
と、ロディは素直にこくんと頷く。我慢できる状態でもないのだろう。  
「それじゃッ……ロディの、身体の中も綺麗にしないといけませんからッ」  
意気込んで、セシリアはペニスの全体を舐め回す。  
今まで以上に丁寧に、好物のヤキソバ以上に美味しそうに――  
「ッ……!」  
その仕草は、ロディに快感とそれ以上の何かを与えてきて。  
びくびくとペニスは震え、セシリアの舌から伝わる暖かさを受け止めて。  
「んッ……んッ!?」  
その舌先が、筋の部分を這った、その瞬間。  
びゅッ……びゅるッ。  
膨れ上がったペニスの先から、白いものが飛び出した。  
 
「あッ……」  
慌てて、彼女は舌だけではなく、口全体でペニスを包んで精液を飲み込もうとする。  
少し遅れたせいで、最初に飛び出たものは彼女の身体に降りかかったが――  
それでも、ほとんどの精はセシリアの喉へと納まった。  
「ん、くッ……んッ」  
これもまた美味しそうに、幸せな顔で彼女は飲み干す。  
「…………」  
射精したせいで、呆然としていたロディも。そんな彼女の顔を見て、ぞくっとするものを感じていた。  
ただ、それでも、びく……びく、と、精を吐き出しながら震えていたペニスは、ゆっくりと動きをおさ 
めていく。  
完全に射精を終えるまでには、随分な量の精液がセシリアによって吸いだされていた。  
「あ……はぁ……」  
彼女が唇を離す。と、精の残滓が、僅かにペニスの先から漏れ出る。  
「んッ……あ、勿体ないです……」  
そんなものにまで、セシリアは舌を這わせた。  
ぺろりと舐めて、ロディのものはまた綺麗になる。  
「……!」  
こんな彼女の仕草が、出したばかりだというのにペニスに熱いものを集めていく。  
また、すぐに射精する前の大きさへとロディは戻った。が、セシリアはふう、と息をついた。  
「ん……あ、まだ、下半身の方は清めていませんでしたね……じゃあ、これから……」  
今度は足のつけね、太もものあたりに舌を動かした彼女に。  
ロディは、そっと手をおいて――  
「…………」  
「え?」  
じっと、彼女の目を見つめた。  
「あの、ロディ?」  
「………ッ……」  
こういう時にまで無口なのは、流石に問題もあるはずなのだが。  
 
ロディとしては、身体を舐められたことで今までになく興奮していたのは確かだった。  
その上に、舌で一度射精にまで導かれ――精を出したとはいえ、その興奮は収まりそうもない。  
こうなった以上は、セシリアの胎内に早く入って行きたいのであろう。  
そんなだから、また足を舐めるなどと言われては――我慢しようにも、出来るものではない。  
「ッ……!」  
そんな必死な想いが、彼の目にも現れたのか。  
セシリアは、少し戸惑って――そっと微笑んで見せた。  
「もう我慢できないんですね?」  
「ッ」  
我が意を得たりと、ロディはこくこくと大きく頷いた。  
そんなことを聞かれるのも普段なら恥ずかしくて堪らないのに、今はもう収まりがつかないのだ。  
「ふふ……そういうロディも、私は好きです。それじゃ……」  
セシリアもまたベッドに動き、その身体を横たえた。  
仰向けになって、ロディに小さく声をかける。  
「……前から、来て下さい」  
「……ッ!」  
かあ、とロディの顔は紅くなる。  
それでも、彼女の言葉通りに少年の身体も動き――  
覆いかぶさるように、上に来る、と。  
「んッ……」  
「……!」  
何度かの交わりで、覚えた彼女の膣口へ。  
まず、ゆっくりと――自らの、膨れ上がったペニスを近づけ、そして。  
「くッ……う、ふぅッ」  
ずちゅッ……と音を立てながら、セシリアの肉の中へとロディは入っていった。  
その中は、最初に貫いた時と比べてもほとんど変わらず、熱く、そしてきゅうきゅうと締め付けてくる。  
「あ、うぁッ……!」  
何度も迎え入れたことで、最初の時のような痛みもなく、セシリアは満足そうな吐息でそれを迎えた。  
 
ずッ……ずッ、と、ひとまず奥までロディは突き入れる。  
肉を掻き分け、貫いて――ぐ、と。奥の奥、セシリアの胎内に存分に埋まったのを感じた。  
「あ……はぁ……はぁ」  
「……ッ……」  
とろっとした液体が、繋がっている部分から流れ出てくる。  
そうやってお互いが確実に繋がったのを確かめて、二人ともに荒く息を吐いた。  
「ん……やっぱり、ロディの……凄いです……」  
「ッ……」  
今ロディが入っている、下腹部のあたりにセシリアはそっと右手を置く。  
「ロディの……しっかり、入ってますね……ふぅッ」  
胎内にある愛しいものの硬さを確かめて、僅かに微笑む。  
その笑顔が、ひどく艶かしいものに見えて――ロディは、そのまま彼女に口づけた。  
「あ……ん、くッ」  
ロディも幾分積極的になってきたのだろう、自分から舌を入れる。  
それに応えて、セシリアも激しく自らの舌を絡ませる。  
そうやってお互いの唾液を味わっていると、不意にセシリアの膣内のペニスがびく、と跳ねた。  
「んッ!?」  
「……ッ!」  
硬く滾ったままのそれは、彼女の敏感な肉壁を擦りたてる。  
軽い快感が身体を走り抜けて、セシリアは僅かに身をよじった。  
ロディもまた何かを堪えるような、少しだけ辛そうな表情をしていて――くちゅ、と軽い音を立ててか 
ら、そっとセシリアは唇を離す。  
「はぁッ……ん、ロディ……今の……」  
「…………」  
照れくさそうにロディは俯いた。  
絡み合う舌の感触がたまらなくて、一瞬達しかけたとは――口にするには、少し恥ずかしいことである。  
それでもセシリアには分かってしまったのか、彼女はまた優しく微笑む。  
「……じゃあ、ロディ。そろそろ、動いて下さい」  
その言葉に、ロディは少し困ったような顔をしたものの――すぐに、こくんと頷いた。  
 
まずはゆっくり、優しくロディは腰を動かす。  
奥まで入っているペニスを、そっと抜いていき――  
また、ゆっくりと押し込んでいく。  
「んッ……く、ふ……ぁ」  
何度か交わって、初めての時よりも随分こなれた肉壁は――それでも弾力を失うことなどなく。  
入ってくるロディに絡みつくように動いて、奥へと誘う。  
「ッ……!」  
もう一度奥まで辿り着いて、軽く子宮口を小突く――と、セシリアはびく、と身体を震わせた。  
そうして、ゆっくりとした動きを繰り返していく。  
「あぅッ……ふく、んッ……」  
くちゅ……くちゅ、と、繋がっている場所から流れる音もあくまで控えめで。  
彼女の漏らす喘ぎ声も、その緩やかな動きから噛み締めるような声だ。  
ロディのペニスも、彼女の肉を味わううちにますます大きく、硬くなって、ゆっくりとした動きでも快 
感は大きくなる。  
それはセシリアも同じようで――抉られている肉がもたらす快感に、呻くように吐息を漏らしてじっと 
受け止めている。  
――それでも、繰り返されるうちにその刺激にも慣れてきて。  
もっと早く、強く彼女を貫きたい――そんな思いが、ロディに宿る。  
「…………」  
それでも、彼女のことを気遣うと、急に強くするのも躊躇われる――と。  
その迷いを感じたのか、セシリアの方からそっと囁きかけてきた。  
「はぁッ……ん、ロディッ……もうちょっと、早く動いても……構いませんから……」  
「……ッ」  
見透かされたような気がして、またロディは少々顔を赤くする。  
とは言え、その提案を断る理由はないから、今度ははっきりと頷いて――ぐい、と一息に奥を突いた。  
「うあッ!」  
急に力強い一撃を加えられて、セシリアもたまらず叫ぶ。  
「……?」  
突いたのはいいが、不安になったのか、ロディは彼女の様子を伺う。しかし。  
「……あ、あの、痛くはないです……いいえ、むしろこれくらいの方が……き、気持ち……いいです、 
から……」  
はぁはぁと息を荒くしながら、そう返したセシリアに――少年の理性は、どこかが沸騰した。  
 
「ッ……ッ!」  
吹っ切れたように、ロディは一気にペニスを引き抜き――それと同じか、より早くセシリアの中へと突 
き刺す。  
「うくぅッ! あ、ろ、ロディ、つ、強ッ……んぅッ!」  
今までのゆっくりとした動きとはかけ離れた、力強い動きで。  
ぐちゅッ、ぐちゅッ、と、音も大きくなりながら、セシリアの中でロディは暴れる。  
「……ッ!!」  
「はぁッ……あ、んッ! い、いいです、凄くッ……つ、強くてッ……ひぁッ!」  
彼女も痛みを感じる様子はない。全身で愛しいロディのペニスを感じ取って、受け入れようと熱い吐息 
を漏らす。  
そんな思いに呼応してか、彼女の膣壁もざわめいて受け入れている硬いものを包み、締め付ける。  
「ふぅ、っくッ……んッ! も、もっと、奥にッ……うぁッ、あッ……」  
痛がっている様子はない。それどころか、こんな激しい動きでも悦んでさえいるようだ。  
ロディも心置きなくセシリアの膣肉を抉り、貫き――  
お互いの肌が打ち付けあう乾いた音と、繋がっている場所からの湿った音が和音を奏でる。  
「……ッ……!」  
ロディの息もひどく荒くなっている。  
この動きそのものも激しい上に、セシリアの声が前にも増して耳に響くのだ。  
「うぁ、あ、あぅあッ! ロ、ディッ……い、凄、いですッ……あうッ!」  
もっとその声を引き出したくて、彼女の膣内で暴れるペニスは滾り、ますます硬くなる。  
セシリアの胎内を出入りするたびに、ぴちゃぴちゃと愛液は飛沫となって、二人の繋がる部分を濡らす。  
「あ……う、うぁあぁッ……あ、やッ……ん、ロディ、ロディッ……い、ひ、うッ」  
もう、ロディの名前を呼ぶくらいしかセシリアの言葉は紡がれず、そしてロディもただ奥を貫き、それ 
に応える。  
ひたすら限界へと向かってお互いがお互いを高め、そうして、ついには――  
「あ、あ、あぅ、く、うッ……ロディ、も、もう、私、私、んッ……!」  
ぎゅうっとロディを抱きしめて、セシリアは叫ぶ。  
「ッ……!」  
ロディもまた、彼女の身体を抱きしめて――そのペニスを、一番奥へと突き刺す。  
「んッ……だ、出してッ……くだ、さッ……ひあああッ!」  
その衝撃が身体を揺らして――セシリアは、びく、びくッと震えながら。  
強く、ロディを身体の中へと引きずり込むほどに――締め付けた。  
 
「――ッ!」  
そして、ロディもまた限界を突破する。  
折れんばかりに彼女の身体を抱きしめながら、全ての感覚がペニスの先へと集中し、まるで身体全てが 
彼女に包まれる気分になり。  
びゅッ……びゅる、びゅるるるッ……  
熱く、粘度のある液体を、セシリアの中へと注ぎ込んでいく。  
「あ、うッ……ぅ、んッ……お、奥でッ……出て、ますッ……あ、ロディのッ……んッ……」  
半ば朦朧となりながら、それでも嬉しそうにセシリアは喘ぐ。  
確かに、ロディが自分の中へ入って、身体の奥の奥までも彼に染められている――  
それを実感できるから、噛み締めるようにロディを抱く腕に力がこもる。  
「…ッ……」  
ロディもまた、確実にセシリアの中へ中へと注ぎ込み、自分の存在を確かめていく。  
彼の放つ精液は、内部に納まりきらずに溢れ出て、愛液と混ざったものがベッドに零れ落ちた。  
「…………ッ」  
段々と射精の勢いも収まっていく。それとともにロディの身体の力も抜けて、ぐったりとセシリアにも 
たれ掛かった。  
「はぁ……あ……ん……くッ」  
少年の体重が自分にかかってきたのを感じて、そっと瞼を開く。  
切なそうな表情のロディが自分の上にいる――それを確認して、セシリアは僅かに抱きしめる腕の力を 
抜いた。  
「……ッ」  
そこで、ようやく射精は止まる。  
まだ繋がっている場所からはこぽこぽと混ざったものが零れているが、それでも二人の身体は激しい快 
感から解放されたのだ。  
やっとまともに動けるから、セシリアは優しくロディに微笑みかける。  
「ん……。ロディ、いっぱい、出ました……ね……」  
「ッ……!」  
その言葉に、少年は急に赤くなってしまう。  
「有難うございます。……ロディの、確かに受け取りました」  
「…………」  
礼を言われても、なんとも気恥ずかしいのは変わらないままで。  
繋がったままで、ロディは小さくため息をついた。  
 
それから、少しの間息を整える。  
セシリアの腕に抱かれて、彼女の暖かさを全身で感じられるこの体勢――  
恥ずかしくはあったが、それでも好きでいられる瞬間だ。  
「……ふふ。なんだか、こうしている時のロディ、凄く……可愛いです」  
「……ッ」  
また可愛いと言われて、どうも複雑な顔になってロディは小さく頷いた。  
これがジェーンやマリエルなら、そうそう可愛いなどとは言われないのだが。  
「もうしばらく、こうしていて下さい……」  
彼女の方でもそう言ってくれたから、安心してそのまま二人で抱き合っていた。  
 
――と、セシリアがふっと口を開く。  
「……あの、そういえばロディ?」  
「?」  
「考えてみたら、結局こうして二人とも汗だくですよね……その、他のも……混ざってますけど」  
「………ッ!」  
激しい行為の後である。二人ともに、それこそどろどろになってしまっている。  
「もう一度、身体を清めないと……眠れませんよね」  
ロディはこくんと率直に頷いた。現実的に考えて、その通りなのだから。  
それ以前にセシリアはともかく、彼は行為の前にも身体は外に出てそのままだったりもするのだし。  
「ッ……」  
少し慌てた様子で、ロディは彼女と繋がったままのペニスを引き抜く。  
また、こぽこぽと精液が溢れるが、気にしている余裕はない。  
「……んッ……」  
抜かれる衝撃で、またセシリアは小さく喘いだ。少しだけ名残惜しそうな顔にもなる。  
――が、直後にまた何か思いついたように、小さな声を出した。  
「あの。提案なんですが……」  
「……?」  
戸惑うロディに、セシリアは――幸せそうな微笑で。そっと囁く。  
「一緒にお風呂に入りませんか?」  
 
このまま眠る訳にもいかないのだから、汗みずくになった体を清めるのに異論はない。  
しかし、それが何故二人一緒に入浴しなければいけないのか。  
「…………」  
考え込んでしまうロディだったが――その背中に、セシリアはそっと寄りかかってきた。  
「もうちょっと強くした方がいいですか?」  
「……ッ」  
――結局。  
彼女の勢いに流されて、こうして背中まで流されている以上は――その疑問も意味のないところだ。  
とりあえず、今の言葉には頷いたものの。ロディはまた、とため息をついた。  
「ロディの背中って、普段は凄く頼りがいがあるんですけど……こうしていると、なんだか小さく見え 
ますね」  
「…………」  
なんとも言えずに、そのまま彼女に身を任せる。  
こうやって、自分以外の人間と一緒に風呂に入るのは、考えてみればゼペットと一緒にいた時以来だ。  
あの頃はまだ自分も幼くて、もっぱら背中を流すだけだったのだが――  
それが、こうして流される立場になっている。  
時間の流れを確認すると同時に、その流している相手が女性であることに改めて自分の境遇を考えてみ 
た。  
「……ッ……」  
やはり、考えれば考えるほど問題があるような気がしてならない。  
疲れた身体を擦られるのは、また気持ちのいい行為ではあったが――そろそろ十分だと、ロディは後ろ 
を振り向こうとする。  
と、その刹那。  
にゅ、と。柔らかい感触が、その背中に押し付けられた。  
「ッ!?」  
「一度やってみたかったんですよね、こういうの」  
セシリアの声が耳元で聞こえる。随分密着されている――というより、この柔らかさ、そして暖かさは 
――  
「……ッ!」  
慌てて振り向こうとすると、案外強い力で首を固定された。  
こういう時に限って、セシリアは――いや、女性は妙に力強くなる。ような気がする。  
「私もそんなにスタイルに自信はありませんけど……ロディが気持ちよくなってくれれば……ッ」  
自分にも言い聞かせるようにしながら、セシリアはゆっくりとロディに自らの乳房、そして身体全体を 
擦りつけ始めた。  
 
「んッ……どう……です、か……?」  
セシリアは、自分の身体に石鹸をまぶしているらしい。  
ぬるぬるとした感触が、その柔らかい肌から伝わってくる。  
特に膨らみの先――僅かに固くなった乳首が擦れて、彼女にも快感を与えているようだ。  
「ッ……!」  
それはロディとて例外ではない。その刺激が、形容しがたい心地よさとなって身体に纏わりつくのだ。  
なんとも大胆な行為だが、セシリアは半分面白がりながらそんなことをしているようで――  
やがて、身体を洗うという目的の以前に、ロディには熱いものがこみ上げてきた。  
「……ッ」  
元々、ロディの体力は極めて高い部類に入る。  
二度もセシリアの口や胎内に放ったとは言え――この柔らかさを感じる内に、再びペニスに血が漲るの 
がはっきりわかった。  
「ロディ……? どうか、しましたか?」  
一緒に風呂場に入った時から、恥ずかしそうに顔を俯かせていたロディである。  
背中を流してあげて、更に身体で洗ってみたところ、ますます彼は縮こまってしまっていた。  
だが、今のロディは。妙に呼吸を荒くして、そして――身体に、熱が篭ってきているように感じるのだ。  
「ッ……」  
その吐息を感じたセシリアは、思い切って両の手をそっと伸ばした。  
向かう先は、ロディの身体で今もっとも熱くなっている場所――  
「やっぱり……凄く、硬くしてますね……」  
「ッ!?」  
急に敏感なそれを握られて、ロディはびくりと身を震わせた。  
セシリアの白い手が、泡にまみれて自分のペニスを包み込んでいる――  
その光景を目にした瞬間、更にどくんと血が流れ込んだようにも感じる。  
「ここも、よく洗わないと……」  
そう言いながら、ゆっくりとセシリアはペニスを包む手を上下させていく。  
 
「ッ……! ……ッ」  
びく、びく、と小さく身体を震わせて、ロディはその刺激を耐える。  
石鹸の泡のせいでぬるぬるとして、それが余計に快感を高めるようだ。  
「どうです……か? あの……気持ち、いいでしょうか?」  
「…………ッ」  
ロディは、あくまで控えめに――こくん、と。小さく頷く。  
それを見て、安心したようにセシリアは指先の動きを早くし始めた。  
「私も、色々と勉強しましたから……何も知らないままじゃ、勝てません、から」  
「……?」  
誰に、と問いかけたくなったが。思い返して、すぐにそれを理解した。  
流石に、こういう状況なのだから。そこまで鈍感でいられるものでもない。  
――そもそも、こうもセシリアの対抗心を燃やさせてしまったのは、自分の態度にも一因があるのだ。  
どうしたものかと、また考え込みそうになって――柔らかい快感がペニスから伝わって、中断する。  
「ロディは、あまり気にしなくていいです。私達の間での話ですから――」  
何か察したのか、セシリアはますます丁寧に指を動かし、ペニスを優しくしごきたててきた。  
その感触は、確かに思考を停止させられるほどに甘美で。  
絡みつく白い指と泡が、いつしか身体そのものに染み込んで来るような錯覚を覚える。  
「ッ……!」  
けれど、あまりに柔らかい感触は、その身体の奥から逆に引きずり出されるようなものにも繋がった。  
びく、びく、とロディのペニスは震え、中から飛び出ようとする熱いものを呼び覚ます。  
「あ、ロディ……出ちゃいそう……ですか?」  
これには、はっきりと頷いて返す。  
セシリアが全身で伝えてくる柔らかさと暖かさ、そして快感は――指先からペニスへと伝わり、そして。  
びゅく、と僅かに震えて、とろりとした先走りを吐き出し始めた。  
「……凄い……こんなに硬くて、熱くなっているなんて……」  
指先でそれを感じているセシリアも、直接触れているだけに感覚を共有できる。  
「……ッ!」  
いよいよ、体内から精を吐き出そうとした、その瞬間――  
「……んッ」  
不意に、セシリアはその手を止めた。  
 
「……?」  
快感を中断させられて、ロディは不審そうな顔で振り返る。  
今までは振り向こうとしてもセシリアに遮られていたのだが、この時はその妨害がない。  
振り向いた先の、セシリアは――  
「んッ……ふぅッ……」  
風呂の湯気で上気しているというだけではなく、その顔は紅く火照り、そして瞳もじっと潤んでいる。  
「……すみません。私も……欲しくなってきて」  
文字通り、身体を張ってロディの背中を洗い、そして指でペニスを弄んでいたせいだろう。  
セシリアも、その秘所にはじっとりと潤いをたたえている。  
「出来れば、私の中に……ロディのを、下さいッ……」  
「………ッ」  
もう、ロディとしても我慢の出来ないところまで来ていたから――  
今までに無く、はっきりと頷いて。  
そのまま、セシリアを抱きしめると。そっと、彼女を抱きしめた。  
 
胡坐をかいた姿勢のロディに、セシリアは上からまたがるようにして重なる。  
「んッ……」  
軽く息を吐いて、その手で再び硬く滾ったままのペニスを掴み。  
「じゃあ……また、貰います、ねッ……」  
「……ッ!」  
そのまま、位置を確かめて、彼女はゆっくりと腰を下ろしていく。  
お互いの陰毛が触れ合って、どこかくすぐったいような感触がした直後――  
「……はぁッ」  
「ッ……」  
ぐちゅ……と、小さく音を立てて、膣口にペニスの先端があたり、そして。  
「ん……ん、ぁッ……」  
小さく喘ぎながらも、セシリアは自然落下に任せて、一気に――  
「う……うぁあッ!」  
ずちゅずちゅッ……と。奥まで、ロディを呑みこむことが出来た。  
 
「あ……う、ロディッ……さっきよりも、大きいッ……」  
「……ッ……」  
ベッドの上で交わってから、それほど時間が過ぎたものでもないのだが。  
ロディのペニスは、セシリアによって弄られたせいかその時よりも大きく、そして硬くなってしまって 
いる。  
「う、動きますねッ……ん、我慢、できなッ……!」  
自分で言いながら焦れてしまったのか、言葉も半ばにセシリアは腰を上下させ始めた。  
ぐちゅッ、ぐちゅッと湿った音が響く。  
「ッ……!」  
ロディも、先ほどの交わりより熱く締め付けてくるセシリアの膣肉に、軽い感動さえも覚える。  
泡にまみれた戯れは、どうも二人ともに余計な興奮を呼んでしまったようだ。  
「……ッ」  
だからこそ、ロディもセシリアにつられて円を描くように腰を動かし、突き上げる。  
「んッ! あ、ロディも……やってくれるんです、ねッ……う、くふぅッ……」  
お互いが相手の快感を呼び覚まそうと腰を動かし、より相手を感じようと身体を合わせていく。  
一度達したせいか、セシリアから零れる愛液の量もまた多い。  
ここが風呂場でなければ、びしょぬれになってしまう程接合部からはぴちゃぴちゃと流れ出ているのだ。  
「あ、ひ、うッ……ん、ロディ、深いですッ……う、あッ!」  
体勢が体勢だ。上からのしかかっているために、セシリアは奥の奥にまでペニスを呑みこんでしまって 
いる。  
それが自らの膣壁を震わせ、ロディを歓待し――  
「ッ……!」  
ロディのペニスも、それに応えるように硬くなってセシリアをかき回す。  
ぐっちゅ、ぐっちゅ、ぐっちゅ……と。はじめはややちぐはぐだった腰の動きも、段々と合わさってい 
って――  
「やぁッ……あ、こ、こんなのッ……んッ……く、ろ、ロディッ……わ、私ッ……」  
「…………ッ…!」  
ぽろ、とセシリアから涙が零れる。  
かつて、自らのはじめてをロディに捧げた時も涙は流れたけれど、今の涙はその時とは違う。  
あまりに深く、そして強くロディを受け入れて、そして自らもまた気持ちよくなっている――  
その事実が嬉しくて、快感よりも心が涙を流すことを欲したのだ。  
 
ロディは一心不乱に腰を回し、突き上げ、セシリアを悦ばせようと試みる。  
たまらない快感が身体を駆け抜け、もっと深く、もっと強く――彼女の中を抉る。  
「あああ、う、ひああッ! ロディッ……ぃ、ね、私ッ……凄く、ロディが、んッ……!」  
ぎゅう、とセシリアはロディを抱きしめた。  
小柄なロディにまたがっている格好なので、顔が同じ位置に来たりはしない。  
キスするのが少々難しい体勢だが、それでもセシリアは身体をかがめ、そして――  
「あッ……ん、ロディ……ッ」  
「……ッ」  
唇を重ねて、すぐに舌を絡み合わせる。  
それとともに、繋がっている部分からも激しい音が流れて、ますます二人を高めていく。  
「んーッ……んッ……」  
艶かしく舌を絡めて、ロディの上でセシリアは躍る。  
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅッ……響いている音も、小刻みに早くなっていくようだ。  
――と、不意にロディはぐッ、と一際強く突き上げた。  
「んんッ!」  
びくん、とセシリアは身をよじらせる。  
急な強い快感が、彼女の神経を焼いたかのように敏感にさせたのだ。  
「んッ……ん……!」  
びくッ、びくッとその膣肉も激しく震え、ロディのペニスをきゅっと強く締め上げる。  
昂ぶりはもう止まらないところまで来て、二人とも半ば理性を飛ばして腰を揺らす――  
「……ッ!」  
ずんッ……と。激しく、深くロディは突き上げる。  
ことによれば、身体の上のセシリアを跳ね飛ばしてしまいかねない程の勢いで。  
それでも、きゅうっと締めてくる膣壁と、そして抱きしめ唇をかわしているセシリア自身が何よりの鎖 
となって――  
「ん……ッ! ん、うぅぅッ!」  
その突き上げに応えるように、ペニスを食いちぎるように締め付けた。  
 
「ッ!!」  
その衝撃は、ロディに一線を越えさせる。  
びゅるッ……と、最初は僅かに熱い液が飛び出た。  
「……んッ!?」  
それを確認する間も無く、ロディは一気に子宮口に届くほどに突き上げる、と――  
びゅるるるる、びゅるッ!  
中で、激しく飛沫をあげて――  
セシリアの胎内へ、本日三度目の射精を行う。  
「んんッ! ん、んッ……!」  
まだ唇と唇で繋がったままだから、セシリアが声をあげることは出来ない。  
が、胎内で震えながら精を吐き出すペニスを感じて、彼女もまたぴくぴくと震えながら――  
「ッ……!」  
もっと出せと言わんばかりに、そのペニスをきゅうきゅうに締め付けて、セシリアも達している。  
びゅるッ……るッ……  
考えてみれば、ベッドの上で二度も精を出してから、風呂場で身体を洗って――  
合計してみても、大した時間ではない。  
だというのに、今が一番多く、そして熱い液を吐き出している。  
胎内で、ロディがそれを自分に注ぎ込んでいる――その事実を、セシリアは何より嬉しく受け止めた。  
「……ふぁッ……」  
唇を離しても、また射精は収まっていないようだ。  
時折ぴくぴくと震えるロディを、改めて抱きしめて――  
「……今日は、ゆっくり休めそうですね、ロディ……」  
――今日は、抱き合いながら眠れるかも、と。  
そんなことを想像して、セシリアは顔を赤らめつつ。  
やっと射精が止まりかけて、虚脱しているロディを強く抱きしめた。  
 
 
「――とまあ、そんな感じでな。まったく、俺は一人身だってのに、あいつらも遠慮なくてよ」  
「へえ……」  
そんなこととは露知らず――いや、全て承知の上、とした方が正しいのだろうが。  
ザックは、相変わらず酒場でくだを巻いていた。  
相手をしているのは、看板娘のエルミナ――記憶を失った女性である。  
「んで、お前はこういう話を聞いてなんとも思わないか?」  
「なんとも、って?」  
「ほら、自分もそんな恋がしたい……とか、さ」  
「…………」  
エルミナ。ザックにとっては、言葉では言い表せないほどの想い出のある、女性。  
けれど、生まれ変わった彼女は別の人生を歩んでいる。かつての想い出をそのまま受け継ぐことは出来 
ない。  
それでも――  
「……あはははッ。あんたねえ、口説くならもうちょっとマシな台詞を考えなよ」  
「ちッ……あ、いや。はは、まあ、な。俺もあいつら見習って、もうちょっと頑張らなきゃなあ……」  
新しく想い出を作れるのなら、それでいいのだ。  
――もっとも。  
(……ったく、ガードが固いよなあ……それがいいんだけどよ。ええい、鬱憤晴らしに帰ったらまたロ 
ディでもいじめてやるかな……)  
こんなことを思っているのだから、ザックもまたある種のろくでもない人物かもしれない。  
 
どちらにしろ、当事者以外にはまったく笑い話なのだろうが。  
ファルガイアという世界――特に欲望を司るルシエドの部分は、今日も元気なのであった。  
 

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