「泡立てた卵、ブランデー、ダークラムをグラスに注ぎ、
今度は沸騰寸前くらいに温めた牛乳を注いで・・・。」
レシピに目を通しながら淡々と作業を進める。
「後は少し混ぜれば完成、と・・・・・・・・・・よし・・・出来た。」
そういうとラクウェル満足そうにして頷いた。
彼女が今作っていたはホットブランデーエッグノッグ(卵酒)である。
何故彼女がこのような物を作っているのかというと数日前から
ジュードが風邪で寝込んでしまっている為であった。
あまり快復の兆候が見られない彼を見かねて、何か体に良いものでも作ってやろうと
本を読み漁っていたラクウェルの目に飛び込んできたのがこれだった。
ユウリィにも手伝って貰おうかと思ったが、生憎彼女は宿屋の手伝いで手一杯だった。
ジュードが病床に伏した為に生じた予定外の出費を少しでも取り戻す為に、働かせてもらっているのである。
愛想も良く、見た目も可愛らしいということで、宿屋の主人は二つ返事でユウリィのアルバイトの申し出を受け入れた。
ちなみにラクウェルも働かせて欲しいと申し出たのだが、
「宿屋の仕事というのは接客業なんでねえ・・・悪いけどお嬢さんはちょっと・・・。見た目は申し分ないんだけどねえ・・・。」
と断られてしまった。
−・・・遠まわしであったが、明らかに自分は無愛想だと指摘されていた。
やっぱり自分は愛想が悪いのだろうかと嘆息しながら目の前のグラスに目をやる。
(ま、まあ・・・初めて作ったわりには、良くできたほうか・・・。)
ラクウェルは気持ちを入れ替えて手早く片づけを済ませる。
厨房を貸してもらった礼を言ってジュードの部屋に向かおうとしたところ主人に
「あの坊ちゃんの為に作ったんですか?」
と聞かれた。
別に深い意味は無かったのだろうが、彼女は無性に気恥ずかしさを覚えた。
まあ−−確かにあいつの為なんだが。
そんなところだ・・・です、と言って軽くかわすと逃げるように足早とジュードの部屋へ向かった。
(愛想が悪いか・・・。前はそんなこと、気にしなかったんだがな・・・。)
ラクウェルはジュードの部屋に到着すると、ドアの前に立ち軽く戸を叩いた。
・・・返事は無い。
「寝ているのか?ジュード。」
再びノックをする。やはり返事は無い。
ノブを軽くひねると、鍵のかかっていなかったドアは僅かに開いた。
(・・・無用心だな。)
起きていたらしっかり注意しなければと思いながら
ドアを開けると、予想通りそこには静かな寝息を立てて眠っているジュードの姿があった。
「やっぱり寝ていたか・・・やれやれ。」
部屋に足を踏み入れ、テーブルの上にグラスを置くとラクウェルは
ジュードを起こそうと、ベッドに近づいた。
−・・・折角作ったのだから暖かいうちに飲ませてやりたい。
そう思いながらベッドを覗き込む。
「おい、ジュード−・・・。」
彼の寝顔を見た途端、ラクウェルは自分の鼓動が早くなるのを感じた。
別に何か彼の様子におかしな所があったわけでは無い。
ただ、頬を蒸気させ眠る彼の寝顔がとても愛しく、そして官能的に感じられたからだ。
彼の寝顔を見ているうちに、自分でもよくわからない衝動に駆られたラクウェルは、
ジュードの頬にそっと手を触れると−・・・
ゆっくりと顔を近づけていった。
「ジュード・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
−・・・・・・・・・・・・・・って、私は何を考えているっ!?」
ジュードの艶っぽい姿に思考が奪われてしまったラクウェルだったが、何とか我を取り戻した。
(こいつの寝顔なんて見慣れて・・・って、ああああ!そういうことでもなく!!
目的を見失うなっ・・・!わ、私はこいつの看病にきただけであって、やましい気持ちなどは全く・・・!
そ、それに、こんな、寝込みを襲うようなこと・・・!!)
必死に自分の気持ちを抑え込むラクウェル。
だが、無抵抗に眠るジュードを前にして何もせずにいられる程、彼女は人間ができていなかった。
病人である彼と、その、色々するわけにはいかないが軽く口づけする程度なら・・・。
という考えが過ぎる。
−−・・・既にキス以上の事を何度かした仲とは言え、恥ずかしさは残る。
だが−−・・・今なら誰も見てはいない。目の前の少年すら。
口付けをした事実を知るのは自分のみ。
それなら・・・−−と、ラクウェルは意を決してジュードの顔を覗きこみ
「・・・・・・・・・・・無防備に寝ている、お前が悪いんだからな。」
と、言い訳めいたものを吐きながらジュードに顔を近づけていった。
しかし・・・
あと少しで彼女の唇が触れる、というところでジュードの瞼が僅かに動いた。
「ん・・・」
(〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!)
それに気が付き、物凄い勢いで後ずさるラクウェル。
その際テーブルにぶつかって、グラスの中身をぶちまけそうになったが、
何とか零さずに済んだ。
「っっ〜〜〜〜・・・(〜〜〜〜っ痛・・・)。っお、起きたのかっ。ジュード。」
ばくばくする心臓を必死に落ち着かせながら、(ついでに打ち付けた腰を抑えながら)
何事もなかったようにジュードに話しかける。
どこか様子のおかしな彼女を、訝しげな顔で眺めながら挨拶をするジュード。
「あ・・・ごめん。えっと、今起きた・・・。・・・って、・・・どうしたのさ。そんな慌てて・・・」
「な、何でもない!!そ、それより体の具合はどうだっ?」
「んと・・・まだ、あんまり良くないかな・・・。えっと、何か用事?」
そうだった。自分はこれを飲ませにやってきたのだった。
改めてそれを思い出すと、彼女はテーブルからグラスを取ると
ん!、と無言でそれをジュードに突き出した。
「・・・何?これ。」
「ほ、ホットブランデーエッグノッグだ。か、風邪の時に飲むと、いい・・・らしい。」
「らしい、って・・・。」
「あ、そ、その、実は本を読んでいたらたまたまこれのレシピが目に入ってきてな。
『風邪に良く効く』と書いてあったから、暇潰しに作ってみただけだっ!
べ、別にお前の体に良さそうな物はないか探していたわけじゃあないぞっ。」
「・・・・・・まあ、いいけど。じゃあ、これラクウェルが?」
「そ、そうだ。味や効き目の保障はしないぞ。初めて作ったんだからなっ!」
「・・・ありがと。絶対良くなるよ。ラクウェルが作ってくれたんだから。」
そう言って柔らかい笑みを浮かべる少年。
(・・・何か、これは、非常に、嬉しいかも、しれない・・・。)
別に見返りを期待していたわけではないが、ジュードの心からの笑みにラクウェルの心が弾む。
(それにしても、こいつは相変わらず直球な奴だな・・・。・・・聞いているこちらのほうが恥ずかしい。)
ラクウェルは自分の顔が真っ赤になっているのを自覚しながら、
照れ隠しをするように、ジュードにをグラスの中身を飲むよう促す。
「ま・・・まあお前の体調が良くなるなら、それにこしたことは無いからな。
冷めない内に飲んでしまってくれ。」
「うん、わかった。それじゃ、いただきます・・・。」
「ん・・・・・・ん・・・んく・・・ん・・・・・・っぷはっ。」
言われ通りジュードはグラスの中身を飲み干すと、軽く息を吐いた。
「・・・どうだ?」
不安げに尋ねるラクウェル。
「うん、ちょっと不思議な味だったけど・・・美味しかったよ。」
「・・・良かった。」
それを聞いて、彼女はほうっと胸を撫で下ろした。
「ありがとね。ラクウェ・・・・・・・・・・・・っん。」
「どうした?ジュード。」
「う、ううん、なんでもないよ。あ、ありがとね。ラクウェル・・・。」
−−−・・・あれ・・・・・・?・・・・・・な、なんか、あたまが、ぼおって、して、きた・・・
何か、熱とは別に、こう、体が熱くなってきている気がする。
顔も火照ってきたような・・・。
−−−おかしいな・・・。さっきまで、そんな気分じゃ、なかったのに、今は・・・すっごく・・・
そんなジュードの様子には気付かず、一人押し黙るラクウェル。
今まで深く考えていなかったが、この部屋にいるのは自分と彼の二人だけなのだ。
否応なしに、ラクウェルの脳裏に自分たちが肌を重ねている光景が浮かんでくる。
『あ、はあっ、やあ、はっ…!!ジュードの、お腹の中に当たって、
こわ、こわれ……あ、ん…!お願い・・・だから、も、少し・・・ゆっく、り・・・』
『ごめ・・・っ、でも、気持ちよくて、止まんな・・・っ、い、よっ・・・』
『や、ん・・・そ、そんな・・・あっ!は、っはあ、も、もう私・・・あ、あ、ああああ』
(〜〜〜〜〜〜〜〜っっ)
鮮明に浮かび上がってくる光景に、ラクウェルの顔が一層真っ赤に染まる。
彼女はこれ以上二人きりでいるとまずい、と判断し椅子からを腰を上げた。
「っ・・・そ、それじゃあ、私は部屋に戻るが、な、何か欲しいものはある・・・
・・・っおい、ジュード。ど、どうした?顔が真っ赤だぞ・・・?」
「ううん、なんでもないよ。それより・・・それって、なんでもいいの?」
「あ、ああ。そんなに高価なものなどでないならな。・・・メロンとか。」
・・・結構本気で言っていたりする。
「あはは、だいじょうぶだってば。それじゃあ、いうよ。んっとね。−−−・・・らくうぇる。」
「・・・は?」
「らくうぇるが、ほしい。」
「って、おい。何を言ってる、おま・・・えっ!?」
突然の問題発言にラクウェルが口を開こうとした瞬間
ジュードががばっと彼女の体に抱きついてきた。
ジュードの予想外の行動に激しく混乱するラクウェル。
「お、おおおおおお前!い、いきなり、何をする!?」
「らくうぇるのむね、ぽにゃぽにゃしててあったかいねぇ〜・・・」
ジュードは顔をぐりぐりとラクウェルの胸に押し付けてくる。
「ちょっ・・・!こらっ、ジュード!?やめっ・・・あっ・・・や・・・・ン・・・や、やめろ・・・」
状況の理解できないラクウェルを尻目に、尚もジュードはぐりぐり頬を彼女の胸に擦り付けてくる。
「なんでさ?らくうぇるだって、こうかなものじゃないなら、なんでもいいっていったじゃないか」
彼の口調に悪びれたものは全く感じられない。
「だ、だからって・・・は・・・ん・・・こ、こらあ・・・そんなっ、強く、・・・くぅっ・・・ン」
「おしりも〜・・・、プニプニやわらかくてきもちいい〜・・・」
そういいながらジュードは今度はラクウェルのお尻に指を這わせると、ぷにぷにと触ってきた。
「ひゃうううううううううううっ!?い、いい加減にしろっ!!!馬鹿ぁっ!!・・・あっ・・・」
普段はパーティの最年長として厳しい態度を取ることが多い彼女だが
このような行為の際に関しては、彼女はジュードにされるがままという事が多い。
というか初めてのとき以降ずっとこのような調子だ。
何というか、邪な気持ちからというより、彼の無邪気さからくる行動に抵抗する気力が削がれてしまうのだ。
しかし、今は心を鬼にせねばならない。
彼は病人なのだ。
安静にさせておかなければ。
−−・・・頭ではそう考えている。
しかし、その思いとは裏腹に彼女の体の火照りは徐々に強くなっていく。
「ン・・・はっ・・・はーッ、はあ・・・ジ、ジュード・・・駄目、だ、それ以上は、もう・・・」
「どうしてさ?」
「どうしてって・・・」
−−先程からの彼の行為によって、彼女の蜜壷からは止め処なく愛液が溢れて出してきていた。
自分でも信じられない。
−−こんなおふざけのような行為で、こんなに濡れてしまうなんて。
それほどまでに、彼女の体はジュードのする事に対して敏感になっていた。
このまま責められ続ければ、自分は・・・
「ど、どうしてもだっ!!・・・だ、大体お前は病人なんだぞっ!!大人しく寝ていなければいけないだろう!!」
「そんなにいうなら、やめても、いいけどさ。・・・ほんとにやめてもいいの?」
「な、何を・・・」
「きもちよかったんでしょ?」
全て見透かした様な目で言ってくるジュード。
「ッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
くそ、確かにこいつの言う通りだ。
情けない話しだが自分はジュードに尻やら胸を撫でられ、感じてしまっている。
−−正直なところ、体の疼きが抑えれそうにない。
それにしても、先程からジュードの様子がおかしい。
普段は、このようなことはして・・・・・・こないこともないが、それは、その体を重ねる時においてだ。
熱のせいで冷静な思考を失っているのだろうか。
「〜〜〜っそんなわけあるか!!馬鹿な事を言っている暇があったらさっさと寝ろ!!」
「・・・わかった。・・・でも〜、そのまえに〜・・・。」
そのまま大人しく引き下がると思われたジュードだったが、今度は
「ラクウェルのここ、きれいにしなきゃね〜。」
といってラクウェルのスカートを捲ると、舌を這わせ彼女の太腿を伝う液を舐め取った。
ラクウェルの体がびくんと痙攣する。
「・・・ん、ラクウェルの・・・おいしい・・・」
「ひうっ・・・!!こ、こらあ!!!だから・・・ん・・・やめろといっているだろうがぁ!!!」
「だって、そのままにしとくわけにもいかないだろ?ラクウェルのしたぎ、ぐちょぐちょだよ?」
そういいながらジュードはラクウェルの下着を下げる。
−−言われるまでも無い。そんなことは自分が一番分かっている。
だから、やめろと言っているのだ。
「・・・だ、だからって、その、そんなことされたら、もっと・・・。」
「もっと、あふれてきちゃうかな?」
とろとろ溢れてくるラクウェルの蜜を舐めながらくすり、と笑うジュード。
「・・・・・・や・・・、っく・・・・あ、あ・・ふあああああっ・・・」
ビクビクっと、ラクウェルの体が小刻みに震える。
−−どうやら、ジュードに舐められただけで達してしまったらしい。
「やっぱり、もっとあふれてきちゃったね・・・ねえ、ラクウェル。まだやめてほしい・・・?」
「は・・・っ・・はぁー・・・・はあっ・・・はあ・・・−−−−−−」
「それとも、このまま、さいごまでしたい・・・?」
「・・・・・・・・・っ。」
やめさせなければいけない−−
もはや既に、彼女の頭にはそんな考えは微塵もなく−−−−−−
ジュードの問い掛けにコクン、と頷くしかできなかった。
自分の愛液でぐちょぐちょになった下着を脱ぎ捨てると、ラクウェルはベッドに横たわった。
「・・・思い違いの無いよう言っておくが・・・私が望んだわけじゃないからなっ・・・!
か、勘違いするなよ!お前がっ、あんまりにもしつこいから・・・」
「うん。わかってる。ぼくのわがままにつきあってくれてるだけなんだよね?
ラクウェルは、なんだかんだいって・・・やさしいから。」
「〜〜っ・・・馬鹿。・・・・・・・・・・・・お前は、そう言うが、・・・本当は、私は可愛げの無い女だと思っているんじゃないか・・・?」
「どうしてさ?」
「その・・・目つきは悪いし、愛想はないし、お前の事を、なにかとつけて馬鹿というし・・・」
「ん〜・・・めつきとかはともかくさ。ぼくはラクウェルにばかっていわれるのすきだよ。
そういってるときのラクウェル、てれてるときがほとんどだもん。てれてるときのラクウェルってすっごくかわいいし」
「・・・・・・ばっ・・・!!」
「やっぱりかわいい」
「んっ・・・!」
顔から火が出るほど恥ずかしいことを言ってくれるジュードに、
また「馬鹿」と言いかけたラクウェルだったがその口はジュードの唇によって塞がれた。
(・・・・・・ん)
−−仄かに酒の味と匂いがするがする。
(そういえば、あれを飲んだ後、ジュードの様子が・・・。
−−−−ああ、今は、そんなことはどうでもいい・・・。)
余計な考えなど不用だ。今はただ、ジュードとの交わりだけを−−
そのまま舌を暫く絡み合わせた後、二人は唇を離した。
「んっ・・・。・・・でも、もうちょっとだけ、すなおになってくれたら、うれしいかな・・・?」
「っ・・・・・・・・・努力する。」
「まあ、すなおじゃないところも、ラクウェルのかわいいとこなんだけどね〜」
「〜〜ばっ・・!!っと・・・・−−・・・そ、そうか。・・・あ、あ、ありがとう・・・。」
先程「努力」すると言ったばかりである手前だからと、馬鹿という言葉を飲み込んで
無理をしているラクウェルを見てジュードはプッと吹き出した。
「な、なにがおかしい!!私は、お前の言う通り素直にしただけだぞっ!!」
「あ、いや、あははは。なんていうか、にあわないなー、とおもって・・・
うわ、まくらでたたかないで!!」
「っうるさい!!年上をからかうな!!馬鹿!!」
「・・・やっぱり、ラクウェルはそうやって、おこってるほうが、らしいし、かわいいよ」
「あ・・・」
−−ジュードはそう囁きながらラクウェルをやんわりとベッドに押し倒した。
−−やはり、彼との行為は未だに酷く恥ずかしい。
肌を他人に見られるだけでも恥ずかしいのに、その相手は自分よりも6つも年下なのだ。
だが−−そのことが自分をより興奮させていることをラクウェルは自覚していた。
「私は・・・年下趣味だったんだろうか・・・」
「え?なに?」
「−−なんでもない。・・・−−それより・・・早く始めなくていいのか?
お前の、そ、ソレ、随分、辛そうだが・・・」
目のやり場に困るようにして、ジュードの股間を指差すラクウェル。
自分でも気恥ずかしさを覚える。
−−私はなんてことを言っているんだろう。こんな・・・これでは、
ジュードのそれを、自分のあそこに早く挿れてほしいみたいではないか・・・
「あ、あはは・・・ごめん。じつはぼくも、ちょっと、げんかい・・・。」
「・・・・・・わかった。っそれじゃ・・・、はやく、こ、こい・・・」
「ん・・・。じゃあ、いくね・・・。」
ジュードは、ラクウェルの足を開き、彼女の濡れそぼった肉壷に己の肉棒をあてがう。
くちゅ、と粘着質な音がする。
「いれるよ・・・」
ジュードは一応念を押すと、ラクウェルの中へと入っていった。
「あ、んっ・・・あは、ああああぁ・・・!!じゅ・・・ど、の・・・入っ、て・・・−−く、る−−」
ラクウェルの中が十分すぎるほどに湿っていた為だろう、
挿入は実にスムーズに済んだ。
「ん、あ、・・・ふああ・・・ん」
「っ・・・す・・・ごい、ぬるぬる、してるよ・・・ラクウェルの、なか・・・」
ゆっくり腰を突き出しながら囁くジュード。
「やぁっ・・・、い、ちいちっ・・・口に、だす、なぁっ・・・んっ」
ラクウェルの中は潤いを帯びているものの、きつく強張っている。
ジュードは、彼女の中で起こる自分のものへの摩擦と圧迫に目眩を覚えた。
(ちょっと・・・まずいかな・・・これじゃあっ・・・ぼくだけ、さきに・・・)
「ん・・・ふ−−−・・・あ、ちょ・・・っと、ごめ、ん。ラクウェル・・・。」
そう言って腰の動きを止めジュードはラクウェルの中からぬぷり、
と自分のものを引き出した。
「あっ・・・−−−−−−?」
荒い息を吐きながら、どうして−−?とジュードの顔を見つめるラクウェル。
「えっと、ラクウェル・・・おねがい、なんだけど、ちょっと、よつんばいになってくれる?」
軽く息を乱しながら告げてくるジュード。
「・・・?」
何故彼がそんなことを言って来るのかラクウェルはわからなかったが、
一刻も早く続きをして欲しい彼女は黙ってジュードの言葉に従った。
「これで、いいか・・・?」
「うん・・・じゃ、また、入れる・・・よっ!」
そういうと再びジュードは一気に自分のものをラクウェルの中へと突き入れた。
「ひぁ−−−−・・・・・・!?あ、や、いや、ん、くああ・・・!!」
ジュードの不意打ちにラクウェルの上半身が仰け反る。
「っ−−−−!」
先程とは比較にならぬ勢いで腰を叩きつけるジュード。
ジュードが腰を突き出すたびに、あっ、あっ、と
ラクウェルは乱れた声で反応する。
「あっ、は−−!ジュード、強すぎ、る−−こんな、おかしく、なって、しま−−−−あっ!」
「んっ−−−−!」
ぱんぱんぱんと腰を打ち付ける音が室内に響き渡る。
ジュードが腰を突き入れるたびに、ラクウェルの中はそれに応えるように
肉壁を一層強く締め付けてくる。
「は、あ、はっ・・・ラクウェルのなか、きもち、よすぎ・・・!」
じゅぷ、じゅ、ず、ずずじゅ!
「んっ、はあ、は、ジュード、ジュード、じゅーどお・・・−−!!」
あまりの快感にジュードの肉の棒は、更に膨張をする。
「あぁああああああ−−−−・・・!?まだ、おおきく、なって−−・・・わたしの、なか、でっ・・・!
こじ開けてくるような肉の感覚に、ラクウェルの体が大きく震える。
「−−−は、も、もう、だめ、・・・意識が、保て−−−んア、あああああ−−−−−−!」
「は−−−ぼ、くも、もう−−−−−−」
「んっ、っく・・・ああっ・・・や、あん、ふあ・・・じゅーど、いっしょ、に、一緒に−−−!」
今までと比較にならない強さでジュードの肉棒を締め付けるラクウェル。
搾り取られるような感覚。
ジュードの中から溢れてくるものを塞き止めていた堤防が崩れる。
そして彼ははラクウェルの中に
「っ−−−−−−−−−!!」
「あ、くっ・・・!あ、や、あ、あぁあああああああああああ!!」
熱く滾る衝動を思い切り吐き出した。
(あ・・・ジュードの、熱いのが・・・いっぱい・・・出てる・・・)
ラクウェルは、ぶるぶると体を震わすとそのまま、ベッドに倒れこもうとした・・・−−
が。
「−−ジュード・・・?誰か、他に居るん・・・」
次の瞬間、部屋の扉がガチャリと開いた。
「え?」
部屋にいる全員が硬直する。
扉を開けて入ってきたのはユウリィだった。
彼女は入り口で目をぱちくりさせて呆然としていたかと思うと
「あ、えと、ご、ごめんなさい。」
と言って扉を閉めた。
「いまの−−−・・・」
「−−−・・・ユウリィだったな。」
どうしたものか・・・。これは言い訳出来そうもない・・・。
などと考えていると−−
「って、そうじゃなくて!!!ら、ら、らくうぇるさんっっっ!!!???一体何やってるんですかああああああッッッ!?」
と大声で叫びながら再び部屋に飛び込んできて、ツカツカとベッドに歩み寄った。
「あ−−・・・?あ、その、えっとだな・・・・・・その、こいつの看病に、きたらだな・・・」
「何で看病にきて、ジュードと、こんな、え、え、えっちなことしてるんですかっ!!!!
人が、働いてるのをいいことにっ、二人っきりになったからって!!ジュードは、病人なんですよっ!?」
その病人から絡んできたんだがな・・・とラクウェルは心の中で心でつぶやく。
(しかし−−・・・どうしたものか)
−−あまりにも想定外の出来事に、何をどうすればいいかさっぱり思いつかない。
「じゃあ、ユウリィもえっちなこといっしょにしよ?」
(そうだな、ユウリィと一緒に・・・っておい、こら)
打開策を考えていたラクウェルの思考を遮断するジュードの言葉。
「ね?いいでしょ?ラクウェル。」
「・・・・・・・・・・・・。」
それには答えず無言でユウリィに目を向けるラクウェル。
・・・−−ユウリィは、顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。
(−−・・・当然、そういう反応をするよな。)
「そ、そんな、さ、さんにんでなんて、できるわけ・・・!そんなのっ、恥ずかしくて・・・!!」
「だいじょうぶだよ。それに、ユウリィだけ、なかまはずれにできないしさ」
「で、でも・・・わたし、まだっ、お仕事の、途中だし・・・」
「・・・ユウリィは、したいんでしょ?」
「・・・・・・・・・っ。」
返す言葉もなく、黙り込むユウリィ。
(・・・なんかこう、既視感を感じるな・・・。というか、何故私まで人数に数えられているんだ・・・?)
頭が痛くなってくる。
−−どうも、今日のこいつには勝てそうに無い・・・。
そんなことを考えている内に、ユウリィはジュードの提案に恥ずかしそうにコクンと頷いていた。
・・・・・・
・・・・
・・
ラクウェルは、ユウリィのスカートをたくしあげると彼女の秘所に触れた。
そしてそのまま自分の指を、内部へと沈めていく。
「あ−−−やっ・・・」
ユウリィの口から小さな吐息が漏れる。
「ら、ラクウェル、さん・・・・・・、そんな、とこに、指を・・・−−」
「仕方無いだろう。ジュードは先程・・・その・・・イったばかりだから、暫く休めないと。
病人に無理させるわけにはいかないだろう?」
「っそれは・・・そうですけど・・・ん・・・なんで、私の、あ、あそこ・・・、弄るんですかぁ・・・」
「ジュードのものを入れる前に、ユウリィのここをしっかり濡らしておかなければいけないからな。
・・・もっとも、私が触れる前から既に少し濡れていたようだが・・・。」
ラクウェルの言葉にユウリィの顔が真っ赤に染まる。
「そ・・・そんな、こと、ないです・・・。わた、し・・・は、ん・・・−−!!」
「私と、ジュードの体が繋がっているのを見た時からか・・・?
それとも、ジュードが、お前を抱きたいと言った時からか?」
「ん、あ・・・はっ・・・!!」
くちゅ、ちゅ、くちゃりと淫らな音が響く。
ユウリィの蜜壷からは淫らな水が零れてきていた。
「・・・いや、もしかして、ジュードに会いにこの部屋に来る前からか?」
最初は、気恥ずかしさからあまり乗り気ではなかったラクウェルだったが
行為を続けている内に、どんどんユウリィを責めることに没頭していった。
「っ・・・!!違いますっ・・・!私、そんな・・・私は、ただ、少し手が空いたから
ジュードの様子をみにきただけでっ・・・!!」
ラクウェルの言葉に対して弁解してくるユウリィだったが、
その必死ぶりが逆に真実を語っていた。
懸命に言訳をする彼女を、ラクウェルは
同じ女性でありながらも、可愛い、と思った。
「ほ、本当ですよっ!?様子をみたら、すぐ仕事に戻るつもりだったんですから!!
そしたら、ラクウェルさんがっ・・・ん・・・」
なお弁明を続けるユウリィの唇を
ラクウェルは自分の唇で塞いだ。
「ん・・・あ・・・ふっ・・・、はっ・・・」
「ふ・・・ん・・・、く・・・んっ・・・」
しばらくぬちゅぬちゅとお互いの舌を絡ませた後、
ラクウェルはユウリィから唇を離した。
「はーっ・・・、は、・・・・・・。」
(・・・おんなのこ、どうしで、きす・・・しちゃった・・・)
ラクウェルの唇から開放されたユウリィは、ぽーっとした顔で
息継ぎをしていた。
「・・・悪い・・・。中々落ち着きそうになかったものだから・・・。ただ−−−・・・
この部屋に入る前からジュードの事を考えて濡らしていたのは、事実だろう・・・?」
ラクウェルは、そう言ってくすりと笑うと、
再び湿ったユウリィの中をくちゅくちゅとかき回しはじめた。
ただし、今度はより一層深いところを、だ。
「あっ、ラクウェルさっ・・・!!そんな、おくま、で・・・っ−−!!」
「ん−−・・・きつかったか・・・?しかし、こちらのほうは、いやがっていないようだぞ・・・?
それに−−」
そう言いながらラクウェルはユウリィの服の上から、彼女の乳首を摘んだ。
「−−・・・ここも、こんなに硬くして・・・」
「ひあっ!?・・・ぁ・・・、やあ・・・そ、そこ、摘まないでっ・・・くだ、さいぃっ・・・!!」
ユウリィは今まで触れられることの無かった箇所に触られ、激しくよがる。
彼女は止めさせようとラクウェルの腕を掴んでくるが、その力は酷く弱い。
「ん、ふぁ、あっ・・・!やっ・・・やめっ・・・!!」
「心にもないこと言うな・・・。ユウリィの、ここ・・・さっきから、どんどんいやらしい液が
溢れてきているぞ・・・?私に、体を、弄られて気持ちよくなってきているんだろう・・・?」
「ちが・・・だ、だって・・・ラクウェルさん・・・が、・・・ふ、ぁ・・・っ!・・・あ、アっ・・・!!」
ユウリィの声が次第に大きくなっていく。
(・・・私は、さっきから何をやっているんだ・・・ユウリィに、こんな)
ユウリィの乱れた姿に、ラクウェルの脳が麻痺してくる。
−−もっと、虐めたい。
そんな衝動が湧き上がってくる。だが−−
「はあっ、あッ・・・・・・わた、し、も・・・だ、め・・・・・・駄、目・・・ですっっ・・・!」
「っ−−−」
真に迫ったユウリィの声に指の動きを止めるラクウェル。
指が止まると同時ユウリィの体がぴくぴくん、と痙攣する。
どうやら、軽く達してしまったようだ。
−−このまま、最後まで続けたかったが・・・
(・・・って、さっきから、少しおかしいぞ・・・私は。)
ユウリィの乱れっぷりに脳の一部が麻痺していたらしい。。
彼女の反応は一々可愛く、どうも虐めたくなってきてしまう。
(・・・こいつも、ジュードとするときは、いいようにされてるクチなんだろうな・・・。)
ラクウェルは他人事のような気がしなくて、少しユウリィに同情した。
「さてと・・・」
ラクウェルは気を取り直しユウリィの後ろに回ると、彼女の足を開いた。
丁度ジュードに見えるように。
「や・・・、ゃあ・・・」
羞恥のあまり抵抗してくるユウリィ。
その力は弱弱しい。
「ジュード・・・。そっちの、準備は−−、・・・どうした?」
ラクウェルが先程彼女のいたすぐ後ろで休んでいるジュードに声を掛けると、
彼は少々惚けたような顔で返事をしてきた。
「−−−・・・・ラクウェルってさ・・・けっこう、いじわるだね。」
−−−それをお前が言うか。いや、まあ、確かにさっきの自分は少々意地悪が過ぎた気もするが。
「・・・いいから、さっさとしてやれ。馬鹿。」
「・・・うん。」
ラクウェルの言葉に背中を押され、ジュードはユウリィの近くへ寄っていく。
(・・・あいつ、また元気になって・・・)
ちらりと目をやると先程のラクウェルとユウリィの(一方的な)絡みを見ていたからか、
ジュードのそれは再び先程の大きさを取り戻していた。
「はーっ・・・、は、はあっ・・・、あ・・・じゅーど・・・。」
「・・・なんか、ずいぶん、やられたみたいだね・・・。」
「・・・っっ。あ、あの・・・ジュード。私、もう・・・」
ユウリィは物欲しそうな顔でジュードの顔を見つめてくる。
「−−−じゃあ、はじめるね。ユウリィ・・・。」
ジュードは、屹立した自分のものをユウリィの秘裂にあてがって
ゆっくりと亀頭をねじ込んだ。
「あ・・・ん・・・!!・・・ジュードの、入ってきて、るよ−−−」
「−−−−−」
ジュードは、ラクウェルとはまた違うユウリィのその感覚に、力が抜けていくのを感じた。
早くも射精しそうになるのを堪えながら少しずつ腰を突き出す。
「あ・・・んン、あ、く・・・!」
「は−−−−−、っ」
快感にジュードの理性が溶けていく。
まだ竿は全長の中程までしか入っていないというのに、
これ以上続けたら−−−
しかし、そんな考えとは裏腹にジュードは更に奥へと自分のものを突き入れていく。
「あ、んあ、あ、ジュード・・・もっと、ゆっくり・・・!!」
「ご、めん・・・でも、ユウリィのなか、せまくて、ぼやぼやしてたら、っ−−」
「っ・・・!あ、くう、あああ・・・!!!」
痛みにユウリィの顔が歪む。
彼女の反応にジュードは少々心が揺らいだが、なんとかそのまま腰を突き出し続けていき
ユウリィの奥へと到着した。
「ん−−−く−−−っ」
その瞬間。
彼女の膣は先程とは比較にならない強さでジュードを締め付けてきた。
慌てて腰を引くジュード。
「ジュー、ド−−・・・、は、あ、・・・−−−」
「・・・っユウ、リィ、ちょっと、ちから、ぬいてて・・・ね・・・っ」
そういうとジュードは再び腰を突き出した。
そこには最初のような穏やかさはない。
叩きつけるように腰を打ち付ける。
何度も何度も打ち付ける。
(・・・あんな、激しく・・・。)
二人の激しい交わりを目の前にして、落ち着きかけていたラクウェルの体に
再び熱が戻ってくる。
(ん・・・)
自分の秘所に手を当てると、そこはまた潤いを帯びていた。
触れるだけのつもりが、知らず知らずのうちにラクウェルは指を動かし始める。
その動きは、二人の交わりが激しくなるごとに早くなってくる。
−−・・・こんな、二人が、目の前に、いるのに、手淫を、するなんて
だが、そうでもしなければ、頭がどうにかなりそうだった。
そんなラクウェルの様子には気付かず、ジュードの腰の動きはどんどん早くなる。
「や、ふぁあ、やぁだ、だめっ、はっ、ん・・・!
だめ、ジュード、わたし、おかしく、おかしく、なっちゃ・・・−−−!」
(・・・・・・・っ)
びくびくんとラクウェルの体が震える。
それと同時、ジュードの中から堪えていたものがものが込み上げてくる。
「っ−−−−!!」
次の瞬間ジュードは、
「は−−−、ユウ、リ、ぃ・・・・・・!!」
「あ−−−−すき、じゅーど、だいす、き、んあ、ああ、あああああああああ・・・・!!!」
打ち抜くように白い塊をユウリィの中へ解き放った。
・・・
・・
・
余程体力を使ったのか、行為が終わった後ジュードはそのまま眠りについた。
暫くの沈黙の後、ユウリィがぽつりと言葉を洩らした。
「・・・ジュードはいつものこととして、・・・ラクウェルさんも結構意地悪でしたよね。」
「う・・・。」
−−仕方ないと思う。あんなに可愛い声で啼かれて虐めるなというほうが無理がある。
(というか、やはり普段も一方的にやられてるんだな・・・)
「あー・・・その、悪かった。どうも、日頃ジュードにいいようにやらている鬱憤がな・・・」
「・・・そんなの、納得いきませんっ。・・・でも、確かに、その・・・ジュードって、・・・Hの時、意地悪ですよね・・・。
今日も、ラクウェルさんがいるのに、しようなんて言ってくるし・・・。」
「・・・ん。確かに・・・。・・・・・・・・・あ−−・・・・」
−・・・そういえば先程少し気になったことがあった。テーブルに置かれたグラス。
それの中身を飲んでからジュードの様子が変になったこと。
あれに含まれていたものは・・・。
(・・・もしかして、こいつ酔っ払っていたのか?)
恐らく間違いないと思う。あんなものであそこまで酔っぱらうとは信じ難かったが
他に理由が思い当たらない。
(・・・分量を間違ったか?)
「・・・ラクウェルさん?どうしたんです?」
「・・・い、いや、なんでもない。」
−・・・ユウリィには黙っておこう。絶対怒りそうだ。いや、怒る。
それならば、彼女がテーブルのグラスに気付かれぬ内に部屋から出てもらわねば・・・。
とラクウェルは考え、ユウリィに話を持ち掛けた。
「・・・っ、それよりユウリィ、仕事に、戻らなくていいのか?」
「・・・今動けそうにないんです・・・っ。・・・・・・二人が、あんなこと、するから・・・。」
「っ・・・だから悪かったと言っているだろうが!!どちらにせよ私がいなければ
ジュードと、その、いかがわしいことをするつもりだったんだろう!!それに、あの時断ることだってできただろうに!」
「なっ・・・それはっ・・・。だから、さっきも言ったとおり・・・っ!!ああ、もう!今日は仕事には戻りません!!
ラクウェルさんと二人っきりにしてたら、またジュードと色々始めそうですから!!」
「ちょ、ちょっと待て!今日絡んできたのはジュードだぞ!?私からは何もしていない!!」
「でも、結局、その、しちゃったんでしょう!?それなら、有罪ですっ!!」
「・・・・!!」
「・・・・・・・!!」
・・・
・・
・
その後小1時間も二人の喧々轟々といった言い争いは続いた。
自分のすぐ隣で繰り広げられる騒ぎにジュードは眠りから呼び起こされる。
(っ・・・・)
−−・・・少し頭が痛む。熱のせいだろうか。にしては、少し違う感覚がする。
(それにしても・・・。なんか、やけに、騒がしいなあ・・・)
そう思いながらゆっくり瞼を開いていく。
すると、ラクウェルとユウリィが言い争いをしている光景が飛び込んできた。
「とにかく、ラクウェルさんより私のほうがジュードの事好きなんです!
だから、ジュードの看病は私がします!!」
「それは認められん!ユウリィより私のほうが、よりジュードの事を好いている!!
だから、こいつの看病は私がする!!」
「私です!!」
「私だ!!」
なにやら最初とは論点が大分ずれてきていたが二人の戦いは未だ続いていた。
掴みあいの喧嘩にこそなっていないものの、二人は火花が飛び散らしながら、恥ずかしい事を大声で言っている。
(えっと・・・何で二人が僕のベッドの上にいるんだろう…。)
何故こんな嬉しい、いや困った状況に陥っているのかジュードは理解できない。
ただ、今口を挟めばタダではすまないという雰囲気はひしひしと伝わってくる。
だから彼はとりあえず
(・・・寝たフリをしとこう)
狸寝入りをしてやり過ごすとにした。が、
「はぁっ、はあ、・・・っ埒が、あかないな・・・。こうなったら・・・」
「・・・っそう、ですね・・・本人に、っどちら・・・のほうが好きか・・・」
肩で息をしながらジュードをに目を向ける二人。
(ひえぇ・・・・)
−−・・・目を閉じていても二人の視線を痛いほど感じる。
ジュードに目を向けたままラクウェルとユウリィは
『直接聞くしか』
口を揃えて言い放った。
−−部屋から逃げ出すことは出来ない。扉まで約5メートル。
この距離ではすぐに取り押さえられてしまう。何より今は体が本調子ではない。
というより、そもそもどうしてこんな窮地に立たされているのか・・・。
そして彼が思いついた打開策は・・・
(・・・とりあえず、エッチな事したら誤魔化せるかなあ・・・)
結局、素面の状態でも考えることはほとんど同じなジュードであった。