「ハウザーッ!お願いやめてッ!!」
言われて我に返った俺の目に飛び込んできたのは、白衣がはだけ、
シャツが破かれて片方の形の良い乳房を露にしているエセルダの姿だった。
平和を求め、戦争を止める為に志願した遺伝子調整だったが
実用には至っておらず、実験段階の為、その調整は苛酷を極めた。
自ら望んだとはいえ、日々行われる実験、結果の出ない調整、
肉体はもとより、精神さえも蝕まれる毎日。
平和の為に自分がどうなろうと、どんな事にも耐えるつもりだったのに、
精神の均衡が保てず、今、俺はエセルダを組み敷いている。
「エセルダ…俺は……俺はッ…自分が恐ろしい」
頭を抱えエセルダの肩に顔を埋める。
彼女は俺の遺伝子調整を行う技術者の一人で、若く美しい。
特別な感情を抱いてはいたが、こんな形で彼女を手に入れたいとは思っていなかった。
だが、日々の実験に蝕まれる精神の前に、欲望は忠実だった。
検診に訪れた彼女に襲い掛かったのだ。
「君を…傷つけるなんて…」
自分の犯した過ちに震える俺を、エセルダは優しく抱きしめてくれた。
「ハウザー…ごめんなさい。あなたに辛い調整を施しているのに、支えてあげられなくて…」
そう言って、震える唇を俺の唇に押し当てた。
「あなたにARMを扱える力を与えるのが私の仕事だけれど、私はそれ以外のものもあなたに与えてあげたい」
「エセルダ……」
「さっきは突然で驚いたけれど、私の身体で良いなら……」
彼女は頬を赤く染めて身体を預けてくる。
そんな彼女の好意に甘えて、俺は彼女の露になった乳房に手を添えた。
「あっ…ハウザー……私、その…研究ばかりしていたから…初めてで……」
彼女は消え入りそうな声で訴えた。
「わかった…優しくするから……」
そんな彼女が愛しくて、早る気持ちを抑えて彼女に口付ける。
その日、俺は初めてエセルダと身体を重ねた。