「ふん、気楽なもんだな」
「ディーンはね。レベッカは大変だよ、ありゃ」
席をはずす主人公二人を見送りながら、グレッグとチャックが声を潜める。
無骨な特急列車の割りに振動なく、乗り心地は快適だ。
「確かに。あの坊主はちょっとクールすぎる」
「それは、僕への皮肉かい?」
「さあな」
グレッグは帽子を目深にかぶり直し、居住いを正す。
両手の掌を上に向け「ヤレヤレ」と微笑むチャックの正面から。
「あの〜」
と可愛らしい声が控えめに尋ねてくる。
ボックス席の向かい側で、キャロルが首をかしげている。
「さっきから何をお話になっているんですか?」
「大人の話だよ」
「大人、ですか? ディーンさんとレベッカさんの事では無いんですか?」
「そうだよ」
「でも、あの二人はまだ・・・」
キャロルの言葉は力なく消え入ってしまった。
気さくな好青年だったチャックの顔が、邪悪に歪んだような気がしてキャロルの背筋に冷たいものが走った。
「子供と大人の違いは、年齢だけじゃないさ」
ゆっくりと近づいてくるチャックの様子に危険を感じ、キャロルは緊張で体をこわばらせた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
車内洗面所の前の一角でレベッカはディーンに積めよっていた。
あたりには二人しかいない。
「ねぇ、ディーンはアヴリルのことが好きなの?」
レベッカに引っ張るように連れて来られたディーンは、いつもの爽やかな笑顔で立っている。
「アヴリルは好きだよ。それにグレッグもチャックもキャロルもレベッカも。みんな大好きさ」
パーティメンバーの善良そうな笑顔を思い浮かべながら、ディーンも笑顔も優しくなる。
「ああ・・・そう言うと思ったわ」
長い付き合いながらあまりの朴念仁っぷりに、レベッカはガックリと肩を落として溜め息をついた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あ、あのあのあの、チャックさん?」
チャックが立ち上がり、キャロルを体を見下ろすような形で近寄っていく。
「キャロルって幾つだっけ?」
「じゅ、12歳・・・ですぅ・・・」
「くくっ。12歳か。いいね。キャロルだって大人になれるんだよ。してあげる」
「あ、あの、何故そこで舌なめずりを?・・・ひぇっ!」
引きつった少女の頬に、薄笑みを浮かべるチャックの掌が伸びる。
もう片方の手は衣服の上からキャロルの脇腹を撫で、すぐに移動して控えめな胸をなぶり始める。
「きゃあ! た、助けてくだっ」
助けを求めようと発した声を途中でつまらせ、キャロルは口を開けた愕然とする。
「ア、アヴリルさん! 何を!?」
さっきまでキャロルの隣にあったアヴリルの体は、対面のグレッグの腿の上にこちら向きに座らされていた。
寡黙なアヴリルの体をまさぐっている手が、白い太ももから衣の中に潜り込む。
もう一方の手は上衣をはだけさせて、こぼれ落ちた乳房を揉みしだいていく。
「シンクロりつを、たかめるには、こころとからだを、ひとつにするのが、はやみち」
「そうだ、物分りがいい女だ」
グレッグはアヴリルの頭をひねって唇を重ね、さらに淫らに両手を動かす。
「僕らも楽しもうね」
「え、遠慮させていただきますっ! い、いやぁっ」
チャックはキャロルを横向きに押し倒し、覆いかぶさるように体をくっつけると、衣服を脱がしにかかる。
「許してください! いやあ、そんなところ、いやです」
下着の中に手を入れられキャロルの体が恐怖で震える。
幼いワレメをこじ開けて、本人すら触れたこと無い奥へと指を潜らせる。
「これはヤバイ、も、もう、辛抱たまらん」
熱く呼吸を荒げながらチャックはどうやったのか、全身スーツの前をはだけて下着を脱ぎ捨てていた。
怒張して反り返るイチモツをみせられ、キャロルは戦慄した。