一人の少年が自室で自慰行為をしている。彼の名はレヴィン・ブレンテン。エレシウス王国騎士団団長の一人息子であり、3週間にわたる王国騎士団主催の戦闘演習訓練から今戻ってきたばかりである。
演習は合宿形式で行われたのだが、3週間の性欲の抑圧は15歳の少年には辛いもので、帰ってきてすぐに自慰を始めたのだ。
「う……んッ………」
想うのは二人の少女。そのどちらへ、とも言えない気持ちを吐き出すように、今まさに絶頂に達しそうになった瞬間、
「わわわわわッ!!」
「せ、先生ッ!?」
クローゼットから女性が飛び出してきた。
「あの、ちょっと、先生ッ!いきなりジョウントしてこないでくださいッ!!」
ナイトレイダーも真っ青なスピードでズボンを上げたレヴィンにそう言われた、“先生…――ラブライナ・ワーズワースは転んださいの痛み故か、ついボソッと本当のことを言ってしまう。
「いたた……びっくりさせようとして逆にびっくりしちゃいました……。」
「“びっくりさせようと”って……先生見てたんですかッ!?」
ラブライナはいかにもしまった、という表情で、
「ああ、ついホントのことを言っちゃいました。」
と言うと、レヴィンはそれを聞いて涙ぐんでうつむいてしまった。当たり前である。恩師に自分の自慰行為を見られれば誰だって泣きたくなる。
「あの、レヴィン君。すいませんでした。」
「…………。」
あまり悪びれる風もない様子でラブライナは謝罪したが、レヴィンはピクリともしない。
「おわびに先生厳選必勝口説き文句最新版を教えてあげますから!『僕の心にコマンドクリティカルしてくれないか?』……いいでしょう、これ。」
「…………。」
反応なし。
「う……す、スルーツッコミとは、レヴィン君、なかなかやりますね……。じゃあ、これならどうです。『やらないか?』。ちなみにポイントは『?』マークをつけることです。これなら真似っことは言われませんッ!」
「…………。」
やはり反応はない。
「仕方ありませんね。ここは一つ、先生が一肌脱ぎますッ!!」
少しの静けさの後、レヴィンの耳にある"音"が聞こえてきた。――それは衣擦れの音。
はっと顔を上げると、そこには一糸纏わぬ恩師が立っており、熟れた妖艶な肢体をレヴィンに見せつけている。
「ちょ、せんせ、いや、ちょい、え、あ、」
明らかに動揺している少年をよそに、ラブライナは口を開く。
「レヴィン君、いいですか?"ああいうこと"のおわびは"こういうこと"って昔から決まってるんです。」
「いやそんな無茶苦茶な……」
やはり言葉には耳をかさず、ラブライナはレヴィンのズボンを下ろすと、ぶるん、と、レヴィンの、十分に膨らんだ一物が顔を出した。
「ま、待ってください先生ッ!!」
レヴィンは後ずさりした。――正確にはしようとした――が、動けない。
「『シャットダウン』です。レヴィン君、補助魔法もちゃんと勉強しないといけませんよ。」
「そんなこと今言われても――ッ!?」
最後まで言い切る前にラブライナはレヴィンの男根を口に含み、そのまま舌と口を動かし始める。じゅぱ、じゅぱと淫猥な音をたてながら行われれるラブライナの淫技に、先程の騒ぎのせいでいわゆる"寸止め"状態であったレヴィン自身はいとも簡単に絶頂をむかえた。
「ん……は……ッ……」
ラブライナは口の中に放出された大量の精を全て、喉を鳴らして飲み込む。さらに、ずるずるずる、と残った精を強く吸い取った。
レヴィンは朦朧としていた。ラブライナのあんまりと言えばあんまりな行動と、一人でする時とは別格の快感に思考がついていかないのである。
そして、気がつくとレヴィンの服は全て剥ぎ取られ、身体はベッドの上に仰向けになっていた。例によって「シャットアウト」がかけられている。
「先生、次は何をするんですか?」
若干諦めの念が篭った声でたずねるかつての教え子の問いにラブライナはさも当然、というふうに答える。
「先生も身体がほてってきちゃいました。うまくしてくださいね。」
そう言うが早いか、ラブライナはレヴィンに飛びかかった。そりゃあもうルパンもかくやといわんばかりに。
ラブライナは座りこんだ。ちょうどレヴィンの顔を跨ぐ形になる。
「やさしくしてくださいね。」
などと、ラブライナは軽い調子だが、レヴィンはそれどころではなかった。突然のしかかられて息苦しいのである。
「むー、もが、もがッ!!」
抗議の声を上げるが言葉にはならず、かわりに女陰を通じてラブライナに快感の波を送ることになる。
「は……あっ……レヴィン君、結構上手じゃないですか。」
「むー、むーッ!!」
それどころではない。
「……んんん……ッ!!」
少しして、ラブライナが背を反らして絶頂に達した頃、レヴィンの息はかなり荒くなっていた。
しかしそれにはかまわずラブライナは起き上がり、レヴィンの剥き出しの下半身へと向かう。
「ここまできたら……最後までいきますよね?」
そうして限界まで膨脹したレヴィン自身を自らに挿入する。が、つぷ、と亀頭まで沈みこませたところでラブライナは何かを思いついたような笑みを浮かべ、おもむろに腰を上げた。
「ええッ!どうしてッ!?」
レヴィンはつい叫んだ。その叫びは思わずだしてしまったものであったが、本音であった。
「最後までしたいですか?したいですよね。じゃあこう言ってください。」
そう言ってラブライナはレヴィンになにやら耳打ちする。ラブライナの言葉が紡がれるたびにレヴィンの顔はどんどん赤くなっていく。
「そ、そんなこと言えるわけないじゃないですかッ!!」
「……そうですか?なら、このまま帰っちゃいますよ……?」
ラブライナは実に悲しそうな顔をして言う。そしてそれは暗に本当にこのまま帰るぞ、と言っていた。
「わ、わかりました……言います……。」
ついにレヴィンがそう言ったとたんラブライナはまるで子供のような笑顔になる。
「ささ、早く言ってください、言ってください。」
「……やっぱり言えませんよ……。」
「いいんですか?レヴィン君の“ココ”、こんなになってますけど。」
そう言ってラブライナはレヴィンのものを指で軽く弾く。既に痛いほどに勃起した“それ”はほとんど揺れることなくそそり立っている。
「…………。」
レヴィンは覚悟を決め、やっとのことで言葉をしぼり出した。
「お……俺のちん〇んを……先生のおま〇こに入れてくださいッ!!」
「……はい、きちんと言えました。約束のご褒美ですよ。」
そう言って、ラブライナはレヴィンの男根を入り口にあて、すとん、と腰を下ろす。
「ああッ……んん……」
「うっ……はぁ……ッ」
先程のフェラの何倍もの快感を受けてレヴィンはうめく。そんな余裕のないレヴィンの上でラブライナはトロンとした目をして腰を上下に振る。
「くぅ……ううっ……」
ラブライナがずちゅ、ずちゅ、と音をたてて腰を下ろす度、どちらのものとも言えない喘ぎ声が部屋に響く。
その時、快楽の中でレヴィンはあることに気がついた。
――「シャットダウン」の効果がきれて体が動く。
「え、レヴィンく……ひ、ひゃああッ!!」
ラブライナが悲鳴にも似た嬌声をあげる。レヴィンが本能的に腰を突き上げ始めたのである。
「レ、レヴィン君ッ!んあっ、少し…少し待ってくだ……ああッ!!」
ラブライナにはかまわず、レヴィンは一心不乱に腰を突く。
二人に絶頂が訪れようとしていた。
「んんっ、ああっ…もうイっちゃいますッ!!」
「俺ももう……ッ!!」
「ああああぁぁぁッ!!」
二人の視界が白く染まり、そしてブラックアウトする。
しばらくして目を覚ました二人はそれぞれ対照的な顔をして服を着た。満足気な顔をしたラブライナ。やややつれた顔をしたレヴィン。
「レヴィン君、またしましょうね。」
「…………。」
ラブライナの問い掛けにレヴィンは沈黙で返す。初めてがこんなのか、といった風である。
「つれないですねぇ。そうだ!今度はアレクシア様とクラリッサさんと一緒に4人でしましょうか。お二人とも、とーっても上手なんですから。……ああ、もう授業の時間です。それっ、ジョウント〜。」
「…………え?“上手”ってどういう……?」
しかしそこには巷で噂の女教師の姿はなく。
少年の苦悩の道はまだまだ続きそうである。