「え、僕がスパイだって?」
「そうじゃねえ証拠があるのかよ」
キャンプから、ディーンとグレッグに連れ出されたチャックは、まったく身に覚えのない詰問に、ひどくうろたえた。
「見ろディーン。こいつのうろたえようを」
チャックはすがるようにディーンを見るが、ディーンは無言で睨みつけてきている。
「スパイでもなきゃ、苦労して手に入れた正規ハンターの身分を、女を失ったからと捨てられると思うか?」
「違う! 僕がハンターになったのは!」
そもそもルシルのために、ハンターになろうと思ったのだと、そういい終わらぬうちに、グレッグの手がチャックの口を押さえる。
「黙って聞け。どこに賞金首を見逃すハンター見習いがいる。女を連れていったベルーニだって、グルじゃねえのか?」
あまりの誤解に、涙がにじむ。
岩を背にその手から逃れることもできず、口を押さえられたまま、かろうじて首を横にふり、否定する。
「てめぇの行為一つ一つが、猿芝居に見えてならねぇんだよ」
「俺だってチャックがスパイだなんて、信じたくない。けど、グレッグの言うことも、もっともだと思う。なあ、スパイじゃないなら、それを証明してくれよ。
グレッグはゴーレムクラッシャーだけど、俺たちの仲間なんだ。
だからチャックがゴーレムハンターなら、俺たちの仲間にすることはできないんだ」
やっと緩められた手のひらから逃れ、チャックはつぶやく。
「僕はもうゴーレムハンターじゃない」
しかし、その言葉に力は入らない。
ゴーレムハンターになることだけを目標にして、村を捨てて頑張ってきた。
ルシルを失い、地位を捨てた今、もしディーンたちに受け入れられなければ、それこそ一人で荒野を彷徨うしかない。
もう、それでもいいとチャックは思う。死ぬまで誰とも関わらず、彷徨えばいいと。
「パスを捨てただけだ。いつだって俺の寝首を掻いて復帰することができる。いや、俺やディーンの寝首を掻くためなら、それぐらいするだろうさ」
チャックは、もうハンターではないことを、証明する方法を、思いつけなかった。グレッグが言う通り、ギルドのメンバーリストには、チャックの名が記されたままだ。
「迷惑かけたね。僕は消えるよ」
そもそも無理だったのだ。ベルーニの下位組織であるハンターギルドの一員となったものが、ベルーニに反旗を翻す者たちに認められ、仲間になろうとするなど。
立ち去ろうとして、ディーンに腕を取られた。
「逃げるのか」
けれどディーンの表情は、決してチャックを仲間として引きとめようとするものではない。スパイを逃がすまいとする顔だ。
チャックはそれに気づいて泣きそうな笑顔が浮かべる。
「今後ずっとハンターとしての活動をしなければ、いつかキミたちに信じてもらえるかもしれないけれど、今すぐそれを証明する方法なんて、思いつかないんだ」
グレッグが、暗い笑みを浮かべる。
「だろうな。ベルーニに対しては、はいつくばって靴をも舐めるハンター様の言葉を、信じるわけにはいかねぇんだよ」
「なっ!」
いくらハンターの地位を捨てたとはいえ、その言葉にチャックは蒼白となり、そして反論を飲み込んだ。グレッグの言葉は、事実なのだ。
「ハハッ。その通りだね」
だが、ディーンは、まだ腕をきつく掴み、離そうとしない。
「なら、僕をどうしようっていうんだい? ベルーニにシッポを振るニンゲンの裏切り者に、制裁を加えたいのかい?」
「そう思うなら、なぜディーンの手を振り払って今すぐ逃げねえ」
「逃げたら、僕がまだハンターだと、証明してしまいそうだからさ」
チャックは、彼らには、いやディーンにだけは、嘘つきだと思われたくなかった。たとえ仲間として受け入れられないとしても、それだけでも。
「逃げなくても、俺はゴーレムクラシャーで、テメェはゴーレムハンターだ。なら、どっちがどっちを殺しても当然だな」
「僕はハンターじゃない。だから君を殺しもしないし、逮捕もしない」
「俺がお前を殺しても、逆らわねえか?」
チャックは目を細め、小さくつぶやく。
「僕が逆らわなかったら、信じてくれるのかい?」
チャックの、ルシルに救われた命。
本当に捨てたかったのは、パスではなく、ルシルを苦境に立たせた自分の命だと、チャックは考える。
「ちょっとグレッグ!」
話の展開に、ディーンはチャックの腕さえ離して慌てだす。
「もういいよ! チャックはもうハンターじゃない。俺はチャックを信じるよ!」
チャックは、その言葉をありがたいと思う。たとえ出会った時同様、根拠のない信頼だとしても。
だがチャックは、根拠のない信頼が、どれほどの危険を生み出すかも知っている。グレッグの対応のほうが、正しいのだ。
「ディーン。ナイトバーンを思い出せ。ハンターはな、ああいうヤツらだ。ベルーニについてニンゲンを裏切り、さらにベルーニを裏切る。はいそうですかと信じるわけには、いかねえんだよ。
それでもこいつを仲間に加えるってんなら、俺がこのパーティを抜けさせてもらう。
信用できねぇやつと、一緒にやるわけには、いかねぇからな」
けれどグレッグは、ニヤリと醜悪な笑みを浮かべると、チャックに向かって「だが」と続けた。
「テメェが本当に逃げもせず、逆らいもしねえ所を見せてくれるんなら、考えてやらんでもねぇ。テメェがベルーニにしてきたことを、俺たちに対してもできるならな」
「ははッ・・・」
それを聞いたチャックの口から、乾いた短い笑い声が突いて出た。
その時すでに、チャックは空っぽになっていた。
もう何も、その心の内に残ってはいなかった。
まずグレッグがチャックに要求したのは、全裸になることだった。全裸で二人に、土下座をしろと。
ディーンが慌てている間に、チャックは自ら衣服を脱ぎ、素足を荒野に下ろすと、膝と手をつき額を大地に擦り付ける。
とたんにごついブーツが、チャックの頭を踏みつける。
「グレッグ、いくらなんでもこんなこと止めようよ」
「ディーン。現実を見てぇなら、よく見ておけ。これがハンターの現実だ。こいつはベルーニの前で、これをやり慣れてるんだ」
「こんなの間違ってる!」
「そう思うなら、なおのことテメェは見ておかなきゃならねぇだろうが!」
そう叫びながら、グレッグはチャックの頭をぎりぎりと踏みにじる。
「これが現実だ! 踏みにじられようと、殺されようと、逆らわなくなっちまったニンゲンの! 覚悟を決めたなら、目をそむけるな!」
グレッグは、存分にその金の髪を踏みにじってから、足を下ろす。
「さあ立て。ディーンに向かって直立不動だ」
チャックは立ち上がり、言われた通りに立つ。
顔も、手足も、泥で汚れている。
だが男にしては白さが際立つその胸に、立ち上がった拍子に流れ出した鼻血が、鮮やかな赤い染みを作る。
そして本来隠されるべき、金の羽毛に包まれているかのような、彼自身。
それも、白い。
それは男の体であるはずなのに、そのモノも自身で見慣れた男のものであるはずなのに、ディーンは頬をかすかに赤らめ、顔をそむける。
チャックは、ディーンよりは背が高いものの、小柄なまま成長期を終えている。
まだ体型に少年らしさが残るディーンに比べ、小柄ながらに大人の体型を完成させている。
大人になったばかりの、初々しく、そして無駄のない、均整のとれた青年の体つき。
一端は顔をそむけたものの、ディーンはその体を、幾度もチラ見してしまう。
グレッグは、そんなディーンの様子を見て、さらに笑みの闇を深め、チャックの真後ろに立つ。
そして後ろから手をチャックの胸に這わせ、指先ですでに硬くなりはじめた小さな突起を、転がし始める。
チャックの頬が、朱に染まる。
「グ、グレッグ、何してるんだよ」
異常に気づいたが、ディーンはまだ、何が起きているのか、わかっていないようだ。
男どころか、女に対する劣情にさえ、ほとんど目覚めていないのだから、しかたがない。
チャックは、グレッグの行為に息を詰め、そして頬を染めながら、耐えている。
その表情から、それが土下座の頭を踏みつけられるよりも、なおチャックにとって耐え難いことであることは、ディーンにもわかる。
だがグレッグは、今は乱暴はしていない。
そして、息が荒くなるにつれ体積を増し、ゆるやかに持ち上がっていく、チャックのモノ。
そしてディーンの自身に伝染する、おかしな気持ち。
出来る限りそむけようとしていたはずのディーンの視線は、もはやチャックの肢体の変化に、釘付けとなっている。
グレッグは、そのディーンの変化を認め、ほくそえんでいる。
「ディーンに教えてやりな。ハンターの現実ってやつを。こうやってベルーニのオモチャになることも、ハンターの仕事の一つだってな」
グレッグはチャックの白いが締まった尻をなでさすり、足でチャックの片足を払って股を開かせると、彼の穴に、ゆっくりと指を突き立てていく。
「話せ」
穴をいじられながら、チャックは吐息まじりにそれに従う。
「ハンターを続けるためには、ベルーニの求めに応じて体を弄ばれることを、拒否することなんてできなかった」
男と女のからみすら見たことがなく、もちろん経験もないディーンだったが、その異様な光景に、興奮を覚えていた。
グレッグは、チャックのためにではなく、ディーンに見せ付けるために、ゆっくりとじらしながら、チャックの体をまさぐっている。
「なら……」
ディーンがつぶやき、そしてもう一度、今度は声を振り絞るようにして、その問いを口に出す。
「なら、チャックはそれをわかってて、俺をゴーレムハンターに誘ったのかよ!」
泣きそうなほどに、チャックの顔が歪んだ。
「ゴメン。そういうことになるね。あのときはああ言うのが、一番自然に思えたんだ」
事実、あのときはそこまで考えていなかった。ハンターとして振舞える時は、現実を忘れ、身も心も理想のハンターになりきっていた。
「そうやって、こいつは流されながら生きてきたんだろうさ。いや、こいつを含む、ニンゲンのほとんどがだ」
グレッグが穴に二本目の指を潜り込ませ、激しく動かすと、もはやチャックは耐え切れず、言葉はそのままあえぎへと変わっていく。
チャックの白い肌が、ほのかに染まっていく。
何も知らないまっすぐな少年の前で、チャックはグレッグに弄ばれ、痴態を晒す。
まだ拾ったスケベ本で男と女の絡みを垣間見たことがあるだけの、まっすぐな少年は、男の痴態に初めて本物の興奮を覚えている。
グレッグは、その成果にほくそえむ。
チャックの体は、完璧な男の造詣であるにもかかわらず、男臭さを感じさせない上玉だ。
たとえチャックの性癖が、本来ノーマルであったとしても、男の愛撫に素早く反応し、見られることにも慣らされている。
その反応は、これほどの上玉を、ベルーニが放置するはずもなく、特に念入りに調教されたはずだというグレッグの予想は、はずれてはいなかったことを実証している。
女も知らぬディーンのようなウブなガキに、こいつの痴態を見せ付ければ、一発で落ちぬわけがない。
グレッグは指を三本に増やし、激しくかき回し、前立腺を執拗に刺激する。
「あッ、ひッ、あぅ、うぅ!」
もはやチャックは、声を抑えることもできず、甘い声で絶え間なく啼いている。
ころあいと見て、もう一方の手でチャックのモノを軽くしごけば、彼の白い背がそりかえり、ことさら大きな喘ぎと共に、ねっとりとしたモノがグレッグの手の中に放たれた。
チャックの体から力が抜けるが、息を荒くしながらも地に倒れこまないのは、これもベルーニに仕込まれたからだろう。
「犬のようにはいつくばれ」
チャックがそれに従うと、グレッグは、手の中のぬめりを、チャックの穴の周囲に塗りこんでいく。
「グレッグ、俺、変だ」
「ディーン、来い」
もはや目の前の痴態に心を奪われきったディーンは、その言葉に素直に従う。
グレッグは、すでにそそり立った自分のモノを取り出した。
それはチャックの股間で、今まだ勃起しヒクヒクとうごめくモノよりも、ずっと色濃く、グロテスクでさえある。
「いいか、見てな」
グレッグは、ディーンの目の前で、チャックをいきなり貫いた。
「ヒィ!」
チャックの表情は苦痛に歪むが、チャックの細い腰を両手で押さえ、激しく動かす。
するとそれにつれ、チャックの表情もまた恍惚としたものになり、声も甘く響きはじめる。
グレッグは、チャックを貫いたまま、膝の上に抱え込むようにして、ディーンの向かいに座り込む。
チャックの体重により、グレッグのモノが、根本までその穴に突き刺さる。
グレッグは両手でチャックの両足を抱え、恥部をディーンの前に大きく晒す。
「ディーン、こいつのモノも立っているだろう。よがってやがるんだ」
「ほんとだ」
チャックの白い肌と金の縮れ毛。
その向こうで、ずっぽりと突きたてられたグレッグのモノ。
頬をそめ、揺り動かされるたびにディーンの前で泣き声のような嬌声を上げるチャックには、もはや理性など残っていない。
ゆさぶられるたびに、金糸の中からそそり立つチャックのモノが、ディーンの前でゆらゆらと揺れる。
ディーンは指先で、その先端に、恐る恐るふれてみる。
とたんにビクンとチャックの体が反応し、そのモノがさらに張り詰める。
「や、やだ。やめてくれディーン」
一瞬理性を取り戻しかけたチャックの声が、ディーンの耳をくすぐる。とても年上の青年とは思えない、弱々しい声だ。
もはや言葉の意味はディーンに届かず、ただその声の調子だけが、逆にディーンを駆り立てる。
「もっと力を込めて、握ってやりな」
グレッグが動きを止めてディーンを誘うと、ディーンは言われるままに、チャックのモノを握り締める。
白かったそれは、今やピンクに染まり、びくびくとディーンの手の中で踊る。
そしてディーンが力を込めるたびに、チャックの喉が、耳に甘い嬌声をもらす。
「ヒッ、ヤダ、アッ……」
それが女のあの時の声に似ていることすら、ディーンは知らない。だが、チャックを啼かせることに、ディーンは夢中になっていく。
チャックをゆさぶるグレッグの動きも激しさを増す。
「こいつはこうやって、ベルーニの言いなりに、ベルーニに支配されてきたんだ。ハンターなんてのはな、ベルーニの犬なんだよ!」
グレッグは言葉と共に、精をチャックの穴の中に吐き出した。
そして大きく息をつくと、チャックの状態などおかまいなしに、再び立たせる。
まだ座っているディーンの目線の位置に、びくびくと揺れるチャックのモノがある。
息をあげ、ふらつきながらかろうじて立っているチャックを、座り込んだディーンは見上げる。
「チャック、ミラパルスで縛り首にされそうになっているときと、同じ顔をしてる」
だが、ディーンが受ける印象は、あの時とまるで違う。あの時チャックを処刑しようとしたベルーニ兵が、おびえるチャックを眺め感じていた快楽を、今ディーンも感じ、そそられている。
グレッグが、鼻で笑う。
「ベルーニに死ねと言われりゃ死ぬのさ。魂を売って、権力のおこぼれをもらい、ニンゲン相手に威張るのがハンターの仕事だ」
かろうじてチャックは、身の潔白を申し立てる。
「僕は、……僕は、ハンターであることを嵩に、誰かに無理じいしたことはない。それは信じてくれ」
「だが、他のハンターがそうするのは、黙認してたんだろうが。なら同罪だ」
チャックの頬を、涙がつたう。
それもまた、事実だった。
グレッグが、地面からチャックのシャツを拾い上げて、濡れた自分のモノを拭いてしまいこむ。
ディーンは、目の前にある、金糸の中からそそり立つチャックのモノを、そして泥にまみれながら上気している肢体を、すべてをにじられ失ったチャックを眺めている。
「ディーン。今度はお前の番だ」
グレッグは、ディーンを誘う。
「え?」
「ズボンの前を、こんなにパンパンにしといて、できなくはねぇだろう」
グレッグの手が伸び、ディーンのズボンの前をまさぐると、ディーンは真っ赤になってうつむいた。
だが、期待に鼻息が荒くなっている。
「こいつはな、身も心もベルーニに支配されちまってるんだ。なら、俺たちが忘れさせてやればいい。
こいつも気持ちよがってるんだ。痛めつけてるわけじゃねえ。遠慮はいらねぇさ」
体験したことのない感情に翻弄されるディーンは、グレッグの甘言に惑わされていく。
「下は脱いじまえ。その方が動きやすいぞ」
ディーンは言われるまま、いそいそとズボンと下着を脱ぐ。
その間にグレッグは、チャックを仰向けに地面に横たわらせ、その両足を腕に抱えさせる。
「尻を持ち上げろ」
用意をすませたディーンは、持ち上げられた尻の間で、ピンクに染まった穴がヒクヒク動く様子を見る。ヒクつくたびに、グレッグが注ぎ込んだ白い精が、じわりと流れ出してくる。
グレッグが薄く笑う。
チャックの体毛は、色も量も薄い。その点でもディーンのような初心者向けだ。
ディーンは、しばらくそれに見とれている。ただそれだけで、ディーンのモノも限界一杯まで張り詰めていく。
グレッグが少年のそれに手を添えて、チャックの穴に導いてやる。
最初ディーンは、恐る恐るチャックを貫き、一度貫いてしまうと、その快楽にいっきに溺れた。
チャックの嬌声に混じる悲哀の声も、もはやディーンに届きはしない。そしてディーンもまた、腰を動かしながら、いつしか声をあげている。
「これッ! すげえ! いいッ! なんか! 俺! 変だッ!」
目の前で繰り広げられる、16の少年に犯される19の青年の姿を眺めるグレッグは、ますます笑みの闇を深めていく。
グレッグが本当に欲しいのは、ディーンだ。
ディーンが男に溺れていく様を、グレッグは堪能する。
だが、チャックに溺れさせるつもりはない。こいつはどこかで、切り捨てればいい。
そんなグレッグの思惑など知らず、やがてディーンもまた、びくびくと全身を波打たせながら、精をチャックの穴の中に撃ち放つ。
「チャックの中で、俺とディーンの精が、交じり合ってるぜ?」
ディーンの耳元で、グレッグが囁く。
「こういうのをな、穴兄弟ってんだ」
「俺と、グレッグがか?」
「そうだ」
果てはしたが、ディーンはチャックの体を離そうとしない。一度放っても、まだ勢いの衰えぬモノで、押しつけるように何度もチャックに突き立て、こすりつけている。
ぬぶぬぶと、結合部から精液が漏れ出してくる。
そして、まだ男のどこを責めれば感じさせるのかわからぬディーンの動きにじらされて、チャックは組み伏せられたまま、身をよじっている。
「こいつを見ろ。男に抱かれて、それを見られて、喜んでるぜ? 淫乱なんだ。喜ばせてやれば、もう俺たちを裏切らねえ。
順番が逆になっちまったが、こいつも教えてやるか。見てな、ディーン」
横たわり、まだディーンに嵌められたままのチャックの胸に、グレッグは指を一本落す。
指は鎖骨をなぞり、胸の小さな突起の周囲をめぐり、突起をぐりぐりと執拗に刺激する。
そのたびに、チャックの体がビクンと震える。
言葉にならぬ嬌声が喉から漏れる。
「やってみな、ディーン」
ディーンはそれを真似、そしてチャックの反応に、すぐにその虜になる。
存分に弄び、啼かせるうちに、ひと時止めていた腰の動きを再開する。
ただ貫かれるだけでなく、二人がかりで愛撫され、たとえその一人はまだ稚拙とはいえ、チャックのモノも再び張り詰めていく。
いや、無理やり張り詰めさせられていく。
「ひぁあ、やだッ、やめて、いやだぁ、ひぃ!」
グレッグはころあいと見て、ディーンに愛撫を止めさせると、そのまま張り詰めたチャックのモノを手に包み込み、指先で先端を刺激する。
ディーンに貫かれたまま、彼の目前で、チャックは二度目の果てを迎え、その精液を自分の身に浴びて脱力し、手足を投げ出す。
「さて、そろそろ最後の仕上げといくか」
グレッグは、ディーンの身なりは整えさせたが、チャックにはそれを許さなかった。
尻からは、グレッグとディーンの精液をにじませ、身には己の精液を浴びたまま、まだ地に仰向けに横たわり、再び両手で両足を抱えさせられている。
グレッグは、チャックの尻に手をかけて、ことさら高く持ち上げる。
チャックは自分のモノごしに、グレッグのねっとりとした笑みを見る。
「ディーン、俺の荷物を取って来てくれ」
そしてディーンが行くと、グレッグはチャックに囁いた。
「逃げたり逆らったりしたら、ディーンをお前と同じ目に合わせてやるからな」
チャックは、どんな反応をすることもできなかった。ただもう、逃げることも逆らうこともできないことを、理解だけはした。
「これ、どうするんだい?」
「こいつの腹に詰め込むのさ」
「ええっ! 入るの?」
グレッグが荷物から取り出したのは、魔獣の卵と、鳥のくちばしのような金属の機具。
そのくちばしのような部分が、チャックの穴をこじあける。
接触した時のひやりとした感触は、すぐに強烈な痛みへと変わる。
そして、ゴムボールほどの球が、チャックの内へと押し入れられる。
「アーッ! アアッ!」
痛みにチャックの全身が震え、背筋から広がる寒気が全身に広がり、脂汗が流れ出す。そして喉は魔獣のような叫びを放つ。
それでも容赦なく、その儀式は続行される。
「まだ尻を持ち上げていろ」
くちばしのような機具が取り除かれても、そのポーズを止めることは、許されなかった。
そして尻に、別の何かをねじ込まれる。それは異物感を残したまま、そこに留まる。
これで本当に終わりらしい。
チャックは足を解放するが、二人の前に横たわったまま、脱力感に襲われて、体を動かすことができないでいる。
「チャック、そのままお前はギルドに、魔獣の卵を届けるんだ。そしてカウンターの前で、尻からひり出して渡せ」
あまりにも悪夢のような要求であるせいか、現実感なく耳に響く。
「そうすりゃ二度と、ギルドに足を踏み入れたいなどと、思わなくなるさ」
「あんな大きなもの、出せるのか?」
「これから毎晩、俺たちの前で出し入れさせりゃあ、着く頃にゃクスコがなくとも、できるようになるさ。できねぇなら、ギルド会館のホールで、延々ふんばる羽目になるだけだ」
クスコとは、あのくちばしのような機具の名前らしい。グレッグはブーツの先で、チャックの頬を小突く。
「さあ、起きろ。でねえと腹を蹴飛ばして、今すぐ出産ショーをさせてやるぜ。そして今度は、ハニースデイの真ん中で、お前の腹に魔獣の卵を詰め込んでやる」
二人の男に貫かれ、魔獣の卵を埋め込まれた、けだるい体を無理に起こす。
その時最後に尻にねじ込まれたのは、アナルストッパーと知れた。
手渡された小さなベルトの用途は、説明されなくともわかっている。チャックはそれを、黙って自分のモノに巻く。
自力で外せぬものではないが、排便の自由すら、チャックは失ったことを知る。
泥と血と精液を拭うことも許されず、そのまま身支度を整える。
チャックは渡された皮の首輪を、自ら首に巻き、そこから伸びる鎖の端を、ディーンに渡す。
鎖は短く、その端を持つ手が上がらぬかぎり、チャックは背を曲げ俯いて歩くしかない。
あれから毎晩、グレッグとディーンに蹂躙され続けている。女の子たちの前でのマスターベーションも、強要されて従った。
女の子たちは、まるでチャックなど存在しないかのように振舞っている。
目が合えば、まるで汚い物でも見たかのように、目をそむけられる。
それはそれで、チャックには救いだった。
チャックは、穴の中でこすれあう異物を感じながら、パーティの最後尾を歩き続ける。
ハンターであったときのように、もはや荒野に逃れることすら、できはしない。
誰が見ているというわけでもないのに、地面に向けた顔に引きつった笑みが浮かぶ。
そこからこぼれた水滴が、乾いた荒野に飲まれながら、歩みと共に背後へ消えていく様子を、チャックはただ眺め続けていた。