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『医局第二課、瀬能看護師、陵刀先生がお呼びです。至急、第二課にお戻り下さい』
急に鉄生先生が第一課に頼まれた外来の診察準備をしている時に放送が流れた。
「ん?私?」
「瀬能さん、陵刀に何かしたんじゃねーの?」
「え〜〜?何もしてませんよ〜〜。……陵刀先生が私に何の用だろ…?」
「ま、準備はしとくし行って来ていいよ、瀬能さん。」
「すみません、診察時間には戻りますから。」
「ん、OK!」
診察室を出て第二課の職員室に急いだ。
わたし、陵刀先生に何かしたっけ??やだな〜、何だろ〜〜〜?
第二課の職員室に着き、意を決して
主任室(←いつも漫画や雑誌を読んでる部屋ですιあれって図書室かなぁ?ま、今回は
主任室ってことで。)をノックした。
「は〜い、ど〜ぞ〜〜〜♪」
腑抜けた返事が返ってくるが扉をあけて主任室に入った。
「…ι失礼します…」
「あ、瀬能さん♪待ってたよvvv」
「…あ、あの…私、先生に何かしました…?」
「は??何言ってるの??今日はね、鉄生クンのことでちょっと来てもらったんだ♪」
「鉄生先生のこと…?」
「そうそう♪」
「でね、瀬能さんに頼みたいって言うのはね、鉄生クンを男にしてくれないかな??」
「は??」
陵刀先生は楽しそうに話を進めるが瀬能は間抜けた返事をした。
「鉄生クンは獣医として成長著しいけどやっぱ人間として男としてはまだまだなんだよね〜」
「……?」
「だからぁv瀬能さん、鉄生クンと〜vvv」
コソコソと瀬能に耳打ちをする。
≪セックスするってコト〜〜vvv≫
「!!セ…セ………」
瀬能は驚きのあまり口をパクパクさせた。
「鉄生クンてさ、どう見てもまだ童貞だと思うんだよね〜、やっぱ先輩としては鉄生クンを
大人の男にしてあげたいじゃない??」
「……ιそ…そうかなぁ…ι」
「題して≪鉄生クン、大人計画(笑)≫!!で、瀬能さんに一役かってもらおうと思ったわけ♪」
「…………りょ、陵刀先生…」
「瀬能さんは鉄生クンのコト、キライ?端からみてる僕から言わせると君も満更でもなさそうに
見えるし…どう??協力してくれない??」
「……そ、そんなこと、私、で…出来ません!!それに、わ…私が良くても鉄生先生が…」
「大丈夫、大丈夫!僕が鉄生クンを洗脳でちょちょいのちょいで…」
「へ??」
「いやいや、何でもない、ない♪とりあえず、大丈夫だから鉄生クンのことは僕に任せて〜♪」
「で、でも!先生!!わ、私!」
「大丈夫だって!だからさっきのことは頼んだよ〜?決行日は明日の夜で、場所は追って連絡するから♪
あ、準備があるからちょっと行ってくるね〜」
と能天気に言い放ち主任室を楽しそうに出て行った。
「あ!!陵刀せんせ!!ちょっと待ってください!!本気なんですかぁ〜〜〜??
私はまだOKしてませんよ〜〜、せんせ〜〜!!」
一人残された瀬能は呆然とした。
楽しそうに廊下を歩く陵刀。
ふふ、これで鉄生クンが大人になってくれたら、今後、僕のものになっても大丈夫vv
童貞を奪うのもいいけど、やっぱ女の味も知っておいてもらったほうがこっちも楽だし〜、
何よりも鉄生クン自身が可哀想だもんね〜♪
はぁ〜〜〜〜、楽しみぃ〜〜〜vvv
……あれ…、瀬能さんが処女だったらどうしよ…。
――――――――――…ま。いっか♪何とかなるか♪
第二課の職員室を後にし診察室に戻りながら瀬能は考えていた。
陵刀先生、、本気なのかな…、鉄生先生の大人計画…
鉄生先生とセ…セックスなんて…。どうしよう…、どうしよう、、、、
わ、私、初めてなのにぃ〜〜〜
陵刀先生にこのこと言うのも恥ずかしいけど…言わないと止めてくれなさそうだし…
ちゃんと断わらなきゃ。診察終わったらもう一回陵刀先生に言おう、うん。
あれこれ悩んでるとあと5分で診察時間になっていた。
「あ、大変!早く、戻らなきゃ!!」
瀬能は急いで診察室戻った。
「ごめんなさい、先生!遅くなりました!」
「お!瀬能さん、おかえり!準備は済ませたしそろそろ診察、始めようぜ!」
「は、はい!」
診察が終わり、後片付けをしていると、スタッフ用のドアをノックする音が聞こえた。
「はーい、どうぞ。」
ドアからは陵刀が出てきた。
「2人とも、お疲れ様〜〜」
「お!陵刀!!」
「あ、陵刀先生…、先程の件でちょっと相談したいことが…」
「え?何〜〜?瀬能さん??」
「ちょっと、いいですか??」
瀬能は診察室の隣の準備室を指差す。
「…え〜、何々〜〜?お誘い??エッチだな〜、瀬能さんは(笑)」
「え??そうなの??瀬能さん?」
鉄生が聞く。
「ち、違います〜〜〜、変なこと言わないで下さいよ〜!真面目な話です!!」
笑いながら陵刀と瀬能は準備室に向かった。
「…で。何かな??」
「先程の件なんですが、やっぱり私…お断りします…」
隣の診察室にいる鉄生に聞こえないように小声で話す。
「〜〜〜え〜、何で??」
「………………」
黙る瀬能に陵刀は先程、自分の考えたことが頭をよぎった。
「瀬能さん、もしかして……初めてなの??」
瀬能は恥ずかしそうにコクリと頷いた。
「だから…わたし…」
「―――――ん〜、大丈夫だよ、僕がちゃんとその辺も教育しとくから、心配無用だよ、瀬能さん」
「え??」
「鉄生クンのことスキなんでしょ?大丈夫、任せて!ね??」
今一歩気が進まない瀬能だったが、
「…………………わ、分かりました」
その返事を聞くと陵刀の表情が明るくなり
「瀬能さんに絶対、悪いようにはしないから大丈夫だから。」
念を押し瀬能に語り掛けた。
話を終えた瀬能と陵刀が帰ってきた。
「お待たせしました、、鉄生先生」
「おう。」
「あ、鉄生クン、これからちょっといいかな??」
「んぁ?何だよ?」
「ちょっと、今度診てもらいたい動物がいてね、その動物のコト勉強してもらおうと思って勉強会をね。」
陵刀はにこにこしながら鉄生に話した。
「おう!いいぜ、何の動物だよ?」
陵刀はしめしめと言う顔で
「フフ、それは勉強会に来てのお楽しみvvv大丈夫、カワイイ動物だから〜♪」
「ふ〜ん。分かった。じゃあ、瀬能さんも一緒に行こうぜ!!」
「!あ、鉄生クン、瀬能さんは今回はいいよ。」
「んぁ?何でだよ?…!あ、さっきの呼び出しの時にもう説明したのか?」
「…へ?あ、そうそう、そうなんだよね〜、ね?瀬能さん♪」
「あ、はい!そ、そうなんです〜」
「そっか、じゃ、瀬能さん、又、明日!お疲れ〜。いこーぜ、陵刀!!」
「うん♪」
鉄生は楽しそうに部屋を出て行った。そして陵刀は瀬能を見て口パクで
『マ・カ・セ・テvvv』
ウィンクして鉄生の後を追う陵刀を見送った。
『ちょっと、今度診てもらいたい動物がいてね』
『大丈夫、カワイイ動物だから〜♪』
先程の陵刀の言葉が思い出される。
動物…って、まさか…、まさか…、わ、わたしなの〜〜〜?
……大丈夫かな、陵刀先生と鉄生先生…ι