最低な馬主  
 
有名な話ではあるが競馬社会とは閉鎖的な社会である。巨大な金が付きまとう世界ならではの闇が存在する。無論ポリシーをもって馬主をしているものもいるが中には外道以外の何者でないものがいるのは事実だ。これはそんな馬主の話である。  
 
弓長興道はそうとうの馬を持っている馬主だ。GTもいくつか勝ったことのある有力な馬主で、サークル内での発言権も強い。そう、彼の一声で干されてしまうものが出るくらい。調教師にとっては彼のご機嫌取りは死活問題だった。  
 
星田順はことし33歳になったばかりの若い調教師である。  
茶色のショートヘアとやや寄り気味の瞳が可愛らしい女性だった。  
マスコミも彼女が、異例の若さで調教師になった頃はその容姿も  
あいまってずいぶんとりあげたものだった。  
厩舎開業当時、弱小の馬主の馬で重賞に何頭も送り出し、  
勝利をして確固たる地位を得たかに見えた彼女だったが  
そういう馬主ではあたりを引けない状態が続けば干からびてしまう。  
ここ3年は、オープン馬すら出ない有様だった。  
今年も夏に始まるデビューに向けてこれといった良血馬も、  
目が覚めるようないい雰囲気の馬もいなかった。  
 
6月にある一口クラブの会に参加したときに、彼女は初めて弓長と出会った。  
顔にしわのある50歳ぐらいのおとこの顔は脂でてかてかとしていて、  
お世辞にもダンディという言葉は似合わなかった。  
「君は、星田君って調教師だね?私は弓長興道というんだが。」  
いきなり君よばわりされて、憤慨を覚えたが名前を聞いて一応頭を下げた。  
「初めまして。ええ、調教師をしております、星田順といいます。」  
「まだ若いのに、すばらしいことだね。重賞もいくつか勝ったトレーナーさんだしね。」  
「ええ、しかし・・・」  
思わず口ごもった。ああ、もういやになっちゃう。この男は知っていてわざといっているのだろうか。  
「最近は、さっぱりですけどね。」  
吐き捨てるよう言う。と、弓長の目が舐めるような目で自分を見ているのに気がついた。  
スカートから見える脚から自分の顔まで粘りつくような視線に順は少し寒気を覚えた。  
「うんうん。そうみたいだね。・・・どうだい、ここで会ったのも何かの縁だ。  
私の馬を預かってみる気はないかね?」  
思わぬ言葉だった。とたんに顔が輝く。寒気なんか吹っ飛んだ。  
「本当ですか?!」  
それにゆっくりとうなずく弓長。  
「本当だとも。ちょっと期待している2歳馬がいるんだが、まだ入厩先がきまっていなくてね。  
他にも何頭かいるんだが・・・空きはあるかね?」  
弓長のところの馬が入れば勝数は間違いなく増える。  
それでも大レースはそうそう勝てるものではないが、未勝利で終わる馬はあまりいないだろう。  
「大丈夫です!4頭くらいなら空きがあります。」  
「4頭か。うんうん、じゃあ今度、厩舎のほうにお邪魔するからそのときに頼むよ。」  
そういうと、弓長は手を出した。喜びで舞い上がっていた順はぎゅっと握手をした。  
そのとき彼が、さっきの目をして唇をなめたことには気がつかなかった。  
 
JRAへ、弓長は申請をしてくれ星田厩舎には2歳馬が入ることが決定した。  
厩舎のスタッフは大いに喜んだ。そしてその正式な知らせが届いた日、厩舎の事務所に弓長が訪れた。  
「弓長さん、どうもいらっしゃいませ。今回はありがとうございます。」  
「あ、いやいや。それよりうちの子をよろしくお願いするよ?  
なんたって、サンデーサイレンスにブライアンズタイム、まぁちょっと落ちるがフジキセキだ。」  
順の入れたコーヒを飲みながら、ふーっと息をつく。順はスチール製の机のほうへ戻りながら礼を言った。  
「本当に、ありがとうございます。ダービー目指してがんばります。」  
「よろしく頼むよ。・・・でもな。」  
そういうとカップを置き、弓長が立ち上がった。ゆっくりと順に向かって歩いていく。  
「はい?」  
ゆっくりと近づいてくる弓長を不思議そうに見ていると、彼の右手が伸びてきた。  
その手は彼女のTシャツの左の胸を掴んだ。  
そのまま後ろに回り、もう片方の胸へと手を伸ばそうとするのを身を震って避けようとする。  
「ちょ、ちょっとなにするんですか!」  
「あん?」  
結局抱きすくめて両方の胸を揉みしだく。乳首を人差し指で、刺激する。  
「や・・あん・・やめてくださ・・い。」  
パシッ!順の右手が、弓長の左手を叩いた。彼は手を動かすのをやめた。  
「こんなことして、いいと思っているんですか?!」  
怒りと辱めで声を荒げて言う順。しかし、それに対しての返事は呪縛への呪いだった。  
「こんなこと?おいおい、冗談言うなよ。」  
「な、なにを。」  
「俺の馬を預けるってことは、俺の言うことに従うってことだ。  
それぐらいわかっていないわけじゃないだろう。」  
 
「ひ、卑怯よ!今からでも、馬を返すから二度とここにっ・・・」  
それを聞いても弓長はニタニタといやらしい笑いを浮かべたままだった。  
「もうJRAに提出したんだ。ほれ、この通りな。」  
馬主用の申請受諾用紙をひらひらと見せる。  
「て、転厩させるわ。」  
「すぐにはできないだろう。お前の独断でスタッフを苦しませるつもりか?」  
この男は、弓長興道という男は父の財を元にさらに発展を遂げた会社のトップであり  
自分の欲望を満たすことをいとわない、そのエネルギーが彼をここまで押し上げたのだと悟った。  
「訴えてやる・・・。競馬サークルから追放させてやるんだから!!」  
「お前がな。俺にさからえるわけないだろうが、もみ消すくらいワケない。  
・・・ふふん。もっといいことを教えてやる。」  
めまいを覚えながら、順は必死に答えた。  
「な、なによ!」  
「お前に会うことから、預けることまで全部仕組んだことだ。ここ数年、馬がまわらなかったこともな。」  
「うそよ!そんな、そんなこと!」  
「本当だ。これも全部こうするためさ、ククク」  
弓長は、全てにおいて計算づくだったのだ。彼はデビューしたときに彼女を見初めた。  
彼にとって女とは快楽の対象でしかなく、追い詰めて逆らえない状態にしやすい競馬社会ほど  
都合のいいものは無かった。  
順自身が不思議に思っていたことだった。あきらかに親交のあった馬主からも  
高額な馬がまったくこなくなったこと。  
それも、彼女は自分の調教技術を信じてくれているからだと考えていたが、やはり勝てない。  
それが彼女を弓長の馬を預かれることを喜ばせた理由だった。  
弓長の手が伸び、また胸を揉み始めた。  
「クゥ・・・ウウ・・・」  
涙を流す順のウインドブレーカーを脱がせ、Tシャツをまくりあげる。  
 
ブラごしに何回かこねくったがすぐにずらすと、ピンクの乳首が出て指で挟んだ。  
しばらく揉むと彼は自分のズボンのジッパーを下ろした。黒い陰茎が、にゅっと姿を現した。目をそむける順。  
「おいおい、なに横向いているんだ。これを出したってことはどうすればいいのか、分かるよな?」  
「わ、わかるわけないでしょ!?」  
「そうか、じゃあ教えてやる!」  
口を開けさせ、そこに自らの陰茎を押し込んだ。  
「ぐ、ぐっ・・んーー!」  
腰を振って、順の口内を弓長の肉棒が蹂躙する。ぬるぬるとした口の粘膜を愉しみ、顔が上気してくる。  
「お、お、なかなか気持ちいいぞ・・・そらっ!」  
ニュピュー!!ドクン。  
順の口内に弓長の精が放たれた。引き抜いた彼のモノと彼女の口の間を白い糸がひかれている。  
「けほっ、けほっ!」  
 
服装を正しながら弓長は言った。  
「今日は、ここらへんでな。また、今度。」  
最後の"今度"には、含みがあるのは明らかだった。順の苦悩は始まったばかりである。  
 
 

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