start of...verDS  
 
真昼とサクラが二人の思いを確かめ合っていたころ。  
「……あうう……」  
ディーの部屋で、セラは真っ赤になってベッドの上に横たわっていた。  
そのセラをディーが抱きしめている。  
 
………別に事後という訳ではない。  
 
重力制御でディーをディーの部屋のベッドまで運んでディーを無理矢理ベッドの中に押し込み、ディーが寝るまでずっと見張りながら話そうとしていたまでは良かった。  
………ディーにベッドの中に引きずり込まれるまでは。  
 
「ねえ、セラ」  
逃げないようにしっかりとセラを抱きしめるディーの左手には『陰』が握られている。いや、離せないと言った方が正しいか。  
多少治癒しているとはいえ、まだディーの身体は痛覚制御と『陰』に埋め込まれている『森羅』の助け無しではまともに動く事すら困難だったから。  
「あ、あのっ、ディーくん、大丈夫ですか?」  
「うん、大丈夫だよ」  
そう答えるディーに浮かんでいる表情はいつもと同じようで何処か違う微笑みで。  
「こんな事も出来るから」  
そう言うと、ディーはいきなりセラの服の中に右手を突っ込んだ。  
「!!?」  
突然の事に身体をこわばらせるセラ。それを見たディーは微笑みを深めると、セラに口付けた。  
「ん!!んむ!?でぃっ………んっ!」  
セラの口の中に舌を差し入れ、口の中を撫で上げながら、ディーはやわやわとセラの胸を揉みしだきだした。  
ちょうど手にすっぽりとおさまる微かな膨らみを慈しむように揉みあげ、掌で先端を擦り続ける。  
セラの吐息の中に甘い物が混ざるまで、それ程時間はかからなかった。  
 
思う存分セラの口内を味わうと、ディーは口を離した。  
「〜っ………ふ………ふあ………」  
途端に糸が切れたかのようにぐったりと横たわるセラを見ながらディーはくすくすと笑う。  
「ディー………くん………?なん………で………こんな………事………」  
途切れ途切れになりながらも何とか質問を紡ぐセラ。  
それに何故かいきなり赤くなりながらも、ディーは口を開いた。  
「姉さんに………さ、好きになった人には告白の前にこうしろって言われたんだ」  
 
―――セラは硬直した。  
 
クレアはずっとディーと一緒にいたいと願っていた。まるで一人の恋する乙女のように。  
そんなある日にクレアが読んだ小説の中に「既成事実」という言葉が出て来た。そして、クレアはその意味を知っていた。  
クレアは考えた。いつかディーに抱いてもらってそれを使ってずっと一緒にいようと。  
そしてクレアはディーに言った。  
「いい?もしもディーが誰かを好きになったら、告白する前にえっちしちゃうの!そうすれば絶対に成功するから!」  
 
………それがこんな事を招くとは、クレアも予想していなかっただろう。  
 
 
 
ディーの話を聞き、セラは真っ赤になっていた。  
無理もない。それはディーがセラに告白したのと同じ意味を持っていたから。  
ディーと顔を合わせられず、セラは深く俯いた。  
 
「きゃんっ!?」  
 
………急にセラは声を上げた。  
ディーが胸の上に置き続けていた手を動かし出したから。  
優しく動き続ける手に、セラはぞくぞくと背中に走るものを感じながら、甘い吐息を吐き続け、  
 
………急に早くなったディーの手の動きに翻弄された。  
「きゃう!?あ、う、んん、ふ、あ、ああ!でぃっ、く、や、め、ふああ!」  
異常な程の速さで胸を這い回るディーの右手に、セラは翻弄され、ただ甘い声を吐息と一緒に吐き出す事しかできない。  
と、ディーの手が服の中から抜かれ、  
 
一瞬の内にセラの服が脱がされた。  
 
「え、あ、きゃあっ!!」  
一瞬のうちに全裸にされ、セラは慌てて胸と秘所を隠す。  
するとすぐに秘所を隠した手が取られ、ディーの手がセラの秘所を擦り立てた。  
 
ディーは必死だった。  
急にセラの反応が異常な程に高まったのに気付かなかった。  
そして、その瞬間に脳内にあるメッセージが表示されたのにも気が付かなかった。  
―――『身体能力制御』起動、倍率を運動係数40倍、知覚係数1倍に設定。  
 
「きゃ、あ、う、ふ、あ、く、ひゃ、ん、ああ、う、ふああっ!でぃ、く、や、め、あ、あ、あ」  
通常の40倍もの超高速で秘所を擦られ、セラはもの凄い快感にまともに言葉を発する事すら出来ない。  
………当然だ。普通の状態で指を動かすだけでも残像が出来る程の速度が出せる。それが40倍だ。  
指先の速度は時速数百q、いや、ひょっとすると音速の域にすら達しているだろう。  
そんな速度の指で秘所を責められる女など今までにいなかったに違いない。  
 
―――その指の動きが生み出す快感に、ろくに自分で慰めた事すらないセラが耐えられるはずも無かった。  
 
「ひゃ、あ、う、うあ、だ、め、も、だ―――っ!ひ、あ、ふあああああっ!」  
身体をがくがくと震わせながらセラは達し、限界まで背筋を反らせ、脱力してベッドに崩れ落ち、荒い息をつくセラ。  
ディーはそれを見詰め、そして思った。  
 
―――やっぱり初めては痛いだろうし………するのはもっともっと感じさせてからにしよう。  
 
「はう!?ふにゃあっ!で、でぃっ、く、もっ………ふあああっ!」  
―――もう少し………かな?  
「あう、ふあ、もっ、やめ、ああん!やあああああああーっ!」  
セラはがくがくと震えると、崩れ落ちた。  
もう10回以上も達し、意識は朦朧とし、ただただディーの責めが終わるまで耐え続けるしかなかった。  
 
もはや息も絶え絶えのセラを見、ディーは一人思考する。  
―――もう………いいよね?  
 
「セラ?大丈夫?」  
「でぃー………くん………」  
感じすぎて呂律が回っていないセラを優しげな微笑みで見つめ、ディーは躊躇いがちに口を開く。  
「もうそろそろ………いいかな?」  
「ふえ………?」  
 
セラはぼーっとした頭でその意味を考え、一気に顔を真っ赤に染め上げた。  
まだ年端も行かない少女とはいえ、暮らしていた場所柄、セラは「そういうこと」に関する知識が一般的な10歳の少女とは比べ物にならないほど豊富だった。  
「え………あ………う………」  
心拍数は急上昇、まともに喋る事も出来ず、セラはただただ俯くだけ。  
「やっぱり………駄目かな………?」  
「ち、違います!」  
答えられないセラに何を感じたのか、少し悲しそうな表情で身体を離そうとするディー。その身体に、セラは思わずしがみついた。  
 
「違………う………?ねえセラ、それって………」  
ディーの声にセラは跳ね上がり、真っ赤になりながら言葉を紡ぎだす。  
「でぃっ………ディー君なら………いい………です………」  
その声にディーはびっくりしたように目を瞠り、優しく微笑むとセラに口付け、  
「ひぐうぅぅぅぅぅっ!?」  
 
―――終わり終わらず始まって、今が目覚めの時間なり。  
 
「ひっ………はっ………」  
「大丈夫?セラ」  
身体を裂くほどの痛みに涙を零しながら耐えるセラを、ディーは優しく抱き締める。  
ゆっくり背中を撫で続けると、少しずつセラの身体からこわばりが抜けていく。  
「はあっ………ふっ………動いて………いいです………よ………」  
その小さな身体に溢れるほどの優しさを詰め込んで少女は微笑む。  
その笑みを見て、ディーはゆっくりと動きだす。  
 
「ひんっ!………ふあっ!」  
「っ………ぁ………」  
セラの締め付けはきつく、すぐにでも出してしまいそうになるのをこらえ、ディーは少しずつ動きを早めていく。  
「ひゃうっ!くうん!あっ、あっ、きゃうん!」  
「………!」  
「あ、うあ、でぃっ、くん、もっ、駄目ぇ………!」  
「セ……ラ………!」  
―――全ての終わりと全ての始まり―――  
「ふあ、ああ!や、くうん、ふあああああぁぁぁぁぁーーー!」  
「うっ………あああっ………!」  
―――今、彼等は本当の始まりを迎えた―――  
 
 

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