「ここに、我々『賢人会議』はシティに宣戦を布告するものである」
フッ―――
サクラはその言葉を告げると同時に送信を切った。
「真昼、コントロールを戻してやれ」
「了〜解っと」
真昼の指が魔法のようにタッチパネルの上を走る。
「後は任せたぞ、私はもう休む」
「え・・・?まだ昼だよ?」
「私はまだ治りきっていないのだぞ?私の記憶が正しければ「治りきるまで安静にしておいた方がいい」と言ったのは真昼だが?」
「・・・そだったね」
そのまま部屋から出て行こうとするサクラに、真昼は思い出したかのように声をかける。
「サクラ、そういえば「ディーくん」は?」
「デュアル33ならセラが重力制御で運んでいったが?」
「『ディーくんは怪我人なんですから動いちゃ駄目です!』だったっけ?」
「ああ、そう言う事だ。」
二人の間に何とも言えない沈黙が走る。
「・・・もう話は終わりか?」
「そだね」
「では部屋に戻らせてもらう」
素っ気無い会話の後、サクラは自分の部屋に戻り、ベッドに横になった。
―――真昼。
気付くと真昼の事ばかり考えている自分に気付き、苛立ちを覚える。
いつもそうだ。真昼の微笑みを見ると、真昼の声を聞くと、真昼の事を考えると、理由も無い苛立ちに襲われる。
かと思うといきなり顔が熱くなり、自分の制御が利かなくなる。
―――今度セラにでも聞いてみようか。
そう思った瞬間。
「っ・・・ふ・・・」
―――っ!?
いきなり自分の口から走った甘い吐息にサクラは驚愕した。
私は何を―――
「ふあっ!」
気付けばサクラの指はズボンの上から秘部を擦りたて、指が敏感なところの上に触れるたびにサクラの脳内に電流に似た快感の波が走った。
「ふあうっ!っ、はっ、はああっ!」
―――私はこんな事をやろうとは思って―――
「きゃふっ!っあ、かっ、はっ・・・んあっ!」
自分勝手に動き回る指に翻弄され、指が送り込む快感に脳を塗り潰され、サクラは悶える。
「っは、んんっ、ああっ!んはっ、ふうっ・・・・・・ふあああぁぁぁんっ!?」
指はそのままズボンの中に入り込み、ショーツの中にまで入り込み、サクラの秘部の中にその身を沈めた。
「ああっ!んああっ!きゃうん!くうあっ!うああっ!ひっ・・・はああっ!」
擦られるのとは比較にならない程の快感に、サクラはもはや絶叫に近いほどの嬌声を上げていた。
「っああ!ひゃあんっ!っひ、くふっ、ひゃああっ!」
自分が出している声とは思えない声にサクラは顔を真っ赤にさせ、ただただ快感に耐えていた。
「ふああん!あひっ、くんっ、あっ!あっあっ・・・まひ・・・るっ・・・」
―――私は今何を言った?
かろうじて残った冷静な部分がその声を聞き取った。
「あああっ!ふあああん!ひううっ!真昼っ、真昼ぅ!」
―――私は何故こんな時にあいつの事を!
口から吐き出される自分の声に―――真昼の名前を叫ぶ声に―――混乱するサクラ。
そして、終わりは唐突に訪れた。
「ひあっ!ひぃぃんっ!っ、あっ、んんんあああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」
―――頭が・・・真っ白になる―――
「っぁ・・・ふ・・・ぁ・・・」
絶頂に登りつめ、サクラはぐったりとベッドに沈み込んだ。
―――私は何故最後の時に真昼の名を呼んだ?
「何故・・・真昼の名を・・・?」
サクラは思わずその疑問を口にする。
すると―――
「・・・僕がどうしたの?」
―――突然、声が聞こえた。
「・・・ん?」
電波ジャックを解き、真昼も少し休もうかと席を立ち、それを見つけた。
「これ・・・」
―――サクラのナイフだよね?
その細い刀身、銀色の輝き、・・・何処からどう見てもサクラのナイフで。
「まあどうせ暇だし」
サクラに届けようと真昼は、サクラの部屋へ向かって歩き出した。
「ふう・・・」
―――贅沢は言えないけど・・・やっぱり遠すぎるな・・・。
シティ・メルボルン跡地から逃れ、一時的にここを仮の宿にしているだけだし、昔は研究施設だったと見えて、なかなか高性能な端末もあり、
一応生活に耐えられる部屋もあり、逃亡生活を送っている中、ここはかなり環境が整っている場所なのだが、唯一の欠点としてはこの広さだった。
生活出来る部屋の間の距離が遠すぎるのだ。
身体制御能力を持っているサクラとディーならそれ程時間を掛けずに部屋まで行けるし、セラも重力制御を持っているから少なくとも疲れずに行く事が出来る。
だが、I‐ブレインすら持っていない真昼にとっては自分の部屋まで10分近くかかるというのは不便以外の何者でもない。
―――でも他の部屋は使い物にならないしなあ・・・。
そんな事を何となく考えながらサクラの部屋に向かって歩いていくと、
「っぁ・・・ぅ・・・」
「・・・ん?」
何か声が聞こえた様な気がして真昼は思わず立ち止まった。
「っは・・・んぅ・・・」
やはり声が聞こえる。しかもそれは・・・。
―――サクラの部屋から?
真昼は多少焦りながらサクラの部屋に向かって走り出した。
「っひ、ぅぁ、くうっ、ふあんっ!あううっ!」
―――これ、まさか・・・。
サクラの部屋に近づくにつれだんだんと大きくなっていく声、真昼はサクラの部屋の前まで来てようやくその声の正体に気付いた。
―――部屋に入る訳にもいかないし・・・明日にでも渡すか。
聞いていられなくなった真昼は、多少戻った所にある自分の部屋に戻ろうとした。
「ふああん!あひっ、くんっ、あっ!あっあっ・・・まひ・・・るっ・・・」
―――え?
その時聞こえた声に真昼は硬直した。
「あああっ!ふあああん!ひううっ!真昼っ、真昼ぅ!」
―――サクラが、こんな事をしてる時に僕の名前を・・・
どんな鈍い人間だってその示す意味は明確に判る。ましてや真昼は人一倍鋭い頭の持ち主。判らないはずが無かった。
「ひあっ!ひぃぃんっ!っ、あっ、んんんあああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」
―――しても・・・いいんだね?
「何故・・・真昼の名を・・・?」
サクラのその声を聞いた途端、真昼はいきなりドアを開け中に踏み込んだ。
「・・・僕がどうしたの?」
「サクラ」
いきなり掛けられた声に、サクラは文字通り飛び上がった。
大慌てで声がした方を振り向くと、そこには真昼が立っていた。
「ま、まっ……真昼!?」
上げた声は完全な悲鳴。
心臓が変則の8ビートを刻みだし、顔がみるみるうちに真っ赤に染まる。
「……サクラってこんな事やる人だったんだね……」
「!!!!!」
そう真昼は呟き、
どさっ。
「ま、真昼!?」
サクラに覆い被さった。
「ま、真昼!貴方は一体何を……ひゃんっ!?」
「ここがどうしたの?」
「んっ……ふあ……いいからど……あっ!?」
驚きながらも覆い被さってきた真昼を押し退けようとしたサクラだが、それより一瞬早く真昼の指が服の上から胸の先端を掠める。
それだけでサクラは痺れるような快感に襲われ、身体に力が入らなくなってしまう。
「くすっ……やっぱり一回イった直後って敏感なんだね」
「〜っ!や、やめろぉ……っ!」
「ふーん、まだそんな事言うんだ……お仕置きかな♪」
「な、何故そんな……ひあっ!?そ、そこはやめ……ふああああっ!」
それでもまだ抵抗しようとするサクラだが、真昼の指がズボンの中に進入し、秘部に軽く指を入れられると思わず真昼にしがみついた。
「やああっ!うあっ!まひっ……やっ……ああうっ!」
「嫌なの?」
「あ、当たり前……きひぃぃぃっ!?」
「でもここは欲しい欲しいって泣いてるよ?」
そう言うと真昼は秘部に挿入してある指の数を二本に増やし、まるで全力でタイピングをしているかのように指を激しく動かしだす。
それが生み出すもの凄い快感に、サクラはただ真昼にしがみついて声を上げ続けるしかなかった。
「あっあっあっ!うあああっ!も……もう……っ!もう駄目……!」
「うん、イっていいよ?」
真昼はそう言うと秘部をかき回す指の動きを緩めないまま、秘部の直上の突起を親指で押し潰す。すでに限界に達していたサクラに耐えられる訳がなかった。
「んんああああああああああっ!!!」
「はあっ………はあっ………」
立て続けに絶頂においやられ、サクラは荒い息をつく。
しかし、真昼がぐしょぐしょになったサクラのズボンと下着をはぎ取ると、慌てて抗議の声を上げた。
「真昼!いいかげんに………っ!」
「気持ちよくなかったの?」
しかし、真昼の微妙に論点がずれた反論に図星を突かれたサクラは、真っ赤になって口ごもる。
−−−あれだけ感じまくっていて気持ちよくない訳が無いだろう!
思わず心中で叫ぶ。すると、
「………そんな事言われたらもう我慢出来ないからね?」
………口に出していた事に気付き、サクラは飛び上がろうとする。しかし、真昼に完全に押さえ込まれている状態ではそんな事は不可能で。
「あ、貴方は一体何を!−−−んむっ」
叫んだ口は真昼に塞がれ、そして、
「んっ、んんんんんんんんーっ!?」
いきなり身体を裂くような痛み(実際はI-ブレインが痛みを感じる前に数値データに変えていたが)にサクラは驚いたような表情を作る。
「なっ………何をしている!?」
「あれ?初めてって痛いはずなのに………。あ、そっか。I-ブレインだね?」
「な、何がだ?」
「………だったら動いても大丈夫だよね」
「真昼!人の話を………ふあっ!?」
完全にサクラの話を無視して勝手に動き出す真昼。真昼の理性の糸はサクラの部屋に入った時にすでに切れていた。
ここにいるのは天樹真昼という名のただの男にすぎない。
「ふああっ!んくうっ!………ひああああああっ!?」
天樹真昼には経験は無かったが知識は十分に持っていた。そしてタイピングで鍛えられた繊細な指の動き。
それは知識も経験も無い少女の快感を呼び覚ますには十分すぎた。
右手でクリトリスを摘み、指の腹で転がし、押し潰し、空いた左手と口でサクラの胸を責め立てる。もちろんサクラの最奥を突きながら。
「ひにゃあっ!ひゃんっ!くああ、ふあ、ああん!や、め、あう、くはあっ!」
敏感な4点を容赦なく同時に責められているサクラはすぐにも達してしまいそうな快感に耐え続けていた。
そして、真昼が自分の初めてだった事を喜んでいる自分に気付く。
―――ああ、そうか。私は、真昼の事を―――
「あああ、あっ、まひっ、るっ、好き、好きぃっ!」
―――っ!?
突然好きと言い出したサクラに、ほんの僅かに真昼の理性が戻った。
―――サクラ。
「僕も、好きだよ。サクラ」
「ふにゃあっ!きゃふ!くぅ、ふあ、ひああっ!」
真昼が答えた途端反応が激しくなるサクラ。真昼はそんなサクラに微笑するとさらに激しく責めたてた。
「くうんっ!まひ、る、もう、げんか、いっ―――」
「く、ぅ………!」
―――そう、この時が、
「うあ、いっ、く、あ、あああ!ふあああああああああっっっ!」
「くああっ………!」
―――二人の新たな始まりの時―――