「フィア?入るよ?」
フィアの部屋の扉を開けた瞬間、錬は自分がフィアの許可を得ずに扉を開けた事を猛烈に後悔し、慌てて後ろ手に扉を閉めて、鍵を掛けた。
「錬さん!……どうか、しましたか?」
フィアは錬が入ってきた事に気付くと、ぱあっと表情を明るくさせるが、錬の表情に気付いて首を傾げる。
―――一糸纏わぬ姿のままで。
「え、あ、う……」
華奢で、それでいて柔らかそうな裸身を隠そうともしないフィアに、錬は真っ赤になって声にならない声を上げる事しか出来ない。
「ひょっとして、熱でもあるんですか?」
フィアはそのまま無防備に錬に近づいていき、
―――錬は自分の中で何かが切れるのを感じ取った。
「……フィア」
「はい?……きゃ!?」
フィアの名前を呼ぶなり思い切りフィアを抱き締めた錬に、フィアは驚いたような悲鳴をあげた。
「僕が今からする事の原因、フィアなんだからねっ!」
ふてくされたような錬の声にフィアは首を傾げた。
……すぐに思い知らされる事も知らず。
「んっ!?ん、は、んん!?」
急に口付けられ、フィアは目を白黒させた。と、荒々しく口内を荒され、みるみるうちに息が上がっていく。
「んんっ!っ、ぷは、れ、れん、さ、きゃあっ!?」
ようやく錬の舌から開放されたとフィアが思った瞬間、錬に足を刈られる。
みごとに大内刈りが決まり、フィアは後方のベッドに倒れ込んだ。
「れ、錬さん?」
まだ呼吸を荒くしたままフィアが錬に声をかけるが、錬は答えない。
「あの、何を?」
諦めずに錬に声をかけると、ようやく錬がぼそりと答える。
「同調、してくれる?」
「?」
言葉の意味が判らず、フィアは首を傾げるが、錬の言う通り天使の翼を広げる。
―――そして、流れ込んできたイメージに、フィアの体中が同時に真っ赤になった。
「……分かったでしょ?」
そう聞く錬に、フィアは頷く事すら出来ず、ただただ真っ赤になるだけ。
「……ごめん、もう、無理だから」
そう言うと、錬はもう一度フィアに口付けた。
「っ!むう、ふ、は、ふううん!?きゃう、ふみゅっ!」
今度は口内を荒らしながらフィアの膨らみをふにふにと揉んでいく。
と、その度にフィアの身体は打ち上げられた魚のようにびくびくと跳ね回った。
そして錬が唇を離すと、フィアの口から、紛れも無い嬌声が飛び出した。
「ふあう!や、れ、れんさ、くああっ!?だ、め、ですっ、あう!そ、こ、ふああっ!」
口では拒否するフィアだが、膨らみの頂点で自己主張を始めた突起を摘むと、さらに反応を強くする。
そして秘所に触れていた膝が微かな湿り気を感知し、錬はくすり、と微笑む。
「フィア……感じてるんでしょ?」
「!!! ち、ちが、あああっ!?」
「違わないよ。………そんな事言う子は、お仕置きかな?」
ぐりぐりと膝で秘所を刺激すると、フィアは喘ぎ声をあげながら膝から逃れようとする。……しかしそれを錬が許すはずもなく。
フィアを逃がさないように空いた左腕でフィアの身体を抱え込み、錬は胸への刺激を再開した。
「やああっ!あうう!ふあ、や、あ、ああうっ!れん、さ、もっ……!」
二点への激しい責めに、フィアはがくがくと身体を震わせる。
―――そろそろ……かな。
と、錬はフィアを固定していた左腕を外すと、フィアのクリトリスを摘み上げた。
「あああああ!?きゃ、あ、れ、ん、さ―――っ!ああああああぁぁぁああぁああっ!」
ぴん、と身体を硬直させ、フィアは絶頂を迎えた。
「はあっ……はあっ……」
一気に絶頂まで持っていかれ、フィアは荒い息をつく。と、錬がフィアの耳元に囁く。
「……まだまだ、これからだよ?」
「っ!んきゃあああぁぁっ!」
その言葉と同時に指を秘所の中に埋められ、フィアは錬にしがみついて喘ぎ声を上げた。
「あ、あ、あ!んああっ!」
乱れ続けるフィアを見ながら、錬はささやく。
「ねえ、フィア……。もう、我慢できないんだ……」
その言葉にフィアは、がくがくと快感に震えながらも答えた。
「れん、さっ、あ!わたしは、ひああっ!いいですっ、から―――!」
―――フィ……ア……。
その言葉を聞いた錬は、フィアを苛めていた指を引き抜くと、そこに自身をあてがった。
「錬、さん……」
「―――ごめんね?」
そう錬は言うと、フィアと唇を合わせ、一気に自身をフィアの中に挿し込んだ。
「―――っ!!!」
「あ……ぐ……ひう……」
がくがくと痛みに震えるフィアを、錬は優しく抱き締める。
「大丈夫……大丈夫だから」
そう言いながら背中を優しく撫でると、少しずつフィアの表情が柔らかくなってゆく。
「……いい?」
「……はい」
そして、錬はフィアの中の自身をゆっくりと動かしはじめた。
「ひっ……はっ!」
「フィア……フィア……!」
少しずつ嬌声を上げ始めたフィアに、錬は飛んでしまいそうな最低限の理性と戦っていた。
「ひ……きゃう! ふあ、あう!」
突きながら胸の先端で自己主張しているものを軽く舌で転がすと、フィアは面白いように反応を見せる。
―――すごい、可愛い……
そして、錬が自覚しない内に、少しずつ腰の動きが速度を増して行く。
「あ、ああああう! きゃんっ! も、駄目……!」
「うん……僕も……そろそろっ……!」
突くたびにがくがくと震えるフィアをぎゅっと抱き締めて、錬はこれまでにない程深く、フィアの中を抉った。
「ひ……! あああああああああぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁあぁあ!!!」
「う……あ……!」
―――好きであると言う気持ちは、誰もが持っている事。
―――だから、それでいい。その気持ちに正直になれれば……それで、いい。