私室の中で、何か薬品の調合をしていた真昼は、すっと立ち上がる。  
 
「……出来た」  
そう言うと、真昼はくすくすと笑いはじめた。  
「サクラが、いけないんだよ? あんなに可愛すぎるから……」  
その笑みはどう見てもいつもの真昼のもので、しかしそれはどう見ても怪しい薬品を手に持ったままで浮かべる種類の笑みではないことも確かで。  
そのまま真昼はくすくすと笑い続けた。何故か電気マッサージ器を見つめながら。  
そして妙な突起が4箇所あるベッドを見ると、真昼は一人ごちた。  
「壊れても、ずっと好きだからね……サクラ」  
 
 
 
「用とは何だ? 真昼」  
急に真昼に呼び出され、サクラは真昼の部屋に入るなり不機嫌さを隠そうともせずにそう吐き捨てる。  
その顔には「くだらない用なら即帰る」とはっきりと書いてあったが、真昼はにこにこと笑ったまま、話し出す。  
「ああ、その事なんだけどね……飲み物でも飲みながら話さない? 結構時間かかると思うし」  
「? ああ……」  
飲み物を勧められ、サクラは微かに怪訝そうな表情をしたが、椅子に腰掛けると、差し出されたジュースに口を付ける。  
……その瞬間、真昼の表情の端に笑みがよぎった事に気付かないまま。  
 
 
 
「……」  
「で、これなんだけど……、サクラ、どうかしたの?」  
30分後。サクラのI-ブレインについて話していた真昼が、黙りこくっているサクラに声をかける。  
「い……いや……何でも……ない……」  
そうサクラは答えるが、顔を赤らめ、時折身体を震わせるその姿は、どう見ても「大丈夫」には見えない。  
と、真昼は急に座っていたベッドサイドから立ち上がると、にっこりと笑って言った。  
「……効いてきたみたいだね?」  
「!!?」  
 
「ま、まひ、るっ! 何を、飲ませた!」  
慌てたようにサクラは怒鳴るが、蕩けたような表情で言っても全く意味は無く。  
真昼は無造作にサクラに近付くと、サクラに手を伸ばしながら、言った。  
「こんな薬だよ」  
「ひああうっ!?」  
その言葉と同時に軽く胸の先端を服の上から摘まれ、サクラは異常な程の快感に身体をそらせ、脱力した。  
そんなサクラを真昼は軽々とベッドに運ぶと、服を剥ぎ取りはじめる。  
もちろんサクラは抵抗しようとしたが、その瞬間にまた胸の先端を摘まれ、抵抗を封じられる。  
あっという間にサクラは生まれたままの姿にされ、さらにその両手両足を固定された。  
 
「ま、真昼! 一体何をするつもりだ!」  
足を大股開きに固定され、隠すことも出来ず、真っ赤になってサクラは叫んだ。  
その叫びに真昼はにっこりと笑うと、嬉しそうに答えた。  
「サクラを、僕のものにしようと思ってね」  
「―――っ!? な、何、を」  
「サクラ。前も言ったでしょ? 僕は、サクラが好きなんだ」  
「!? だ、だったら何故!」  
「何故こんな事を」そうサクラが言った瞬間、真昼はまた微笑んだ。  
「好きだからこそ、誰にも渡したくない。好きだからこそ……壊したい」  
そう言うと、真昼は何かをサクラの秘所に当てた。  
 
 
 
「んあ!?」  
軽く秘所に押し当てただけだったが、それだけでサクラは喘ぎ声を上げた。  
そんなサクラに、真昼は優しい口調で、告げた。  
「……壊れないでね?」  
「ふあああああ!」  
その瞬間、秘所に当てられた何かが激しく振動し、サクラはがくがくと腰を震わせる。  
「ああああ! ひ、まひ、きゃふ、なに、ああん! い、あ、うあああっ!!」  
言葉を言えない程激しい快感に襲われるサクラを見て、真昼は淡々と感想を言う。  
「凄いな……。電気マッサージ器ってこんな事にも使えるんだね……」  
そう、サクラの秘所に当てられているのは、電気マッサージ器だった。  
その細かな振動に、サクラは翻弄され続けていた。  
「ひ、くう、ううううんっ! まひ、もう、あんっ! もう、だ、いいいいいっ!?」  
「あ、あ、あ、だめ! だめ、だめ―――っ! あああああああぁぁぁぁぁあぁぁあっ!!!」  
あっという間に絶頂に追い込まれたサクラだったが、余韻を味わう暇もなく新たな快感を受けた。  
 
 
「ひいいっ!? いや、やめ、も、ひいいいいん! あああん! あんっ!」  
「あっ、あっ、あっ! またっ、またっ! い、あ、んあ! ふああああああぁぁぁぁあ!!!」  
最初の絶頂から1分もしないうちに2度目の絶頂に追い込まれ、サクラは気絶しそうになった。  
しかし、それを真昼が許すはずもなく。  
「まだ、だよ」  
「あんんっ!」  
全く手を休める気配すらなく真昼はサクラを責めつづけ、サクラはとてつもない快感に翻弄された。  
 
「ひあああああああぁぁあぁあ!!! ふあああっ!」  
次から次へと絶頂を迎え、サクラは狂いそうになる。  
と、突然電気マッサージ器が外された。  
「はあっ……はあっ……はあっ……」  
荒い息をつきながら、サクラは何とか理性を取り戻そうとする。  
しかし、サクラにそんな時間は与えられなかった。  
「じゃあ、次は指だね」  
「はああああん! 誰、が、決め、ひゃあああっ!」  
指を秘所の中に差し込まれ、サクラは思わず腰を浮かせる。  
するとそのまま激しくかき回され、サクラの脳裏にバチバチと雷が走った。  
「あーっ! ああああーっ! ふあああああああああ!!!」  
立て続けに絶頂に達し、サクラは限界まで身体を反らせ、快感に翻弄される。  
そんなサクラを、真昼は楽しそうに見ていた。  
「はあああああああああぁぁあぁあぁぁぁぁ!!! ……はあ……ふぁ……」  
「……可愛い♪」  
1時間と経たないうちに30回以上も絶頂に追い込まれ、サクラは息も絶え絶えになりながら真昼を見る。  
もはやいつも真昼に向ける刺すような視線は欠片も残されていない、懇願するような視線で。  
「……しょうがないな……」  
その視線を受け、真昼は苦笑すると、手と足の固定を外した。  
ようやく自由になったが、全く動けずに、サクラはぐったりとしたまま荒い息をつく。  
と、急に真昼が呟き出した。  
「サクラ、僕は君のそんな所も可愛くて、壊したくなるんだよ?」  
「え……あうっ!」  
そう言うなり真昼はサクラの胸を揉み始める。それだけでサクラは痺れるような快感に襲われ、身体を硬直させる。  
「ひゃっ! きゃう! ふんんっ!」  
びくびくと打ち上げられた魚のように身体を跳ねさせるサクラを、真昼はぎゅっと抱きしめ、囁いた。  
「……今度は僕も、気持ち良くしてもらうよ?」  
そう言うと、真昼は自分自身をサクラの秘所へと埋めた。  
 
「ひ……ああああああぁぁぁぁぁぁあぁあ!!!」  
ただ自身を突き入れただけにもかかわらず、サクラは真昼にしがみつき、絶叫に近い嬌声をあげる。  
そしてそのままがくがくと小刻みに震えるサクラに、真昼は言う。  
「ひょっとして……入れただけでイっちゃった?」  
「う……う……」  
涙を流しそうな程表情を歪めるサクラに、真昼はまた笑った。  
「何回だってイってもいいよ? でも、僕が満足するまでは、付き合ってもらうからね?」  
そう言うと、真昼は自身でサクラの中を激しくかき回し始めた。  
 
 
「あっ! ああっ! あああっ!」  
「うわっ……! いつもより、凄いな……」  
感度がいつもより良くなっている分、締め付けもきつくなっているようで、真昼は僅かに眉をしかめる。  
しかし、サクラはその言葉に答える余裕など、持ち合わせていない。  
「きゃうううん! んあ、ひ、はああああああん!」  
必死に真昼にしがみ付き、意識が飛ばないようにするだけで、精一杯だった。  
「あああ! も、ゆる、ああああああぁあああぁあっ!!! はあうっ!」  
「っ……くっ……」  
いつもより強い締め付けに、真昼の表情からも余裕が無くなっていく。  
「サクラ……そろそろ……僕も……!」  
「ひうっ! あっ、あああん!」  
サクラはもうとっくの昔に限界に達しており、もう真昼が突くたびに絶頂に達している状態だった。  
そんなサクラに、とどめがやってくる。  
「サク……ラっ……!」  
「―――っ!!! ひああああああああああぁあぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」  
中に注ぎ込まれた衝撃で、サクラは気絶した。  
 
 
 
翌朝。  
「ま、真昼さん!?」  
「あ、おはよう、ディー」  
目が合うなり何故か引いたディーに、真昼はにこやかに挨拶をする。  
しかし、その場には何故かサクラとセラがいなかった。  
「あ、あの、サクラさんはどうしたんですか!?」  
「まだ部屋で寝てるんじゃないかな? ……そういえばセラは?」  
サクラがまだ部屋で眠っている原因だというのに、真昼は不思議そうにとぼける。  
そしてディーに聞き返したが、それこそが見物だった。  
「え!? あ、えと、その……。サ、サクラさんと同じです!」  
一気に顔を真っ赤にして、わたわたと意味も無く手を何故か『運動係数制御』まで使って振るディー。  
そんなディーを真昼はにこにこと笑いながら……、全てを知っているような笑みを浮かべて見ていた。  
 
 
そう、確かに真昼は知っていた。まだ8割がた残っていた媚薬が一滴も残っていなかった事に……。  
 

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