セラが呆然としていると、背後から、ぽん、といきなり肩を叩かれた。
「きゃあっ!?」
セラは悲鳴を上げて、後ろを振り向いた。
そこに立っていたのは――ディーだった。
「な、なんだい? どうかしたの?」
ディーは、セラ以上にびっくりした顔をしていた。
「いっ今……黒くてカサカサしたものが……」
セラは、その身体は小刻みに震え出していた。ディーは焦って、
「ど、どうしたんだ? 何があったんだ?」
と訊いたが、セラは答えずに、ディーにすがりつくようにして、
「新聞紙……あります?」
と訊ねた。