「願い事? うーん……」
男子トイレでセックスしたというアブノーマルな行為な後のせいか、思いつくのはセックス絡みのことばかり。
「そうだなぁ……つばさ先輩を、俺の雌奴隷にしてみたいなぁ」
それは冗談と願望と智に嫉妬させてみたいという思いが混ざり合って出た言葉だった。
学園のアイドルであり、お助けクラブで共に時間を過ごす先輩。
彼女に親しく接する内に、俺は鳳つばさという女の子に魅力を感じて惹かれていた。
智とセックスするようになり、かえって女性の体への興味が増したせいもあって、このごろはつばさ先輩に良からぬ欲望を抱くことがある。
「でも、」
「鳳つばさを雌奴隷……わかった」
智が一番いい、と言葉を続けようとしたのを遮るような形で、智は口を開く。
――遠い昔、聞いたことがあるような音がした。
「潤和先ぱ〜い。つばさ先輩はいませんですか?」
お助けクラブの部室に、いつも元気いっぱいの彩夏ちゃんが駆け込んでくる。
「ああ、つばさ先輩なら、急用ができたからって帰るって」
「ええ〜! そうなのですか! がっかりです〜」
肩を落として残念さを全身で表現する彩夏ちゃん。
「ん〜、じゃあ彩夏もこのまま帰ります〜。潤和先輩は?」
「俺はちょっとやることあるから、少し残ってるよ」
わかりましたです、と言って彩夏ちゃんは引き戸を閉める。足音が遠ざかる。
俺は机の下に声をかける。
「つばさ、彩夏は帰ったぞ」「あ、はい、潤和くん……」
机の下の、彩夏ちゃんからは死角となる場所に鳳つばさは身を縮めていた。
怯えた表情から、安心した表情に変わる。
俺は彩夏ちゃんの足音が聞こえてきた時点で、慌ててしまったペニスを再び出す。
「続きだ」「ん……」
つばさは、彩夏ちゃんの襲来で中断していたフェラを再開する。
俺は室内履きを脱いで、右足の先でつばさのスカートの中をさぐる。
「ずいぶんと濡れてるな。彩夏ちゃんに見つかると思って興奮したのか? さすがマゾお嬢様だ」
(そ、そんなこと……)
目で訴えかけてくるつばさだが、口の動きが止まることはない。
偶然、俺は部室でオナニーしているつばさ先輩を見てしまった。
それをネタに、つばさ先輩と関係を持ち、先輩が実はマゾであることを見抜いた。
まがりなりにも友達の智には、さすがに言い出しかねるプレイも、つばさにはためらいもなく強要するようになった。
(今度、智にフェラを頼んでみようかな)
そんなことを思いながら、俺はつばさの黒髪を撫でてやった。
智がいつもの無表情で俺のをしゃぶっている情景を思い浮かべた瞬間、一気に興奮の水位が上がった。
つばさの口の中で、射精してしまう。
「うっ!」「んんっ!」
いきなりの暴発。つばさは注ぎ込まれる精液を飲み下そうとしたようだが、むせ返って口を俺のペニスから外してしまう。
「けほっ、けほっ……」
口に手を当て、むせている鳳つばさ。
ペニスの先から床に精液の残滓を垂れ落としながら、俺は放出の快楽に浸りつばさの様子を眺める。
男に精液を口の中にぶちまけられ、むせているという卑猥な情景なのに、上品ささえ感じさせる鳳つばさ。
(これがお嬢様ってやつなのかな)
俺は、そんなことを思った。
「潤和くん……もうこんなこと、やめましょう」
しばらくして落ち着いたのか、床に座り込んだままのつばさが俺を見上げて言った。
ペニスを露出したままの俺を見て、恥ずかしそうに顔を横に向ける。
「こんなこと?」
「こんな関係は、おかしいわ。これまでのことは忘れます。だから、これからは普通に……」
「……」
俺のマゾ奴隷になったくせに、お嬢様としてのプライドが捨てきれないのか、つばさは時折こんなことを言い出す。
「普通? 普通っていうなら、俺と恋人同士になるってこと?」
「……ええ。潤和くんが望むなら、わたくしは――」
いつもだったら、「今さら、そんなことできるわけない」「何を言っているんだ」と否定してセックスする。
言葉とは裏腹に、つばさはそれを期待してる。
願いを拒否され、強引にセックスされるという被虐を味わいたいのだ。このマゾお嬢様は。
「つばさが、そんなに嫌がっているなんて思ってなかったよ」
「……え?」
予想外の俺の言葉に、つばさを虚を突かれた表情をする。
俺はペニスをしまって、パイプ椅子から立ち上がる。
「わかった。今日はこれで許してあげるよ」
「じゅ、潤和くん――」
おあずけをくらいそうな犬のような表情を浮かべる鳳つばさ。
なけなしのプライドか、それを捨てて快楽を取るか……
俺は意地悪く、その選択を強要した。
「じゅ、潤和くん……待って!」
つばさは立ち上がって、部室を出ようとする俺を呼び止める。
「俺とするの、嫌なんだろ?」
「ち、違うの。わ、私、潤和くんと普通のセックスするんだったら嫌じゃ……ないの」
快楽を求める体と、少しでもお嬢様としてのプライドを守ることを摺り合わせようとしているのだろう。
「部室でとか、へ、変な道具を使ってとかじゃなかったら、その、大丈夫ですから」
「へえ……」
俺は驚いたような表情を作って、鳳つばさに先を促す。
「潤和くんとお付き合いしてると、皆さんの前で認めても構いません。だから、普通に……」
俺はつばさの言葉に、笑い声を上げる。いきなりの笑声にとまどう鳳つばさに近づき、スカートの上から尻の谷間に指を這わせた。
「前でするよりも尻の穴を弄られた方が感じる変態のくせに、俺の恋人気取りかよ」
「ひ、あっ!」
声を上げるつばさ。しかし、その声にはわずかに甘いものが宿る。
「今日もアレをしてるんだろ」
俺はいきなり、つばさのスカートを左手でめくり上げる。
愛液で濡れて尻が透けて見える白いショーツ。そのショーツは尻の部分が丸くくり抜かれていた。
「いつでも尻の穴を弄れるように、自分からこんな下着をはいてくるくせに、普通のセックスで満足できるのかよ」
「で、でもコレは潤和くんが……」
「買ってやったのは俺だけど、強要はしなかったよ」
「そ、それは……ひあっ!」
太股にまで伝わる愛液で右手で人差し指を濡らした俺は、つばさのアナルにそれを突っ込んだ。
そのまま、指をつばさの尻のなかで蠢かせた。
「ああん……」
つばさの甘い声が漏れ始める。
「じゅ、潤和くん……あっ、あっ」
崩れそうになる体をパイプ机に手をかけて支えながら、アナルに入れられた指の動きに自分から尻を振り始めるつばさ。
わずかに指を曲げ、左右に手首を回しながら腕を前後運動する。
それに合わせて、愛液でべったりと張りついた尻の部分を丸くくり抜いたショーツに包まれたつばさのヒップも悩ましげに振られる。
「変なやり方は嫌なんだろう? 尻に指を突っ込まれて掻き混ぜられるのは、つばさにとっては変なやり方じゃないんだな」
言葉でも鳳つばさを責めながら、指だけでイカせてやろうと決めて俺はさらに指と手首の動きを早めた。
「あっ、あっ、違うの、違うんです……」
「こんなんで感じてよがっておいて、普通にセックスする方がいいなんて言っても、説得力ないよ」
俺はつばさを追いつめていく。つばさは俺の言葉に、甘い喘ぎをもらしながら頭を振って否定しようとする。
目尻にうっすらと涙を浮かばせて悲しげに俺を振り向く、美しい先輩。
しかし、その表情には被虐の喜びを示すかすかな笑みが浮かんでいる。
俺は、言葉と指で美しいマゾお嬢様にさらに追い打ちをかける。
「こうやって弄ってくれる相手なら、俺じゃなくても誰でもいいんだろ? それなのに恋人気取りなんて、馬鹿にするなよ」
「そんなこと、あ、ありません! じゅ、潤和くん、だから……お尻をこんな風にされても、私……」
「じゃあ、どっちみち気持ちいいんだから、別にどんなやり方でも構わないだろ。そら!」
指の屈曲をさらに急なものに変えて、ひっかくように手首を動かす。
「あ、ああっ、ああん!」
つばさ先輩は背筋を反らして硬直する。イッたのだ。
俺はそのままゆっくりと指を抜いた。支えを失った先輩は、机に手をかけたまま崩れ落ちるように床に座り込んだ。
うつむいたままで快楽の余韻を色濃く残しながら荒い呼吸を繰り返す。
その時――
ガラリ、と引き戸が開いた。
「ひっ!」
恐怖に引きつったつばさの悲鳴。
「潤和、いる?」
そこにいたのは智だった――
「と、智」
足音もさせずに突然に訪れた智に、さすがに俺も驚いた。
智は、時折、気配もさせず足音もたてず身近に現れることがある。
慣れたとはいえ、やはりいささか心臓に悪い。
智は一目で部室の中での状況を理解したはずだろうが、いつもの無表情のままでこちらを見ている。
「智、他の奴に見られたくないんだ。閉めてくれ」「わかった」
「……じゅ、潤和くん」
俺の言葉に従う智。そして、つばさはこちらの様子におそるおそる言葉をかけてくる。
ちなみに、智が俺のセックスフレンドであることはつばさは知らない。
鳳つばさが俺の雌奴隷であることは、智にはいつの間にか知られていた。
「いい。潤和がしたいようにすれば」
智に知られていたことが分かったとき、智は俺にそう言った。
その時は気まずさもあって、いつもよりも優しく丁寧に智を抱いてやったっけ。
「潤和。約束、忘れた?」
「約束? ……ああ、ごめん」
一緒にかえって、ラブホテルでセックスする約束だったのを思い出す。
鳳つばさで軽く抜いてからと思っていたのだが、つばさとの行為に智のことをすっかり忘れていたのだ。
(そうだ……)
俺は、不安と戸惑いの表情でこちらを見ている鳳つばさの様子に、あることを思いついた。
「ごめんな、智」
俺は智を抱き寄せ、傍目にも優しくみえるように彼女にキスをした。
今の俺と智は、恋人同士の甘いキスをしているようにみえるだろう。
横目で見ると、つばさは茫然と俺たちを見つめている。
「ごめんな、智。つばさ先輩が、俺と恋人同士になりたいって駄々をこねてさ」
自分の唇を智のひんやりとした唇から離し、つばさに聞こえるように智に話しかける。
「恋人にしてくれないと、セックスしたくないって言うんだよ。このお嬢様は」
「潤和くん! そ、そんなことを智さんに――!!」
俺の言葉に、つばさは悲鳴のような声を上げる。
そして、智が小首を傾げてつばさを見ると、追い打ちをかけた。
「それは駄目。あなたは恋人じゃない。雌奴隷」
「何で、あ、あなたにそんなことを――!!」
淡々とした智の言葉が、かえって鳳つばさの恥辱感を煽ったらしく、つばさは智をにらんだ。
全く期待していなかった智のアドリブに驚きながらも、俺は智の首筋に顔を近づける。
(智、意外に役者なんだな)
耳元で囁く俺に、智は不思議そうな表情をする。
どうやら俺に合わせた芝居じゃなくて、本気で言っていたようだ。
つばさに屈辱を与えてやろうという目的には合っていたんだから、まあいいか。
「だから、我が儘なつばさ先輩じゃなくて智とセックスしたいんだ」
「わかった」
軽くうなずくと、智は何の躊躇もてらいもなく、制服を脱ぎ始めた。
愕然とする鳳つばさの目の前で――
「潤和くん、智さんにも私のようなことを……」
服を脱ぎ捨てた智を抱き寄せる俺に、ショックとわずかな嫉妬の色を浮かべたつばさが呟く。
「同じ? 智をお前みたいな尻穴にペニス突っ込まれてよがるマゾお嬢様と同じにするなよ。智は大事なセックスフレンドなんだ」
つばさに見せつけるように、手頃な大きさの智の胸を優しく揉み上げる。
「そ、そんな……」「あ……」「可愛いよ、智」
微かに甘い声を上げる智に微笑みかけ、普段ではしないような甘い言葉をかけてやる。
「俺には智がいるから、つばさ先輩みたいな我が儘な人はいらないかな」
つばさに聞こえるように言葉を口に出す。
「ご、ごめんなさい! もうさっきみたいなことが言いませんから!!」
俺の言葉に、つばさは目に見えてうろたえ始める。
そう、つばさは俺という存在が無くてはならない女になってるのだ。
「じゃあ、俺のいうことは素直に何でも聞くんだね」
智を抱擁するように、両手を智の締まった尻を撫で回している俺。
智は俺に寄りかかるようにして、体を預けている。
俺の体に押しつけられてくる胸の感触が心地よい。
「じゃあ、智みたいに素っ裸になってよ。ストリップしてくれ」
俺は、鳳つばさに卑猥な要求を突きつけた。
「じゅ、潤和くんが望むなら」
つばさはそう言うと、制服に手をかける。
しかし、俺はまだしも智もいる前で脱いでいくのは抵抗があるらしく、いくつかボタンを外したところで手を止めてしまう。
「いいよ、つばさがやりたくないなら、しなくても――智」
「なに、潤――!」
俺の呼びかけに答える途中で、智の唇を自分の唇でふさぐ。
端から見ているつばさには、熱烈なキスシーンのはずだ。
智は俺の体に両手を回して、スレンダーな裸身をさらに押しつけてくる。
「脱ぐ、脱ぐわ!! だから潤和くん、わ、私を見て!!」
自分を無視するような俺たちの振る舞いに、慌ててつばさは脱衣を再開する。
ただ脱ぎ捨てるのではなく、近くのパイプ椅子に服を置いていくのは、さすがに育ちの良いお嬢様というところか。
俺は智とのキスを止めると、二人でつばさのストリップを見物した。
「じゅ、潤和くん……」
しばらくの後、俺たちの目の前に、豊かな胸を両手で隠し、羞恥で全身を赤く染めた鳳つばさがいた。
(やっぱり、つばさはスタイルがいいな)
一糸まとわぬ姿でたたずむ鳳つばさの姿。
智のスレンダーな肢体も魅力的だったが、つばさ先輩の女らしいグラマーな肉体には抱き心地で及ばない。
俺は、自分に押しつけられてくる智の肉体の感触を楽しみながらも、そんな身勝手なことを考えていた。
「つばさ、ちょっと待ってろよ。智、少し足を開いて」「は、はい……」「わかった」
ペニスを取り出す俺に不安そうな表情でうなずく、つばさ。そして素直に足を開く智。
智の愛液が染み出している秘所に、掌を差し入れる。愛液を掌にすくい取るように、手を前後に動かした。
俺の耳元で、智がわずかに甘い吐息を漏らした。
「ちょっと離れてくれ」
こくりとうなずいて、智は俺に抱きついている腕を外して、離れた。
俺はすでに硬く勃起しているペニスを、智の愛液にまみれた右手で包む。
そのままマスターべーションの要領で、数回ペニスをしごく。
智の愛液と先走りのカウバーを塗り込んだペニスに、智とつばさの視線を感じ、ペニスが熱く脈打つ。
「待たせたな、つばさ。これで、お前の相手をしてやるよ」
「そ、そんな……い、イヤです」
他の女の愛液でまみれたペニスで、セックスする。
あまりに屈辱的な状況に、つばさは頭を振って拒絶の動作をする。
俺はつばさに近づいていく。つばさは反射的に逃げようとするが、難なく俺に腕をつかまれる。
「潤和くん、こんなのイヤ」
形だけの抵抗はするが、つばさの表情はこれから自分が受ける屈辱的な仕打ちへの被虐的な期待を浮かべている。
つばさを四つん這いにすると、俺は智の愛液まみれのペニスをつばさの尻の穴へと押し込んでいった。
「潤和くん……あっ、ああっ、んっ!」
潤和は、鳳つばさの豊かな胸を後ろから揉みたてながら、腰を荒々しく動かしていた。
その動きに合わせ、いつの間にか鳳つばさも自分から妖しく腰を振っている。
「つばさ先輩は、本当にお尻でするのが好きなんだね」
「ええ、好き……大好きよ。ああん!」
つばさの返事に合わせて、潤和はひときわ強くアナルの奥へとペニスを突き入れる。
「他の女の愛液を、男のペニスで体の中に擦り込まれているのに、こんなに感じるんだ」
「いや、潤和くん、そんなこと言わないで……ああっ!」
潤和に耳元で囁かれる言葉に、鳳つばさは悲しそうな顔をしながらも被虐的な快感に襲われ、なやましく頭を振る。
(潤和……)
潤和と鳳つばさの姿を、智は裸身をさらしたままで見つめている。
(悠久の時間を一人で過ごしてきた私。でも、今はあなたがいる)
(私の世界で、ずっと一緒。その代わり、潤和の願いをこの世界でかなえてあげる)
「出るっ!!」「潤和くん! 私、イクっ!!」
潤和の熱い精液を腸に注がれたつばさは、絶頂の言葉を発して体を反り返らせた。
「はぁはぁはぁ……」
そして、つばさは脱力して床にうつ伏せになって荒い息を吐く。
「ねえ、潤和……」
智は、つばさを満足げに見下ろす潤和に近づき、尋ねた。
「何か、願い事はある?」
了