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神威の叔母・真神時鼓が神剣を産んで死んだ。  
壊れて泣き叫ぶ小鳥を、神威が必死になだめている。  
封真は自分でも驚くほど冷静だった。  
6年前、神剣を産んで死んだのは、封真と小鳥の母・桃生紗鵺。  
あの時も小鳥は泣き叫んで、必死になだめたのは封真だった。  
――俺、本当に神威の『添え星』なんだ  
目の前に広がる光景はまるで6年前の再現のようで、封真はぼんやりとそんなことを考えていた。  
 
神威と封真と小鳥はヘリに乗せられ、CLAMP学園へ向かった。  
豪華とまではいかないが小奇麗でわりと広い部屋に、真っ白いシーツが敷かれたベッドがある。  
精密検査が済んだ小鳥はそのベッドに寝かされた。  
「神威さん、あなたに見せるように時鼓さんから言付かったものがあるんですが…」  
CLAMP学園理事長にそう言われた神威は、即答した。  
「俺はここにいたい」  
責任を感じ、小鳥を心配しているのはわかるが、これではただのだだっ子。  
理事長が、ちょっと困ったような顔で封真を見た。  
――ほんと…神威は変なところで強情だからなぁ…  
とは思いながらも、封真は穏やかに微笑む。  
「…神威、俺が看てる。行ってこいよ」  
しかし、神威は不安そうにうつむくだけ。  
そんな神威を封真は優しく見つめ、ゆっくりと、そしてはっきりと言った。  
「これからはずっと…三人一緒だ」  
ハッと神威は顔を上げる。それは神威が一番欲しかった言葉。  
神威の目に涙が浮かぶ。封真はにこりと微笑んで、頷いた。  
 
「まるで神威への牽制…だな」  
神威たちが去った部屋で、封真はポツリとつぶやいた。  
“ずっと三人一緒”…これはもちろん、神威が一人ではないことを示している。  
しかし、今になってよく考えてみれば、神威と小鳥が“二人きり”になることを否定する言葉でもある。  
もし二人の関係に進展があれば、お邪魔虫になってしまう封真はそこにいられない。  
だから“ずっと三人一緒”でいるためには、“兄と妹と親友”という現状を維持する以外に道はないのだ。  
――…それを言ったら、“兄”の俺も、“妹”の小鳥に何もできないな  
自分自身への牽制でもあったという思わぬ結論に、封真は苦笑した。  
 
窓辺に立つと、キラキラと輝く夜の東京が見える。廊下からは物音ひとつせず、街の喧騒も遠い。  
ベッドの小鳥は、まるで眠り姫のように静かに横たわっている。  
いつもならほんのりと桜色の頬が、雪のように白い。  
そっと左手を握ると、少し冷たいような…そんな気がした。  
――息をしていないんじゃないか?  
ふとそんな不安にかられた封真は、ベッドの端に膝を立て、小鳥の頭の両隣に手をつき、覆い被さるような形で小鳥の顔に耳を寄せた。  
…すぅ……すぅ……すぅ……  
微かだが確かで正確な呼吸を、耳で、頬で感じた。  
「よかった…」  
嬉しさで、封真は顔をほころばせた。  
 
長い栗色の髪を手繰り寄せ、指に絡ませれば、絹糸のようにさらさらと流れた。  
掴んだ髪に鼻を近づけると、ふわりと甘い花の香りがする。  
白く滑らかな額から頬に触れれば、それはまるで白磁のよう。  
先ほどまで散々泣いていたせいで、わずかな朱が目元を彩る。  
薄紅色の唇は薄く開いて、微かに呼吸をしている。  
かわいい小鳥。  
今までずっと、封真が大切に守ってきた小鳥。  
たまらなく愛しくて、愛しくて、愛しくて……  
封真はひじをついて小鳥との距離をつめ、ゆっくりと目を閉じた。  
 
初めて触れた小鳥の唇は、しっとりとして柔らかく、それでいて弾力があった。  
 
外界から隔離された一室。  
封真と小鳥、二人だけしかこの世にいないのではないかと思ってしまうくらいの静寂が続く。  
――もっと…  
抑えきれない衝動に駆られて口づけを深くし、舌を差し入れようとした瞬間  
「…んぅ…っ」  
小鳥が苦しそうな声をあげた。封真はハッとして唇を離す。  
――しまった!!つい…  
 
ゆっくりと小鳥のまぶたが開かれ、とろんとしていた瞳が、目の前にある封真の顔を捕えた。  
「あ、えぇと…」  
封真は必死に言い訳を考える。しかし  
――……ダメだっ!!何にもでてこない!!  
こんないかにも“襲っています”と言わんばかりの体勢と状況で、いったい何をどう言い訳できるというのか。  
全身から血の気が引いていく。手が震える。  
喉が、口の中が乾く。嫌な汗が背中をつたう。  
――ヤバイ……ヤバイ…ヤバイ、ヤバイ  
その言葉ばかりがグルグルと頭の中を駆け巡って、思考がまとまらない。  
その時だった。  
「ふふ…」  
急に、小鳥が目を細めて笑った。  
――な、なんで笑って…?  
「…神威」  
幼い頃から封真と神威はよく『本当の兄弟みたいだ』と言われていた。  
自覚はないが、おそらく世間一般的に見れば、二人は『似ている』んだろう。  
――混乱して、俺と神威を間違えているんだろうか…  
そう思った封真は優しく笑い、できるだけゆっくりと言った。  
「小鳥、よく見ろ。俺だ。ふ…」  
「神威」  
言い終わるや否や、封真の首に細い腕が伸び、そのまま頭を引き寄せられた。  
 
――………???  
おそらく5秒ほど。  
封真の思考は完全に停止していた。  
唇に触れている柔らかい感触。それは間違いなく、小鳥の唇。  
「ぅん゛っ!?」  
我に返って慌てふためく封真を尻目に、小鳥は腕を離そうとはしない。  
その、通常ならあまりにありえない事態に、封真は完全にパニックに陥った。  
とにかくそこから逃れようと、腕に思いっきり力を入れて上体を起こし、小鳥を引き剥がす。  
「な、何するんだ、小鳥ッ!お前っ…!!」  
自分がしたことを棚に上げて、封真は真っ赤になって口をパクパクさせた。  
小鳥ものそりと起き上がる。うつむいているため、表情はわからない。  
「…こわい……」  
ぽつりと小さな声で小鳥は言った。  
両腕を伸ばし、小鳥はふわりと封真の胸のなかに倒れこむ。  
「ひとりに…しないで……神威」  
小鳥の体は微かに震えている。  
落ちついて事態を把握しよう、と封真は考えた。  
――小鳥は、神威と俺を間違えていて  
「神威……神威…」  
切なげに小鳥が呼ぶ。  
――神威に、側にいて欲しいんだな  
神威を呼ぼうと、封真が内線電話に手を伸ばしたとき、小鳥の口からとんでもない言葉が出る。  
「抱いて……神威…」  
 
その瞬間、一気に封真の脳裏にあの日の悪夢が…父の葬式の日に見た悪夢がよみがえった。  
 
『かむいちゃん……ほしいのぉっ!』  
息も絶え絶えに神威を求める小鳥。悪魔の笑みを浮かべて、小鳥を抱く神威。  
ただそれを見ているしかできない自分……。  
 
封真は、ぐっ…と小鳥の腕を掴む手に力を入れた。  
「痛い、かむ―――」  
言いかけた小鳥の唇を荒々しく塞ぐ。  
きつく小鳥を抱きしめ、何度も、何度も、小鳥の唇をついばむ。  
「……んぅ……は、ぁ…」  
さすがに苦しくなったのか、小鳥は息を吸おうと喘いだ。しかし  
「んっ!…ふぅ…ん、ぅ…」  
封真はここぞとばかりに口づけを深くして、自分の舌を小鳥の舌に絡ませる。  
交じり合う唾液と吐息。  
舌が触れるたび、まるでそこから溶けていってしまうのではないかと思うほどの熱と心地よさが生まれる。  
――…もう…限界だ…  
思考が麻痺していく。  
道徳や常識、あらゆる物が溶けてなくなる。  
 
封真はついに、己の欲望に身をゆだねた。  
 
神威は理事長室のソファーに腰掛けて、時鼓のビデオを繰り返し見ていた。  
どこか遠い目で、ビデオが終われば巻き戻してもう一度、始めから…。  
「神威さん、大事なことですから…ゆっくり考えていいですよ」  
理事長がそう言うと、神威はペコリと頭を下げて再び視線をモニターに戻した。  
 
一方、小鳥と封真がいる部屋。  
薄暗い室内に、無造作に脱ぎ捨てられた衣服が散乱している。  
ザァァァァァ…  
さすが天下のCLAMP学園。部屋にはバスルーム完備。  
カーテンでしきられたユニットバスに湯気が立ちこめている。  
しかし、浅く広いバスタブに湯はまだ溜まりきっていない。  
そこにしゃがみこみ、シャワーの温度をみている封真。腰にはタオルを巻きつけ、厳しい表情をしている。  
そんな封真を、バスタブにぺたりと座りこんだ小鳥が見つめていた。  
こちらも体にしっかりとバスタオルが巻かれている。  
ただ、小鳥の顔や首、体のあちらこちらには白濁した液体が付着している。  
「……まったく」  
渋い顔をしたまま、封真は小鳥にシャワーのお湯をかけた。  
 
そう、封真は小鳥の口であっさりイってしまったのだ。  
 
それは5分ほど前のこと。  
ベッドで、小鳥の全身に愛撫を施しながら服を全て脱がせ、自分も服を脱ぐところまでは完全に封真のペースだった。  
ところが  
「ぅわっ!」  
急に触れた生温かく柔らかい感触に、封真は声を上げた。  
恐る恐る見下ろせば、小鳥が封真の足の間に顔をうずめ、四つんばいになっている。  
ちゅ…ぴちゃ、ぴちゅ  
封真自身にからみつく小鳥の指。赤い舌がちろちろと先端をくすぐる。  
「…ぉ、おい…こと……っあ!」  
うろたえているうちに、封真のモノは小鳥の口に収められてしまった。  
「そんな事…しな、くて…い、っ!?」  
封真の抗議を無視して、小鳥は顔を動かし始めた。  
じゅぽ…じゅぽ…  
唾液をたっぷり含ませた口は、ゆっくり前後に動きながら淫猥な音を立てる。  
大きく固くなり始めていた封真のソレは、小鳥の小さくかわいらしい口には収まりきらない。  
小鳥は、舌が届く場所は丹念に舐め擦り、根元の辺りは細い指で扱いていく。  
「…こと、り…やめっ…ぅ、くぅっ…」  
言いかけた言葉は、快楽によって霧散する。小鳥の方はというと  
「ん、む……んぅっ…」  
苦しそうな声を漏らしながらも、懸命に指を、唇を、舌を動かしている。  
封真が何を言っても、離す気などさらさら無いらしい。  
「………は、ぁ…」  
諦めた封真は左手をベッドに付き、右手で小鳥の頭を優しく撫でた。  
 
小鳥の舌や手の動き自体は、単調でしかない。  
だが、決して結ばれる事はないと思っていた愛しい女が、自分を必死に舐め、擦っている…という事実は、封真を昂ぶらせるには充分すぎた。  
「……っく…あぁ…」  
ゾクッと背筋を走った快感に、封真はたまらず声をあげる。  
目を閉じれば逆に、裏側を這う舌や唇の締めつけ、からみつく指の感触を意識してしまう。  
中心から全身に広がった甘い疼きが衝動に変わった。限界を間近に迎え、封真の本能がビクビクと脈打つ。  
「…もぅ、いい…離せ」  
このまま小鳥の口内に出してしまうのは気が引けて、封真はやや強く小鳥の肩を掴んだ。  
しかし小鳥は離れるどころか、いっそうむしゃぶりついてくる。  
「で…出るって……ことりっ…」  
焦る封真を追いたてるように、小鳥はさらに口内の締め付けをきつくして動きを速くする。  
じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ  
「ぅあっ…は、…っく……ゃ、やめろっ!」  
思わず封真が叫ぶと、ぴたっ、と小鳥は動きを止めた。  
締めつけていた唇がゆっくりと緩み、口が開かれる。やっと離す気になってくれたらしい。  
触れる空気の感触に、ふぅ…と封真は安堵のため息を漏らす。その刹那  
「…んぅ〜〜っ!!」  
小鳥がここぞとばかりに一気に先端を吸い上げた。  
解放されると思って油断した矢先の強い衝撃に、たがが外れる。走りだしたそれを止める術はない。  
「!?…くっ……ああぁぁッ!!」  
情けない声とともに大きく背を反らせ、封真は己の劣情を小鳥の口の中に放った。次の瞬間  
「ん゛っ!?げほぉっ!」  
「わ!?口、離すな、バカッ!!」  
車が急に止まれないのと同じで、射精も急には止められない。  
「ひゃあぁあっ!」  
「ごめ…ことり……っ、ぁああ!!」  
 
小鳥の顔、髪、首、胸、手…あらゆる所を白く汚して、やっとそれは終わった。  
 
ザァァァァァ…  
立ち膝になった封真は、正座している小鳥の顔や髪、体をシャワーで洗い流していく。  
事ここに至って、封真はまだ迷っていた。  
――ここでやめて、“兄と妹と親友”という関係…『今』を守るか…。それとも『変革』覚悟で、思いを遂げるか…  
このまま、封真を神威だと思いこんでいる小鳥を抱くのは容易い。  
だが、正気に戻った小鳥が“神威のフリをして自分を抱いた実の兄”を受け入れてくれるとは思えなかった。  
神威本人だって黙ってはいないだろう。  
つまり『変革』とは、“三人一緒ではいられない”こと。  
封真の脳裏に、捨てられた子犬のような瞳をした神威の顔がよぎった。  
――やっぱり、やめ……  
膝の上の温かい感触に、封真は思考を止めた。  
「……どうした?」  
見ると、小鳥が封真の右膝に跨っていた。腕を封真の首の後ろに回し、じりじりとにじり寄ってくる。  
小鳥が腰を動かすと、太腿の上でヌメヌメと何かが蠢き、濡れた感触が広がる。  
その正体に気付いた封真は、ごくり…と喉を鳴らした。  
と同時に、治まったはずの欲情の証が、再び意思を持ってハッキリと脈打ち始める。  
さらに小鳥の膝が動いて、封真の先端に触れるか触れないかの所でかすめた。  
体中から汗がふき出す。高鳴る鼓動が頭の中で反響して、軽い眩暈さえする。  
小鳥の少し荒い息が耳にかかるだけで封真の体は震えた。  
その時  
「……『神威』…」  
耳元で甘く囁かれ、封真は目を大きく見開く。  
――俺は『神威』の『添え星』  
夢の中と同じ…自分の中で黒い“何か”が目覚めるのを封真は感じた。  
 
「ふっ…くくくく…」  
覚醒の喜びか、それとも狂気へ堕ちていく自分への自嘲か…封真は肩を震わせて笑う。  
――俺は…もう一人の神威…  
封真は小鳥のバスタオルを取り払うと、そのまま押し倒した。  
バスタブには中途半端にしか湯が溜まっていないため、小鳥の体は半分くらいしか湯につからない。  
「…あっ、…んん…」  
空気にさらされたままの胸に触れ、頂点をつまむと甘いため息が漏れた。  
封真はおもむろに小鳥の左右それぞれの膝裏を掴んで引き上げる。  
こうすると小鳥は脚を左右に大きく開く形になり、封真からは小鳥の秘所が丸見えになった。  
可愛らしいベビーピンクの花弁。しかしそれはピクピクと蠢き、蜜を垂れ流して待っている。  
「いやらしい女だな……こんなにして」  
その言葉に、羞恥心で小鳥の頬は赤くなる。くくっと笑って、封真は猛った分身を花弁に押し付けた。  
「あっ!…やぁ…っあぁ!」  
腰を動かして擦り付ければ、ぐちゅぐちゅという音と共に高い嬌声が上がる。  
「は…っあ、ぁ…かむ、い……か――」  
言いかけた言葉を飲みこませるように覆いかぶさり、強引に小鳥の唇を塞いだ。  
息が止まるのではないかと思うほど深い口付け。  
唇を離すと二人に間に銀糸が糸を引く。それを手でぬぐって、封真は酷薄な笑みを浮かべた。  
「そう、俺は………神威だ」  
 
カシャン  
神剣が床に転がる。急に襲った悪寒に、神威は身を震わせた。  
「どうしました、神威さん」  
理事長の問いに答えることも出来ず、神威はその“何か”に震えるしかなかった。  
 
 
(続く)    

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