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 無防備な、それでいて気配には敏感な少女に気付かれないように、そっと近づく。  
 そして、少女の耳元に優しく息を吹きかけた。  
 ふうっ。  
「ひゃああっ!!」  
 不意の刺激に少女の体はビクンと反応する。  
「うふふ……譲刃ちゃんったら、敏感なのね。可愛い」  
「――――か、火煉さん。驚かせないでくださいよ」  
 少女―――猫衣譲刃は火煉の方に向き直ると、先程まで聞いていたCDプレイヤーを外す。  
「それで、どうかしたんですか?」  
「いえね、譲刃ちゃんがあんまりにも可愛いものだから。少しイタズラしちゃおうかなと思って」  
 悪びれた風もなく、火煉は言った。  
 言いながら、譲刃の方ににじり寄って行く。  
 意味も判らず、だだ身の危険を感じて譲刃は後退した。  
 だが数歩下がったところで行く手を壁に阻まれる。  
「あっ……」  
「……捕まえた」  
 
 背後から片手で譲刃の手を取り、もう片方の手はブラウスの上から乳房を弄る。  
「気持ちイイこと……教えてあげる」  
「んっ……」  
 突然の出来事に戸惑い、抵抗が微弱な譲刃を見て、火煉は笑みを浮かべた。  
 服の上から胸を触っていた手を、ブラウスの隙間に差し入れ直に揉む。  
 そして首筋に下を這わせる。  
「やぁっ……ぁん―――あ」  
「あら、抵抗しないの? なら……こんなこともしちゃうわよ」  
「――――えっ!?」  
 近くにあったソファに譲刃を押し倒し、強引にブラウスを肌蹴させる。  
 腹部に下を這わせながら、徐々に上へと舐め上げていく。  
 上まで到達すると乳首を口に含み、コロコロと下で転がす。  
「ひぃん……あふぁっ……」  
「本当に敏感ね。でも、すぐにイカせてあげない。もう少し可愛がってあげるわ」  
 火煉は譲刃を押し倒したまま、体の方向を逆に向け、今度は譲刃の華奢な足を舐め始めた。  
「あ……ああぅ……だめぇっ!!」  
 脹脛や太股を舐められるという未知の感覚に、譲刃は身を震わせて悶える。  
「も――――だめぇっ……やめ…はあぁぁんっ……」  
 体中を舐め尽くさんが如く体中を責める舌と、巧みな指遣いに、譲刃はただ悶えるしかなかった。  
 
 
「―――――ん、ぁ」  
 ゆっくりと目蓋を開く。  
「お目覚め?」  
 唐突に、隣から声が聞こえた。  
「火煉さん? なんで―――」  
 そこまで言って、ふと違和感に気付いた。  
 ベッドの上。  
 自分の両手が頭の上で束ねるように拘束されていていて、更には鮮やかな赤いチャイナドレスを着ていることに。  
「な、これ……」  
「可愛いでしょう。譲刃ちゃん華奢だし、似合うと思ったのよ」  
 火煉は事も無げに微笑む。  
 目を覚まして、数分。  
 ようやく自分の置かれた状況を把握した。  
 さっきまで、私は―――  
「やっ……! 離してください!」  
「ふふ……譲刃ちゃんったら、敏感なんだから。あれくらいで失神しちゃうなんて。  
大丈夫。今度はもう少し優しく責めてあげる」  
 
 身動きの取れない譲刃に再び覆い被さり、剥き出しの脇に手をやり、軽くくすぐる。  
「ひゃ……あ、あひぃッ! な、んで……くすぐ……り、んあっ!」  
「知ってる? くすぐりも性感の一つなんですって。だから、その内気持ち良くなるわ」  
「はぁっ……きゃふっ、いやぁ……」  
「これは、どうかしら……?」  
「ああッ! や、おなか揉まないでぇっ……ゃあ―――――」  
 
「はぁ……あ、はぁっ……」  
 一時的にくすぐり責めから開放され、荒く息をつく。  
「こうやって一方的に譲刃ちゃんを虐めるのも楽しいんだけど、どうせだからゲームをしましょうか?」  
「はぁ……は、ゲーム……です…か?」  
「そう、10分間私にくすぐられて我慢できたらやめてあげる」  
「……分かりました。それで……構いません」  
 どうせ私に拒否権はない。  
 なら、一か八か可能性があるならかけてみるしかないのだ。  
 それに、くすぐりくらいどうってこと―――  
「その代わり、我慢できなかったらちょっとヒドイ事しちゃうわよ」  
 耳元に顔を近づけて、そう囁かれた。  
 
「それじゃ、スタート」  
「んっ……!」  
 次にくる感覚に備えて、強く目を瞑る。  
 まずは先程と同じく剥き出しの脇を直にくすぐられた。  
「ひぁっ……あ、ァふ――あッ……」  
「ふふふ……」  
「きゃはっ! はッ……んっ、あはぁっ……!」  
 
 ―――5分経過  
「あん……っあ……くふぅッ!」  
「うふふ、ここが弱いのかしら。それともこっち……?」  
「どっちもやだぁッ……ひゃん! くすぐったいよぅ……」  
 目元には薄っすらと涙が浮かんでいた。  
 必死に泣きそうになるのを堪えながら、ただひたすらに耐えているためだろう。  
 
 ―――8分経過  
「ふっ……あひぃ……ああっ!」  
 後二分。  
「あら、思っていたより頑張るわね」  
 確かにこのままくすぐり続けていれば陥落は時間の問題だろう。  
 だが、そろそろゲームの残り時間が少なくなってきた。  
「仕方ないか。ごめんね」  
「……っはぁ―――え?」  
 チャイナドレスの上から、火煉は譲刃の小振りな乳房に顔を付け、舐めた。  
「ひゃあん……! く、くすぐりだけって、言っ―――ふぁぁッ!!」  
「あら、これも立派なくすぐりよ?」  
「そんな……やめてくだ―――」  
 譲刃の懇願を無視して、舌で乳首を舐め、転がし、吸い、時に歯で甘噛みする。  
 勿論、空いた手で脇やお腹をくすぐるをは忘れずに。  
 服の上からとはいえ、その刺激は尋常ではなかった。  
「やだぁっ……!! いや! そこ、ダメってばぁ……ひゃああん!!」  
「どう、降参する?」  
 
「って、また失神しちゃったんだ。本当、敏感なのね」  
 意識はなく、息も絶え絶えな譲刃に追い討ちをかけるかのごとく首筋を舐める。  
「―――――ぁ……ん」  
「まあ、今日のところはこれで止めて置きましょう。寝てるとじっくり楽しめないしね。  
おやすみなさい、譲刃ちゃん」  
 そう言って、譲刃から離れる。  
 
 せめて今だけは、ゆっくりと寝かせてあげましょう。  
 ゲームの罰は、また次の機会に―――――  
 
 
end  
 

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