「神威さん、おはようございます!」  
元気な声に神威が目を開くと、譲刃の笑顔が視界いっぱいに映っていた。  
「………」  
一瞬事態を理解できなかったが、昨夜は譲刃と共に夜を過ごした事を思い出し微笑みを返す。  
「…おはよう譲刃」  
「はい!」  
ベッドの脇にちょこんと腰掛けながら、譲刃は嬉しそうに笑った。  
「今日の朝食当番譲刃だっけ?」  
まだ早い時間だが、既に制服姿の譲刃を見て神威が訪ねる。  
「はい!今日は嵐さんと当番です。  
お弁当も私が作るんですよ。」  
そう言うと譲刃は神威に顔を寄せ軽い口づけをした。  
「……っ」  
「お弁当、神威さんの好きなものいっぱい入れますから楽しみにして下さいね!」  
少しびっくりした顔の神威に悪戯っぽい笑顔を向けながら、譲刃は部屋から出て行った。  
「…あいつ最近どんどん積極的になってるな」  
そういって唇を押さえる神威の顔には照れたような笑顔が浮かんでいた  
 
一方、譲刃が上機嫌で神威の部屋から出てきたとき、同じ様に部屋から出てくる嵐の姿が見えた  
あの部屋は嵐の部屋ではない、嵐が出てきた部屋の主は…。  
「あ…」  
「……」  
二人の目が合い、微妙な空気が流れる  
「お、おはようございます」  
「…おはようございます」  
譲刃は何とも言えない気恥ずかしさに頬が熱くなるのを感じた。  
目の前の嵐に至っては余程恥ずかしかったのか、林檎のように真っ赤になっている  
「は、早く朝ご飯作っちゃいましょうか」  
「そ、そうですね」  
気恥ずかしさに頬を赤らめながら、嵐と譲刃は台所に向かっていった。  
こうして今日も天の龍学生組の一日が始まるのだった…  
 

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