『具現する夢(桐島3)』  
 
「ねえ、浪君」  
 桐島はねっとりと腰を押し付けながら言った。  
「キミはどんな絵が描きたい?」  
 そこは桐島の薄暗い部屋。もう一月以上も陽に干していない布団の上で  
浪は桐島に組み敷かれていた。  
「あ、別に難しいこと訊いてるんじゃなくて」  
 桐島は濡れた結合部を擦り付けるようにして浪を苛みながら続けた。  
「直感的にどうかって……」  
 そこで急に言葉が途切れる。浪は青い闇の中で桐島の顔が微かに歪むのを見た。  
彼女の体内に取り込まれた浪のソコは妙な蠢きを感じてしまう。  
形のよい乳房やすらりとした腕が伸びる華奢な肩が浮かび上がって見える。  
「返事くらい、したら…」  
 あえて無愛想な言い方だった。しかし桐島の口調はどこか上ずっている。  
そして執拗なまでに彼女は前後運動を繰り返すのだった。  
速度こそゆっくりだったがトロトロになったそこのざわめきと桐島の息遣いは  
それがひどく熱心なものであることを如実に表している。  
「わからない」  
 浪は桐島の硬くなった陰核が自分の付け根に擦りつけられるのを感じながら  
答えた。実際に彼にも分からなかったからだ。  
 桐島は子宮の底からせりあがってくるような深いため息を吐いた。  
「だろうね」  
 二人が黙ってしまうと粘性の水音だけが耳朶をつく。浪は気まずくなって訊ねた。  
「そういえば、机の上にあるのって…」  
「キミ、こんな状況で冷静…」  
 桐島の声は途中で途切れてしまう。二人は繋がったままで会話している。  
どちらかといえば桐島の方が苦しげだったが彼女は何とかすすり泣くような声で答えた。  
「…漫画…ぅ……描いてるんだよ…ん…買ってくれるとこ、ろが……」  
「漫画?」  
 浪は桐島の締まった腰に腕を回す。  
「そ、ぅだよ…今、のが自分の昔の、こと、書い……」  
 桐島はそこまで言うとぎりと歯を食いしばる。  
 自分が少女のころに好きだった人。麻薬がらみで追い詰められたときに「一緒に  
逃げよう」と言ってくれた人の顔が脳裏をよぎり、直接に子宮を握られたような  
甘たるく切ない苦しさを感じたからだ。  
 浪は桐島の変化を敏感に感じ取っていた。彼は逆に桐島を下に組み敷いた。  
そして夢中になって腰を振った。  
 華奢な長い四肢でしがみ付いてくる桐島を浪は楽にしてやるつもりだった。  
「…ぅ……ぅぅ……」  
 桐島はあるいは本当に泣いているのかもしれなかった。  
「ろぅくん、そんな、どうし……ぅんぅ、ぅ…」  
 桐島は浪の行為に驚きながらもそれを受け入れている。  
 しかし浪は気を使っているつもりでもまだ少年だ。要するに慣れていない。  
誤って一番深いところに注ぎ込んでしまう。  
「ぅあ………!」  
 そのとき霧島は体を引きつらせる。自分の中で浪が精液を漏らしたことを感じたからだ。  
 密着した浪には彼女の股や腹の筋肉が浮き上がるのが感じられた。  
そしてその胸が大きく起伏していることも。  
 そのとき桐島がこんな言葉を口にする。  
「血を吸われるのって、こんな感じなのかな…「牙」が自分の中に食い込んできて  
吸われるっていうより満たされる、みたいな…」  
 二人は呼吸が収まり体が静まるまでそのまま抱き合っていた。  
 

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