あの事件からだいぶ経ち、俺の体もようやっと少しは動かせるようになってきた。  
まだ立って歩いたりは無理だが、気分転換に車椅子で庭を散策するぐらいなら  
自称主治医である美津里から許可が出た。  
その美津里だが、ほぼ毎日の様に顔を出しては新しい薬だの器具だのを使ってくる。  
最初のうちは抵抗していたのだが、自分で調べるに薬の中にそれほどやばいモノが  
混ざってないので、最近は薬については無条件で呑んでいたのだ。  
それが失敗だったんだよな…  
 
「京太郎、どうしたのですカ?」  
横向きに寝て汗を流している俺に椎名さんが尋ねてきた。  
「な、なんでもないぞ…」  
理由なんて言えない、言えるワケがない。  
「でモ…苦しそうですヨ?」  
まだ完治してない腰骨に体重がかかっているからしかたがない。しかし、たとえ脂汗を  
流そうとも仰向けになるわけにはいかないのだ。  
「もウ…ほラ、体を拭きますのデ脱いでくださいナ」  
「い、いや、今日は必要ない」  
「駄目でス、けが人ハ清潔にしないトいけないのでス」  
「えっと…ちょっと体調が悪くて…」  
「なラなおさらでス! ええイ、往生際の悪イ!」  
どこでそんな言葉を覚えて来たんだ椎名さん。  
本気になった椎名さんの腕力に勝てる筈もなく、俺はあっけなく仰向けに転がされ  
寝巻きをするすると剥かれて…椎名さんの動きが唐突に止まった。  
 
椎名さんの目は俺の下半身の一点に釘付けになっている。その出っ張りに引っかかった  
寝巻きをこわごわと外すと…俺の、ここ数年は無かったほど張り切った息子が轟然と  
天を突いていた。美津里が置いていった薬を夕食後に呑んだ数分後から、ずーっと  
この状態が続いていたのだ。いったいどんな薬を使ったのか、一向に治まる気配が無い。  
そんな俺のモノを見つめる椎名さん、年頃の女の子が見るもんじゃないぞ。  
と、椎名さんが俺のモノの先端にいきなり口付けをしてきた!  
「し、椎名さん?」  
呆然とする俺の見ている前で、椎名さんはモノの先端を口に含むと上目遣いに俺を見遣り  
にっこりと微笑んだ。  
「…ッ!」  
口の動きが直裁にに亀頭部分に伝わり、その甘い刺激に思わず情けない声を挙げてしまう。  
「ア、痛かったですカ?」  
股間から顔を上げた椎名さんが慌てて聞いてくる。  
「いや…気持ちよかったもので…」  
俺のなんとも間の抜けた答えに、椎名さんはまたも笑みを浮かべて  
「京太郎は寝たままデ大丈夫でス、私に任せてくださイ」  
と言って、顔を股間に戻していった。  
 
いやはやなんとも、すばらしい技術だ。舌を伸ばして鈴口をくすぐったかと思えば、  
横咥えにして竿の先端から根元まで往復する。カリ首に軽く歯を当てて刺激してきたり  
裏筋を舌で刺激してきたりする。手の方も陰嚢をやわやわと揉み解したり内股を軽く  
撫で摩ったりと抜かりない。そんな動作の合間合間に俺の顔を見上げて確認するのも  
忘れない。その度に微笑まれるのもなかなかに視覚的効果がある。  
おお、思いっきり深く咥え込まれた。あれだと喉奥に達してるよな。先端に触れるのは  
口蓋睡の感触か? などと冷静に考えるのは、股間から沸き起こされる刺激があまりに  
甘美だから気をそらしたいからで、そんな努力も限界があるわけで…  
「ウウッ!」  
数分後には俺は椎名さんの喉奥に向けて激しく噴き上げていた。  
「ンッ…ンッ!」  
椎名さんは俺のモノを咥えたまま、それを残らず飲み干していく。気が付いたら俺の手は  
椎名さんの頭を押さえ込んでいた。無意識に離すまいと思ったんだろうか。  
すべてを飲み干した椎名さんは「プハッ」と息をつきながら、俺に満面の笑みを見せた。  
 
「…えーと、その…最高だったな」  
俺の傍ら、何故か一緒の布団に潜り込んだ椎名さんに遠慮がちに言ってみる。  
「そうですカ、そう言って貰えると私もうれしいでス」  
何か艶話というには違和感があるな。  
「朱乃サンに教えてもらっタ甲斐がありましタ」  
…何?  
「京太郎に御礼をするにはどうしたらよいカ、朱乃サンに尋ねたのでス。そうしたら  
『男をよろこばせる方法』を懇切丁寧ニ教えてくれましタ」  
"喜ばせる"じゃなくて”悦ばせる"じゃないのかね、それは。しかし、その道の最高峰  
直伝の技だったわけか。  
「虎蔵サンを相手に実演までしてくれましたヨ」  
何ですと?  
「虎蔵サンはぐるぐるに縛られていましたガ…」  
奴が最近姿を見せないのはそれでか。  
「虎蔵サンの犠牲は無駄には出来ませン! と言うわけデ、京太郎にはしっかり  
 よろこんでもらいまス!」  
握り拳なんか作って宣言した椎名さんは、突っ込みどころを考え付く前に俺の下半身の  
ほうにずりずりと移動した。  
「ウフフ… 京太郎、元気ですネ」  
そう、俺の愚息は一度放ったにもかかわらず、ずっと硬度を保っていたのだった。  
恐るべし、美津里謹製強精薬…単なる強精薬だよな? 変なもんじゃないよな?  
持ち主の心配をよそに、ソレは椎名さんの手さばきを受けてさらに仰角を増すのであった。  
 
「今度ハちゃんと出来ますネ」  
俺の股間を湿し終わった椎名さんは、そんなことを言うと自分の寝巻きのすそをからげ、  
俺の腰をまたぎ膝を突いた。枕の下に座布団を入れた上体を起こした俺の視界には、  
椎名さんの朧毛もそれが隠そうとして隠し切れない、露を含んだ柔肉もしっかりと  
見えている。  
そうだよな、下も金髪なんだよな。いや診察の時に何度も見ているけど、こういう場面で  
見ると新鮮だな。などと考えている間に、椎名さんはゆっくり腰を沈めていった。  
クチュ モノの先端が湿った粘膜に触れると、椎名さんはそのままモノを前後に動かして  
自らを刺激していった。接触点から立ち上る水っぽい音とふくよかな香りが濃くなっていく。  
そして与えられた刺激に、モノも硬度を増していく。  
「ン… もう大丈夫ですネ」  
目元を赤らめながら微笑んだ椎名さんは、しっかり角度を定めると一気に俺のモノを  
収め入れた。  
「ンク…イッ…ンー!」  
顔を仰向けて目をつぶり唇を噛み締める椎名さん、その股間からは内側から押し出された  
愛液と血。 血?  
「椎名さん、まさか…?」  
驚愕して思わず尋ねる俺。  
「はい、初めてでス。 でも大丈夫ですヨ」  
「いや、しかし…」  
「初めての相手は本当に信頼して全てを預けられる人、そう御祖母さんに言われましタ。  
 だから私は、京太郎に捧げたのでス」  
そんな事をのたまい、笑顔を向けてくる椎名さん。そんな彼女にもはや俺は返す言葉が  
無かった。ただ呆然としているだけだった。  
それでも、胸の奥に何か暖かいものが生まれるのだけは感じ取れた。  
 
椎名さんが俺の上でゆっくり腰を動かし始めた。俺の体に体重をかけないように  
気を使ってくれるのが有難い。と言うか…  
何だこの感触は! 動きはゆるいのに、胎内で暖かい柔肉が俺のモノに吸い付いて  
しごき上げていく。ミミズ千匹とか数の子天井どころの話じゃない!  
これは椎名さんの天賦の才か後付された機能なのか? まさか朱乃さんの実技指導でも  
こんな技術は習得できないだろうし…  
そんな事を考える俺のモノのカリ首あたりがこしょこしょとくすぐられ、先端には  
吸い込まれる感触、そして根元がきゅっと絞り込まれる。  
いや、これは構造上不可能だろう! 脳裏で女性のその部分の腑分け図を思い浮かべ  
ようとするが、あまりの快楽にうまくいかない。と言うか、もう限界っ! 限界がっ!  
目をつぶって歯を食いしばった俺に  
「大丈夫ですヨ、中に出してモ子供は出来ませんかラ」  
思わず開けた目に飛び込んできたのは、椎名さんの笑顔。いつもと違う寂しさを多分に  
含んだ笑顔に思わず言ってしまった。  
「そうか、それは残念だな」  
一瞬キョトンとした椎名さんだったが、意味を理解したのか再び笑顔に戻った。  
しかし今度は今にも泣きそうな笑顔だった。  
そのまま椎名さんは俺の胸に倒れこんできて、首筋に顔を埋めて泣きはじめた。  
そんな椎名さんを、俺は不自由な腕でしっかりと抱きしめた。  
椎名さんの胎が俺のモノを締め上げてきた。その何が何でも離すまいというような感触に  
逆らわず、俺は思いのたけを存分に椎名さんの奥に吹き上げた。そうしながら、俺は  
椎名さんを抱きしめ続けた。  
「…アリガトウ、京太郎…アリガトウ…」  
そう言いながら泣きじゃくる椎名さんを、俺は抱きしめ続けた。  
 
その頃、某遊郭の一部屋で  
「なあ、もうそろそろ出しちゃくれねえか?」  
「ツケを払ったら開放して差し上げますって」  
「だからツケを払うために仕事しにいかなきゃならないんだって」  
「だからツケを払えば出してあげますってば」  
ぐるぐる芋虫(干からびかけ)と美人遊女(お肌つやつや)の不毛な会話が繰り広げられ…  
 
同じ頃、某骨董品店の一室で。  
「ここまでうまくいくとはねぇ」と眼鏡熟女がぶひゃひゃひゃと笑い、  
「ほうほう」と眼鏡青年医師が熱心に観察メモをとり、  
「……」と黒髪ロング美少女が赤い顔を手で覆いながら指の隙間からしっかりと見て、  
そんな三人の前で水晶球が絡み合う二人の映像をしっかりと映していた。  
画像の左上には「●REC」と赤い文字が点滅していて…  
 
 
 今日も平和だっ!!  
 
 
 
 
 
 
j(水晶球に再生される画像に見入っている)  
J「また見ているのかい、いったい何回目だね」  
j「ハァ…いいなぁ」  
J「ん?」  
j「こういうのって素敵ですよね〜」  
J「…」  
j「こんな泣いちゃう程愛されるって、羨ましいですよね〜」  
J「…(いろいろとめんどくさいだけだと思うよ)」  
j「やっぱり女の子って、燃えるような恋に憧れたりするわけですよ!」  
J「…(女の子って歳でもあるまいに)」  
j「何か?」  
J「あ、いや、なんでもない(汗)」  
j「はぁ…私もこんな風に激しく愛されてみたいな〜」  
J「…」  
j「私も燃えるような恋愛してみたいな〜(チラッ)」  
J「………すれば?」  
j「………………………………………………………………………………(-_-#)」  
 
 数日後  
J「なあジュネ、この通販で買った鎖と首輪と手錠と足枷は何に使うんだね?」  
 
 

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