それはあまりに月が輝いていたからかもしれない
深夜になっても目が冴えて眠れなかった和己はふらりと散策に出かけることにした
足の向くままヒッシャムの研究所(といってもプレハブ小屋だが)までやって来る
と当のアラビア人がなにやら沈痛な面持ちで畑の中に座り込んでいる
声を掛けようとした和己はふと目に入った窓の中の光景に息を呑んだ
月明かりの下に幻想的な緑色の裸身が歩み出る
ヘチマやキュウリに囲まれて「拳で語る」ヒッシャムと和己を発見して「?」
マークを浮かべるオシリスはいつもの球根下半身ではなく魅惑のヒップライン
と黄金の脚線を持つ完全人間体だ
しばらく見物していたがさすがに延々と殴りあう野郎二人を見かねたか背中に
生やした触手の先から「酸味の強い」樹液を噴霧する
全身からじゅうじゅうと白煙をあげのたうち回る二人を見て唐突に「蓑踊り」
という単語を連想したオシリスだった
ビデオカメラや照明機材を抱えた男達が右往左往するプレハブ小屋の中で和己はオシリスからことの
次第を聞かされていた
「ものすごく簡単に説明するとヒッシャムの借金をチャラにしてもらう代わりにインディーズビデオ
に出演している訳だ」
オシリスの指先から放たれる紫色の光線がCDプレイヤーに吸い込まれるとスピーカーから柚木涼香
に似たセクシーな声が流れ出す
返す当ても無いのに町金融に手を出すからだとため息を吐くオシリス
「でもアダルトビデオなんて、警察に相談すれば・・・」
「ヒッシャムのビザの在留期限などとっくに切れておる、警察沙汰にしたくないのはお互い様だ」
苦笑いするオシリスにスタッフから声が掛かった
「オシリスさーん、本番いきまーす」
裸の体を包んでいたシーツを足元に落とし一糸纏わぬ姿になったオシリスは不意に悪戯っぽい表情
を浮かべた
「和己、相手役をやらないか?」
それはあまりに月が輝いていたからかもしれない
あるいはオシリスの放つ妖しい香りに酔わされたからかもしれない
気が付くと和己は上半身裸にされ跪いたオシリスの指はズボンのベルトにかかっていた
しなやかな指先が馴れた動きでズボンとブリーフを引き下ろすと
女性的と言ってもいい華奢な体からは想像もできないワイルドでスパルタンなモノが現出する
思わず息を呑むオシリス
「ウホッ!」
「負けた・・・」
漏らすセリフは様々だが一様に感銘を受けた様子の撮影班
成り行きでカメラの前に立ったものの次のアクションを起こすことができず棒立ちの和己
そして主人同様垂直に近い角度でそそり立つ雄大な分身に両手を添えたオシリスは
妖艶な笑みを浮かべつつゆっくりと舌を絡めていった
冷え冷えとした月明かりの下
硝子細工のような美少年と人型の妖花が絡み合う
舌と指を使い和己の肉槍を弄んでいるうちは主導権を握っていたオシリスだったが
彼女の余裕も自らの秘所に18インチ砲を迎え入れるまでだった
いまやオシリスは暴風雨に晒された葦さながら
フレキシブルに動く少年の腰の上で熟れた果肉を突き嬲られ
壊れた人形の様に淫靡なダンスを踊り続ける
そんなオソリスの姿に更にヒートアップする和己
乱暴にオシリスを抱きしめると豊かな胸に顔を埋め
たっぷりとしたボリュームを持つ双丘の頂でふるふると震える青豆を
交互に口に含んで甘噛みする
「〜〜〜ッ!!」
少年が乳首に歯を立てる度に深緑色の髪を振り乱し無言の叫びをあげるオシリス
そんな中
出し抜けにがっしりとした指が和己の細い腰に添えられる
「な、何?」
いつに間にかジョシュ・バーネットそっくりなAV男優が和己のバックを取っていた
ジョシュ(仮名)はニヤリと笑うと
「YouはShock!」
和己の菊門を貫いた
「ひぎぃ!」
和己のエクスカリバーに勝るとも劣らぬ業物が穢れを知らぬ少年の不浄の穴を蹂躙する
怒張した肉欲棒で荒々しく突かれる度に
眼球の裏側で七色の花火が炸裂し
脊髄の奥をシベリア超特急が駆け抜ける
危うく刻の涙を見てしまいそうになった和己だったが
人体に備わった防衛機構が脳内麻薬の分泌を促したのか
あるいは生来の受け体質がここに来て開花したのか
内臓を犯される激痛もいつしか痺れるような快感に変わり
前の穴を和己に
後ろの穴をドン・フライに似た中年に責められ失神寸前のオシリスと抱き合った和己は
熱っぽい喘ぎを漏らしながらオシリスの甘い唇を貪った
背広姿の監督(なぜか星野勘太郎に瓜二つだ)の指示で撮影スタッフ(なぜか
全員マスクマンだ)がセットの模様替えをしている間
穴という穴に精液を注ぎ込まれ意識を失った和己とオシリスは
ジョシュ(仮名)とドン(仮名)によって屋外に運び出され
簡易シャワーで全身を入念に洗い清められていた
やがて監督の合図で再び撮影が始まる
グラマラスな肢体を革ベルトで拘束されたオシリスは膝立ちの姿勢で
全裸にコートを羽織り右手に日本刀を持ったドン(仮名)の股間に顔を押し付けられ
臍まで反り返ったモノをしゃぶらされる
そこにフレームインしてきたジョシュ(仮名)はブーメランパンツを履き
フルフェイスのヘルメット(なぜか後頭部に修正液で「オレの名前を言ってみろ」
と書かれている)を被っている
右手に持つのは乗馬鞭
左手に持った鎖の先には全裸に首輪を付けられ四つん這いにさせられた和己がいた
ドン(仮名)が場所を空け
ジョシュ(仮名)が鎖を持ち上げて和己を立ち上がらせる
疲れ切った表情で和己のモノを口に含み頭を動かし始めるオシリス
上半身の動きに合わせ釣鐘型に張り出した見事な乳房がたぷたぷと揺れる
ドン(仮名)の手がたわわに実った果実を鷲掴み
柔らかな乳肉を握り潰すように揉み込むと
ツンと勃起したニプルの先から透明な蜜が滲み出る
粘度の低い水飴の様に糸を引いて滴り落ちる蜜が足元に置かれたアルミのスープ皿一杯になった頃
和己も限界を迎えていた
ドン(仮名)はオシリスの髪を掴み和己のモノから引き剥がす
勢いよく迸った白濁液はスープ皿に受け止められた
日本刀の切っ先で皿の中身をかき混ぜるとつま先で和己の前に押しやるドン(仮名)
ジョシュ(仮名)が少年の背中を鞭で打つと
和己は自分のチ○ポミルクの混じった粘液を音を立てて舐めはじめた
節くれだった指が力無く横たわるオシリスの髪を掴んで乱暴に引っ張ると
湿った音を立てて頭皮が剥れぽっかりと空いた裂け目から黒くて平べったくて
テカテカしたものが頭を出すと触角を震わせてチィと鳴いた
オシリスの全身を食い破って溢れ出した甲虫の群れはあれよあれよという間に
床を埋め尽くすほどの量となった
パニックに陥った撮影スタッフに突き飛ばされたり蹴転がされたりしてあちこちに
擦傷を負った和己がよろめきながら小屋の外に脱出すると全身を甲虫にたかられた
ヒッシャムが目の前を駆けていく
突然地震が起こり地割れに飲み込まれたヒッシャムを追って熱い蒸気を吹き上げる
底なしの深淵へ飛び込んでいく甲虫の群れ
最後の一匹が姿を消すと同時にひときわ激しい揺れが襲い地面に空いた亀裂がぴしゃりと
口を閉じると後には魔法のように何の痕跡も残らなかった
月明りの下一人立ち尽くす和己は天を仰いで叫んだ
「イムホテーップ!」